【クラス】
 プリテンダー
【真名】
 ゲオルク・ファウスト(+メフィストフェレス)
【属性】
 混沌・悪
【ステータス】
 筋力D 耐久D 敏捷C 魔力B 幸運D 宝具EX

【クラススキル】

 陣地作成(事務所):B
  本来はキャスターのクラススキル。
  魔術師として自らに有利な陣地を作り上げる。「工房」の形成が可能。
  キャスタークラスを詐称するファウストは、演者(マスター)の人生を過激に演出する「芸能事務所」を構築した。

 道具作成(偽):B
  本来はキャスターのクラススキル。
  魔力を帯びた器具を作成可能。  
  一部地域では有名な「消滅と出現の鞭」の他、様々な悪魔アイテムを作り出す。
  例えば綺羅びやかなステージ衣装とか、光る棒とか、スモークの出る機械とか、飛び出す銀のテープとかetc。

【保有スキル】

 エレメンタル:D
  五属性に対応した人工霊を使役する能力。
  錬金術師であったファウスト博士が生前呼び出していた魔術的存在。
  ランクはあまり高くなく、単体では戦力として心もとない上に、属性によって完成度にムラがある。
  手間暇かけてじっくり大量に作れば、ある程度は戦闘に耐えうる使い魔として機能する。
  虚仮威しであれば様々な演出に加え、もちろん人手が足りない事務所の雑用程度ならしっかり任せられるだろう。

 高速詐唱:A
  悪魔にとっての高速詠唱に相当するスキル。
  魔術の詠唱速度を高速化する。
  加えて、狡猾なる二枚舌は詠唱している見せかけの内容と全く別の魔術を行使することが可能。
  ランクAにもなると業界人との交渉も容易く進められるはずだ。

 悪魔の忠言:B
  軍師系サーヴァントに与えられる「軍師の忠言」スキルが変質したもの。
  古代ローマ帝国を勝利に導いた戦略の手腕から、味方に的確な助言を与えることが出来る。
  マスターが厳しい芸能界を生き抜くために、彼の悪魔的頭脳は日夜フル回転を続けている。

 愛すべからざる光:EX
  人間観察の変異スキルにしてファウストを詐称者たらしめる特殊能力。
  擬似的な気配遮断と察知に加えステータスを完全に改竄し、周囲について一方的な理解を得る。
  このスキルの効果対象は自身のマスターも例外ではなく、むしろマスターに対して最も強力に作用する。
  マスターがファウストの能力の全貌を把握できないのに対して、ファウストはマスターの思考をある程度読むことすら可能。

【宝具】
『装飾、指名、実演(D.D.D)』
 ランク:D+++ 種別:契約宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
 ファウスト博士との悪魔契約。
 Decoration Designate Demonstration.
 主従契約の上から更に契約を重ねることによって、契約対象者(アクター)の魔術回路を変質させる。
「ファウスト博士と契約する者は即ち悪魔である」という因果に基づき、悪魔の権能発現と身体機能の著しい強化を付与。
 契約を果たせなかった場合、代償として契約者は憑いた悪魔に魂を奪われる。

 という第一宝具を詐称している。
 正式名称『やがて極光に至る嘘(Mephistopheles)』。
 この宝具の本質はメフィストフェレスという悪魔との段階的融合にある。
 契約を果たせなかった者は、ファウスト博士と同じように悪魔と同化してしまう。
 結果、博士という殻の内に潜んでいた悪魔は受肉を果たし、この世界に顕現するだろう。

 悪魔の力を与えるという宝具効果そのものに嘘はない。
 魂と肉体を喰われるか、悪魔に同化しその一部に成り果てるか。本質的に差はないだろうとファウスト(メフィスト)は考えている。
 今回取り交わされた契約条件の全文は『煌星満天がトップアイドルに至り大願成就する姿を見せ、ファウストに再び希望と充足を与える』。
 つまり実際の主眼はファウストの満足にあり、アイドルの夢は手段であるが、満天の中でそれらは過不足のないイコールで結ばれている。
 満天にとって、他者に最大の感動を与えられる方法とは、それを置いて他にないと確信しているからだ。

 なお、与えられる権能と強化幅は悪魔となった契約者の名声に比例する。
 ファウストは元々白兵戦に優れたサーヴァントではないことに加え、第一宝具を発動した後は一部宝具と権能を損なう。
 以上の特性から、この主従の行動方針は『仮想都市東京でトップアイドルを目指す』という荒唐無稽なものと化したのであった。

『瞬間よ止まれ、汝はかくも美しい(Verweile doch,du bist so schoen)』
 ランク:EX 種別:対契約宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
 秘匿された第二宝具。
 悪魔との契約の終わり、2つの結末。時計は止まり、針は落ちる。
 下記の内どちらかの達成条件が満たされたとき、この宝具は自動で発動する。

 1.第一宝具の契約が果たされる見込みはもはや無いと見做され、契約不履行が確定したとき。
   メフィストは契約対象者の魂を食い尽くし、真なる悪魔が受肉し顕現する。

 2.メフィストであると同時にファウスト博士でもある今の彼に、自らこの宝具(セリフ)を使わせたとき。
   悪魔との契約は果たされるという。

【weapon】
 五元素の人工霊の使役。
 黒の鞭をはじめ、道具作成による様々な武器や小道具を扱う。

 この他、爆破現象に関連した第三宝具が存在したが、第一宝具の発動にあたり失われている。

【人物背景】
 ゲオルク・ファウスト。
 或いはそれを騙る悪魔。 

 ファウスト博士。16世紀頃、ドイツに実在したとされる錬金術師であり降霊術師。
 生前は様々な研究功績を打ち立てたものの、錬金術の実験中に壮絶な爆死を遂げたとされ、彼の人生に関する詳細な記録は殆ど残っていない。

 一方で博士は魔術に通じ、悪魔メフィストフェレスと契約した人物として広く知られている。
 悪魔との賭け。望みを叶えてもらう代わりに、賭けに負ければ即座に魂を捧げるという契約。
 博士と悪魔は24年の月日を共に旅し、多くの悦楽や絶望を味わったという。

 作者不明の民衆本をはじめ、数多くの著名な作家達がファウスト伝説を書き残しているが、彼と悪魔の物語の結末は作品によって実に様々。
 悪魔が賭けに勝ち、救われぬファウストの魂を手に入れるもの。
 あるいは神の奇跡によってファウストが救われ、無事天上に召されるもの。

 この地に降り立った彼の正体はそれら様々な伝説・伝承の集合体であり、同時に彼らが同化した悪魔本人の仮初の姿である。
 つまり、魔術師(キャスター)ゲオルク・ファウストを騙る、詐称者(プリテンダー)メフィストフェレス。

 かつて紆余曲折の末、遂にファウスト博士の魂に手を掛けたメフィストフェレスには一つだけ疑問が残った。
 「瞬間よ止まれ、汝は美しい」。死に瀕した博士が最後に口にした、言ってはいけない契約の言の葉。
 そのとき彼が見た景色とはどのようなものだったのか。

 瞬間に留まりたいと願う程の充足を、誘惑の悪魔は遂に現実に見せることが出来なかった。
 あれ程多くの快楽と悲哀を与えてなお満たされなかった博士が、光を失った目で最後にたどり着いた想像の絶景。
 長き旅を共にした悪魔に、それが共有されることはなかった。

 悪魔は創造を嘲り、虚無を愛する。
 やがて失われるモノを造るなど馬鹿げている。そう信ずるが故に、否定してみたくなった。

 神によって大半を横取りされた博士の魂。
 手元に残ったほんの僅かな残滓をまとい霊基を偽装し、彼は聖杯戦争に紛れ込んだ。
 再び人を誑かし、願望の成就によって幸福の絶頂に立つ瞬間を共有した上で、今度こそ、それを否定せんとする。

 こうして、悪魔は一人の少女と出会い、新たな契約を交わしたのだった。

【外見・性格】
 20代から30代前半くらいの年齢に見えるスーツ姿のドイツ人ビジネスマン。
 七三分けの髪型に黒縁メガネが特徴的。底のない、死んだ魚のような暗い黒目をしている。
 常に冷静沈着で冷酷非道な印象を周囲に与える一方、聞くものの心を掌握する甘言をストレートに吐き出す。
 あまり見せることはないが、意外なものを見るとメガネをクイッと押し上げる癖があるらしい。

【身長・体重】
 188cm・78kg
 普段は敏腕ビジネスマン風のドイツ人だが、体格と顔はかなり自由に変更可能。
 こなす仕事の内容に合わせ適した姿に変身する。

【聖杯への願い】
 特になし。
 目的は人間の創造行為の否定。
 だが、それは聖杯にかける願いではなく、契約した演者との賭けによって果たすべきと考えている。

【マスターへの態度】
 普段は恭しく付き従いながらも、思う所があれば慇懃無礼な態度で欠点をビシビシ指摘する。
 彼はスキルによってマスターの潜在的な願望を把握しており、その成就と否定に向けて最短距離で指導する。
 マスターの人格面と能力については正直言って滅茶苦茶バカだと思っているが、なるべく顔に出さないよう努力している。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2024年08月07日 01:39