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10-389 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[朝倉と夏美投下] 投稿日:2005/09/13(火) 22:32:04 ID:+ABXPmPOO
プロローグ
鳴り止まない拍手と喝采
学園中等部の演劇部定期発表会始まって以来の快挙
カーテンコールの出演者の中心に主役として立って居るのは、村上夏美
その隣に相手役を演じた人物
なんと朝倉和美だった
どうしてこうなったのか
クラスメイトと言うだけの二人が何故?
それは一枚の写真から始まった
10-392 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/09/13(火) 23:14:09 ID:+ABXPmPOO
和美の憂鬱

ナイフが制服の袖を切り裂き、血が滲む
切りつけた女生徒は、取り押さえられながらも怨み事を叫ぶ
切られたのは朝倉和美
麻帆良パパラッチの異名を持つ
流石の彼女も腕を押さえ苦悶している、相手は先日記事にした噂の二人の一人だった
記事のせいで破局、逆恨みだった
だが和美の書き方も酷かった、ろくな裏付けの無いゴシップ誌さながらの内容、責任が無い訳ではない
数分後
腕を保健室で治療してもらった和美は世界樹に居た、幸い左腕で傷も浅かったが少し落ち込んでいた
(最近ノ記事やり過ぎネ)
(お料理コラム書いてますけどちょっと記事とギャップが)
(朝倉、わかってるよな)
超包子に寄った時のクラスメイトの言葉がいつに無く和美を落ち込ませていた
「あたし、変わっちゃったかな」
「大丈夫ですか?朝倉さん」
さよが心配する、さよも言葉に困る
その時、声が聞こえた、クラスメイトの声だがはっきりと、いつもと違う
「夏美…?」
和美は声に向かい歩き始めた
10-470 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/09/14(水) 22:07:57 ID:CuTFmO1UO
演じる少女

村上夏美
中等部と大学二つの演劇部に所属し態度は真面目
半面そばかすや赤毛など自分への嫌悪が強くクラスでは目立たない
和美の記憶ではそうだった。だが目の前の夏美は想像を越えていた
「すごい」
和美はデジカメを取り出し、撮影していた
引き付ける物がある
和美の勘がそう告げていた、夢中になり傷が樹の幹に当たる
「痛っ…」
「誰!」
夏美が驚き和美の方を見る
「ゴメン!覗くつもり無かった」
慌てて和美は謝る
「朝倉さん…どうしてこんな所に」
「ちょっと…ね、夏美すごいじゃない」
夏美は真っ赤になる、演技に夢中で周りが見えないのに今気付いたのだ
「あたしも悪かった、ゴメン!ちょっと話さない?」
10-474 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/09/14(水) 22:11:22 ID:CuTFmO1UO
世界樹の二人

和美と夏美は世界樹の丁度いい根に腰を下ろした
やたら謝る和美に夏美は違和感を感じた、そして腕の包帯をに気付いた
「どうしたんですか、その怪我?」
「うん、ちょっとね」
やはりいつもの和美では無い、夏美は思い切って聞いてみた
「やっぱり解っちゃうか…」
和美は事の顛末を話した、さらに事件は仕方ないがクラスメイトの言葉に少しナーバスになっている事も
夏美は真剣に聞いてくれた。そして
「私、解ります。その気持ち」
「えっ?」
「私、自分が好きになれない。だから舞台が好きだけど…変われなくて」
「ありがとう」
和美は夏美が無理しているのを感じ、またここで会う約束をして別れた
(サンキュ、夏美)
10-550 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/09/15(木) 23:09:17 ID:Yhij2SHeO
写真

「よし、完了っと」
和美は帰宅すると、まずデジカメの夏美の写真をプリントアウトした
夢中で撮った夏美の姿はクラスの彼女と違い、生き生きと輝いていた
「やっぱり…」
写真を眺め溜息をつく、あの時の感じは本物だったと
「あのー」
「わっ!さよちゃん。いきなり声掛けないでよ」
「さっきからずっと呼んでました、朝倉さん写真ばっかり眺めてるから」
さよはちょっと拗ねている、和美は写真を見せてさよに事情を話し、明日夏美に写真を渡すと話した
「喜んでくれるといいですね」
「うん」
翌日、世界樹に行くと夏美が待っていた
「朝倉さーん」
「ごめんね、ちょっと用があってね。はい」
和美は写真を渡した、夏美は最初撮られた事に驚いたが次第に写真に見入る
「これ、私?」
「なんの細工もない村上夏美、演じる姿よ」
夏美は信じられなかった、和美に何度聞き返しても同じ答え
「自分を信じなよ、十分夏美は今のままでいい」
俯く夏美、和美は続ける
「あたしが久しぶりに惹かれた被写体、カメラマンとしてね。ま、昨日のお礼とお詫び」
「朝倉さん…」
夏美は涙ぐんでいた
「泣かないの。明日から夏美の練習見ていい?何かあたしも見つけたいから」
「はい、喜んで」
10-627 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[今日もこれだけ] 投稿日:2005/09/16(金) 23:26:26 ID:SPsQMur5O
和美と夏美

寮の自室、夏美がニヤニヤしている。勿論写真が関係しているのは言うまでもない
(私、自信持っていいんだ)
「何ですの、あれは」
「さぁ、どうしたのかしら?」
ルームメイトも首を傾げる
翌日から夏美は変わった、と言ってもほんの少し自信を持つ事にしただけ
和美は心の中でおめでとうと言った
放課後、和美は世界樹に着くと夏美からいきなり言われた
「朝倉さん、まほら新聞休刊って本当ですか!」
「あちゃーもうバレたか」
和美は頭を掻きながら言う
「どうして、らしくないですよ」
夏美の言葉に和美は
「うーん、夏美を見たからかな」
「えっ…」
「あの時久しぶりに心が踊った、初めてカメラで写真を撮った感動」
和美は愛用の一眼レフを手にしみじみ言う
「あたしの相棒、これで最初に撮った感動。つまり初心に帰る為に」
「朝倉さん…私は」
「あたしさ、舞い上がってたんだと思う。パパラッチとか言われてさ、初心を忘れてた」
夏美は和美の顔に迷いが無いのを見た
「だから夏美、あたしが踏ん切りつくまで付き合って。練習に付き合うあらさ」
夏美は笑って
「いいですよ、でも音を上げないで下さいよ」
「げ…きついの」
「さあ?どうでしょ」
二人の日々の始まりだった
10-677 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[今日もこれだけ] 投稿日:2005/09/17(土) 22:49:08 ID:soGl4WJMO
二人の日々

二人が放課後共に過ごすようになり少しの時が流れた
「和姉、どうかな」
「あーまだまだだね」
夏美の撮った写真を自分が撮った同じ構図と比較して、和美が指摘する
始めは夏美の練習に和美が付き合う形だった二人は、夏美が写真に興味を持ってからはお互いの交流はさらに密になっていた
今では完全に友達だった。さらに夏美にもさよが見えるようになった、和美との交流が産んだ偶然だった
さて演劇の練習の日、世界樹の下でさよも含め台本に合わせ練習する
和美も最初は発声すらままならなかったが、今ではそこそこになっていた
「やっぱ相手が居ると違うなー。和姉ありがと」
「最初はめちゃめちゃ駄目出ししたくせに」
「朝倉さん棒読みでしたもんね、村上さん」
そんな日々が続いたある日
「和姉、ちょっと」
休み時間に和美を呼び出す夏美、不安げな顔に和美は屋上で話す事にした
「どうしたのよ」
「あたし、今度主役やるの…」
「やったじゃんって…あれ?」
夏美は全然嬉しそうではない
「和姉あたし本番に弱くて、いつも緊張して失敗して…」
「あーわかったわかった」
和美は夏美をなだめて
「あたしに任せて」
とウインクする
これがとんでもない騒ぎになるとは…
10-731 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/09/18(日) 22:53:30 ID:rea8hjO/O
朝倉クオリティ(前編)

和美は携帯を掛けまくる、一体何をするつもりだろうか、夏美とさよは呆然と見ていた
「あの、村上さん」
さよが話し掛ける
「どうしたの?」
「何か嫌な予感がするんです、朝倉さんがさっきみたいな笑顔した時ってなんか企んでるんです」
「さよちゃーんなんか言ったー?」
和美の声にびくつくさよ
「な、なんでもないですー。じゃ私はここで」
消えるさよ、雰囲気に夏美も落ち着かない
「あ、あの和姉?」
その時和美が丁度電話を終えた
「ふふん、後は帰ってからっと。夏美、大船に乗ったつもりでいなさい」
「は、はぁ(大丈夫かな泥船だったりして…)」
夏美は不安げに返事をするが和美は自信満々、不安のかけらも無い
「祭だわっしょいドンカッカ♪、さー帰ろうか」
(ま、祭?)
もうなにがなんだか
夏美は不安でいっぱいだった
この時ある人物が激しい悪寒に襲われていた
そして週末
夏美は和美から連絡が有った待ち合わせ場所に居た
「ゴメン、夏美ちょっと手間取ってねー。はい」
和美は夏美に紙袋を渡す
その中身を見た夏美は
「ちょ、和姉?ええええー!」
「さー行くわよ!祭の開始よ」
10-788 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/09/19(月) 19:15:36 ID:2pTqVsewO
朝倉クオリティ(中編)

人でごった返すイベントホール、長谷川千雨とザジは気合いの入った顔で居た
「ザジ、今日はやるぞ!『ちう』が伝説になるんだ」
「(こくん)」
更にこの二人も
「せっちゃんいくえ!」
「はい!お嬢様」
木乃香と刹那である
一体なんのイベントだろう、その時和美と夏美は
「よっ、パル!新刊は?」
「バッチリですよー、村上さんもおはよう」
夏美はぎこちなく挨拶、相当なショックだったようだ
そう、ここは同人誌即売会。かなりのイベントだ
そして今回の目玉は
『カップルコスプレコンテスト』
男女問わずカップルでコスプレをし、コスチュームだけでなくパフォーマンスなど総合的クオリティを競うのだ
すでにかなりのコスプレイヤーが名乗りを挙げており、『勝てば神』とネットでも噂だった
つまり和美の考えたのはいきなりコスプレデビューでの荒療治だった
しかもコンテストの仕掛人も和美だった
和美の人脈をフル活用した荒療治だ
「あたしも居るし、心配しない。パル、例の物は?」
「はいはい出来てますよ」
パルは『台本』と書かれたコピーの本を渡す
「和姉、これって」
「今回のパフォーマンスの台本、夏美の好きなあれのだから簡単でしょ」
10-789 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/09/19(月) 19:53:36 ID:2pTqVsewO
朝倉クオリティ(中編2)

更衣室、色とりどりの衣装に身を包んだ参加者が雑談なり打ち合わせをしている
和美達も既に着替え台本を覚えて『本読み』を始めていた、その後は動きを入れる、演劇の練習方法だ
二人の交流の賜物だ
「安心は禁物よ、ヲタは目が肥えてるからね」
「うん…」
夏美が震えっぱなしだ
いきなり本番、仕方が無い
夏美が着ているのは通称『種』の女性士官の軍服、和美も同じ
夏美が制帽をにぎりしめ台詞を反芻する、覚悟を決めたようだ
和美は微笑む
「ちう組すごーい」
「ちうと因縁の京都コンビも」
ざわめく参加者、夏美がちうに反応する
「ちうってあのちう?」
「そ、まああたしたちが勝つ!実力でね」
「あら、朝倉さん」
「なんや珍しい」
木乃香達だった、出番を終え戻って来たのだ
「ふふん、頂きよこの祭はね」
「なるほどなあ、ネットでこのイベント祭起こしたんあんたやったか」
勘のいい木乃香は言う、イベントの急遽開催が決まるやいなや巨大掲示板に『おまいら久しぶりの祭ですよ』と和美本人が盛り上げまくっていた
和美は駆け出しの頃いろんな『祭』をネタ集めに仕掛けていた、だが仕掛けだけで結果は成り行き
故に伝説になっていた
そして出番が来た
10-791 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/09/19(月) 20:36:59 ID:2pTqVsewO
朝倉クオリティ(後編)
「行くよー夏美」
二人はステージに躍り出る
「さて、そろそろ時間ですねー店番お願いー」
「わ、わかりましたわ」
パルがブースからコスプレ会場へ、残ったのは変装したあやか
「よりによって早乙女さんの本を…」
「あら、あやかじゃないどうしたの」
千鶴だった
「な、あなた」
「祭と聞いて飛んできましたーふふふ」
舞台の和美と夏美に歯噛みするちう、和美に釣られた悔しさだった
凄い数の観客、夏美は固まるが最初の台詞は和美からだった、その声に和美を見る
自分のためにここまでしてくれた和美はしっかり見つめている
(よし!)
何かが吹っ切れた
夏美はステージでただ演じた、最後和美に抱き抱えられ事切れるまで迫真の演技だった
優勝はちう組、貫禄だった。だがちうは素直に喜べなかった
「朝倉ちゃんにちうはやられたぴょん。うえーん」
「ちうー(抱きっ)」
「ほんまぁすきやなあ〜うちらもぅ」
「こ、このちゃん!」
「和姉、飲ませたりして」
「明日も休みだしいいよ、夏美の記念日だし」
「和姉…」
戦い終わって打ち上げの真っ最中だ
「で、なんでうちの屋敷なんだ」
「これが朝倉クオリティ」
10-845 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/09/20(火) 18:28:31 ID:s/I0u9odO
思わぬ援軍?

休み明け
夏美が登校すると綾瀬夕映が話し掛けてきた
「聞いたです、村上さんがそんなに凄い方とは知らなかったです」
「えっ!何の話?」
はっとしてパルの方を見る、こっちを見ていたパルは慌てて目を逸らす
隣りの席の千雨がパルを睨む
「おっはよー、およ?」
和美が登校してきた、夏美達の空気にすぐ状況を確認した
「なーつみ、どーした」
和美は取り敢えず夏美に挨拶、続いて夕映
「あ、和姉おはよう」
「これは朝倉さん、おはようございます。休みの事は聞いたです」
和美はいやいやとかぶりを振ると、こう言った。
「あれは夏美の本番恐怖症を直す荒療治、コスプレは別」
夕映はパルからコスプレしか聞いていなかったのだろう、感心の反応を見せる
「素晴らしいです!友達に対する意気は賞賛に値するです!」
急な大声にクラスメート達がわらわら集まる
「いや、その、和姉?」
「あちゃー」
和美は騒ぎが大きくなる前に夏美の主役抜擢の可能性の話をした、だがこれが悪かった
「凄いアル!頑張るアル」
「村上殿、やるでごさるなー( ̄▽ ̄)ノシ」
大騒ぎの中夕映が口を開いた
「演目は決まっているですか?」
「決まってないけど、何?」
「私に任せて欲しいです」
10-848 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/09/20(火) 19:09:09 ID:s/I0u9odO
超脚本?誕生

「善は急げです、パル、のどか、来るです!」
「はい!」
「わ、私もですか?」
パルはびくっと立ち上がり、のどかはおろおろ
「私達で村上さんの為の最高の脚本を創るです、今から図書館島でかかるです!」
「り、了解。のどか、行こう」
「あうー」
三人の背中を見送るクラス、和美に千雨が言う
「なんかヤバイ気がするな」
「ああ、まさか夕映がねえ」
「ああ、それから」
戻ってきて夕映が言う
「村上さんは部の説得をお願いするです、公演日も教えて欲しいです」
夏美は断れず、説得の確約と公演日を教えた
「ふむ…では三日で創るです」
そう言って夕映は出て行った
「和姉、どうしよう」
「しゃーない、なるようになれよ、説得はあたしがするから夏美はいつものようにね」
夕映が人の為何かするのは珍しい、だか行動した時のパワーは凄い
和美に言われて図書館島を偵察したさよによると『すごいですよ、なんか議論したり喧嘩寸前とか綾瀬さんがとにかく…』らしい
そして三日後
「説得は上手く行ったですね。私達からはこれです」
しっかりと製本された台本、予備も含め数も揃っていた夏美と和美は礼を言い台本を読む
「これって、和姉!」
「うん」
(二人共頑張るです)
10-927 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/09/21(水) 18:44:34 ID:FQuycMLeO


夕映の台本で次の公演は決まり、勿論主役は夏美
早速稽古を始めとする準備が開始された、ただ今回はいつもと少し違っていた
3―Aのメンバーが続々と協力を願い出て来たのだ
演出などの指導助手に脚本の夕映が入るのは決まっていた
その後まず千雨が衣装制作に全面バックアップ、ちうとしての能力をフル活用、ハカセと超が舞台装置と演出を細かく計画五月、千鶴らは差し入れ等
全員が何かの作業に係わっていた、演劇部員は最初は反発したものの、クラスの実力に触れるにつれ次第に関わり、学ぶようになっていた
変わり者ばかりで個性の塊の3―A、たがいざクラスメイトの事となると何故か団結する
その力は、不可能を可能にすると思える
「順調みたいですね師匠」
ネギが小道具を茶々丸と造るエヴァに話し掛ける、不機嫌そうにエヴァは
「全くだこの連中ときたら」
「しかしマスターは自発的に参加しましたが」
「う、うるさい」
一方夏美達は普段の稽古と世界樹の下での和美、さよとの練習に明け暮れていた
「はぁ、疲れたーでも頑張らなきゃ」
「夏美飛ばし過ぎない、みんなの為にもね」
「だよね和姉、倒れたらそれこそみんなに悪いよね」
あっという間に時は過ぎ公演日を迎えた
10-935 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/09/21(水) 19:28:36 ID:FQuycMLeO
舞台の上で

いよいよ公演日、学園都市のホールは学園生だけで無く、大勢の観客で溢れていた
この日ばかりは3―Aメンバーは観客だ
舞台裏、演劇部員全員が集合して気合いを入れる、掛け声は勿論夏美だ
いよいよ幕が開く
(行くよ!私)
夏美は自分に声を掛け、いざ舞台へ
そして静かに幕が開いた
中世風の衣装の夏美がスポットライトの中一人芝居をしている、背景は夕暮れの木の下。夏美演じる少女は上手く行かず悩む。
そしていきなりの声
「誰!」
「いや、邪魔をするつもりは無かった、すまない」
なんと画家に扮した和美だった
そう、これは二人の今までを時代と脚色でアレンジした物語り、笑いあり涙あり夢に向かう少女と挫折した画家が織り成す物語り
夏美は失敗も一つしない、何かあれば咄嗟のアドリブで乗り切り和美がサポートする素晴らしき舞台だ
そして最後のシーン
「ようやく叶いましたね」
「ええ、貴方もまた」
「貴方は、夢は叶えば終わると思いますか?」
「それは…」
「私は思います、夢に終わりは無い、何時までも」
「夢は続く」
「夢を抱き挑み続ける限り!」
そして最後の台詞は二人で
「人は輝き、突き進む!」
二人の姿が消え静かに幕が閉じた
10-936 名前:以下、名無しにかわりましてモナーを取り返します[] 投稿日:2005/09/21(水) 20:06:45 ID:FQuycMLeO
エピローグ
ラストシーンのページ

カーテンコールも終わり打ち上げの真っ最中、クラスメイトも混じり大騒ぎの場内、会場はエヴァの屋敷をまたもや借りていた
「はあ…」
夏美は会場を抜けだし、庭で一人月を見ていた
自分は変わった、和美と出会い色んな出来事を経験して
「こら!主役が居なくてどーすんの」
「和姉!」
少し酔っているのか赤ら顔の和美は夏美の横に座る
「あたしも流石についていけないから抜けて来た」
「ふふ、だよね和姉」
和美は夏美の手を取り歩き出した、場所は勿論あの場所
世界樹の下二人はてを取り合い空を見上げる
「此処から始まった」
「だねぇ、信じられない」
「でも綾瀬さんがあたし達をずっと見てたなんて」
「夕映らしいよ声掛けられ無かったなんてさ」
「だからあんなに熱心だったんですね」
さよも加わる
和美はようやく吹っ切れたとまほら新聞再開を決め、夏美はまだまだ演劇を続けると語り合った
そして話題が尽きた頃
「最後の台詞、どうだった?和姉」
「最高だったよ夏美」
お互いまた違う道を進む二人はみつめあい涙した
台本のラストシーンのページは白紙、全て二人の心からの言葉
月明りが優しく二人を照らしていた

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最終更新:2007年07月29日 02:33