アットウィキロゴ

9-152 名前:光と闇の天秤[貼り直し] 投稿日:2005/09/02(金) 00:02:54 ID:QSVyrBEaO
プロローグ

麻帆良大学の葉加瀬の研究室
暗い部屋でパソコンに彼女は向かっていた、キーボードを叩く音が響き渡る
最後の一行を打ち終えエンターキーを押す
彼女の後ろにある機械が唸りを挙げる、椅子から立ち満足げに微笑む
「葉加瀬君、完璧なのかね」
初老の男が問い掛ける
「先生、大丈夫です」
「そうか」
男が微笑む
だがそれは普段の彼とは少し違っていた

同じ頃
「よし、今夜も平和」
夜の公園にシスターがいた
彼女はそう呟くとベンチに腰を下ろしベールを脱ぐ
まだ幼いざんぎり頭の少女、春日美空の顔が月夜に映る
彼女は実はかなりの力を持つエクソシスト、聖剣を任される存在だった
「まだまだだな」
ペットボトルの水に口を付ける美空に声を掛ける少女、エヴァンジェリン・A・K・マクドゥエルだった
彼女は吸血鬼の真祖、だが今は力を封印されている
「エヴァさん」
美空は気軽に声を掛ける、端から見れば異様な光景である
「ふん、雑魚がいたぞ」
エヴァの手にはじたばたするグレムリンがいた
「あ…」
「だからお前は甘い、まったく」
あっさりグレムリンを握り潰し輸血パックの血を飲むエヴァ、美空は溜息を付く
だが二人はこれから起こる事件をまだ知らない

9-187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/09/02(金) 10:34:07 ID:QSVyrBEaO
エヴァは朝の紅茶を飲んでいた
「外が騒がしいようだな」
「はい、マスター。最近怪事件が多発しています」
エヴァの言う外とは麻帆良学園都市の外の事である
「負の気が悪意となり奴らを呼ぶ。全く人間共は」
「ココハケッカイノナカダカラアンシンダナ」
チャチャゼロはケラケラ笑う
紅茶を空けるとエヴァはさっと制服に着替え出掛ける
「マスターお食事は」
「要らん」
「マタアイツカ、マスターモモノズキダナ」
チャチャゼロを睨み、エヴァは出て行く
「姉さん、困ります」
「ケケケ」
エヴァは学園の中庭に向かった、朝早く生徒もいない
「エヴァさーん」
美空が元気な声で呼ぶ、エヴァは足速に美空の元に行き、隣に座る
「どうぞ」
美空はサンドイッチと紅茶を差し出す。それをエヴァは手に取り口に運ぶ、隣で美空も食べている
「お前、最近どうだ」
「最近…ですか?」
「夜の事だ、外の事件は知ってるだろ」
「知ってます。学園都市はまだ大丈夫ですよ」
エヴァが本来敵の美空と話すのはありえない
ある一件以来いわゆる休戦状態なのだ
「むっ!」
ただならぬ気にエヴァが立ち上がる、美空も感じたようだ
食事を放り出し、二人は走り出した

9-428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/09/04(日) 09:40:55 ID:i7JNPkvxO
「くっ…」
楓は忍者刀を構える
彼女の背後には風香、史伽が抱き合い震えている
楓が対峙しているのは巨大な蟹、沢沿いで修行中突如現れたのだ
「あの甲羅には苦無も刀も効かぬ、この場は突貫して二人を逃がすでござる」
楓は双子に逃げるよう促し自分は蟹の懐に飛び込み、甲羅の継ぎ目に刀を突き立てる
蟹は巨大な鋏で楓を弾き飛ばす
「もはやこれまでか…」
突如幾つもの光の矢が蟹の側面を穿つ、同時に楓を誰かが抱えて跳ぶ
「大丈夫か忍者」
「エヴァ殿」
自分より大きな楓を抱えエヴァはニヤリと笑う
蟹の方に目をやると、制服姿に銀の剣を帯びた美空が剣で蟹と互角の遣り合いをしている
「美空…殿か?」
「あれがあいつの正体だ」
エヴァは召喚に応じた茶々丸に楓を預けると蟹に向かう
ガキィン
剣と鋏が鈍い音を立てる
「剣よ!」
美空の周りに幾つもの剣が現れ、蟹に飛ぶ
甲羅に弾かれつつも幾つかは継ぎ目に当たり蟹は苦悶する
「全くじれったいぞ」
エヴァがその二の腕を振る
蟹の動きが止まる、何かに縛られていた
好機と見た美空は蟹の上に立ち、剣を突き立てる
剣が光り蟹は爆散した
「こんな奴が入り込むなんて」
「わからんが、何かあるな」
異変が始まりを告げた

9-453 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/09/04(日) 15:44:32 ID:i7JNPkvxO
疲れた
あの日以来化け蟹三匹、はぐれ妖狐と火車、エヴァさんがサポートしてくれなければ死んでいたかも知れない
身体が痛い、エヴァさんも隠れて輸血パックの血を飲んでいる
今日の火車戦は氷の魔法が必要だから無理していた
今、学園都市は戒厳令のようだ
化け蟹の件の後私たちは学園長に呼ばれ口止めと魔物退治を命じられた
ネギ先生、明日菜さん、刹那さんたちも協力してくれるので安心なのですがエヴァさんが心配です
学園長の疑念に私とネギ先生が反論して疑いは晴れたものの、エヴァさんが何かしたとの疑念はタカミチ先生などにもあるようです
神よ、私は間違っていますか?
私は神の言う選ばれた者の法と秩序も力を持つ者たちの争う混沌、どちらも嫌いです
私はきっと解り逢える、そう信じていたい
いつかきっと…
「やれやれ純粋でごさるな」
「言うな、寝かせてやろう」
エヴァと楓だった
美空が日記を書いているうちに寝てしまった所に訪ねて来たのだ
「しかしながらおかしいでござるな、結界が強くなればなる程敵が増える」
エヴァは考えるのみだ
だが答は見つからない
「まあ、今は休ませてやろう」
去る二人、美空はすやすやと寝息をたてていた
未来を夢見て

9-570 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/09/05(月) 06:26:58 ID:IgJimsdwO
唸りを上げる巨大な機械
葉加瀬の研究室は怪しい輝きに満ちていた
「一度起動すれば周囲の魔力を触媒を介して増幅、半永久的に動き続ける」
自画自賛する葉加瀬
彼女はその先にある物を妄想していた
(この者を選び正解であったわ、もうすぐだ)
後ろに立つ教師
生活指導の新田は歪んだ笑みを浮かべる、機械の触媒に使われている鈎玉は彼が持ち込んだ
葉加瀬に近付き太古の鈎玉に魔力を送り込み増幅させる機械を造らせた
葉加瀬は研究となると周囲が見えない
それはまさに好都合だったのだ
他の生徒なら魔物騒ぎに警戒し中止しかねない
(人とはなんと愚かしい)
葉加瀬の夢への情熱を踏み躙る、卑劣な行為
新田は研究室を後にする、彼の背中にうっすらと影が浮かんだ

「何あれ」
生徒達が騒いでいる
巨大な三本足の烏が時計塔に留まりじっと見下ろす
美空達が駆け付ける
「あれは…まさか…嘘や」木乃香が震える
「お嬢様!」
烏ながら神聖さを感じる
美空はエヴァに問う
「あいつに聞いた方がいい、この国は専門外だ」
仕方なく震える木乃香に聞く
「あれはヤタガラスや、神さんの使いや」
凶を告げるヤタガラス
何を伝えるのだろうか

9-584 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/09/05(月) 12:45:12 ID:IgJimsdwO
ヤタガラス
熊野の護り神にして天津神の御使い
古くは神武天皇の道案内をしたといわれ勝利の鳥とも言われている
だが神のメッセンジャーとして凶事の報せをしたりもしている
学園都市の有り様では後者であろう、それは霊力の強い木乃香の怯え様から判る
ヤタガラスは美空達を認めると地上に舞い降りる、咄嗟に戦闘態勢を取る美空達
「アワテルデナイ」
頭に声が響く
ぎこちない声は、だんだんはっきりと聞こえだす
「我は神の御使い、この地の異変に神の言葉告げに参った」
エヴァは気に食わない風に、睨み付ける
「勿体ぶるなさっさと言え。神族の烏」
エヴァの態度にも動じずヤタガラスは語る
「いいだろう、この地の気が荒神に集まりつつある、時は無い」
頭に響く声は重い
「異国の神に仕えつつも、教えに反し光と闇の調和夢見る者と人を否定しつつも人を信じる事に悩み、苦しむ者よ」
美空、そしてエヴァを見てヤタガラスは言う
「荒ぶる神を討つはそなたらなり」
ヤタガラスは羽ばたき飛び去る、誰もが言葉を失っていた。
「天津神め…」
物陰で舌打ちする新田、鈎玉を埋め何か唱える
地中から男女が現れ頭を垂れる
「あの二人を殺せ」
二人の刺客は地中に消えた

9-589 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/09/05(月) 15:05:12 ID:IgJimsdwO
ヤタガラスの事件の後、学園は休校になった
美空、エヴァなど主だった者達が話し合いを行ったが、纏まらず解散となった
「勝手な事を」
エヴァは苛立っていた、神の勝手な言葉と自分に向けられた言葉
エヴァの屋敷にエヴァ、美空、楓がいた
エヴァは苛立ち美空は無言、楓は黙りつつ二人を見ていた
「あの烏の言葉は真実でござろうな」
楓が呟く、言葉とはエヴァと美空それぞれに宛てられたそれぞれの心根
美空については日記で知っている、エヴァについては否定はしているが当たりだろう
二人は黙ったまま
楓が聞く
「なあ、話しては貰えぬか今のお二方がなぜ休戦なのかを」
楓はそこに二人の心根を知る鍵と考えた
「貴様には関係ない」
エヴァは突っ撥ねる
美空が口を開いた
「エヴァさん素直になりましょう」
美空の言葉には力があった
「勝手にしろ」
美空は静かに語り始めた

9-669 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/09/06(火) 00:46:48 ID:XItNhO4fO
雨が降る夜の学園の中庭で美空は完全装備で佇む
[神の名において正々堂々戦いを申し込む]果たし状を美空は渡していた
相手は真祖エヴァンジェリン、教会から討伐を命じられた悪
約束の時間になった
黒いマントの少女エヴァンジェリンは現れた、力無くとも全力で戦う
それに感服した美空は、エヴァに正々堂々の戦いを挑んだのだ
「剣の美空、参ります」
名乗りを上げるが反応が無い、エヴァンジェリンは倒れる
慌てて駆け寄るとエヴァンジェリンは深手を負っている
「お前だったのか…教会の茶番に踊らされて…るぞ」
「まさか?」
「その通りだ…弱った狩りの獲物…さあ、止めを刺せ…最後に逢いたかった、ナギ…ナギ!」
美空は全てを悟り、そして剣で腕を切り裂いた
「何をする」
美空は自分の血をエヴァに飲ませた、エヴァを助けたのだ
「私は望まない、愛する人の名を叫ぶあなたは殺せない」
教会に怒りが込み上げる、美空は自分に従ったのだ
やがて雨と出血で美空は倒れた
翌日美空はエヴァの屋敷で目を覚ます。腕は包帯が巻かれていた
「エヴァンジェリン」
「エヴァでいい馬鹿、私と戦う?未熟だ相手にならん」
美空は笑って
「では相手になるまで休戦ですね」
「ふっ、いいだろう」

9-704 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/09/06(火) 14:01:14 ID:XItNhO4fO
「なるほど、そういう事があったでござるか」
「はい、私は破門覚悟で助けたんです」
ふむふむと楓は頷く
「だが破門にはならなかった」
エヴァは紅茶を手に美空を見る
「多分この剣のせいだと思います。あの後も剣は私を選びましたから」
美空は剣を楓に渡し、抜くように言う
抜けない、少しも動かない
「これは驚きでござる」
「この剣は神の意思が篭ると言われてます。だから選ばれるとは神に認められた証」
「おいそれと破門に出来ぬと言う訳でござるな」
楓は剣を返し、美空に疑問を問う
「もし教会の陰謀でなくエヴァ殿の演技だったらおぬしは死んでいた。なぜ信じられたのか?」
美空は当然のように答える
「ナギさんの名を叫ぶエヴァさんの悲しみと切なさ、真実の愛を見たからです」
「馬鹿、何を…」
真っ赤になるエヴァに美空は微笑み
「騙されても信じたい、あの場合死んでも悔いは無かった」
楓は頷き、エヴァにも問う
「エヴァ殿は倒れた美空殿を何故助けたでござるか?美空殿が勝手にしたことに関わる事もあるまいに」
エヴァは目を逸らし
「血の代償は我々には何事にも替えられんからだ」
(なるほど、素直で無いでござる)
楓はある決意をした
(我等の出番でござるな)

9-745 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/09/06(火) 23:29:38 ID:XItNhO4fO
楓が走る
目指すは大学の旧工学科学舎
〜一時間前〜
「楓姉、言った通りだったよ。大学が遺跡から見つけた赤い鈎玉がぼくらが蟹に襲われた少し前に盗まれたって大騒ぎ」
「こっちも当たりーハカセ最近大学の旧工学科学舎に篭りっきり。しかもあの辺り空気が重いって」
「あいあい、初仕事ご苦労様でござる」
忍び姿の鳴滝姉妹に優しい言葉をかけ、部屋に帰す
「やはり睨んだ通りでござったか」
走りながら回想する

エヴァと美空の話を聞いた後、楓は二人の為忍びとして動いていた
前向きで信じる未来がある美空
人を否定するも関わるうちにジレンマを抱いてしまったエヴァ
楓は心底思った
どちらも無くしたくないと
ヤタガラスの言葉が本当ならまだ時間がある。ならばその前に
楓は鳴滝姉妹を使うと共に自らも駆け回りようやくここに至った、忍びの力あってこそである
(よもやハカセ殿がとは思うが)
学舎の陰で様子を伺う。明るい部屋がハカセが居る部屋だろう
史伽が言う通り空気が重苦しい。そんな時学舎に入る人影を見る
(あれは、新田?)
いつもと様子が違う
楓は後を追い、学舎に潜入した

9-776 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/09/07(水) 07:55:06 ID:h5P6prA5O
楓は新田を追い潜入を試みた、だが何か力のような物に阻まれる
「どうしました」
楓ははっと振り向く
新田が居た、だが発する気は違っていた
「何者でごさる」
楓の問いに新田は笑い
「鼠に答える義理は無い」
そう言うと共に地中から男女が現れる。前に刺客として生み出した二人だ
楓は刀を抜き対峙する、新田は笑いと共に消える
「不覚!」
美空はエヴァの屋敷に泊まっていた
眠れずいろいろ考えていたその時
「タイヘンダゼ!シスター」
チャチャゼロが飛び込んで来て美空を玄関ロビーに案内する、そこには楓が傷つき茶々丸に手当てされていた
そして楓をこんな姿にした者達も居た
「屋敷の結界に苦労していたが」
「この鼠の血のお陰で入れた、間抜けな鼠よ」
エヴァは二人を睨んで瞬きすらしない、茶々丸が言う
「マスターのあのような状態は見た事がありません」
楓に治癒の術を施すと美空はエヴァの横へ
「お前は来るな。こいつらは私が倒す」
静かな怒り、そしてこんな事態を招いた自分への悔しさ
美空はそれを感じた、美空もそうだった
「私も同じ気持ちです」
剣を呼び、指先を切る
「血をどうぞ、全力で倒したいはず」
エヴァは血を吸い、言う
「始めようか我が友の為に」

9-781 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/09/07(水) 10:57:25 ID:h5P6prA5O
魔物に姿を変えた男女と対峙するエヴァと美空
「血を吸わねば力もだせぬか」
エヴァは笑みを浮かべ
「真祖の恐ろしさ、身を持って知れ」
瞬く間に、大人の姿になるエヴァ。美空の聖職者の血と今の思いが本来の姿を呼んだのだ
美空はその姿に驚くが同時に嬉しくもあった
「剣の美空いざ参る」
剣を抜きエヴァと共に駆け出す、相手も同様だ
エヴァが飛び掛かる相手の腹に蹴りを見舞い、同時に詠唱していた魔法を放つ
鋭利な氷の矢がまだ浮いている相手を貫き、壁に吹き飛ばす
美空は相手の鋭い爪をかるく剣で受け流し、三連続の斬撃からの足技や攻撃魔法など巧なコンビネーションを見せる
「やはり見込み通りでござる」
「わざとやりましたね、マスターとあの方を試す為に」
「忍びとはしくじっても手を考えているものでござる」
楓は茶々丸に笑みを見せる
美空は剣をわざと空振りする、相手が隙とみて掛かる所を空振りの勢いから回し蹴りそして突き
剣は相手の胸を突き抜ける
「剣よ裁きを」
爆散する敵、美空は剣を納める
一方エヴァは最初の一撃で瀕死の相手いたぶりバラバラに刻んだ、貫禄の勝利である
「流石ですね!でもさっき友とか…」
「うっ…言うな」
エヴァは大人の姿で照れた

9-840 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[昼に投下してました] 投稿日:2005/09/07(水) 22:38:11 ID:h5P6prA5O
戦いが終わり、エヴァは元の少女の姿に戻り一息着いていた
美空は剣を手入れしている
二人共寝間着である
襲撃の際もそうだったが茶々丸が気を利かせてくれたのだ
包帯姿の楓はそんな二人に自分が調べた事を話している
二人共聞いてないようでしっかり聞いていた、戦いの後とはこんな感じである
「ハカセが利用されているのは解ったが、新田を操ってるのが何かだな」
「せめて入り込む事が出来たら、無念でごさる」
「楓さんのお陰でかなりの進展です」
エヴァは勝手な事をと睨むが、内心感謝していた
美空も楓も解っているから何も言わないのだ
しばしの後
「仕掛けるか」
「行きますか」
まるで遊ぶ計画のように乗り込むのを決める二人
楓は微笑み静かに去った
二人はその夜一緒に寝た、どちらともなく自然にだ
手を繋ぎ眠りに落ちる二人、手は離される事は無かった

9-897 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[保守がわり] 投稿日:2005/09/08(木) 06:29:55 ID:v3TsSmdnO
目が覚めた
暗いからまだ夜なんだな
寝た時繋いだ手はまだ繋がれたまま
エヴァさんの感触が柔らかい
ふと横を見ると、エヴァさんがこちらを向いて寝息を立てている
子供と変わらない寝顔
でもいつかは…
また眠くなってきた
そっとエヴァさんのおでこにキスをして、私はまた眠りに落ちた

9-900 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/09/08(木) 08:28:50 ID:v3TsSmdnO
「まさかこうも簡単に」
新田は歯噛みする、背後で唸りを挙げる機械は赤い輝きを不気味に放つ
操作するハカセは魂が抜かれたかのように虚ろな目で操作している
「少し早いが…仕方あるまい」

翌朝
二人は何事も無く起き、茶々丸が用意した朝食と紅茶を飲む
何も語らない、だが表情は柔らかい
制服に着替え学校へ
その時茶々丸が美空を引き止める
「貴女はマスターの敵、私にとっても敵ですが…エラーでしょうか?憎めません」
美空は茶々丸に微笑む、茶々丸から次に出た台詞は
「マスターを頼みます」
「はい」
学校での日常、騒がしいが愛すべき級友、なぜか輝いて見えた
一日がとても長かった、でも楽しかった
そしていよいよ夜、エヴァ、美空共凛々しい姿で屋敷を出た、そして
「来ちゃいましたね」
「ああ、だが見ろ焦ってるぞ」
学舎は赤いオーラに包まれ、入り口前には多くの魔物武者
「抜けるか?」
「当然」
迫る敵、敵に向かい走りだそうとしたその時

9-909 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[どんどんいくよ] 投稿日:2005/09/08(木) 13:38:31 ID:v3TsSmdnO
一迅の風が吹き抜ける
そして舞う白い羽根、苦無、銃声
敵の一例があっと言う間に倒れ土くれになる
たじろぐ敵に振り向く二人
「先生、みんな!」
「ぼ、ぼーや」
ネギを筆頭にクラス全員が居た
「勝手に飛び込むなんて、委員長の私が許しません事よ」
「い、いいんちょさん…」
あやかとネギのやりとりにエヴァが楓を睨む
「さて、朝倉殿ー」
「あはは、さよちゃんからおかしいって聞いてから調べてただけだよー」
「雑談ええから早く」
木乃香の言葉に振り返り見ると刹那、龍宮、明日菜らが道を開いていた
「戦えないメンバーはワタシのバリアの中で祈ってるヨ、ハカセを頼むネ」
超が鉄扇で敵を叩きながら言う
「まったく…馬鹿が!」
「行ってきます」
二人は駆け出した、心強い後押しを受けて
木乃香が叫ぶ
「相手はタケミナカタや、注意しいやー!」
タケミナカタ
国譲りに最後まで逆らった、国津神の猛将にして風と水の神
いよいよ決戦は近付いていた

9-960 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/09/08(木) 23:04:13 ID:v3TsSmdnO
クラスメートの開いた道を一気に駆け学舎内に飛び込む、障壁は無く、まるで迎え入れているかのようだ
まず見つけたのは新田
怯えていて話しにならない、さらに進む
敵はいない、赤いオーラが威圧的だった
前から人が来る、ハカセだ
「ハカセさん、大丈夫ですか?」
「こんな…」
ハカセは泣きだした、美空は抱き締める
「外にみんないます、さあ」
「合わせる顔無いよ」
「心配するな、超が心配していたぞ」
エヴァが肩を叩く
「ありがとう…」
ハカセは頷き走って行った
声が響く
「待っておったぞ天津の犬」
奥の部屋からだった
「天津など関係ない」
「私達は自分の意思で」
二人は歩を進め扉を開けた

9-964 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/09/08(木) 23:57:49 ID:v3TsSmdnO
部屋のなかはケーブルや部品が散乱していた
そして中央にタケミナカタはいた、だがその姿は下半身が機械と一体化したおぞましい物だった
「無様だな神よ」
「ほざけ、貴様らさえいなければ…」
剣を手にした上半身は怒りに燃え、憤怒の表情を浮かべていた
「下らん、行くぞ」
「はい!」
二人はタケミナカタに挑む
タケミナカタは足の替わりに無数のケーブルで牽制し、剣と魔法で襲い掛かる
「くっ、流石」
美空はタケミナカタの剛剣に怯みつつも斬り掛かる
エヴァは少ない魔力を上手く使い援護する
見事な連携だった
何年もコンビを組んでいるかのような、無駄の無い連携
タケミナカタは次第に弱り、最後の切り札に出た
「死なば諸共」
巨大な気の塊、それで自爆する気だ
「まずい!」
「大丈夫です、私達には背中越しに力があります」
エヴァははっとする
感じる、みんなの祈り
「よし、美空!」
「はい!」
二人はてを繋ぎ呪文を詠唱する、そして
「光と闇、今天秤に傾き無し」
開いた手に雷が宿る、タケミナカタに手を向ける
巨大な雷が放たれる、タケミナカタは必死で耐える
だがタケミナカタは光の中に消え去り、赤い鈎玉がそこに残った
二人はそれを拾い、仲間の元に去っていった

9-968 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/09/09(金) 00:24:18 ID:HBinGsOdO
エピローグ


歌が聞こえる
二人の少女を中央に輪が出来、歌はそこから聞こえていた
泣く者、笑う者様々皆歌っていた


その歌は『輝く君へ』

FIN

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2007年07月29日 02:32