東京の街は常に変化し続ける生き物のようだ。
高層ビルがそびえ立ち、そのガラス張りの外壁は青空を映し、まるで都市が天をもつれあっているかのように見える。
地下鉄の入口からは人々が絶え間なく出入りし、地上を行き交う車のヘッドライトが昼夜を問わず輝きを放つ。
狭い路地には古びた居酒屋や風情ある喫茶店が並び、現代と過去が共存する独特の景観を形成している。
大通りにはブランドショップが軒を連ね、買い物袋を手にした人々が歩道を行き交う。
夜になると、ネオンの光が街を彩り、看板が次々と点灯し、まるで都市全体が巨大な舞台のように輝き始める。

新宿の交差点はその中心であり、人々の流れが途切れることはない。
交差点を見下ろす巨大なスクリーンには最新の広告やニュースが映し出され、音楽やアナウンスが絶えず響いている。
空を見上げると、ビルの間から東京タワーが顔を覗かせ、その赤いライトが夜空を飾る。
多くの観光客がカメラを手にし、スマートフォンでこの活気ある街を撮影している。
渋谷のスクランブル交差点では、信号が青に変わるたびに無数の人々が一斉に歩き始め、その光景はまるで人の波が街を流れているかのようだ。

その男は、東京の喧騒の中を一歩一歩進んでいた。
渋谷のスクランブル交差点に差し掛かると、信号が青に変わり、周囲の群衆とともに彼も動き出す。
彼の足取りは迷いなく、まるでこの巨大な都市の地図を頭の中に描いているかのようだった。

スーツの裾が風に揺れ、周囲の人々の雑踏の中でも彼の姿は目を引いた。
その目鼻立ちや青い瞳から、彼が日本人ではない事は明らかだが、国際都市である東京には珍しくもない。
目を引くのはその存在感からだ。

男は背が高く、モデル様なスラリとした体格をしていた。
彼の色がくすんだ金髪は短く整えられ、青い目は鋭い観察力を示している。
その洗練された身のこなしと鋭い知性で周囲に一種の威圧感を与えていた。
白いワイシャツに黒のネクタイを締め、深いネイビースーツを着こなしているその姿は、まるで映画から抜け出したかのようだった。
彼の顔には薄い笑みが浮かび、何か大きな計画を胸に秘めているかのようだった。

通り過ぎる人々の視線を感じながらも、彼はまっすぐ前を見据える。
その瞳に、日の光が射し、男は僅かに目を細めた。
瞳を焼くような太陽を恨めしそうに睨んで、男は光を遮るように帽子を深く被りなおした。

交差点を超えた男は大都市の喧騒から離れるように歩を進めてゆく。
ビジネス街を進んで行くたび、不自然なほどに周囲の人が徐々に目減りしていき、程なくした所でビルの隙間にある路地裏へと足を運んだ。
そうして周囲に完全に誰もいなくなった所で、振り返ることなく虚空に向かって一人呟く。

「どうやら、ここは神の国ではないようですね。東京で間違いないようだ」

分かりきった事を再確認する声で言う。
周囲にその声を聴く者はいない。
その事実に構わず、男は続ける。

「さて、死したはずの私が何故ここにいるのか。死者の蘇生、とは違いますね。これはアナタの権能ですか? セイバー」
『それは違うなマスター。俺にそのような力などない。
 もしそんな力があるとするならそれは俺ではなく『神の癒し』の役割だろう』

誰もいない背後から声が返った。
マスターと呼ばれた男は「そうですか」とだけ返すとその場に屈みこんだ。
指先を伸ばし片手を地面にそっと触れさせる。

「―――――Violate」

現実を変える言葉を紡ぐ。
瞬間、触れた指先からコンクリートの地面を侵食していくように何かが浸み込んでいった。
それは魔力と呼ばれる超常の神秘である。

『それが、現世の魔術という物か』
「ええ。私のはカバラではありませんがね。
 聖堂教会は魔術を異端としているとしてるようですが、本物の神の使い足る貴方はそんな狭量な事は言わないでしょう?」

そう自らの背後の何者かへと投げかける。
男は魔術師であった。
巻き込まれただけの野良などとは違う、時計塔に属する正当なる魔術師である。

ロナン・マクニール。
植物科に属する、次期主君(ロード)とすら噂される最高位の魔術師だ。
彼の魔力はワインに落とされた毒のように、じわじわと地中に広がって行き、この世界を侵食してゆく。

「やはり都市部は魔力の通りが悪いですね」

そう言いながらロナンは片膝をつく体制から立ち上がると、優雅さを感じさせる所作で地面に触れていた指先をハンカチで拭った。
この短時間の僅かな魔術行使でこの世界の解析を完了し、自身の置かれた状況を理解したようだ。
魔術師は結論を告げる。

「ここは東京であって東京ではない。創造された異界だ」
『固有結界、というやつか?』
「よくご存じで、それも宝具の効果で? それとも聖杯からの知識でしょうか?
 ですが違います。もっと悍ましいモノですね。これは固有結界の様な現実への侵食と言うより、一つの世界の創造に近しい」

その言葉に周囲の空気が歪む。
度し難いまでの怒気が周囲に満ち満ちていた。
常人であれば呼吸すら困難になる程のその空気に飲まれるでもなく、男はやれやれと言った風に肩を竦める。

「そう怖い顔をしないで下さい、セイバー。
 天地創造と言っても、貴方の父たる主の様なものではありません。
 これは世界から切り離された特異点に近いでしょう」

それでも驚異的なことですがと小声で付け加える。

『マスターの魔術で破壊はできないのか?』
「難しいでしょうね。一部の領域を塗り替えることはできるでしょうが、規模が違いすぎる。すぐに上書きされて終りでしょう」

現代における最高峰の魔術師であるロナンですら両手を上げて白旗を振るしかない。
技量云々の前に規模(スケール)が違う。
これほどの規模となるとサーヴァントですら破壊は難しいだろう。

「そもそも私に尋ねずとも貴方の『眼』であれば、この世界がどういう物かは分かるのでは?」
『流石に霊体化した状態では見えぬ』

それは言外に実体化しろと要求していた。

「……なるほど。ですがセイバー。貴方にはあまり実体化して欲しくない所なのですが』
『何故だ?』
「貴方の知名度が高すぎるからです。ですが、まあ今ならいいでしょう」

周囲に人影はなく、魔術的な監視もないのは確認済みだ。
道すがら人払いの結界も敷いてある。
一時的に実体化しても、この場で目撃されることはないだろう。
それに、彼の眼がこの地で何を見るのかはロナンとしても興味がある。

ロナンはパスを通して己がサーヴァントに実体化の魔力を与える。
エーテルの肉を得て、人の形をした神秘が具現化する。

それは光だった。
それは炎だった。
それは奇跡だった。

そこに現れたのは誰もの目を奪う性を超越した美の造形。
東京と言う街にそぐわぬ輝く黄金色の鎧は、異物でありながら圧倒的な正しさを叩きつける神聖さがあった。
そして、何より目につくのはその背に生えた光り輝く翼である。
その姿を見た誰もが、その存在をこう称えるだろう。

――――天使と。

『天使』とは主の権能だったものが、独立し天使として扱われた物を指す。
魔術世界においては多くの人々が思い描く天使と言う信仰を利用して、曖昧な魔力に形を与える『力の器』の事である。

天使のイメージはギリシャ神話の『サモトラケのニケ』が原典とされており、天使の実像ではない。
だが、英霊とは人々の信仰の結晶であるが故に、そのイメージをもってその天使は具現化していた。

天使の片腕には炎の剣。片腕には知識の書。
魔術的な知識がなくとも、少しでも天使について知識を持つ人間であれば、その真名にはすぐに思い至るだろう。
炎の剣を持つ楽園と地獄の守護者。
四大天使の一人。

その真名はウリエル。

聖堂教会が伝える『神の教え』と言う世界一有名な物語を基盤をする存在。
多くの聖書、文献、物語に登場するが故に圧倒的な知名度を誇り。
最高の知名度を誇るが故に、一般人に目撃される事すらリスクとなる。

地上に顕現した大天使ウリエルは光り輝くその聖なる『眼』で世界を観た。
真実を見通すその『眼』は一見しただけで世界を暴く。

「確かにマスターの言う通り、ここは我らが主の創りたもうた世界ではないようだ。
 それに世界の端々に〈熾天の冠〉の力を感じるな」
「でしょうね。これほどの規模だ、確実に聖杯が使用されているでしょう」

この世界は聖杯たる〈熾天の冠〉によって製作された世界である。
如何に最高峰の魔術師であろうと一魔術師では覆すには足りない。出力が違いすぎる。

そして、この世界が聖杯によって作られたという事は別の一つの事実を指示している。
すなわち、この現状は聖杯を手にした優勝者の願望によるものだという事だ。

「願った願望は聖杯戦争の再開ですか。私が蘇ったのもそのためでしょうね。
 再演を成り立たせるための演者(アクター)と言ったとこでしょうか」

優勝者は願ったのだ。
聖杯戦争の再開を。

ならば必然湧く疑問――――優勝者は誰か?

早々に敗退したロナンに知る術はない。
だが、確信を持った口調で魔術師は言う。

「このような破綻した願いを持つのは、神寂祓葉でしょうね」

自らを殺した運命(しゅくてき)の名を呼ぶ。
常に笑みを絶やさぬ彼らしからぬ、複雑な感情を込めた声で。

現実の東京にて行われた第一次聖杯戦争。
ロナン・マクニールはその聖杯戦争の参加者であった。

魔術後進国である極東の儀式など容易く勝利して、己が魔術儀式に使用するべく教会の保有する聖遺物の回収する。
それこそがロナンの目的であった。

時計塔最高の魔術師が最大の知名度を誇る英霊を最優のセイバーとして召喚したのだ。
事実として、ウリエルは神霊すら撃破可能な最強のサーヴァントであった。
儀式を監督する教会すらも彼らが優勝すると確信していただろう。

だが、彼らはあえなく敗北した。

取るに足らない雑種に足元を掬われる時計塔のエリートと同じ轍を踏んだ。
油断や慢心もなかったとは言えない。
慣れない異国の地で、相性の悪い大都市であったという事もあるだろう。
素人故の動きを読み切れず、工房の準備が整う前の電撃戦に持ち込まれたのも大きい。

だが、そんな言い訳の入り込む余地のない、完膚なきまでの敗北だった。
十全に準備を整え、己が魔術を最大に生かせる森林地帯での戦いでも勝てたとは言いきれない。
最高峰の魔術師たるロナンが、ろくに魔術も知らなかった素人に対して、そんな印象を抱いている。
これは異常だ。
神寂祓葉は、異常だ。

『どうするのだ? マスター』

サーヴァントであるウリエルが問う。
現状を把握し、この世界が自らを殺して聖杯戦争に勝利した神寂祓葉によるものだと理解してどうするのか。
そう問いかけていた。

「無論。叩き潰すまで。つまらない演目の為に呼び出されたのは業腹ですが舞台に戻った以上、踊り尽くして主催ごと侵し尽くす」

伝統を重んじる貴族主義の魔術師として、積み重ねを飛び越える異端は看過できない。
例え相手がサーヴァントを凌駕するような怪物であろうとも十全に準備を行い当然のように勝つまでだ。
不可能を可能としてこその魔術師である。
それが魔術師としてロナンに課せられた宿命(オーダー)だ。

そして他の聖杯戦争の参加者も始末して冠を得る。
元よりそのつもりでこの極東の地にやってきたのだ。
皆殺しに躊躇いなどあろうものか。

「私は自然干渉の魔術を得意としています。そのため市街戦は不利だ。
 戦うのであれば自然の多い場所で工房を構えたいですね。前回はそれを行う前に敗北してしまった。
 とは言え、この東京に都合のいい場所があるのかは難しい所かもしれませんが」

路地裏の周囲を取り囲むのは鉄とコンクリートの檻だ。
魔弾や簡易結界などの腕ももちろん一流ではあるが、植物科らしく自然環境を利用した黒魔術こそがロナンの真価だ。
世界有数の大都市である東京においては彼の魔術は大きな不利を背負う。
23区の外に向かえば、自然もある程度残っているだろうが、イギリス人であるロナンはそこまで地理に明るくない。

「ですが、いざとなれば、この東京を焼き払えばいい。
 ソドムとゴモラを焼き払った貴方の宝具(ほのお)であれば。街一つ灰塵と化すなんて容易い事でしょう?」

平然と魔術師は言う。
己が力を十全に発揮するため、文明を焼き尽くし塵だけが広がる荒野と化せと。

その言葉にウリエルが僅かに言葉を呑む。
その驚きはその発言の過激さに、ではない。

ひとたび触れれば、都市どころか世界そのものを大洪水で滅ぼすのが神の怒りと言うものである。
その代行者たるウリエルは正当性があるのなら都市の一つや二つ滅ぼす程度は屁とも思わない。
驚いているのは発言者のキャラクター性にそぐわない発言だったからだ。

「驚いたな……マスターらしからぬ言葉だな」
「おや、らしさを語れる程、仲を深めたわけではないでしょう?」

微笑を湛えたままロナンは答える。
確かにその通りだ、真実の眼を持つウリエルと言えどロナンをすべて理解しているとは言えない。

「確かにそうだ。もっとも、マスターは元よりサーヴァントとの相互理解など求めていないようだが」

光り輝く聖なる瞳がロナンを射抜く。
己がサーヴァントの言葉にロナンの口元に張り付いた微笑が、さらに深く吊り上がる。

「厄介ですねぇ、その眼は」

言って、パチンと指を鳴らす。
実体化の魔力をカットしてウリエルを霊体に戻した。

根っからの魔術師であるロナンはサーヴァントを人ではなく道具としてしか見ていない。
それは聖杯戦争に挑む魔術師としては正しい価値観である。

そして、その価値観にウリエルが異議を唱えなかった。
何故なら、元より天使とは偉大な父、神の手足として神の意志を代行する道具である。
サーヴァントとしての在り方は天使たるウリエルにとって存外、しっくりとくるものであった。
使うものと使われるものとしてだけは、彼らは致命的にかみ合っていた。

「前回このような方針を取らなかったのは魔術協会(わたしたち)の原則に神秘の秘匿があったからです」

魔術には神秘の秘匿という原則がある。
一般化した神秘は神秘足りえず、神秘は秘匿されているからこそ神秘足りえるのだ。
根源を目指す魔術師にとってその理を守る事は何よりも優先される。

「ですが、この地は死者の彷徨う異界。地の底(タルタロス)だ。神秘の秘匿の原則は適用されません」

サーヴァントのみならずロナンの様な死者すら彷徨うここは地の底だと。
地獄(タルタロス)の管理者たる天使に向けて魔術師は告げる。

合理性を重んじ、人の命を軽視する魔術師的な価値観。
確かに、これも魔道に深く身を落としたロナン・マクニールと言う人間の真実だ。
だが、それを踏まえてもウリエルは彼の言動に違和感を感じていた。
敗退までの短い付き合いであったが、このような方針を打ち出すような男ではなかったはずだ。

現代魔術科のようなニューエイジに関わらず、現代を生きる魔術師にとって社会性は必須である。
魔術のための資金繰りのため大企業のCEOや投資家が魔術師だったなんて話も珍しくはない。
1000年以上の歴史を持ち、血統を重んじる貴族主義であるロナンあってもそれは例外ではない。

ロナンは貴族的な魔術師としての価値観と高い社会性を併せ持つ現代的な魔術師だった。
彼は強固な仮面(ペルソナ)を被り、社会的な好青年の人格を外部に出力させている。
少なくとも、第一次を戦った時点ではそうだった。

だが、その強固な仮面が罅割れようとしていた。
楔のように撃ち込まれた<<狂気>>によって。

抱く狂気は〈狂奔〉。
理性を溶かす毒のような侵食。

『この身は神の敵を焼き尽くす神の炎。
 この異界の創造主たる神寂祓葉が世界の神を騙る大罪人であるならば、神の敵だ。
 神に背きし者の創造した悪徳の町を焼き払う事に躊躇いなどない』

必要とあらば、悪徳によって創造されたこの都市東京を灰塵とする事を宣言しながら、神の炎は己が主に告げる。

その身は審判の日に人を裁く裁定者。
それが仮初の主であろうとも、その審判に例外はない。

『だが、努忘れぬ事だ。汝の行いが咎人へと墜ちた時、神の業火は汝の身を焼くことを』

彼の名はウリエル――――神の敵を焼き尽くす神の炎。


【クラス】
セイバー

【真名】
ウリエル@聖書・偽典「エノク書」

【属性】
秩序・善

【ステータス】
筋力:A 耐久:B+ 敏捷:A 魔力:A+ 幸運:A++ 宝具:EX

【クラススキル】
対魔力:A+
 A+以下の魔術は全てキャンセル。
 事実上、魔術ではウリエルに傷をつけられない。

騎乗:-
 飛行能力を持つウリエルは騎乗スキルを持たない。

【保有スキル】
天使:A-
神の遣いたる天使である事を表す『神性』を含む複合スキル。
四大天使として知られるウリエルは最高の天使適性を持つが、教会から堕天使としての認定を受けたことからランクがダウンしている。
神の加護によって精神、物理、両方のダメージを大幅に軽減し、常時回復効果を得られる。
また翼による飛行能力を持つ。

神の炎:A
神の敵を焼き払う業火を放出、ないし武器や肉体に付与する『魔力放出(炎)』の類似スキル。
神の炎は原罪を持つものに対して追加ダメージ&継続ダメージを与えるが、神性を持つ相手にはダメージは減少する。
原罪を持たない人間などいないため、人である限りは神の炎から逃れられない。

真実の眼:B
神の啓示を人に伝える天使の眼。『千里眼』と『啓示』を含む複合スキル。
真実の啓示者たるウリエルは見るだけであらゆる真贋を看破できる。
人の嘘を暴くウソ発見器としても機能する。

格闘:C
素手による格闘の技術。
ウリエルはヤコブと格闘戦で力比べをした天使であるとされている。
ヤコブに敗北したとされているためランクは低い。

【宝具】
【咎人よ神の怒りに灰塵と化せ(メギド・オブ・ロト)】
ランク:EX 種別:対罪宝具 レンジ:1~99 最大補足:1000人
悪徳の町。ソドムとゴモラを焼き尽くした神の炎。
罪のあるモノを生物、無機物に関わらず全てを焼き尽くす神の怒りの具現。
世界で最も信仰を受ける父の力の一部であり、一度発動すれば都市を灰燼と化すまで炎の雨が降り注ぐ。逃れる術はない。

【楽園を守護せし炎の剣(エデンズ・ガーデン)】
ランク:A++ 種別:対罪宝具 レンジ:1~5 最大補足:10人
楽園(エデン)を守護する大天使ウリエルの持つ炎の剣。
剣は神の力を示す強烈な光と熱を放ち、刃は常に青白い炎で覆われている。剣を纏う炎は罪を浄化し、悪を焼き尽くす効果を持つ。
炎の剣は回転しながら楽園の四方を巡り楽園を守護したとされており、攻撃のみならず強力な結界としての効果も持つ。

【知識と啓示を司る書(ビリーブ・バイブル)】
ランク:C+ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
ウリエルの芸術や知識の守護者としての力の具現。
その書には神羅万象の知識が描かれており。開いたページによって予知や天候操作などの様々な奇跡を引き起こせる。

【weapon】
『炎の剣』
宝具【楽園を守護せし炎の剣】を参照

『知識の書』
宝具【知識と啓示を司る書】を参照

【人物背景】
聖書の正典ではなく偽典「エノク書」に登場する天使。
四大天使の一柱と数えられ、「神の光」あるいは「神の炎」と称される。
元素は地。色は緑。方角は北を司る。

天界における光の管理者にして地上の自然や天候を司る天使。
神の啓示と真実をもたらす者としても知られており、ノアに大洪水の事実を知らせた天使である。
魔術系統の一つであるカバラを預言者であるエズラに伝えたのもウリエルである。

炎の剣を持ってエデンの園の門を守る天使であるとされており。
楽園から追放されアダムとイブが再び園に戻らぬよう、神によってウリエルが楽園の門の守護者として任命された。

同時に地獄(タルタロス)を支配する管理者としての側面を持ち、神を冒涜する者を裁く懺悔の天使の役割を持つ。
片手には炎を持ち、罪人を永久の業火で焼き続ける罰を与える。
罪科の町。ソドムとゴモラの破壊にも関与したとされている。

また、ユダヤの伝承『ヨセフの祈り』に人間たちの中で暮らすために地上に降りたという記述があり。
正典に登場しない事から、神への信仰より天使信仰の強まりを恐れた教会から堕天使の烙印を押され、復権された現在でも天使ではなく聖人として扱われている。
これらの逸話から人間になった天使であるとされており、殆ど神霊に近い霊基だが召喚可能な霊基となっている。

【外見・性格】
美の化身の様な造形をしている。無性。
黄金色の鎧をまとい、背中には輝く翼を持つ。
顔立ちは端正で、目には神聖な光が宿っている。

人になった逸話を持つためか、他の天使に比べれば人間的な人格を持つ。
厳格かつ冷静な性格で正義感が強く善なる者には慈悲深い。
基本的には争いは好まないが、神の敵に対しては一切の容赦はない。

【身長・体重】
190cm/75kg

【聖杯への願い】
聖杯に対する祈りなどない。
目的はそれを求める欲深き人間への審判である。
咎人であれば神の怒りの代行し、業火による罰を与える。

【マスターへの態度】
道具扱いは望むところであり基本的にはマスターの指示に従順だが、マスターへの忠義よりも主の代行者としての価値観が優先される。
マスターが神の敵となれば断罪もやむなし、と考えている。


【名前】
ロナン・マクニール / Ronan MacNeil

【性別】
男性

【年齢】
29

【属性】
秩序・中庸

【外見・性格】
落ち着いた雰囲気をしたスーツの青年。
くすんだブラウンの髪をオールバックでまとめてその上に帽子を被っている。
常に微笑を湛えたような表情をしており感情が読みづらい。

根源を目指す典型的な魔術師的な価値観と、それを客観視する一般的な価値観と社会性を併せ持つ。
落ち着いた性格で誰に対しても常に紳士的な態度で敬語で話し、声を荒げる事はほとんどない。
それは自身の信条によるものであり、他者を尊重しているのではない。
魔術師らしく根本的には他者の命に興味がないが、強固なペルソナによって一般的な好青年の人格が外部に出力されているが……?

【身長・体重】
183cm/72kg

【魔術回路・特性】
質:A+ 編成:正常
量:A 本数:99(メイン:44、サブ:55)
特性:浸食

【魔術・異能】
魔術属性:地・空 魔術特性:浸食
地と空の二重属性を持ち、黒魔術を得意とする時計塔の魔術師。
操るのは近代黒魔術ではなく生贄を捧げて発動する古典的な黒魔術である。
魔術師としての技量は最高峰であり、基礎的な魔術は一通り一流のレベルで修めている。
通常、魔術師に対して魔力で干渉することは難しいが、その魔術特性から他者の魔力を浸食して干渉することが可能である。

自然や地形に干渉する魔術を得意としており、その気になれば小規模ながら天変地異レベルの自然現象も引き起こせる。
黒魔術の贄として生物ではなく自然物を捧げる事が出来るため、発動した黒魔術で自然物を操る究極のマッチポンプを行なえる。
自然の多いジャングルや未開の地では無敵に近いが、開発された都市とは相性が悪い。

◇『地脈喰い』
地脈を侵食して、自身の魔術回路として拡張する黒魔術。
拡張の規模は土地の地脈の質に依り、上質な土地では神代レベルの魔術行使を可能とするが、使いすぎると地脈は枯渇し魔術的に死の土地となる。
世界そのものに対する浸食であるため、固有結界などの異空間に対しても有効であり、構成する魔力を喰らい尽くし破壊することができる。

◇『操生惑星/鋼の大地(マニュアルワールド・オーバーカウント)』
第五真説要素(真エーテル)が満ちた空間でのみ使用可能な『理想魔術』。
地球を巨大な一つの魔術回路と見立て惑星そのものを操る大魔術。
地殻変動すら引き起こすことが出来、最大規模では新大陸を創造することも可能とされている。、
封印指定を受けかねない大魔術だが、実質的に使用不可な卓上の空論でしかない『理想魔術』という事で『封印指定』から免れている。

【備考・設定】
北アイルランドに拠点を持つ1,000年以上の歴史を持つ魔術師の名家マクニール家の現当主にして最高傑作。
時計塔では植物科(ユミナ)に属しており、階位は色位(ブランド)。
法政科(バルトメロイ)のローレライ、天体科(アニムスフィア)のヴォーダイムに並ぶ現代における最高峰の魔術師。
多くの地脈を食いつくしてきた事から『大喰らい』の異名で魔術世界に名を知られているが本人は小食。

第一次では優勝候補と目されていたが、型月エリート魔術師の御多分に漏れず初戦にて神寂祓葉に敗北した。
第一次聖杯戦争における最初の脱落者。

〈はじまりの六人〉、そのひとり。
 抱く狂気は〈狂奔〉。
 ロナン・マクニール。サーヴァントは、神の炎。

【聖杯への願い】
胸に秘めた願望は魔術師らしく根源への到達だが、あくまでそれはマクニール家の研究成果で到達すべきと言う考えであり。
聖杯戦争への参加は自身の研究を進めるべく、第五真説要素を復活させる儀式を行うために聖遺物の回収をする事が目的である。

【サーヴァントへの態度】
サーヴァントに対して敬意は払うが、あくまでサーヴァントと言う道具に対しての敬意である。
典型的な魔術師らしく『Fate/Zero』の遠坂時臣に近い価値観。

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最終更新:2024年06月05日 23:47