かつて組んでいたランサーも、大柄な女だった。
背丈だけであれば、2回目の相棒たるスカディよりは少し低い。
しかし腕の太さや太腿の太さ。身体全体の厚み。全てがスカディを上回っていた。
女でありながら僧兵のような服に身を包み、手には長大な薙刀。
髪の生え際からは2本の角。
鬼種の血を受けて生まれながらも、ヒトとしての最期を迎えた英霊だった。
「俺は細けぇことは分からねぇ」、というのが、彼女の口癖だった。
決して愚鈍ではなく、むしろ直感力に優れた英霊だったが、どこか大雑把な所のある女だった。
「俺は細かい理屈とか苦手なんだよ」
「だから考える仕事は小僧に任せるぜ」
「小僧が言うなら俺はどんな仕事でも請け負うぞ」
「笑えよ、小僧。辛気臭い顔してんじゃねぇよ。こういう時は笑わなきゃ損だ」
最後の言葉だけは亜切を困らせたが、それ以外の部分ではおおむね相性のいいパートナーだった。
性格の面でも、能力の面でも、悪くない組み合わせだった。
豪快な見た目とは裏腹に、派手な攻撃能力を持たない英霊ではあった。
だが、その耐久力、頑健さと、防戦に回った時の粘り強さは一級品で。
そして、亜切にとってはそれでよかった。
なにしろ前回の聖杯戦争において、亜切の本命の攻撃手段は亜切自身。
嚇炎の魔眼。
見れば殺せる、必殺の熱視線。
英霊同士の戦いには最初から期待せず、ただマスター狙いの暗殺だけに勝ち筋を絞っていたのが亜切陣営だ。
亜切本人の判断ではなかったが、依頼主がそのように企図して、触媒を用意し、狙い澄ましてその英霊を召喚したのだ。
亜切が他のマスターを視認できる距離に近づくこと。
その距離で相手のサーヴァントの攻撃を防ぎきること。
うまく行かないようであれば、撤退して次のチャンスに繋げること。
それだけが求められていた性能だったから。
蛇杖堂のアーチャーが雨と降らせる爆撃のような矢を、延々と撃ち落とし続けたことがある。
〈脱出王〉のライダーが放った獣の群れを前に、一歩も引かずに耐え凌いだことがある。
ガーンドレッドのバーサーカーの暴威を前に、短時間とはいえきっちり持ちこたえたこともある。
「俺には細けぇことは分からねぇ。
暗殺者ってのはなるほど良くないことなんだろうな。
ただ、標的と、最低限の護身だけに留めるってアギリの方針は、俺は好きだぜ。
みんな、気軽に派手な戦争にしちまうから。
どうしても争いごとが止まらないってなら、泣く奴はできるだけ少ない方がいい」
善人ではあったのだろう。
だが彼女は亜切の生業を否定しなかった。
独特の、どこか突き放した死生観の持ち主であった。
無辜の民の犠牲を憂うのも、亜切の仕事を止めないのも、彼女の中では矛盾なく両立するようだった。
「笑えよ。
どっちを向いてもろくでもない世界だからこそ、せめて笑って生きるんだ」
笑え。
しかめ面をしていないで、笑え。
その求めだけは鬱陶しかったけれども、それでも、亜切の数少ない理解者であるはずだった。
だが――
聖杯戦争が進み、暗殺に失敗し、当初の想定を超えた停滞に突入した頃。
静かに歯車が、狂いだした。
「おい小僧、その気味の悪い笑い方やめろ」
「……僕は笑っていたのか」
「自覚もなかったのかよ。
確かに俺は『笑え』って言ってたけどな、そいつは良くない笑い方だ。
ひょっとして『あの女』のことを考えてたのか?」
「……嫉妬か?」
「違ぇよ」
実際に亜切が微かな笑みを浮かべるようになった途端、ランサーはその笑い方を嫌がった。
亜切の変化を、一方的に良くないものと断じるようになった。
「小僧のその笑い方をみると、思い出しちまうんだよ、俺の相棒を。俺の主人を。
あいつがおかしくなっていった時のことを」
「…………」
「あいつも兄貴が生きていると知ってからおかしくなった。
実際に会ってもっとおかしくなった。
誰よりも自由だったはずのあいつが、変わっちまったんだ。
アギリ、お前もそうなのか」
「……知らないな。
それに、『彼女』は僕の兄ではない」
「そういうことじゃねぇ」
些細なケンカをすることが増えた。つまらないミスも発生するようになった。
それでもランサーは、文句を言いながらも、赤坂亜切に従い続けた。
最後の最後まで、彼女は亜切の前に立ち続けた。
そんな義理堅い英霊だった。
彼女の光剣に背中から貫かれるまで、ランサーはとうとう、亜切を見捨てず、裏切らなかった。
真名、鬼若。
一般に広く知られている、武蔵坊弁慶という名で呼ばれることを、何故か彼女は嫌っていた。
「その名前にはもっと相応しい奴がいる」と、よく分からないことを言い続けていた。
「アギリ、やっぱりてめぇは牛若に似てるよ。
いや性格も見た目も全く似てねぇんだけどな。
牛若の奴がおかしくなった頃と……頼朝公と会ってからの様子と、そっくりだ。
何もかも違うのに、本当に嫌なところだけ似てやがる」
知ったことか。
それに僕だってこの胸の内に溢れる気持ちが理解できないんだ。
君が何を指して悪いことのように言っているのか、全然分からない。
「このままだとお前は、死んでも『あの女』に囚われるぞ。
牛若が兄貴に心奪われて、ちぐはぐで歯止めの効かない『忠義の武士』とやらになったように。
きっと牛若の奴も英霊の座にいるんだろうが、おそらくそれは頼朝公と遭った後のアイツだろう。
生前の功績でもって座に刻まれるというのなら、きっとそうなっちまう。
だから俺は聖杯を――いや、俺と牛若のことはどうでもいい。
アギリ、お前もこのままだと、壊れて歪んで、取り返しがつかなくなる。
細けぇ理屈は分からねぇが、俺には分かるんだ」
今になって思えば、それは赤坂亜切にとっての祝福に他ならなかった。
死をも超えて刻まれる狂気。死してなお忘れえぬ〈妄信〉。その保証。
あの頃の亜切にはまだ分かっていなかった。
分かったのは亜切の死の直前、ランサーが倒された後。
だから言い返せなかった。ただ黙ることしかできなかった。
牛若丸……つまり源義経については、一般常識と、鬼若の語る人物像しか知らない。
なので推測にしかならないのだが。
赤坂亜切には、奇妙な納得があった。後になってから理解ができた。
生死も不明だった兄の、生存と挙兵を知った牛若丸が、急に人が変わったようになったという話。
そりゃあそうだろう。
それまで居ないと思っていた兄弟姉妹の存在を確信できたなら……そりゃあ、人も変わるというものだ。
己の生きる前提が何もかも変わってしまうのだから。
……ねぇ、そうだろう、僕の大事な、お姉(妹)ちゃん?
◇ ◇
その夜、深夜にも関わらずロビーに踏み込んできたその一行の姿に、夜間帯の担当だったホテルスタッフは顔を強張らせた。
一行の先頭に立って入ってきた紳士はいい。
無精髭こそ生やしているが、きちんとしたスーツに身を包んだ中年男性である。
野性的な太い眉が印象的だ。ハンパに伸びた髭も、むしろ狙い澄ましたように似合っている。
だが、その連れがどう見ても訳アリ過ぎる。
黒髪の、しかし西洋人であろう少女は、髪の色があまりにも個性的だ。
右側にだけ黄色の毛が混じるメッシュで。インナーカラーとして藍色も刺してある。
太腿剥き出しのホットパンツにブーツ姿で、どこぞの過激なバンドの熱心なファン、みたいな第一印象だ。
そんな少女に肩を預けてぐったりしているのは、もう一人の少女。
紫色のショートカットは、どこかで見たことがあるような気もするが、伏せられている顔はよく見えない。
それよりも、土に汚れたその服装の方が気になった。よくみればだらんと垂らした左手には怪我を負っているようだ。
さらにそんな少女たちの後方には、もっと目を疑うような人物がさらに2人。
ひとりは何かのコスプレなのか、神社の神職か、平安貴族かといった服装の人物。
服装からすると男性なのだろうが、顔はびっくりするほどに整っており、ともすると女性とも見間違えそうになるほど。
だが真に異様なのは、そのコスプレ和装の人物の肩の上に、ぐったりとしたもう一人の人物が担がれていることだ。
二つ折りにするかのように肩に載せられたその人物は、フロントの方には尻を向けており、顔も見えない。
どうも血や泥にまみれていて、何か派手なケンカの後といった風情だ。
「やあ、深夜に驚かせて済まないね。ちょっと事情があってね」
「な、何か御用でしょうか……」
一行の代表らしき紳士が、にこやかに声をかけてくるが、それに対する返答は少し声が震えてしまっていた。
よく見れば紳士が小脇に抱えていた、大きな荷物は……大きな瓶の中に浮いていたのは。
眠るように目を閉じる、裸の赤ん坊である。
どう見ても、ホルマリン漬けの赤子の遺体。なんでそんなものを剥き出しで持ち歩いているのか。
もちろんこんな客がこんな時間に来る、なんて予約は入っていない。
深刻なトラブルが発生する可能性を念頭に、ホテルマンはそれでも辛うじて笑顔を維持した。
客の側からは見えない、カウンターの裏側にある押しボタンに指をかけておく。
これを押せば屈強な警備員が即座に飛んでくることになっている。宿泊客を守るための当然の心得だった。
だが――そういった警戒は、紳士の次の一言で、杞憂に終わる。
「『アインス・ガーンドレッド』だ。部屋を使わせてもらう」
名乗りひとつで、ホテルマンの顔から恐怖と混乱が消える。
どこか機械的な対応に、自動的に切り替わる。
「ガーンドレッド様で御座いましたか。失礼ですが、御要望などはおありですか?」
「ミネラルウォーターを3本用意してくれ。朝は起こさなくていい。来客があっても取り次ぐな」
「了解しました。最上階にどうぞ」
知らないと符丁であることも気づけないような、そんな簡単な符丁の確認。
それだけを済ませると、ホテルマンは最高級スイートルームのキーを取り出し、紳士の前に差し出した。
それを受け取りつつ、紳士は思い出した、といった風に言葉を続ける。
「そうだ、あとこれはついでなんだが。
救急箱とか、借りれないかな? こっちは本当にいま必要でね」
◇ ◇
「うわ広い部屋っ! ベッドルームも複数あるのっ!? 夜景もすごっ!
……じゃなくって、天梨をとりあえず、手当てして……いやこれは汚れを落とすのが先かな。
シャワーでも浴びさせるとして、着替えは……とりあえずこのバスローブでいいか。うわ、ふわふわっ!
男性陣、覗くんじゃないぞ! それじゃ!」
「ごめん……ごめんね……」
「あんたも謝らない! 汗と汚れ流して手当したら寝るよ! もう少しだけ頑張って!」
渋谷区に建つ外資系ホテルの最上階、最高級スイートルーム。
普通に宿泊しようとしたら、一泊だけでも3ケタの一万円札が飛んでいくような部屋。
アンジェリカ・アルロニカはせわしなく驚きつつも、室内の施設と備品を一通り確認して。
未だ意識朦朧とした様子の輪堂天梨の手を引いて、バスルームへと消えた。
誰に言われずとも自然に、消耗と精神的ショックの激しい輪堂天梨の世話を、積極的に焼いていた。
後に残されたのは男たちだけ。
大きなソファの上に放り捨てられて、なお動かないのはシャクシャイン。
とん、とテーブルの真ん中に置かれた瓶は、ホムンクルス36号。
それを置いたスーツ姿の紳士は、腕の一振りで普段通りの仮面の暗殺者の装いに戻る。
その全てを呆れたように見ていたのは、天若日子。
「聞きたいことは山ほどあるが……お互い別行動していた間のことは、アンジェが行水から戻ってからにしよう。
それで、この場所は何なのだ」
「私を創造したガーンドレッドの魔術師たちの、遺産と言うべき拠点のひとつだ」
瓶の中から声を返したのは、ホムンクルス36号。
「彼らの遺産の半分以上は私にもアクセスできないが、こういった仮の拠点をいくつも彼らは押さえていた。
あの場所から一番近くにあり、私も符丁を知っていた場所が、このホテルだ。
多少の魔法的な防御や隠蔽もされている。金銭的な問題も気にしなくていい」
「休めるのであれば、確かに有難いな。アヴェンジャーもこの有様だし」
天若日子は倒れ伏したまま動かない男をチラリとみる。
霊体化する余裕もなく、気絶している英霊。
「このアヴェンジャーについても教えろ。結局なんなのだこいつは」
「貴殿より後の時代の、今で言うなら北海道に相当する地域に生まれた英雄だ。
一言で言えば、南方から勢力を広げた日本人と衝突し、手酷い裏切りを受け、復讐者の霊基にまで至った存在だ」
「……おいアサシン。
難物なんて表現で収まるような相手ではないではないか。よりによって、よくこの私と引き合わせようと思ったな」
「俺様に言われてもな」
「幸いと言っていいのかどうか、彼は令呪にて縛られている。
天梨が戻ってきたら、一言言質を頂いておこう。
貴殿とアンジェリカ嬢、ともに彼女の『大切な人』だとの一言があれば、アヴェンジャーは手出しが出来ない」
「そこまでの首輪が要るような狂犬か……」
溜息とともに、先の死闘での共闘相手を見る。
頼もしくもあり、また厄介でもあった狂戦士は、今はまったくの無防備な姿を晒している。
先の戦い――炎の魔人と氷の女神との、どちらかが滅びるまで終わらないと見えた戦いは。
あっけなく、吹雪と爆炎に視界を遮られ、襲撃者側の撤退という形で終了した。
反射的に追撃しようとしたアヴェンジャーも、悪態をつきながら膝をつき、そのまま気絶して。
なし崩し的にこちら側の3陣営も、そこから南方にあったガーンドレッドの拠点、この超高級ホテルに撤退することになったのだ。
今なら分かる。
あの絶大な力を持っていた、敵の女アーチャー。
それに迫る力を発揮していた、北方の毒刃のアヴェンジャー。
何らかの強化はあったのだろうが、何のことは無い、アヴェンジャーは後先考えずに持てる力を振り絞っていただけだった。
復讐者の強い情念は、時に実力以上の出力を発揮させるが、いったん気持ちが途切れると途端に反動が来る。
英霊であれば誰でもできる、霊体化をする余裕すら残らないほどに。
「まあ、赤坂亜切も似たようなものだがな。
直接対峙して分かったが、あいつこそ、後先を考えずに己を燃やすことであの戦力を維持している。
燃料は奴自身の魂。
そんなものは無限ではない……今後の奴の行動次第でもあるだろうが、遠からずどこかで限界に達する。
おそらく我々『はじまり』の六人のうちで、最も終わりに近い位置にいるのがあやつだ。
もっとも、燃え尽きる前に潰してやろうという私の目論見も、空振りに終わったが」
「本当に迷惑な存在だな、お前たちは……あの老人もそうであったが……」
「赤坂亜切とそのライダーのお陰で我が友とそのサーヴァントは飛躍的な成長を遂げた。
しかしどうやらどちらも消耗が激しい。
どう楽観的に見積もっても、明日の朝までは使い物にならないだろう。
我が主人がやる気になっているというのに、これは口惜しい」
「なあホムンクルスよ、それはどう考えても、友と呼ぶ相手に向ける思考ではないぞ……」
アーチャーは何度目になるかも知れぬ溜息をつく。
いい加減に慣れたつもりではあったが、このホムンクルス、どうも人の心というものがない。
本当にこんな連中と組んで良いものなのか。天若日子の胸にこれも何度目とも知れぬ疑念がよぎる。
と、アーチャーとホムンクルスの会話が途切れたタイミングを見計らって。
スッ、とひとりの人物が手を挙げた。
「大将、俺様からも質問ひとつ、いいか」
「なんだ、アサシン?」
それはアインス・ガーンドレッドを騙ってチェックインした後、ずっと静かに一歩引いた所にいた人物。
顔には髑髏の仮面。仮面の下半分からは無精髭の生えた顎が覗く。
継代のハサン。
彼はそして、何気ないような口調で、とんでもないことを言い出した。
「これは質問っていうか確認なんだけどな――
俺様もまた、2回目の参戦。
そうだな、大将?」
◇ ◇
しばしの沈黙。
「おい……アサシン。それはいったい。」
「――素晴らしい。
これで最後の懸念が消失した。
極めて低確率とはされているが、私としては無視して事を進める訳にはいかなかった」
「んあァ?
……ああ、なるほど、そういうことか。
大将の性格ならその可能性も無視できねぇか」
「察しが良くて助かる。
語れずに居たことは謝罪する。そしておそらく、全て貴殿の想像した通りだ」
「本当は、もうちっと怒ってみせようかと思っていたんだがな。
相変わらず大将は、肝心な所でタイミングを外してくれるよ」
意味が分からずにいるアーチャーの前で、アサシンとホムンクルスの主従ふたりだけが、勝手に納得して頷き合っている。
これには温厚な天若日子も声を荒げて。
「おい、訳が分からないぞ、説明しろ」
「簡単な話だ。
そちらのアサシンは、『前回』の英霊戦争においても召喚されていた。私とは違うマスターの下で。
そして今回召喚されたアサシンには、その時の記憶がない。そうだな?」
「ああ。
そして大将は、俺様に『前回』の記憶が残っていて、『前回』のマスターのために動く可能性を警戒していた。
最も内側から裏切られる可能性を懸念していた。そうだな?」
「一般的にサーヴァントは召喚される度に記憶をリセットされるものだが、例外もいくつか報告されている。
極めて低い確率と言われているが、何しろ今回の聖杯戦争は異例尽くしだ。何が起こってもおかしくはない」
「そもそも同じ英霊が続けて呼ばれること自体、レアケースだろうしなァ。
そりゃ、そっちの立場なら、記憶引継ぎの可能性は警戒するわな。
だけどさっきの俺様の不用意な質問で、大将は『それはない』と確信できた。そういうことだろう?」
「これで私の目が節穴だったのなら、私の負けだ。
そうであればもう仕方がない。素直に寝首を掻かれるほか無いだろう」
「この大将、こういう割り切りの良さが、どうにも憎めないんだよな……」
過去にあったという、1回目の聖杯戦争。
そこに呼ばれていたという、髑髏のアサシンの存在。
本人にも伏せられていたその過去が、今、この場で明かされた――ということらしい。
「違和感は最初からあったんだ。
一応、俺様の能力は、最初に全部一通り説明したんだがな。
聞いたばかりだってのに大将の指示は全て適切で、無茶振りと思える命令も全部ギリギリ可能なことばかりだ。
でもなるほど、前回、敵として知っていたのであれば、納得もする」
「蛇杖堂寂句の言動もヒントにはなったろうが、最後の決め手は、赤坂亜切の一言だろう?」
「ああ。『懲りずにまた地獄から這い出てきたか』、だったっけな。あれがトドメだった」
「前回のパートナーの名前は分かるか?」
ホムンクルスからの問いに、仮面の暗殺者は少しだけ考え込む。
「そうだな。
まだ理屈だけでは完全には絞り込めねぇんだが、しかし大将が現時点でも想像がつくはずだ、と言うのなら……
ノクト・サムスタンプ。
魔術の傭兵、契約魔術師にして稀代の詐欺師。
なるほど、そんなのが俺様と組んだとしたら、そりゃあひでぇことになりそうだな」
「念のために警告しておくが。
万が一私を見限るとしても、奴と再び組むことだけはお勧めしない。
確かに能力面であれば驚異的な噛み合いの良さを見せるだろう。
だが前回の聖杯戦争において、ほとんど他の主従との接点を持たなかった私にすら、貴殿の嘆きは聞こえてくる程だった」
「そこまでかよ。不穏過ぎてかえって気になっちまうな、それは。
これも確認だが、大将も、他の『はじまり』たちも、ノクトって奴に俺様の存在がバレないよう、立ち回ってたな?
てか、大将もそれを期待して手札を切っていたって訳だ」
「その通り」
怒涛の勢いで答え合わせが進んでいく。
全ては咀嚼しきれないアーチャーを置いてきぼりのまま、そしてホムンクルスは決定的な決断を下す。
「そして、最後の懸念が払拭されたので、私はこの手段を選ぶことができる。
アサシン。
『西新宿に確保しておいた戦力』を、新宿で発生しているはずの、犯罪組織同士の闘争に投入しろ。
攻撃対象は『デュラハン』、および『刀凶聯合』。その双方の構成員。邪魔をするなら英霊たちも。
終わった後に何も残させるな」
「ノクトとやらに、俺様の存在が察知されるのは、もういいんだな?」
「構わない。
貴殿の能力を活かそうと思えば、いつか覚悟しなければならない事ではあった。
ただ、貴殿のマスターが私であることは、可能ならばもう少し隠蔽しておきたい。そこは留意して欲しい」
「了解した。今すぐ指示を出す」
「……なあ、『西新宿の戦力』って、何だ?」
アサシンは早速スマートホンでどこかに連絡を取っている。
会話に取り残されたアーチャーの、至極もっともな問いに対し、瓶の中のホムンクルスは端的に答えた。
「貴殿らの主従と遭遇するよりも前に、予め仕込んでおいたものがある。
東京の裏社会を仕切る2大勢力の衝突は予想されていたし、その双方の陣営に聖杯戦争のマスターが居ることも予測できた。
聖杯戦争を知る者も、知らぬ者も、備えていたのだ……それを今、ここで投入する。
どうせ、出し惜しみしていても巻き添えで損なわれるであろう戦力だ。上手く行かなくとも痛くはない」
説明をされても、それでもアーチャーには意味が分からない。
ただ、底知れぬ射程の思考に、訳も分からぬままに戦慄する。
このホムンクルスは、どこまで先を見据えていたのか……
そして、そんな迂遠で綿密な仕込みをする一方で、必要と思えばあんな捨て身の策も取れるのか!
「本当は我が友・天梨の存在を我が主人にお披露目したかったのだが、今すぐという訳にも行かなくなった。
そもそも我が主人が新宿に来たのも、私と亜切の衝突に惹かれてではあるまい。
現時点の我々の対決には、それだけの価値はないということだ。
仕方ない、それは受け入れよう。
だが。
『我々以外』の誰かが、彼女の興味を引くということには、言いようのない不快感を感じる」
「つまりなんだ。
大将は『八つ当たり』で不良どもの祭りを台無しにしたい、ってことか」
「そういうことになるのか。
感情の言語化というものは難しいな」
電話を終えて会話に復帰したアサシンの言葉に、瓶の中の赤ん坊は逆さまのままで何度か頷く。
表情だけであれば相も変らぬ無表情。
しかしうっすらと開かれた蒼い眼には、かすかに感情らしきものの色が見えた。
「奴らの価値を喪失させる。
愚連隊同士の衝突という基本構図から破壊する。彼らの『天敵』をここで投入する。
ただし、精密な操作は必要ない。
アサシン、貴殿が出て指揮をする必要はないが、出たいというのなら止めはしない」
「ふむ。どうするかね」
仮面の暗殺者は、無精髭の生えた顎を撫でる。
だだっ広いスイートルームには、微かにシャワーの水音だけが響く。
◇ ◇
新宿駅と代々木駅の中間くらいの位置に、どこまでも広い緑地がある。
芝生が広がる空間もあれば、手の込んだ日本庭園が造られている一画もある。
新宿御苑。
深夜ともなれば閉鎖されており、もちろん人の気配はない。
そんな都会のポケットのような空間に、降り立った人影がふたつ。
片や、身長2メートルの巨躯を誇る、吹雪の女神。
片や、眼に狂気の炎を灯す、魔眼の暗殺者。
「ここまで来れば、まあ大丈夫だろうね。やれやれ、生きた心地がしなかった」
「らしくないじゃないか、アギリ。こっちはまだまだやれたってのに。
そんなにあのアサシンが怖かったのかい?」
「アサシンが厄介なのは確かだがね。
それ以上にあのホムンクルス、そのアサシンにとんでもないことを命じやがった」
赤坂亜切は弱気をからかわれても怒ることもせず、ポケットからとあるものを取り出した。
それは……先の戦いの中、継代のハサンの操り人形になっていた人々が手にしていた拳銃。
あの混乱の中、目ざとくひとつ拾ってきたもの。
亜切の懸念の、その理由。
それは最大装弾数5発の、小ぶりなリボルバー。
スミス&ウェッソン社の名銃、M360……の、国と販売先を絞った、とあるローカルモデル。
シリアルナンバーの下には、「SAKURA」との刻印が光る。
「そもそも日本で拳銃なんて手に入る場所なんて限られてるんだ。
あの根暗め、ノクト・サムスタンプですら手を出さなかった相手に、がっつり手を出しやがった」
「でもそんなちっぽけな飛び道具、来ると分かってればアギリなら何とでもなったろう?」
「拳銃だけならね。
ただ最悪、狙撃銃を持ったスナイパーまで出てくる可能性まで考える必要があった。
流石にそうなったらお手上げだ……僕の考えすぎだったのかもしれないけどね」
亜切は嘆息する。
あるいはこれが「前回のランサー」と組んでいたなら、それも含めて全てを防いでくれていたのかもしれないが。
その場合、スカディの圧倒的な攻撃力も無かった訳で。
なんともままならない。
スカディはいまいち理解できないといった風のまま、それでもニヤリと獰猛な笑みを浮かべる。
「説明されても、まだよく分からないんだけどさ。
でもアンタのことだ、ただ逃げ出したって訳じゃないんだろう?」
「当然だ。
あそこでホムンクルスを殺しきれるなら、それでも良かったんだけどね。
残念ながら、他にも殺したい相手が出てきてしまったよ」
あの戦場に居た全員が、見ずとも聞かずとも察知した、この箱庭の神の介入。
しかしホムンクルスだけでなく、亜切たちもまた、瞬時に理解してしまっていた。
神寂祓葉は、別に赤坂亜切とホムンクルス36号の衝突に惹かれて、新宿に来たのではない。
彼女の視線は、もっと他の所に向けられている。
おそらくは、新宿歌舞伎町あたりを中心とした、半グレ集団同士の本格抗争。
『はじまり』の六人には、まさにその事実そのものが、我慢ならない。
「腹立たしいんだよねぇ、僕たち以外の存在が、お姉(妹)ちゃんに気を掛けられてるなんて。
なので、横から丸焼きにしてやろうと思うんだ」
「誰をどう狙うんだい?」
「どうせホムンクルスのことは、たまたま見つけたから襲っただけの、ついでの用事だったんだ。
狙って殴るなら、騒ぎの一番の中心だ。
事前に集めた情報によると、どちらの組織のトップも、相当な武闘派らしい。
なら、きっと派手な大将戦が起きる。そこを叩く」
炎の魔人は嫉妬の炎を燃やす。
期せずして〈妄信〉と〈忠誠〉、ふたつの狂気が、ほとんど同じ方向の出力に至る。
半グレたちの闘争を、台無しにする。
神寂祓葉の気を引いたことを、後悔させる。
まずはそうしないことには、気が済まない。
「どっちにしようかな。
決闘のつもりで殴りあってる所に横から乱入するか、それとも、決着がついた所を横から張り倒すか。
まあ、そこは臨機応変って所か。
アーチャー、君もその時は出し惜しみはなしだ。宝具くらいは使っていい」
「使うだけの相手がいるかねぇ。まあ、遠慮はしないけどね」
◇ ◇
山手線を挟んで、歌舞伎町から西側。
東京都庁のツインタワーに通り一本挟んで隣接する形で、その建物はあった。
新宿警察署。
管轄内に世界でも最も乗降客の多い新宿駅を抱え、繁華街である歌舞伎町も半分ほどを担当している。
実に、日本でも最大の警察署である。
ただでさえ大規模な警察署の前には、さらに現在、何台もの大型車が鎮座していた。
青と白に塗られた特徴的な大型バス。側面と背面には、窓の上から頑丈そうな金網が貼られている。
機動隊……それも他の警察署からもかき集められた、応援の部隊である。
その中には、立てこもり事件などで使われることもある、狙撃手のチームも含まれている。
デュラハンと刀凶聯合。
半グレと呼ばれる、ふたつの巨大組織の正面衝突の気配は、もちろん警察も察知できていた。
NPCとはいえ、彼らは彼らなりに自らの意思で動き判断する存在である。
いずれ大混乱が起きると分かっていて、ただ座視するような警視庁ではない。
具体的な開戦の時期までは絞り切れていなかったが、いつ何が起きても介入できる備えはしていたのだ。
その備えを、継代のハサンの御業は、全て掌中に収めた。
一か所に集まっている、魔術の心得のない一般人の群れなど、かのアサシンには良いカモだった。
鴨がネギを背負って整列しているようなものだった。
その数、およそ千人。
かのハサンの催眠術は、その気になればさらに一桁上の人数まで支配下に置くことができる。
実に彼は、警察署に集っていた人員を全て支配下に置き、待機させたまま、ここまでの戦い全てを踏み越えてきたのだ。
「攻撃指令、発令!
全隊、出動せよ! 繰り返す、全隊出動せよ!
攻撃対象、『デュラハン』、および『刀凶聯合』! それを邪魔する者も容赦をするな!
全ての武器の使用が無制限に許可される! 捕縛ではなく、殺害せよ!」
待機していた機動隊員たちが、次々と金網張りの人員輸送車に乗り込んでいく。
武器庫を開けさせて、警官の制式拳銃を外に持ち出すなんてことは序の口だ。
訓練を重ね武装もした、規律ある群れ。
レッドライダーの起こした混乱にも、二大組織の抗争開始にもろくに反応せず、ほとんど丸ごと温存されていた警察力。
それが今、無垢なる嫉妬に応えて、混沌の新宿に解き放たれる。
全てを台無しにするために、
全ての争いを、勝者なき結末にするために。
【渋谷区・超高級ホテル 最上階スイートルーム/二日目・未明】
【輪堂天梨】
[状態]:疲労(大)、左手指・甲骨折、全身にダメージ(中)、自己嫌悪(大)、意識朦朧、シャワー中、アンジェリカのなすがまま
[令呪]:残り二画
[装備]:なし
[道具]:なし
[所持金]:たくさん(体質の恩恵でお仕事が順調)
[思考・状況]
基本方針:〈天使〉のままでいたい。
0:ごめんね……アンジェリカさん……
1:ほむっちのことは……うん、守らないと。
2:……私も負けないよ、満天ちゃん。
3:アヴェンジャーのことは無視できない。私は、彼のマスターなんだから。
[備考]
※以降に仕事が入っているかどうかは後のリレーにお任せします。
※魔術回路の開き方を覚え、"自身が友好的と判断する相手に人間・英霊を問わず強化を与える魔術"(【感光/応答(Call and Response)】)を行使できるようになりました。
持続時間、今後の成長如何については後の書き手さんにお任せします。
※自分の無自覚に行使している魔術について知りました。
※煌星満天との対決を通じて能力が向上しています(程度は後続に委ねます)。
→魅了魔術の出力が向上しています。NPC程度であれば、だいたい言うことを聞かせられるようです。
※煌星満天と個人間の同盟を結びました。対談イベントについては後続に委ねます。
※一時的な堕天に至りました。
その産物として、対象を絞る代わりに規格外の強化を授けられる【受胎告知(First Light)】を体得しました。この魔術による強化の時間制限の有無は後続に委ねます。
【アヴェンジャー(シャクシャイン)】
[状態]:半身に火傷、疲労(極大)、気絶中
[装備]:「血啜喰牙」
[道具]:弓矢などの武装
[所持金]:なし
[思考・状況]
基本方針:死に絶えろ、“和人”ども。
0:殺す。
1:憐れみは要らない。厄災として、全てを喰らい尽くす。
2:愉しもうぜ、輪堂天梨。堕ちていく時まで。
3:以下の連中は機会があれば必ず殺す:青き騎兵(カスター)、煌星満天、赤坂亜切、雪原の女神(スカディ)。また増えるかも
4:ホムンクルスも殺してぇ……
[備考]
※マスターである天梨から殺人を禁じられています。
最後の“楽しみ”のために敢えて受け入れています。
※令呪『私の大事な人達を傷つけないで』
現在の対象範囲:ホムンクルス36号/ミロクと煌星満天、およびその契約サーヴァント。またアヴェンジャー本人もこれの対象。
対象が若干漠然としているために効力は完全ではないが、広すぎもしないためそれなりに重く作用している。
【ホムンクルス36号/ミロク】
[状態]:疲労(中)、肉体強化、"成長"、
[令呪]:残り二画
[装備]:
[道具]:
[所持金]:なし
[思考・状況]
基本方針:忠誠を示す。そのために動く。
0:とりあえず新宿で争う連中を、全て台無しにする。ダメで元々。
1:輪堂天梨を対等な友に据え、覚醒に導くことで真に主命を果たす。
2:……ほむっち。か。
3:煌星満天を始めとする他の恒星候補は機会を見て排除する。
[備考]
※天梨の【感光/応答】を受けたことで、わずかに肉体が成長し始めています。
※解析に加え、解析した物体に対する介入魔術を使用できるようになりました。
【アサシン(ハサン・サッバーハ )】
[状態]:霊基強化、令呪『ホムンクルス36号が輪堂天梨へ意図的に虚言を弄した際、速やかにこれを抹殺せよ』
[装備]:ナイフ
[道具]:
[所持金]:なし
[思考・状況]
基本方針:マスターに従う
0:八つ当たり、ねぇ……大将もだいぶ人間臭くなったもんだな
1:さて、新宿に行ってみるか、それともここに留まるか。
2:大将の忠告を無視する気もないが……ノクト・サムスタンプ、少し気になるな。
[備考]
※宝具を使用し、相当数の民間人を兵隊に変えています。
※OP後、本編開始前の間に、新宿警察署に集まっていた機動隊員たちを催眠下に捉えていました。
※自身が2回目の参加であること、前回のマスターがノクト・サムスタンプであることを知りました。
※この後、彼が新宿に向かって機動隊員たちを指揮するか、ホテルに留まるかは後続の書き手にお任せします。
【アンジェリカ・アルロニカ】
[状態]:魔力消費(中)、疲労(中)、シャワー中
[令呪]:残り三画
[装備]:
[道具]:ヒーローのお面(ピンク)
[所持金]:家にはそれなりの金額があった。それなりの貯金もあるようだ。時計塔の魔術師だしね。
[思考・状況]
基本方針:勝ち残る。
0:とりあえず天梨の面倒をみる。放っておけない。
1:天梨のシャワーと手当が澄んだら、ホムンクルスから色々聞き出さないと。
2:神寂祓葉に複雑な感情。
3:蛇杖堂寂句には二度と会いたくない。
[備考]
※ホムンクルス36号から、前回の聖杯戦争のマスターの情報(神寂祓葉を除く)を手に入れました。
※蛇杖堂寂句の手術を受けました。
※神寂祓葉が"こう"なる前について少しだけ聞きました。
【アーチャー(天若日子)】
[状態]:疲労(中)
[装備]:弓矢
[道具]: ヒーローのお面
[所持金]:なし
[思考・状況]
基本方針:アンジェに付き従う。
0:本当に何をどこまで考えているのだ、こやつらは。
1:アサシンもアヴェンジャーも気に入らないが、当面は上手くやるしかない。
2:赤い害獣(レッドライダー)は次は確実に討つ。許さぬ。
3:神寂祓葉――難儀な生き物だな、あれは。
[備考]
※アサシン(継代のハサン)が2回目の参戦であることを知りました。
【新宿区・新宿御苑/二日目・未明】
【赤坂亜切】
[状態]:疲労(大)、魔力消費(中)、眼球にダメージ、左手に肉腫が侵食(進行停止済、動作に支障あり)
[令呪]:残り画
[装備]:『嚇炎の魔眼』、M360J「SAKURA」(残弾3発)
[道具]:魔眼殺しの眼鏡(模造品)
[所持金]:潤沢。殺し屋として働いた報酬がほぼ手つかずで残っている。
[思考・状況]
基本方針:優勝する。お姉(妹)ちゃんを手に入れる。
0:とりあえず新宿で争う連中の、大将戦を台無しにする。歌舞伎町の争いに参戦する。
1:適当に参加者を間引きながらお姉(妹)ちゃんを探す。
2:日中はある程度力を抑え、夜間に本格的な狩りを実行する。
3:他の〈はじまりの六人〉を警戒しつつ、情報を集める。
4:〈蛇〉ねえ。
5:〈恒星の資格者〉? 寝言は寝て言えよ。
6:脱出王は次に会ったら必ず殺す。希彦に情報を流してやるか考え中
[備考]
※彼の所持する魔眼殺しの眼鏡は質の低い模造品であり、力を抑えるに十全な代物ではありません。
※香篤井希彦の連絡先を入手しました。
※ホムンクルス36号の見立てによると、自身の魂を燃やす彼の炎は無限ではなく、終わりが見えているようです。
ただしまだ本人に自覚はないようです。
具体的にどの程度の猶予があるかは後続の書き手にお任せします。
※一回目の聖杯戦争で組んでいたランサーは、鬼若(いわゆる武蔵坊弁慶)でした。
【アーチャー(スカディ)】
[状態]:疲労(中)、脇腹負傷(自分でちぎった+銃創が貫通)、蛇毒による激痛(行動に支障なし)
[装備]:イチイの大弓、スキー板。
[道具]:なし
[所持金]:なし
[思考・状況]
基本方針:狩りを楽しむ。
0:なるほど、八つ当たりねぇ。アギリも可愛いもんだ。いいよ、付き合うよ
1:日中はある程度力を抑え、夜間に本格的な狩りを実行する。
2:マキナはかわいいね。生きて再会できたら、また話そうじゃないか。
3:ランサー(アンタレス)は――もっと育ったら遭いに行こうか。
[備考]
※ランサー(ギルタブリル/天蠍アンタレス)の宝具を受けました。
強引に取り除きましたが、どの程度効いたかと彼女の真名に気付いたかどうかはおまかせします。
[備考]
NPCとして、千人ほどの機動隊員が、継代のハサンの催眠術の影響の下で、デュラハンと刀凶聯合を攻撃対象として放たれました。
基本的に一般構成員を狙って動きますが、英霊やその他の戦力が邪魔をするようなら攻撃対象とします。
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最終更新:2025年08月13日 00:49