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 ◇ ◇ ◇



――それは、砕月同盟の面々が、月の城に踏み込んでくる数分前のこと。

無機質な白い壁に囲まれた、広い部屋。
無数の刀剣類や様々な工具が無造作に放り捨てられた空間に、来客の姿があった。

「……という訳で、女神様に采配を任されましてね。
 いちおう、セイバーさんの希望も聞いておこうかと」
「知った字だナ」

慇懃無礼なほどに丁寧な態度で微笑むのは、香篤井希彦。
槌を振るっていた姿勢のまま、渡された紙の束をつまらなそうにめくっているのはトバルカイン。
もうひとりの来客である老陰陽師は、少し離れた所で大欠伸をしている。

「ここへの侵攻を計画している人たちの、名前と簡単なプロフィールのリストだそうです。
 『ことちゃん』、というヒトが書いてくれたと言ってましたね。
 僕の目には、虚空から急に現れたようにしか見えませんでしたが」
「アイツにとっては『そういうこと』になってんのか。まあそうなるわな」

己の領域の範囲内において、月の女神はまさしく万能に近い能力を誇る。
なので、情報収集なんてものは、その気になれば呼吸よりも簡単に完了する。

が、しかしそれを振るう側の人格は、怠惰で、何事も他人任せのダメ人間のままだ。
とても自分自身で詳細をまとめるようなことはできない。
能力としては可能でも、彼女自身が「やれないこと」と見做してしまう。

彼女の代わりに何かを「やったこと」にしてくれる存在としては、『ロキくん』もいたが……
こちらもまた、書類仕事なんてものは専門外もいいところ。

天枷仁杜の隣には、今も昔も、そんなことをやってくれるはずの人物なんて、たった一人しかいない。

たとえ『それ』が、今は彼女にしか見えない仮想上の存在なのだとしても。
それが必要な仕事ならば、『そいつ』がやったという体裁になる。
ただ、それだけのことだった。
几帳面な字がきっちりと刻まれたレポート用紙の上で、トバルカインが指を止める。

「……コイツだけは、間違いなくコッチに寄越してくれ。
 あとは、ついでで何人押し付けて貰ってもいい」
「おや、何か因縁でも?」
「別に期待してる訳でもないんだがナ。どうせ0.1%も可能性はないんだろうし」

答えになってない答えを返し、そのまま小柄な鍛冶屋は剣を打つ作業に戻る。
この殺風景な空間は、彼女が月の女神に頼んで賜った唯一のもの。鍛冶仕事に専念するための作業空間。
周囲に散らばる作り捨てられた刀剣類を見回して、希彦は軽くため息をつく。

「しかし、何なんですかコレ。
 かなりの名刀も、なまくらも、全然整理されずに放り捨てられてる」
「お前の目には、これが名刀に見えるのか」
「僕も刀は使いますのでね。
 流石にセイバー相手に腕を誇るほどのぼせ上ってはいませんが、鑑識眼の方もそれなりにあるつもりですので」

香篤井希彦は万能の陰陽師である。
荒事も想定した訓練を積んでいるし、近接戦を挑まれただけで即座に詰むほど甘くもない。
日本刀を持たせたら、普通にそれなり以上の達人である。
荷物になるし、必要となればいつでも術で作れるので、普段から持ち歩いたりしていないだけなのだ。

「私にとっちゃ、全部が不十分ななまくらなんだがナ。
 しかし、カタナ……日本刀……たしか片刃で少し反りの入った、片手半剣くらいのやつか。
 そうだな、こんな国に召喚されたのも何かの縁だし、作るならそういう方向もアリかもナ」

少女にしか見えない英霊は、ぶつぶつと呟きながら背を向け、今まで弄っていた一本を放り捨てると、新たな剣を鍛え始める。
もはや会話も成立しそうにないその様子に、希彦は肩をすくめるのだった。



 ◇ ◇ ◇



「――おまえは、確か演劇が本職だったナ?」

赤銅の丘にて。
トバルカインは、再生しつつある少女を、冷ややかな目で見つめる。
絶望的なまでの力の差のある闘いの、第二ラウンド。
その開始直前の、僅かなインターバル。

「お前は一体、何を演じたつもりでいたんだ?
 あんな継ぎはぎの奇形のキメラなんぞで、英霊の位置にまで手が届く気でいたのか?」
「……ひとつじゃ、とても届かない、だから」
「手段は何を使おうといいサ。どんな刃物で斬っても人は死ぬようにナ。
 姿かたちも、まあ目をつぶってやる。その辺は好きにやれ。
 だが――」

色間魔術を用いた中遠距離攻撃。
投影魔術を用いての武器の交換。
カスターから借り受けた拳銃。
これらを駆使した多彩な攻撃手段の小まめな入れ替え。
さらに魅了魔術による相手へのデバフ。

なるほど、ほとんどの相手には有効な技だろう。
牽制やフェイントが有効な場面もあるだろう。
しかし。

「だが――この期に及んでハンパなことしてたら、今度こそ容赦なく殺すぞ」
「――ッ!!」

伊原薊美の再生が完了した途端に、暴風のように襲い掛かる剣圧。
幻の炎の剣レーヴァテインと、投影魔術で複製した相手の剣とで、それを受ける。
余計な飛び道具などを出している余裕など与えられない。
遊びを捨てた殺人鍛冶の剣筋は、それほどまでに、鋭く、速く、重い。

そんなものを受け止められる『配役』があるとしたら……そんなものは、伊原薊美の知る限り、たったひとつしかない。

「――私の真名は、『トバルカイン』」
「!?」

無数の斬撃を放ちながら、褐色肌の英霊はおもむろに口を開く。
なんてことのない風に放たれた絶大な秘密の開示に、本人以外の全員が息を呑む。

「なんでも旧約聖書ってのに名前が載ってるらしいナ。
 最初の殺人者たるカインの血を引くもの。その呪いはどうやら私の代で花開いちまったらしい。
 人を殺すために刃物を作ったんだか、刃物を作ったから人を斬りたくなったんだか、私ももう覚えちゃいねェ。
 幾千幾万の剣を鍛えた原初の鍛冶にして、幾千幾万の人間を斬った原初の殺人鬼。
 それがこのセイバー、トバルカインなのサ」

軽い雑談でもするような口調とは裏腹に、全ての太刀筋に一切の容赦がない。
薊美は相槌を打つ間もなく、防戦一方。
必死の形相で、無限とも思える致死の刃を撃ち落とし続けるしかない。鋭い金属音が鳴り続ける。

代わりに疑問を考える余地を得られたのは、観客たちだった。

「……なあ、サーヴァントにとって、真名って本当は伏せるべきものなんだろ?」
「不可解であるな。
 私やそこの古き女神あたりなら、どうせバレるだろうから堂々としている、という割り切りもアリだろうが。
 旧約聖書のトバルカインならば私だって知っている、男性として歴史に刻まれていたはずの人物だ。
 とてもあの姿から想像できる名ではない。
 黙っていれば、誰も思いつくことすらできなかったろうに」

不倶戴天の仲のはずの悠灯とカスターが、揃って首を捻る。
意味が分からない。
あまりにも聖杯戦争の定石に反している。
英霊トバルカインは、なぜこの状況で、自分が不利になるだけの情報漏洩をあからさまにしているのか。

「……そう。後の世にも男として伝えられているらしいな。
 まあ願ったりだよ。女は捨てて、技を極めるのに専念して、子も残さなかったし。
 鍛冶の祖、とか呼ばれてるらしいが、別に弟子とかも取らなかったよ。
 勝手に私の仕事を覗いては、勝手に真似てた奴はいたようだけどナ」

あまつさえ、外野の言葉を耳聡く聞いて、言葉を続ける。
語り続けながらも、目にも止まらぬ速さの剣を繰り出し続ける。
スカディも呆れたような表情でぼやく。

「敵に塩を送る、ってやつかい? ちびっこ金物屋、らしくないじゃないか」
「……いや、違う。
 これは、きっと違う。
 本当になんてことを考えるんだ。
 いや、でもその上で、本当に何を狙っているんだ?!」

戦闘を見守る者たちの中で、いち早くその真意に気付いたのは彼だった。
山越風奇。ツー。
英霊、ハリー・フーディーニ。

「あれはきっと――本質としては、〈降霊術〉だ!」
「魔術の気配はないけどねぇ」
「そっちじゃあない。
 本物の魔術師の振るう死霊魔術(ネクロマンシー)じゃない。
 オカルトを騙る、イカサマの方の、降霊術だ!」

実はハリー・フーディーニには、〈脱出王〉と並ぶ、もうひとつ有名な異名がある。
〈オカルトハンター〉。
彼が生きていた当時、大流行だった降霊術。
死者を呼んで語り合うことができると騙る、怪しい降霊術師たち。
そんな詐欺師たちを、片端から告発していったのがハリーだった。
手品師としての知識と、鋭い観察眼を駆使して、偽りのオカルトの手口を看破して回ったのだ。
そんな彼の転生体だからこそ、分かることがある。

「そもそも、こうして拮抗が成立していること自体がおかしいんだ。
 話なんてしてるヒマがあること自体がおかしいんだ」
「確かに……
 さっきまでは、まるで追いつけてなかったのに」
「強制的に与えられた情報で、精度が跳ね上がっているんだ……
 演技者・伊原薊美による、『セイバー・トバルカイン』の『物真似』が、上手くなっている!」

偽りの〈降霊術〉の定番の技術の中に、それはあった。

言葉巧みに顧客から降霊対象の情報を引き出した後。
絶大な演技力で、『ただ死者の真似をする』。

たったそれだけ。

それだけなのに、指定された死者が言いそうなこと、やりそうな表情を、凄まじい精度で再現してしまう。
なりきりの精度だけで、肉親すらも完璧に騙しきってみせる。
直接聞き出せなかったはずの細かな所作まで、無意識に再現してみせる。
そんな自称・降霊術師が、何人もいたのだ。

ハリー・フーディーニは知っている。
人間の想像力の極みを。
演技力の極点が到達しうる高さを。
偽りが本物になってしまう瞬間のことを。
自身が至高のエンターテイナーでもあるからこそ、理解している。

  人間は、他の誰かに、なれる。

ましてや――
その当人が自ら己の人生を語り、自ら目の前で技術を開示し続けるのであれば!

「あのトバルカインは……
 伊原薊美に『トバルカイン』を演じさせて、『トバルカイン』を『降ろす』気だ!」

いったいその上で何をするつもりなのかは、流石の〈脱出王〉にも分からなかったけれど。



 ◇ ◇ ◇



(なんで、わざわざこんなこと……いや、そんなことを考える思考すら不要)

伊原薊美は、全力で剣を振るいながらも、深く深く思考する。
独り言として言葉に変える余裕すらない。
演技者として、目の前の模倣対象のことを全力でシミュレートする。全力で理解しようとする。

いま必死に演じている、英霊トバルカインという役柄に、深く沈み込む。

自己の魅了を自己に施し、全ての能力の底上げを図り。
胎息の技術でスタミナを補完する。
色間魔術や死狼魔術の中から掬い上げた、基本的な身体強化の術も並行して走らせる。
それら全てを節約魔術で効率化。

並列使用できる術の数なんて誇ってみても仕方がない。
全ては目的を遂げるための手段でしかない。
使える道具は全部使う。
使う必要のない道具は仕舞っておく。
不要な道具は片づけてしまって、情報処理のための仮想メモリを確保する。

残りの余力はすべて――他ならぬ『トバルカイン』の観察と、理解と、模倣と、再現に注ぎ込む。

第二ラウンドが始まってからずっと、伊原薊美はこの方針で走り続けている。
細く厳しくとも、自分が生き残れる道はこれしかない、という直感がある。

自分でも驚くほどに、剣への理解が深まっていく。
一合打ち合うほどに、役柄が最適化されていく。

(殺人者でもあり鍛冶師でもある……そうか、この手首の返しは槌を振るう要領か。
 むしろ剣を振っているだけなのに、鍛冶の仕事のやりかたまで、ぼんやりとだけど見えてくる)

名前が分かれば演じることが出来る。
役柄の背景を知れば理解度も深まる。
見取った身体の動きに意味が加わってくる。
理解がさらに演技の質を向上させる。

(鍛冶も殺人も、究極まで探求し続けた求道者の剣。その生き様。
 時に気まぐれな炎に寄り添い、時に強引に鋼をねじ伏せる。
 つまり、ここでこう剣を振るえば――)

防御の合間に、こちらからも攻撃を繰り出す。
まるで相手の急所に吸い込まれていくような感触。
もちろん軽く弾かれるが、その弾かれた勢いまで利用して、刹那に繰り出された相手の反撃を弾く。

やがて攻撃と防御の境界すら溶けて消えていく。
こちらの攻撃が相手の攻撃を弾く手段となり、回避の動きが敵の回避を阻害する。

いつしか双方の動きは、超高速の演武と化す。
紛れもなく双方本気の殺意を滾らせた、容赦なんて一切ない、本気の斬り合いにも関わらず。
完璧な攻撃と防御と回避の応酬は、いつしか約束稽古のような、社交ダンスのような美しさを帯びつつあった。



 ◇ ◇ ◇


「ずっと求めていた――それさえあれば後は何も要らない。そんな〈究極の一振り〉を」

トバルカインは語り続ける。
斬り続けながら、相手からの反撃を避け続けながら、それでも語り続ける。

己の人生を。己の足跡を。
相手にきちんと模してもらうために。

「もちろん簡単には届かない。
 材料が足りないのかと思って、手の届く所にあった、ありとあらゆるものを材料にしてみたこともある。
 私は人殺しの人でなしだからな、もちろん『人間』だって使ってみたサ。余すところなく」
「…………!」

殺気はそのままに、まるで練習をつけるかの如き太刀筋。
さらには、鍛冶剣豪の全身から、うっすらと魔力の光の粒が浮き上がり……伊原薊美にも吸い込まれていく。

高天小都音から託された令呪の魔力。
それがどういう訳だか、殺し合う敵のはずの薊美も強化する。
不可解な強化を受けて、それでも茨の王子は歯を食いしばって追いすがるしかない。助けを拒んでいる余裕などない。

「そして――だからこそ気づいちまった!
 私の技を中途半端に盗んでいった、鍛冶を名乗る馬鹿を『材料』にした時に、見えちまった!

 絶対に、何をやっても、この手は〈究極の一振り〉に届かないってナ!!

 それでヤケになって、一度は何もかもを放り捨てちまった!
 ここで召喚されてからも、ずっと『届く訳がない』と諦めていた!!」

二人の描く剣閃が、きらめく残像が、やがて綺麗な球形を描き始める。
二人の剣を打ち合う音が、次第に変質していく。
刃物を打ち合わせる甲高い音から……
まるで、金床を打つ槌のような、深く重い音に。
どこか不吉さも孕む、終わりを告げる鐘の音にも似た、重低音。


「な、なぁ……あれ、止めなくていいのか」
「どうやって止めるというのかね」

距離を開けて観戦しながら、嫌な予感に震える悠灯。
問われたカスターは、同じ予感を共有しつつも、目の前の事象が自分の手に負えないものであることが分かってしまう。

スカディはフッと鼻で笑うと、おもむろにサッと矢をつがえて軽く放つ。
果たして女神の矢は、あっさりと球形の制空圏に弾かれて、観客たちの足元に突き刺さる。

「うん、無理だねこりゃ。
 もしこいつを崩すとなったら、アタシでも本腰入れないと厳しいね」
「こっちには話を振るなよ。
 ああいうのは僕らが一番苦手なやつだ。
 下手に手を出したら、こっちも血煙になって終わってしまうよ」

からからと笑う女神。問われる前に白旗を挙げる脱出王。
見守るしかない観客たちの眼前で、人の道を外れた外道の鍛冶は大きく吠える。


「イバラアザミ、お前は器じゃねぇ、器じゃねぇが――
 断じて恒星やら、都市の神やら、そいつらに並ぶようなモノじゃあねぇが――

 それでも誇っていいぞ、お前は天才だった。
 私が思っていたよりも、ずっとずっと天才だった!
 英霊の座に刻まれてもいいレベルの、本物の天才だったッ!

 まさかこの次元にまでついてきてくれるとは!
 まさかココに手が届いてくれるとは!
 全く期待してなかったと言えば嘘になるが、それでもきっと無理だろうと思っていたッ!」

「……それっ、褒めて、ないでしょうッ……!」

「感謝の気持ちだけは、本当さ」

あのトバルカインが、殺意の具現化たる剣を休みなく振るいながら、あまりにも優しい微笑みを浮かべる。
伊原薊美の整った顔が、もはや人にはとても見せられないような修羅の形に歪む。

「 ――この身はいずれ、剣に至る。
  ---- I am the bone of my sword. 」

原初の鍛冶の唇から、ゆっくりと詩のような言葉があふれ出す。
意識してのものではない。
予め考えていたものではない。
ただ、内なる魂の囁きのままに、それを唱える。

「 鋼に至りしこの肉体と、炎を宿すこの血潮。
  Steel is my body, and fire is my blood.  」

女神の矢すらも拒む球形の制空圏に、火が灯る。
球状の輪郭のままに、紅蓮の炎が踊り始める。
それは竈(かまど)の火。
鍛冶仕事には決して欠かせないもの。この場を鍛冶の仕事場と規定するもの。

「 幾千幾万の剣を鍛えて未だ至らず。
  I have created over a thousand blades. 」

いつしか双方の剣の振りが変わっている。攻防の質が変わっている。
どちらも最善手を取り続けない限り、一方的に切り刻まれるしかないような、そんな剣舞。
攻撃と防御が不可分に一体化した、どこまでも繰り返すことのできる無限ループの動作。
薊美の演技の質が向上し、敵からの身体能力向上の魔力付与を受けてなお、そんな動きを一方的に押し付けられる。
もはや彼女には、この暴走列車のレールから降りる手段すらもない。

「 一度も過(あやまた)たず、しかして一度も得られず。
  Unaware of loss, nor aware of gain.        」

伊原薊美の表情に僅かに恐怖の色が混じる。
渦中にある彼女は、いち早く気がついてしまった。
この攻防の果てにある決着の形を。
この華麗なる演武の終着点を。
この先に待っているのは、屍を残すことすら許されない、完全なる破滅の保証。

「 槌を振るう痛みに耐え、届くはずなき最果てを夢見る
  Withstood pain to create weapons, waiting for one's arrival. 」

それはいったいどういう偶然か。
あるいは、共通する〈何か〉との接続の結果だったのか。
原初の鍛冶の祈りの言葉が、極東の、とある少年の至った投影魔術の極みに近似する。

「 きっと、この手に何も得られることはなく。
  Yet, those hands will never hold anything. 」

歓喜の涙すら目の端に浮かべて、人でなしは、混じり気のない純粋な祈りの言葉を詠唱する。

決して届かなかったはずの〈最果て〉に、とうとう、その指をかける。

「 ゆえにこそ――
  So as I pray----  」



 ◇ ◇ ◇











                  第 零 宝 具 開 陳


                共 鳴 固 有 結 界 展 開





                  最 果 て の 剣 製


     U L T I M A T E   B L A D E   W O R K S






               ゆえにこそ――きっとこの身は、剣へと至る。













 ◇ ◇ ◇



それは、決して成立するはずのなかった宝具だった。

『最果ての剣製 (Ultimate Blade Works) 』。

英霊トバルカインの原初の祈り。
強いて番号を振るなら第三ではなく第零。
番外にして、彼女の存在の根幹たるもの。

あくまで個人の心象風景の再現であるはずの固有結界を、ふたりで完全に共鳴して共有するという非常識。
本来であれば誰にも到達できないはずのそこに……

演劇の天才の才能は、かろうじて、届いてしまった。

届いて、しまった。


「もう分かるよな、イバラアザミ……
 〈究極の一振り〉の、材料も作り方も、本当は最初から全て分かっていた。
 分かっていて、私には絶対に掴めないモノだった」


至高(Ultimate)の、

究極(Ultimate)の、

最果て(Ultimate)の、

たった1本の剣の材料。


それは、トバルカイン自身。


彼女の技を見様見真似で模倣しただけの、下手な後続の鍛冶師ですら、それなり以上の剣の材料になったのだ。
そうであれば、最高の材料はもはやそこにしか残されていない。

誰よりも剣を作り続け、誰よりも人を斬り続け。
いつしか鋼にも等しい肉体を備え、炎のような熱き血潮を宿していた、原初の鍛冶そのもの。

しかし。

自分自身に向けては槌は振るえない。
自分自身を剣にしてしまったら、自分では握れない。
それは当たり前の、残酷な現実。
見える距離にあるのに、決して届かないものでもあったのだ。

トバルカインほどの個人主義者が、子孫や弟子を作って託す選択を、本気で検討してみたこともある。
彼女と同等の鍛冶の腕と、同等の殺人経験を備えた子孫/弟子が、遠い未来でもいい、2人同時に揃えばいい。
あるいは彼女が現役でいられるうちに、子孫や弟子がその域にまで届けばいい。
片方が片方を材料に、剣を鍛えればいい。
そんな才能が同時に揃うなんてどう考えても天文学的確率にはなるが、決してゼロではないはず。

無理だ。
トバルカインに迫るほどの殺人衝動を持つ者が、同じ時代に2人も居合わせたら、彼らは絶対に互いを殺し合う。
決して、鍛冶として大成するまで待ちきれない。

そうして、はじまりの鍛冶はふてくされた。
何もかもやる気を失って、自堕落な生活に堕した。
散々に代用品を探して回って、仮初めにでも使えるものなど見つからなくって。
失意のままに寿命に追いつかれ、成す術もなく亡くなった。
英霊の座に刻まれてからも、そんなものが果たせるとは、ほとんど思ってもいなかった。


同じ時代、同じ場所に英霊トバルカインが『2人』いること。

2人いるも同然の状態を作ること。

それがこの、幻の宝具の使用条件。
それは最初から不可能であるはずだった。


今なら、届く。

演技の技芸の極みにいる彼女となら、きっとこの指先が届く。

あの時代にはまだ十分には育っていなかった、演劇という文芸。
その申し子と呼ぶべきコイツと一緒なら、きっと。


トバルカインの願いと、高天小都音の遺言との指し示す方向が一致する。

にーとちゃんを、守る。
にーとを、独りにしない。

そのためには、さらなる力が要る。
数多の規格外が跋扈する、この針音響く東京では、神すらも斬れるような剣が要る。

〈究極の一振り〉が、この手に要る。

不可能を可能とするために、託された魔力が大胆な賭けにBetされる。
最期の令呪で託された魔力が、命を賭けて戦う敵であるはずの伊原薊美にも注がれる。
全てが終わった後の後遺症のリスクも何もかも無視して、伊原薊美の存在を、英霊に近いレベルにまで強引に引き上げる。

「もうお互い、ここからは最善手以外は選べない……少しでも手元が狂った側に、全ての斬撃が叩き込まれる。
 鍛冶としての技量の全てを注ぎ込んだ、この連撃が、だ。そういう仕掛けになっている」

「……ッ!
 …………ッ!」

「その精度で再現できているなら分かるだろう……

 私とおまえ、競り負けた側が、『剣』になる。

 比喩じゃない。
 自我を持たない、ただの一振りの剣になるんだ。

 そしてどちらがそこに至ろうとも――
 それこそがきっと、〈究極の一振り〉だ」


2人を包んでいる業火は、もはや触れれば一瞬で骨まで溶かす火力に達していたが。
最善手を取り続け、剣を振るい続ける2人の肌にまでは届かない。
剣を振るう余波が、ギリギリで炎を遠ざける。
ひとたび均衡が破れれば、この業火もまた、敗者の側に一気に襲い掛かるのが理屈抜きに分かる。

「ないとは思うが、私が負けたらおまえが好きに使うがいい。
 おまえが負けたら――
 そうだな、『名刀アザミ』として、末永く使ってやる。
 最後まで付き合ってくれたお礼に、お前の名前を、歴史に刻んでやる」

小さく閉ざされた固有結界にて繰り広げられる、生き残れるのはひとりきりの強制デスマッチ。
少しずつ速度が増していく。ただでさえ速かった剣閃の速度がさらに上がる。

現時点ですら、伊原薊美は己の限界を超えた所で戦っているのだ。
既に死狼魔術の本質たる「死を誤魔化す力」までも併用し、このチキンレースになんとか食い下がっている。
とっくに過労で死ぬしかないような負荷を前に、イカサマのような魔術で可能性を前借りして臨んでいる。

しかし、どう考えても。
間違いなく、優位にあるのは。
片方だけ喋る余裕を残しているのは。


「がんばれ……」

汗ばむ手のひらを握りしめ、歯を食いしばりながら、騎兵隊の長はらしくもなく祈るしかない。
自分のマスターの、どう見ても遠すぎる絶望的な勝利を、ただ祈り続けることしかできない。
あの伊達男が、恥も外聞もなく涙と鼻水をまき散らしながら、ついには子供のように絶叫する。

「頑張れ……頑張れ……!
 我が愛しの令嬢よ、頑張ってくれェ……ッ!!」


観客たちの視線を、観客たちの熱すらも、燃え盛る竈は取り込んで、さらなる高みを目指して疾走する。
演技者が片方の翼を担ったからこそ発生した揚力。
トバルカインも期待していなかった追加の燃料。
不可能を可能にできるかもしれない、最後の一押し。
その恩恵を受けたのは、果たして茨の君だけだっただろうか。

「じゃあ、そろそろお別れだ。
 お前はお前自身が望んだような存在ではなかったが……確かに間違いなく、大したものだったよ」

五人の観客からも隔絶された、二人がかりの狭い固有結界の中で、トバルカインは別れの言葉を告げて――



 ◇ ◇ ◇



(――五人?!)

一貫して優位にあり、状況をコントロールしていたトバルカインだけが、気が付いた。

気がついて、しまった。


赤銅の丘に落とされて、敵対者として対峙していたのは――

いままさに剣を交わしている、伊原薊美。
そのライダー、ジョージ・アームストロング・カスター。
アーチャー、女神スカディ。
ライダー、ハリー・フーディーニ、その第二生たる山越風奇。
そして、英霊を喪ったマスター、華村悠灯。

それ「だけ」のはずだ。

合計で五人。
ひとりが目の前にいるから、残りは四人。

いるはずがない。
こんな造られた世界に、他の者が入ってくるはずもない。
カスターも、今は配下の騎兵隊を出してはいない。そんなものが役に立つ場面ではない。

なのでもし、異物が混入する余地があるとしたら、それはきっと、月の女神の側の――!

(考えるな……! 見るな……!)

トバルカインの本能が悲鳴を上げる。
目の前の剣のやり取りにただ専念しろと警告を発する。
まさに生前からの悲願を果たそうというこの瀬戸際に、あってはならないはずの思考のノイズ。

けれど、そんなことを考えてしまっている時点で、彼女の破滅は確定していた。

音もなく現れ、他の4人にはまだ気づかれていない、もうひとり。
所々にブロックノイズがかかった、存在感に乏しい、平凡な女の姿。

月の女神が「まだ存在している」と心の底から信じる、既に失われたはずの存在。
『現実そのものを騙す』規格外の幻術の、さらにその先にある、禁断の領域。


『術者すらも騙す』、そんな究極(どん底)の幻影。


もし仮に存在するのであれば、危険を承知でトバルカインの死闘を見に来たがるに決まっている、心配性の人物。

最後の刹那、トバルカインの視野の片隅に映ったのは――


「――――コトネ。おまえ、」


全てを言いきることはできなかった。

それが英霊・トバルカインの最期の言葉となった。

何も過(あやま)たぬはずの、至高の鍛冶にして至高の殺人鬼の剣筋が、ほんの髪の毛1本分だけ、ズレて――


「…………ああああああああああああああ!」


存在全てを振り絞るような、伊原薊美の絶叫とともに。
強固な固有結界が破裂する寸前にまで膨れ上がっていた、全てのエネルギーが、全ての業火が、全ての剣閃が。

トバルカインの褐色の矮躯に、一息に叩き込まれた。













【トバルカイン 剣化】








 ◇ ◇ ◇



――爆炎が晴れた時、そこにあった人影はひとつきりだった。

誰も、言葉を口にすることができなかった。

まるで敗者のように、満身創痍で、立つこともできずに膝をつくのは。
炎剣を維持することさえもできず、無手で荒い息をつくのは。

伊原薊美。

その姿は、もはや死にかけという言葉ですらも生温い。
全てを注ぎ込んでなお、越えられるはずのなかった死線を越えた身。
敵から与えられていた魔力付与は既に抜け落ち、指一本まともに動かす力すらも残されてはいない。

彼女はそれでも、まさしく最後の一滴の力を振り絞って、大地に突き立つ〈それ〉にむけて、震える手を伸ばす。


それは、赤銅色に輝く、片刃の剣だった。


僅かに反りの入った、しかし直刀に近い剣。
鍔周りや柄の造りは異なるが、全体の印象としては日本刀に近い形状と大きさ。
鞘もなく剥き出しの身を晒すそれは、一目見て鳥肌が立つような凄惨な色気を放っている。

原初の鍛冶が夢見た、究極の到達点。

小細工もギミックも何もなく、ただ強い。
決して折れず、曲がらず、欠けることもなく。
何もかもを切り裂く、極限の切れ味を持つ。

たったそれだけの機能しか持たない、究極の、人斬り包丁。


「……ならば、この剣の〈銘〉は決まっている」


とても勝ったなどとは言えない勝負だった。
明らかに相手に導かれ、技術指導を受け、魔力すら注がれて、それでようやく恰好のついた決闘だった。
最後の一瞬だって、相手が勝手に小さなミスをしただけ。
とても誇れるような戦いではない。

それでも、それは彼女のための戦利品であるはずだった。
遺言にて彼女に贈られた、一振りであるはずだった。

一柱の英霊が、確かにこの地に居た証。
夢を見て、無謀な賭けをして、負けながらも確かに手を届かせてこの世に遺した、〈究極の一振り〉。

与えるべき名など、決まっていた。


「これは、名刀〈トバルカイン〉、だ」


その名を呼んで、掴もうとして。








――何の前触れもなく。

音もなく、天と地が割れた。



 ◇ ◇ ◇



「なっ……!?」

それは誰の口から洩れた声だったのか。
死闘を演じていた薊美も、それを見守っていた観客たちも、不意の浮遊感に襲われる。

それは現実にはありえない『落下』だった。
大地が割れ、空が割れ、その空間にいた者たちの主観では、「天に向かって」の自由落下が唐突に始まる。

無数の剣が刺さったままの赤銅の丘が、細かな破片と化して、彼ら彼女らと共に虚空へと落下していく。
かの名刀も、宙を舞う数多の剣に紛れて見えなくなる。


ここは月の女神の夢の中。
現実ではありえないことも、いとも容易く発生する。


咄嗟の判断で、2騎の英霊はそれぞれの保護対象を確保する。
飛び交う大地の破片の上を騎馬にて駆け抜けて、将軍が脱力した令嬢の身体を掻っ攫う。
山越風奇が、華村悠灯の身体を抱きかかえる。

「……ん? 令呪の魔力?
 ははぁ、ヘマやったな、遊び人め。だから言わんこっちゃないんだ」

青年の姿をした英霊が何やらよく分からないことを言っている。
悠灯は意味が分からず真意を問いかけるが、すぐさま今はそんなどころではないことに気付く。
底すら見えない遥かな空間を、今まさに絶賛落下中なのだ。
着地を失敗すれば、それだけで死にかねない。

「……おっ、あれは爺さまじゃないか。
 ははぁ、さては、分割されていた空間が繋がったんだね。『寝室』の方で何かあったかね。
 どれ、約束していた『お礼』と行こうじゃないか」

これから落ちていく先の、割れた曇天の向こうの景色にいち早く気づいたのは、視力に長けるアーチャーだった。
この環境下では宝具の助けこそ得られないが、そんなものがなくとも彼女の視界は冴えわたっている。

割れた曇天を通り越して、これから落ちていく先は、どうやら広く澄み渡った湖の上。
上下逆転して、向こうの世界の空の上から落とされたような恰好だ。
そしてその湖の上、水面に立っている人影が4つ見える。


共に砕月同盟として月の城に突入し、分断されていた仮の仲間が2人。

アンジェリカ・アルロニカ。
アーチャー、天若日子


そして、既知の敵も2人。

香篤井希彦。
そしてもう1人は。


スカディは自由落下の勢いのまま、無造作に弓を構えて、放つ。
ずっと『おあずけ』を強いられてきた、肉食獣は。
この混乱、この制止する者なき状況で、決してその『ちょっかい』を出すことを我慢できない。
足場のない虚空だ、溜めも連射もできる姿勢ではないが、それでも彼女はその一矢に絶対の殺意を込める手段を有していた。
だが。

「……こうも読み通りだと、むしろ申し訳ないの」

眼下の老人はチラリと頭上を見上げる。
落下しつつあるスカディと、一瞬だけ目が合う。
たったそれだけで十分だった。

「……がッ!?」

音もなく歪曲された空間から、放ったはずの矢が飛び出し、撃ち手のはずのスカディに牙を剥く。
この展開を読み切っていた吉備真備が、月の女神から賜った『空間を作り替える権利』を駆使して備えていた、一回きりの罠。
彼自身が元から有していたスキルではないからこそ、凍原の女神にすら予測はできない。
狙ったのはは女神の古傷。
全身に強固な鎧を着ているにも等しい巨人の外殻を有する女神の、明らかに守りの弱い弱点。

かつて天の蠍に穿たれ、毒を嫌って大きく抉り取った脇腹に、他ならぬ女神自身が仕込んだ猛毒の矢が突き刺さる。

蛇の毒。
連射も強射も不可能と理解した彼女が、咄嗟に無意識のうちに選んだ殺意の形。
よりにもよってその毒は、彼女自身を含む、北欧神話に由来を持つ神性に対して特攻効果を有している。

かつてスカディ自身も同じ場所に同じ毒を打ち込んだが、あくまでそれは毒の相殺を狙っての浅い投与。
今は絶対の殺意を込めた矢が、その勢いのままに女神の体内を突き進むのだ。
そのまま殺意の鏃は、女神の霊核にまで達する。
霊核にヒビが入り、霊核にまで毒が回る。


全てが落ちていく。成す術もなく落ちていく。


見れば、深い湖の底からも、同じような速度で浮上してくるものがある。
透明度の高い、遥かな湖底から、猛スピードで迫るモノが多数見える。

いや、それもまた、上下を逆にした落下現象。
数多の泥の塊の中に、複数の人影を含んだもの。

月の内界の、より上層(下層)と、より下層(上層)が、同時に崩壊し。
ちょうど真ん中に位置していた湖へと、鏡写しのように同時に落下しているのだ。


「……さて、ここまでは全て計算通り。
 どうやら分の悪い賭けも、望みの賽の目が出てくれた。僕は幸運に愛されている」


湖の真ん中で、火傷顔(スカーフェイス)の青年がにんまりと笑う。
爽やかさの欠片もない、粘着質な、狂人ならではの笑い。

同じ湖面上では、上下から挟み撃ちにしようとする質量物を前に、もう一組の主従も慌てて動こうとしている。
アンジェリカと天若日子。
こちらも上下の主従たちと同じく、サーヴァントがマスターを守ろうとしているようだった。
しかし僅かに遅い。
上(下)と下(上)からの土くれの塊が、手を伸ばす主従を遮るかのように落着する。


  ――ぱんっ。


希彦が大きな音を立てて両手を叩く。
基本的な祈りの所作のひとつにして、多用な使い道のある基本的な技法、柏手。
まさに頭上(下層)からの落下物と、湖底(上層)からの落下物が、共に湖面に衝突したその瞬間に。

一瞬にして、月の内界が再び分断される。

与えられた権限のままに、再構成される。

今度は縦から横へ。再度のシャッフル。
全てが繋がった、果てしなき地平へと。



 ◇ ◇ ◇



 ◇――――マテリアルが更新されました


『最果ての剣製(アルティメット・ブレード・ワークス)』

ランク:A++ 種別:??? レンジ:5 最大捕捉:1

トバルカインの第零宝具にして、本来であれば絶対に使用不可能であるはずだったもの。
同じ時代、同じ空間に『2人』の英霊トバルカインが居合わせる、またはそれに準じた状態でのみ発動が可能。
世にも珍しい2人の共鳴によって共有されて展開される、固有結界。

その正体は、
刀剣を鍛える究極の竈であり、
片方しか生きて出られない蟲毒の壺であり、
敗者は成す術もなく一本の剣と化す、過酷なデスマッチ会場である。
決着がつかない限り、この極小の固有結界は決して解除されることはない。

双方が全身全霊で剣を繰り出すことにより、競り負けた片方が、究極の性能を有する一本の剣に成り果てる。

なお、こうして作られた剣は、A++相当の神秘を有する以外には、特に機能らしい機能のない剣である。
単純に、剣としての機能全てが、極めて高いだけの存在。
決して規格外や測定不能を意味するEXの枠には該当しない。
劇的な創作過程にも関わらず、使い手を選んで他の者を拒む機能や、魂を宿して持ち手に助言するような機能はない。

あくまで、誰が振るっても同様の切れ味を無分別に授ける、最強最悪の人斬り包丁である。

世の中にはA+++の評価を受ける宝具も存在するが、大抵は持ち主を厳しく選び、また持ち主の能力込みでの評価である。
それを考えると、誰にでも振るえるA++の武器は、なるほど確かに最強の武器の呼び名に相応しい。


 ◇ ◇ ◇


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最終更新:2026年09月17日 23:19