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 ◇ ◇ ◇



……そこは、全方位をどこまでも見渡せる、小高い丘の上だった。
心地よい風が吹き抜ける、ちょっとした見晴台のような地形。
頭上にはどこまでも夜空が広がっているのに、降り注ぐ月光は昼間よりも明るく周囲を照らしている。

小柄な少女が、ぱんぱん、と軽く手を叩くと、そこにフカフカのベッドが出現する。
権限の一部を譲渡していても、依然としてこの世界の主は彼女であることに変わりはない。
何もかもが、すべてが意のままになる特権を有している。

「色々壊れちゃったかな?
 んー、希彦さんが何とかしてくれたっぽいね。
 これはこれで面白いから、当面はこのままでもいいかなー」

ひたすらに広い、地平線まで見えるような空間に、どうやら敵味方バラバラにばらまかれているらしかった。
そして月の主の配置されたこの場所は、どこを見るにも都合のいい、特級の観戦席のような立地。
どうやら主が一時的なパニックに陥っている間に、臨時雇用の協力者が上手いこと配慮してくれたらしい。

「それで、えーっと、あなた誰だっけ。
 ごめんね、たぶん名前は聞いてたと思うんだけど、興味なかったから。覚えてないんだよね」
「…………」

すぐそばに配置されていたもう一人の少女は、どこか親し気に、どこか非常識に笑いかけられて、ただ絶句する。

黒髪に藍色のインナーカラー、そこにメッシュのように入る、目立つ黄色の髪。
アンジェリカ・アルロニカ。

目の前にいる相手は、見れば一発で分かる、この月世界の女主人。
自分たちが攻略せねばならない、最大の難敵。

会えたのであれば、言ってやりたいことがあったはずだった。
共に突入した仲間のためにも、やらねばならないことがあるはずだった。

けれども、喉がつっかえたかのように、言葉が出てこない。
アンジェリカともあろうものが、言うべき言葉を見つけられない。
何故なら。

(これだけの大きな状況の変化に、白黒と一緒に湖底から『落ちてきた』この月の世界の神。
 間違いない、事前の作戦通りに、あの子は『あのこと』を言ったんだ。
 なのに、なんで――)

「あなたのサーヴァントは、どこにいるのかなー?
 まー、うちの『ロキくん』の方が絶対に強いけどさー。
 ここでジタバタされても面倒臭いし、のんびり一緒に観戦しようよ。
 ……あ、ポテチ食べる? 飲み物も出すよ? お酒とジュース、どっちがいい?」

どう考えても作戦は実行されたはずだった。
何が起こるか分からない、危険な賭けではあったが、その残酷な事実は間違いなく伝えられたはずなのだ。
先ほど起きた天変地異にも等しい大崩壊は、その結果のはずなのだ。

なのに、どうして。
この目の前にいる、天枷仁杜の屈託のなさは、どう考えても。


(まさか……自分の意思で、『全部忘れた』とでも言うの――?!)


信じがたいレベルの自己欺瞞。
知りたくない事実、聞きたくない話は、綺麗さっぱり「なかったこと」にしてしまえる、異常な人間性。

にーとちゃんのダメ人間っぷりを、舐めることなかれ。
たかだか一度や二度、『真実』を告げられたくらいでは、この堕落の星を完全に目覚めさせることなんてできやしない。

二度寝上等。
三度寝だってお手の物。
むしろそうであればこそ、全ての物事は「このように」なってしまっているのだ。
むしろそれこそが、あらゆることの前提なのだ。

他の全ての場面を観察できる特等席。
月の女神と、ふたりきりで直接会話できる、貴重な機会にも関わらず。
アンジェリカ・アルロニカは途方に暮れる。

いったいここから、何を言えばこの子に届くと言うのだろう。
たったひとりで、いったい何が出来るというのだろう――!



 ◇ ◇ ◇



【月光夢幻神界〈渋谷〉・『月姫真体・堕落恒星』内界 再構成地平・中央・"天望の丘"/二日目・午前】

【天枷仁杜】
[状態]:〈スターゲイザー〉、自己記憶操作済み、〈ウートガルザ・ロキ〉および〈高天小都音〉分離独立行動中
[令呪]:残り三画
[装備]:
[道具]:セラフ=アレス改め、アルテミット・ガグンラーズ
[所持金]:もう意味がない。
[思考・状況]
基本方針:さあ、しあわせな夢を見よう。
0:とりあえずこの子(アンジェリカ)とのんびり観戦しようか。てかまだ名前も答えて貰ってないね?
1:都市の制圧。聖杯の獲得。全部叶えようね。
2:薊美ちゃんのことは残念だけど、もういいや。バイバイ。
3:満天ちゃんには同情している。いつでも声をかけてよ、救けてあげる。
4:わたしを倒すなんて、できるわけがないのにね?
[備考]
※祓葉との対話を通じて、資格者としての性質が向上しました。
※恒星真体・スターゲイザーⅠとして覚醒しました。根源の渦への接続が再開されます。
※煌星満天のすべてを読み解きました。

※スターゲイザーとしての力が強まり、幻術のウートガルザ・ロキおよび高天小都音を創出するに至りました。
 いずれも『現実を騙す幻術』のさらに上位、『術者すら騙す幻術』の産物です。
 現在それらはそれぞれに彼女から独立して行動しており、彼女自身の認識においても傍にはいません。

※契約していたセイバー(トバルカイン)を失いました。
 いまのところ、サーヴァントを喪失したマスターへのペナルティの類は、発動する気配もないようです。

※楪依里朱から告げられた、ショッキングな真実を、綺麗さっぱり忘却しました。
 無理を通してでも夢を見続けるつもりのようです。


【アンジェリカ・アルロニカ】
[状態]:魔力消費(中)、疲労(小)、頭痛(大)
[令呪]:残り三画
[装備]:
[道具]:ヒーローのお面(ピンク)
[所持金]:家にはそれなりの金額があった。それなりの貯金もあるようだ。時計塔の魔術師だしね。
[思考・状況]
基本方針:勝ち残る。
0:こんなの、いったい、何を言えば届くというの。
1:未来を変える。私は、神を生ませない。
2:神寂祓葉に複雑な感情。
3:蛇杖堂寂句には二度と会いたくない。
4:あー……きっつい、これ……。
5:満天のプロデューサー(ファウスト)に警戒心。こいつは絶対ロクでなしだ。
[備考]
※ホムンクルス36号から、前回の聖杯戦争のマスターの情報(神寂祓葉を除く)を手に入れました。
※蛇杖堂寂句の手術を受けました。
※神寂祓葉が"こう"なる前について少しだけ聞きました。
※アルロニカ家の魔術刻印と共鳴することで、世界の始点と終点の一部を観測しました。



※『月姫真体・堕落恒星』内界が組み替えられました。
 いまはすべてが一続きのだだっ広い自然空間の中に、それぞれ離れて人々が配置されているようです。
 その全てを、中央の"天望の丘"からは観察できます。

※"天望の丘"の最も見晴らしの良い位置に、巨大なベッドが配置されました。
 適当に軽食や飲み物も用意されています。



 ◇ ◇ ◇



組み直された月の内界、その東方に位置する大草原では――

一組の主従が、最悪の相性の相手と向き合っていた。

「あわ、あわわ……」
「よりによって、これと向き合うことを強いられるとはっ……!」

悪魔を模った衣装のアイドルが、蒼褪める。
普段は鉄面皮のプロデューサーが、脂汗を隠すこともできずに敵を見上げる。

相性の悪い相手をぶつけられる可能性は、確かに考慮していた。
色々と打つ手も考えていたはずだった。
しかし、それにしたってこいつは。
いくらなんでも。


「テ■エら、よくもにーとちゃん■泣か■たな?」


声にも、その巨体にも、ときおり不可解なノイズが混じる。
というか、その台詞もさっきから数えて3回目だ。
痴呆老人のように、壊れたレコードのように、同じ言葉を脈絡なく繰り返している。

明らかに再現度が低い。
知性が怪しい。
かつてあったはずの遊びがどこにもない。

にも関わらず――圧倒的な暴力だけは、圧倒的な存在感だけは、完全に再現されてしまっている。

よりにもよって、そこに最初から展開されていたのは。
生前の『彼』が最後に到達していた、最大暴力。
存在自体が冗談のような、まごうことなき巨大ロボ。


  北欧機動戦神、スキーズブラズニル・ガグンラーズ。


冗談のような巨躯が、決して正面戦闘には向かない主従に対し、隠す気もない殺意を滾らせている。

(せめて、これが『本物のウートガルザ・ロキ』だったならッ……!
 あるいは、知性や感性まで、完全に再現されていたのならッ……!)

悪童の極みたるロキにあったはずの唯一の隙は、その無駄に豊富なサービス精神であった。
効率などよりも面白いことを愛し、決して最初から全力など出さず、適当な所で自分のピンチすら演出してみせる。

そんな『本物のロキ』が相手であったのであれば。
知恵の権化たるファウスト、いや、メフィストフェレスには、いくらでも打てる手があった。

腐っても芸能界でアイドルを差配する彼であれば、相手の好みや演出に合わせたアドリブも、いくらでも繰り出せた。
その気になれば、ただの話術だけでも10分は時間を稼げた自信がある。
煌星満天の半ば天然な言動の数々も、きっと向こうの興味を引けていただろう。

現時点での彼女の能力では、それでもロキを倒しきるのは難しい。
けれど、時間を稼いで持ちこたえることに徹するのなら、何とでもなっていたはずだった。
時間さえ稼げれば、砕月同盟の誰かが駆けつけてきてくれることだって期待できたはずだった。

しかし。
この、初手から全力を出してくるような、粗雑な模造品では。
会話もままならないような、不十分な再現体では。


ガグンラーズの目が光る。
ノーモーションで破壊の光が放たれる。
もはやこの主従には、それを十分に防ぐだけの能力さえも――

「…………せいっ!!」

裂帛の気合とともに、白き矢が飛来する。
ふたりを吹き飛ばさんとしていたビームを、間一髪のところで相殺する。

「ふたりとも、大丈夫かっ!?」
「あ……和風のアーチャーさんっ!!」
「わ、わふう!?」

絶体絶命の危機に飛び込んできたのは、同じく砕月同盟の一員、アーチャー、天若日子。
満天の放った奇妙な呼称に少し転びそうになりながらも、彼らと肩を並べる位置にまで飛び込む。
確かに同盟にはアーチャーが2名含まれていて、呼び分ける必要はある……しかし、だからと言って和風、とは。

天若日子はチラリと、遠方に見える遠い丘を見る。
向こうからこちらが見えるなら、こちらからも向こうが見えるのは道理。
合流しそびれていたアンジェリカが、いるのが見える。
よりによって、月の女神とおぼしき圧倒的な存在感を感じる人物とともに。

しかし果たして、この戦場を放棄してまでかけつけるべきなのだろうか。
そんなことをしたら、この目の前の2人はいったいどうなってしまうのか。


「大丈夫、俺がこい■らを蹴散ら■てや■。だから笑■てくれ、にーと■ゃん」



壊れた幻像が、その巨大な剣を振り上げる。
遊びも余裕もない。知性も理性も怪しい。
どういう訳だか、大事な物がいくつも欠けてしまっている。

けれども、そこに宿った力と、大切な想い人への愛だけは本物で。
だから、ウートガルザ・ロキの無惨な残骸は、それでも終わりを否定してそこに立つ。


堕落恒星内界、再構成地平の東方、無限の平原。

三対一の、いや、ひょっとしたら一にも届かないかもしれない儚き存在との、死闘が始まる。



 ◇ ◇ ◇



【月光夢幻神界〈渋谷〉・『月姫真体・堕落恒星』内界 再構成地平・東方・"無限の草原"/二日目・午前】

【煌星満天】
[状態]:疲労(小)、精神疲労(大)、断片的な記憶の回復、気分高揚気味、炎上に対するむかむか、左肩負傷
[令呪]:残り三画
[装備]:『微笑む爆弾』
[道具]:なし
[所持金]:数千円(貯金もカツカツ)
[思考・状況]
基本方針:トップアイドルになる
0:どーすんの?! こっから、どーすんの!?
1:魅了するしかない。ファウストも、ロミオも、ノクトも、この世界の全員も。
2:輪堂天梨を救う。
3:……絶対、負けないから、天梨。
4:天枷仁杜には苦手意識。でも、きれいだった。
5:私、なんで忘れてたんだろ?
6:好き勝手言うなよ、私達の何を知ってるんだ。
7:――――私は、何(だれ)?
[備考]
 聖杯戦争が二回目であることを知りました。
 ノクトの見立てでは、例のオーディション大暴れ動画の時に比べてだいぶ能力の向上が見られるようです。
※輪堂天梨との対決を通じて能力が向上しています(程度は後続に委ねます)。
 ・『微笑む爆弾・星の花(キラキラ・ボシ・スターマイン)』
 拡散と誘爆を繰り返し、地上に満天の星空を咲かせる対軍宝具。
 性質上、群体からなる敵に対してはきわめて凶悪な効果を発揮する。
 現在の満天では魔力の関係上、一発撃つのが限度。ただし今後の成長次第では……?
 ・現状でも他の能力が芽生えているか、それともこれから芽生えていくかは後続に委ねます。 
※輪堂天梨と個人間の同盟を結びました。対談イベントについては後続に委ねます。
※過去について少し気付きを得ました。詳細は後続に委ねます。
※満天の記憶には、次兄・暮昏光点によって"蓋"がされています。
※蓋が少しズレました。

【プリテンダー(ゲオルク・ファウスト/メフィストフェレス)】
[状態]:右腕損壊(概ね回復)、及びそれによる失血(同じく概ね回復)
[装備]:名刺
[道具]:眼鏡、スキル『エレメンタル』で製造した元素塊
[所持金]:莫大。運営資金は潤沢
[思考・状況]
基本方針:煌星満天をトップアイドルにする
0:渋谷の神(推定:天枷仁杜)を退かし、かの街でライブを行わせる。
1:状況はなお引き続き最悪。どうにかしなければ。
2:輪堂天梨との同盟を維持しつつ、満天の"ラスボス"のままで居させたい。
3:ノクトとの協力関係を利用する。が、ライブの実施が現実的になったなら切り捨てを視野に入れる。
4:時間が無い。満天のプロデュース計画を早めなければならない。
5:天梨に纏わり付いている復讐者は……厄介だな。
6:高天小都音とは個人的にパイプを持っておく。
7:アンジェリカ・アルロニカは油断ならないが――
[備考]
 ロミオと契約を結んでいます。
 ノクト・サムスタンプと協力体制を結び、ロミオを借り受けました。
 聖杯戦争が二回目であること、また"カムサビフツハ"の存在を知りました。
 高天小都音経由で、〈はじまりの六人〉及び神寂祓葉の情報を知りました。


【アーチャー(天若日子)】
[状態]:疲労(中)、全身にダメージ(中)
[装備]:弓矢
[道具]: ヒーローのお面
[所持金]:なし
[思考・状況]
基本方針:アンジェに付き従う。
1:これは……どうしろというのだ……!
2:神寂祓葉――難儀な生き物だな、あれは。
3:星神(天津甕星)とは次に会ったら受けて立つ。私には、その責任がある。
[備考]
※アサシン(継代のハサン)が2回目の参戦であることを知りました。

※再構成地平中央の天望の丘に、アンジェリカ・アルロニカと天枷仁杜がいるのを確認しました。



※再構成地平の東方の平原にて、ウートガルザ・ロキの再現体が交戦に入りました。
 相手は煌星満天、プリテンダー(ゲオルク・ファウスト/メフィストフェレス)。アーチャー(天若日子)の三名です。
 ロキは現在、北欧機動戦神スキーズブラズニル・ガグンラーズを展開しています。
 どうやらこの再現体は、知性や言動に何らかの不備を負っているようです。
 ただし、戦意と戦闘能力だけは本物に匹敵する力を宿しています。



 ◇ ◇ ◇



香篤井希彦は、貪欲に何もかもを手に入れると誓っていた。

神寂祓葉に灼かれた最新の狂人は、掛値なく誰よりも欲張りであり。
それでいて、己に足りないものを正確に把握できるだけの、確かな知性を有していた。

灼かれる前であれば、くだらないプライドが邪魔をしていたかもしれない。
見栄を張って、虚勢を張って、耳障りのいい言葉を並べて誤魔化していたかもしれない。
けれども、神寂祓葉に完璧な敗北を喫したことで、そんな枷も消え失せていた。

目下のところ、彼は圧倒的な戦力を欲していた。
仮想敵は、他の誰でもない。
彼が〈恋慕〉の狂気を捧げる想い人、神寂祓葉、その人である。

彼は本気で彼女と添い遂げる未来を望んでいる。
しかしそのためには、きっと彼女のめちゃくちゃな戦闘力に付き合えるだけの力が要る。

日々の退屈を、直接の交戦によって紛らわせてあげる必要もあるだろう。
夫婦ともなれば、時に夫婦喧嘩だって発生するだろう。
彼女が気まぐれにどんな相手にケンカを売ったとしても、横から助けられるような力も要るだろう。


香篤井希彦は、なんと、完全に本気で。
かの神寂祓葉の、あの訳の分からない出力を発揮する光の剣を、軽く笑って受け流せるような実力こそを望んでいる。
まるで大人が子供のじゃれつきを余裕で受け流せるような、そんなレベルの力を夢想している。


しかし、まだ道は遠い。
現実問題として、そこに至るまでにいくつもの段階を踏まねばならないことも理解している。

ここにふたつ、いやみっつほど、己を強化する手段のアテがあった。
あったからこそ、彼は月の城との雇用関係を結びに動いたのだ。


ひとつめ。
原初の鍛冶がその生涯を賭けて追い求めた、〈究極の一振り〉。

他ならぬトバルカイン自身も、祓葉とは交戦している。
交戦した上で、祓葉にも通用する戦力を得られる道はあると確信しているようだった。
確率は低いようなことを言ってはいたが、何もかもを本当に諦めてしまった者の口からは、あんな言葉は出ない。

ならば、作ってもらうまで。
作るのに最適の状況を、整えてあげるまで。

トバルカインと伊原薊美、どちらが『剣』に成り果てようと、そこは希彦にとってはどうでも良かった。
彼が必要としているのは、その産物だけだ。
幸いにして、希彦には剣術の心得がある。
普段は持ち歩かないというだけで、普通に達人の域にある。
剣さえ手に入れれば、扱える。


ふたつめ。
希彦自身もその交戦を直接目撃して震撼した、『現実そのものを騙す精度の幻術』。

これを手に入れることが出来たのならば、元々小器用に何でもこなせる希彦のこと、応用の幅は無限大。
別に、あれほどまでの規模は必要ない。
大きすぎればかえって燃費は悪くなる。
小規模でも構わない。
ほんの一端さえ掴めれば、それでいい。

しかし、ウートガルザ・ロキの幻術は、とても他には例のないものでもあった。
あのなんでも真似て再現してしまう、稀代の演技の天才・伊原薊美ですらも、まったく再現の糸口すら掴めなかったのだ。
ずっと手元に「学習材料」となる、幻のレーヴァテインを有していたにも関わらず、再現できなかったのだ。
こうなるともはや、それは見て学べるようなものではない、と判断せざるを得ない。
技術としての習得は、困難とみるほかない。

ならば――
英霊ウートガルザ・ロキの、コアとでも呼ぶべきものを、部分的にでも掠め取るしかない。

しかしその肝心のコアは、巨人の心臓は、黄金の林檎は。
常であれば月の女神たる、天枷仁杜の内部に収まっている。
とても外から手を突っ込める場所ではない。
仁杜の認識する『ロキくん』が、彼女の傍にいる限り、決して手に入れるチャンスなんて巡ってこない。

だから希彦は、あえて見過ごしたのだ。
月を砕かんとする砕月同盟が女神の寝室に押し入り、彼女の現実を揺るがすような事実をぶつけることを。
希彦が目的を遂げるためには、月の女神の精神を大いに揺さぶって。
今の天枷仁杜と、彼女の信じる『ロキくん』とを、一時的にでも引き離す必要があったのだ。


かくして、月の内界を再構築するドサクサに紛れて、希彦の望んだ二つの神器が彼の手に収まる。

右手には、名刀〈トバルカイン〉。
日本刀にも似たバランスの、振るう者を選ばない無節操な凶刃。

左手には、黄金の林檎の、ほんのひとかけら。
月の女神から放出された一瞬の隙をついて、名刀トバルカインによってその一端を切り落として奪ったものである。

あまり欲張ったつもりもなかったが、どうやら別の戦場にいる『ロキ』は、軽微な動作不良を起こしているらしい。
まあ、それでも構わない。
そんな有様でも、きっと余計な参加者の間引きくらいの仕事は果たしてくれるだろう。
そして、手元に残ったこの小さな欠片は、きっと希彦に、『現実に干渉する幻術』の奇跡を与えてくれる。


「そして第三、それに第四の要望。
 僕はもっとハイレベルな実戦経験が欲しい。
 そして可能なら、胸を張れるような、大きな戦果も欲しい」
「…………」

再構成地平、西の湿原。
どこまでも泥と小さな沼が広がる、不毛の沼地。

変わらず水面に立ち、足先をまったく汚す気配すらみせずに、若き陰陽師は、ねちょり、と笑う。
そんな彼の視線の先には、どこまでも不機嫌を煮詰めたような顔をした、少女がひとり。

全身を白と黒の二色でコーディネートした、〈はじまり〉の一角。
〈未練〉の狂気を抱く魔女、楪依里朱。


「ねえ、可愛らしい『先輩』さん。
 どうか僕の、新しい武器の試運転に付き合っては頂けませんか。
 できれば、そのまま素直に退場して頂けると、僕としてはもっと嬉しい」

「……そうか、あんた……
 アイツが言っていた、尻の軽い求婚者の、成れの果てか」

イリスもまた、正確に青年の素性を理解する。

他ならぬ祓葉自身から、そんな物好きがいたことはしっかりと聞いている。
その時には、可哀想な奴もいるもんだ、という、憐みの念以外を抱くことはなかった。
決して嫌悪や憎悪といった負の感情を持つことはなかった。

今は違う。
猛烈な同族嫌悪の情が、心の奥底から湧き上がってくる。

経緯は知らないままに、理屈を飛び越えて完全に正しく理解する。
こいつは〈はじまり〉たちと『同じモノ』だと。
このあまりにも短期間のうちに羽化を果たし、跡形もなく壊れ果てた、生ける死人の類であると。

「あたしさぁ、」

少女は、気怠そうに声を上げる。

何を好き好んで、こんな所に堕ちてきたのか。
6人だけでもお腹いっぱいだったというのに、さらにおかわりで追加?

「いまさぁ、」

どこまでも気に食わない。
何もかもをぶち壊してやりたい。

色彩の魔女の視線が、ここで初めて、希彦の目を射貫く。
まともに向き合うに値する、特上の厄介ものであることを、ここにきてようやく認める。


「――めっちゃ、機嫌悪いんだよね」


ブブブッ、と。
少女の呟きに、飛蝗の羽根音が重なる。



堕落恒星内界、再構成地平の西方、不毛の沼地。

新旧の狂人が、正面から激突する。



 ◇ ◇ ◇



【月光夢幻神界〈渋谷〉・『月姫真体・堕落恒星』内界 再構成地平・西方・"不毛の沼地"/二日目・午前】

【香篤井希彦】
[状態]:〈恋慕〉、健康、右顔面に火傷痕
[令呪]:喪失
[装備]:名刀トバルカイン、黄金の林檎の欠片
[道具]:式神、符、など戦闘可能な一通りの備え
[所持金]:現金で数十万円。潤沢。
[思考・状況]
基本方針:総てを手に入れる。
0:全部やろう。僕は、もう妥協しない。
1:月女神・天枷仁杜へ協力し、彼女に楯突く勢力を掃討する。
2:アンジェリカ・アルロニカを殺す。貴女は見込みがないようだ。
3:こんなものを恐れるなんて、思ったより底が浅いんですね、皆さん。
[備考]
※神寂祓葉との戦闘で一度死亡し、真備の秘術によって蘇生されました。
※名刀トバルカインを入手しました。A++相当の神秘を宿し、ただひたすらに強いだけの、使い手を選ばない剣です。
※黄金の林檎の欠片を入手しました。希彦は『現実を騙す幻術』の習得の鍵になると踏んでいます。
 実際の効果については、後続の書き手にお任せします。


【楪依里朱】
[状態]:疲労(中)、魔力消費(中/色間魔術により回復中)、強烈な自己嫌悪、未練
[令呪]:残り一画
[装備]:
[道具]:
[所持金]:数十万円
[思考・状況]
基本方針:優勝する。そして……?
0:決着を着ける。
1:ここで死ね、むかつく勘違いをした新参者め。
2:薊美に対しては微妙な気持ち。間違いなく敵なのだが、なんというか――。
3:このデカ女(スカディ)を連れてくとかマジで言ってんのか????
4:月の決戦が片付き次第祓葉に挑む。これ以上、長々と寄り道をするつもりはない。
[備考]
※天枷仁杜(〈NEETY GIRL〉)とネットゲームを介して繋がっています。
 必要があればトークアプリを通じて連絡を取ることが出来るでしょう。
※蛇杖堂記念病院での一連の戦闘についてライダー(シストセルカ)から聞きました。
※今の〈脱出王〉が女性であることを把握しました。
※香篤井希彦を〈はじまり〉と同等の狂人であることを認めました。


【ライダー(シストセルカ・グレガリア)】
[状態]:総軍、やる気なし、弱体化状態
[装備]:バット(バッタ製)
[道具]:
[所持金]:百万円くらい。遊び人なので、結構持ってる。
[思考・状況]
基本方針:好き放題。金に食事に女に暴力!
0:さ。魅せろよ、イリス。おまえはいい女だ。
1:祓葉にはいずれ借りを返したいが、まあ今は無理だわな。
2:煌星満天、いいなァ~。
[備考]
※イリスに令呪で命令させ、寒さに耐性を持った個体を大量生産することに成功しました。
 今後誕生するサバクトビバッタは、高確率で同様の耐性を有して生まれてきます。
※総軍を結集させました。再度散らすまで、戦闘時の魔力消費が大きく増加します。
※『月光夢幻神界』の堕落の法による影響をきわめて強く受けるようです。
 かなりの弱体化を被っており、戦闘能力は甘く見て平時の一割程度。

※存在感がないですが、ちゃんとイリスと一緒に行動しています。



 ◇ ◇ ◇



「……ぬるいねェ」
「なんの、お前さんは誇ってもいいぞ。儂にはコレしか通る気がしなかったもんでな」

再構築された月の内界、その北方の山の中。
緩やかな山麓の途中に、のんびりと言葉を交わす2人組があった。


片や、地に伏せた姿勢のまま動けずにいる、大柄で筋肉質な女。
その全身には、何やら東洋風の文字が書かれた札が無数に張られて、彼女を拘束している。

片や、なんとその拘束された女の背に尻を載せ、座り込んでいる老人。
別に不要な侮辱を与えてやろうという訳ではない。
ここまでしてやっと、この押さえ込みを安定して維持できる。
彼ほどの術者をもってしても、この女神はそれほどの難物であった。

「どうせ、直接殺そうとしてたら、殺気に反応して回避か反撃かをしておったろ」
「そりゃあきっとそうだねぇ」
「拘束だけに絞ったから、お主にもこの攻撃が通ったのよ。
 どうせ、こっちとしては急ぐ理由もないしの」

世界が組み替えられる、その僅かな刹那の隙を突いて……
吉備真備は、砕月同盟の中では最大戦力とも呼ぶべき、女神スカディの拘束と無力化に成功していた。

もとより先の亜空間矢返しによって、女神の身体は自分自身が持ち込んだ猛毒に侵されているのである。
しかもその毒は霊核にまで達している。
ハンパな手出しは、死に際の猛獣の決死の抵抗を誘発しかねない状態でもあった。

「あー、うん、こりゃ無理だ。怪力でも破れそうにない。
 あたしは今回は、巨人としての側面を押し出してすり抜けて来てるんだよ。
 複雑な術は、だいたい置いてきちまった。
 手持ちの範囲じゃどうやら、歯が立たないね」
「巨人だとしてだって、普通は座を抜けて出てこれるもんじゃなかろうよ。
 つくづく、デタラメな奴じゃの」
「このまま毒で終わるっていうなら、あたしもそれまでって所だね。
 残念ではあるけど、戦っていりゃあそういうこともあるわな。
 ……ちなみに、もしこの拘束を破れたら、あんた、一戦付き合ってくれるかい?」
「そいつは勘弁だな。
 悪いが、そうなったら儂ぁとっとと逃げるぞ。夜逃げの準備もとっくに済ませておる」
「残念。
 あんたが本気で備えているっていうなら、そりゃあ捕らえられないんだろうね。
 なら……もしも三度目があったのなら、その時は覚悟しておきな。
 今度こそ強引にでもコッチの流儀に付き合ってもらうよ」
「くわばらくわばら。
 できればそのまま、その毒が回ってくたばって欲しいもんじゃのぉ。
 まあ幸い、ここはちょっとばかり眺めがいい。
 他所の組のドンパチを、のんびり見物する余裕くらいはありそうじゃぞ」

片方が片方を文字通り尻に敷いているにも関わらず、どこか穏やかな会話が交わされる。
彼も彼女も、善悪に頓着なく、己の生死すらも他人事だ。
少なくとも今回、吉備真備が状況も利用して上手いことやったのは、スカディだって認めている。
次の機会があるならその時は全力で戦うけれども、今の彼の勝利を汚す理由もない。

「そんな訳でな――
 おおい、そっちの岩の陰に隠れてる、お二人さんよ。
 儂ぁここからしばらく動けんでな。
 逃げるなら別に追わんぞ。好きにしろ。
 もっとも、儂に挑んでこの女神さんを助けようってなら、手加減してやる理由は何もないがなァ」

真備が少し大声を挙げると、微かに動揺したような気配がする。
老人は笑う。
椅子代わりにされている女神も、微かに身を震わせて笑う。

「ここからじゃ誰だかよく見えないが、可愛いもんだねぇ」
「まったくじゃ。ああも素直な連中ばかりなら、色々ラクなんだがの」



 ◇ ◇ ◇



「ねえ、ツー。
 ひょっとして、あの怖いアーチャーの拘束、解けたりする?」
「誰にモノを言っている? 僕だって〈脱出王〉だよ?
 と、言いたいところだけど……
 向こうもそれが分かっているから、あの体勢なんだろうね。
 流石に、あのお爺さんがあの位置に居座ったままだと無理だな。
 せめて最低限、何か他に向こうの気を引く要素が欲しいところだ」

その、声をかけられた側では。
岩陰に身を潜めたまま、2人組の間で小さな囁き声が交わされていた。

華村悠灯と、ライダー・ハリー・フーディーニ。
うっかり、拘束された姿の自陣営の「最強」をみつけてしまった2人は、だからこそ悩むことになる。

無理をしてでも、アーチャーの解放を狙って一仕事するか。
それとも、彼女を放置してこの場を離れて、どこか別の場所に介入を図るか。

決めるのはやっぱり悠灯。
脱出王のライダーは、ただ彼女の意を受けて動くだけだ。


そして、行動権を与えられ、素直に悩む悠灯とは別に。
山越風奇もまた、まだ話す機会を得れていない秘密に、頭を悩ませる。

(そっかぁ、やられちゃったかぁ……
 しかし、最後の命令が、かけた鍵を外すのはともかく、『悠灯と仲良くね』、と来たか。
 その命令なら、当面は悠灯と行動してる限りにおいては、マスターを喪失したペナルティはほぼ相殺される。
 かなり長時間、この後の身の振り方を考える時間が得られた格好だけども……)

主従を繋ぐ不可視のリンクを辿っても、念話を試みてみても、やっぱりうまくつながらない。
間違いない。
マスターであり、〈はじまり〉の狂人の一角たる、もう一方の〈脱出王〉は、既に脱落している。

あとはこれを、いつ、どのようなタイミングで悠灯に伝えたものやら。



堕落恒星内界、再構成地平の北方、静寂の山麓。

いまは静かに、大きな動きはない。



 ◇ ◇ ◇



【月光夢幻神界〈渋谷〉・『月姫真体・堕落恒星』内界 再構成地平・北方・"静寂の山麓"/二日目・午前】


【アーチャー(スカディ)】
[状態]:右腕が刀傷でズタボロ(行動に支障なし)、複数の裂傷、霊核にヒビ、蛇の毒の毒矢(特攻対象)、吉備真備による封印拘束状態
[装備]:イチイの大弓、スキー板。
[道具]:なし
[所持金]:なし
[思考・状況]
基本方針:狩りを楽しむ。
0:月女神の討伐に力添えする。アギリもアレは気に入らないみたいだし、丁度いいだろ。
1:これで死ぬならしょうがないねぇ。ただ次があったら覚えておきなよ、爺様
2:向こうのゴタゴタが済んだらランサー(ルー)を再び狙う。逃がさないよ、色男。
3:日中はある程度力を抑え、夜間に本格的な狩りを実行する。
4:マキナはかわいいね。生きて再会できたら、また話そうじゃないか。
5:ランサー(アンタレス)を獲る。一皮剥けたようだしね、食べ頃だろ。
6:キャスター(シッティング・ブル)は一度見逃す。ただし次は必ず狩る。
7:面白いことをやるヤツがいるもんだ。懐かしい匂いだが、同郷のナニカかな?
[備考]
※ランサー(ギルタブリル/天蠍アンタレス)の宝具を受けました。
 強引に取り除きましたが、どの程度効いたかと彼女の真名に気付いたかどうかはおまかせします。

※自分のスキルである蛇の毒の矢を、自分自身で受けました。毒は霊核にまで達しています。

※キャスター(吉備真備)によって封印され、拘束されています。
 彼女自身の力だけでは脱出不可能であるようです。


【キャスター(吉備真備)】
[状態]:全身にダメージ(中)、魔力消費(小)、霊基強化、スカディを封印拘束し、その背中の上に座った状態
[装備]:
[道具]:『真・刃辛内伝金烏玉兎集』
[所持金]:希彦に任せている。必要だったらお使いに出すか金をせびるのでOK。
[思考・状況]
基本方針:知識を蓄えつつ、優勝目指してのらりくらり。
0:さて。儂も、閻魔にどやされる覚悟は決めとくかの。
1:希彦の選択に思うところはあるが、魂から望んだことなら止めはすまい。その上で面白可笑しく愉しむまでよ。
2:カドモスの陣地は対黒幕用の拠点として有用。王様の懐に期待するしかないのう。
3:〈ニシキヘビ〉なる存在への興味。ともすれば非道い難物が出てきそうじゃ、楽しみ楽しみ。
[備考]
※〈恒星の資格者〉とは、冠位英霊の代替品として招かれた存在なのではないかという仮説を立てました。
※まがい物の生活続命の法を用い、香篤井希彦を蘇生させました。
 契約のパスが繋がっていることでどうにか出来たウルトラCなので、恐らく再現性はありません。
※スターゲイザーⅠ(天枷仁杜)の加護により霊基が強化されています。

【華村悠灯】
[状態]:人狼化。心臓喪失。永久機関・生死流転(同化完了)、生への渇望
[令呪]:喪失
[装備]:精霊の指輪(シッティング・ブルの呪術器具)、『時計じかけの方舟機構(Perpetuial motion Machine-Mark-Ⅲ(ver:3.3333333333333...))』
[道具]:なし
[所持金]:ささやか。現金はあまりない。
[思考・状況]
基本方針:大人になる。
0:生きる。好きなように、赴くままに。
1:取り急ぎ、ナイン達と行動を共にする。山越のことは変わらず信用してないが、その目的は利用したい。
2:……ありがとな、キャスター。
3:狩魔さん、ゲンジ――死んじまったのか。
4:あの刺青野郎ってば最悪!!
5:ナイン……お前さ、その……かわいいな……耳とか触っても良――いや待て何言ってんだアタシは!(うがーっ)
6:天枷仁杜は気に入らない。……だけど、カワイソウだ。
7:伊原、薊美――。
[備考]
神寂縁(高浜総合病院院長 高浜公示)、および蛇杖堂寂句は、それぞれある程度彼女の情報を得ているようです。

華村悠灯の肉体は、普通の意味では既に死亡しています。
ただし土壇場で己の真の魔術の才能に目覚めたことで、自分の魂を死体に留め、死体を動かしている状態です。
魔力消費の影響をある程度無視できるようです。ただしあくまで誤魔化しているだけなので、度が過ぎると多分死にます。

華村家の魔術は『死狼魔術』です。

永久機関への適応を完了しました。
『時計じかけの方舟機構(Perpetuial motion Machine-Mark-Ⅲ(ver:3.3333333333333...))』には自我を無限時計文明の基準に合うよう矯正する機能が搭載されています。
試作品なので働きはまだ限定的ですが、悠灯の意思が弱まれば侵食が進行するでしょう。
また永久機関の影響で、サーヴァント不在のペナルティを無視できます。


【ライダー(ハリー・フーディーニ)】
[状態]:第二生(ツー)、令呪『悠灯と仲良くね。悲しませたりしちゃダメだよ』
 二生→健康
 三生→健康
 五生→健康
 九生→疲労(小)
[装備]:九つの棺
[道具]:
[所持金]:潤沢(ハリーのものはハリーのもの、そうでしょう?)
[思考・状況]
基本方針:白紙化。山越風夏の死亡で何もかも前提が変わってしまった。
0:華村悠灯に同行する。
1:そうか、死んじゃったか、マスターで狂人の方の〈脱出王〉は。
2:神寂祓葉は凄まじい。……なるほど、彼女(ぼく)がああなるわけだ。
3:これは面白い。さあ、君は星になれるかな?
[備考]
準備の時間さえあれば、人払いの結界と同等の効果を、魔力を一切使わずに発揮できます。

宝具『棺からの脱出』を使って第三生のハリー・フーディーニと入れ替わりました。

第二生のハリー・フーディーニ:
生前の名は「山越風奇(やまごえ・ふうき)」
一度目の聖杯戦争に"参加しなかった"山越風夏の前世。
"脱出"の起源覚醒者。魔術的な能力を持たぬ代わりに、超抜の技巧と体幹を備える。

第三生のハリー・フーディーニ:
生前の名は「蛇杖堂寂尊(じゃじょうどう・じゃくそん)」、かの蛇杖堂寂句の2人で1人前の「共同後継者の片割れ」です。
蛇杖堂寂句の医術と体術を継いでおり、治癒魔術や治療薬の知識もありますが、治癒魔術の実践はできません。
寂句に自尊心をズタズタにされており、己の能力を過小評価する傾向がありますが、外科医としての腕と格闘術は超一級です。

第五生のハリー・フーディーニ:
神聖アーリア主義第三帝国陸軍所属。第四次世界大戦を生き延びて大往生した老人。
スラッグ弾専用のショットガンを使う。戦闘能力が高い。
ヴァルハラの神々に追われている妄想を常に抱いており話が通じない。


※山越風夏が最後に使った令呪の影響で、山越風夏が死亡したことを知りました。
 まだこの事実を、同行者である華村悠灯に説明する機会を持てていません。



 ◇ ◇ ◇



再構成された月の内界、その南側……。
どこまでも続く長く白い砂浜の途中に、その主従の姿はあった。

波がこない位置であることを確認し、紳士は抱えていた少女を、柔らかな砂の上に横たえる。
どこか焦点の合わない目のまま、茨の王子とも呼ばれた少女は、ひび割れた唇からうめくように声を振り絞る。

「あの、剣、は……」
「どこかに行ってしまった。天地が砕けた、あのどさくさ紛れに」

カスターは深く嘆息する。
人の身には過ぎたほどの奮戦の果てに、相手から贈られたも同然の宝剣は、混乱の最中に失われてしまった。
令嬢の消耗は激しく、魔力も体力ももはやほとんど残ってはいない。
生き延びられただけでも良かった、と思うべき相手ではあったが……それにしたって、くたびれ儲けというしかない。

とにもかくにも、休息が必要であった。
いま敵に襲われたら、ほとんどまともに戦える戦力はない。
将軍もそのまま、どっかりと砂浜に腰を下ろす。
カスターの方だって、実は連戦の果ての結果として、負傷と疲労が蓄積している。
伊原薊美からの魅了の術のお陰で胡麻化しながらも動けていたが、本当は彼の方もベストコンディションには程遠いのだ。
ましてや、薊美がこのざまで、その魅了すらも維持できないのであれば。

月の女神の甘い誘惑に乗る気はまったくなかったが、それでもここは、ただ休むしかなかった。

どこまでも広がる、穏やかな海。
遥か地平線まで続いているかのような、静かな砂浜。
太陽よりも明るく柔らかく全てを照らす、月だけが浮かぶ夜空。
スケール感が狂いそうになる光景を前に、主従はしばし微睡む。



……〈それ〉は、いったいいつからそこに居たのだろう。
仮に殺気でも放っていれば、カスターはすぐさま反応できていただろう。腐ってもそこは英霊なのだ。

薊美は未だ前後不覚のまま。
あれほどの心身の酷使、そうすぐに回復できるものではない。

いつの間にか、カスターと並ぶように、膝を抱えて座っていた者がいる。
敵であるならありえない距離。
寝首を掻きにきたのなら、甘すぎる踏み込み。

「……あ、起こしちゃった、かな」

どこか曖昧な表情を浮かべて、非凡なる凡人が、驚きに目をみはる将軍の顔を伺う。


高天小都音。


もうどこにもいないはずの人間。
間違いなく死んだはずの人間。
月の女神の眷属。
幻術の超高難易度(デッドエンド)の産物、『術者すらも騙す幻術』によって作られた亡霊。
孤独な月の女神の左右を固める、彼女が絶対に居て欲しいと願う存在の片割れ。

カスターは内心の動揺を押し殺しつつ、対処の方法に悩む。

これは敵だ。
我々と対立する者だ。
我々の存在をあちら側に報告するはずの者だ。
他の月の眷属を呼び寄せかねない者だ。
仮に今、消耗しきったカスターたちの所に、例えばフェンリルの一匹でも送ってこられたら、それだけで詰む。
だからここは、素早い先制攻撃一択のはずだ。

そのはずなのに――


「ねえ、騎兵隊のライダー。
 私の記憶、ちょっとあちこち、混乱しているんだけど……
 今は、私たちと、薊美さんたちとは、敵同士。
 そういう理解で、いいんですよね?」

「……ああ。その理解で、いいはずだ」


一瞬だけ拳銃に手を伸ばしかけた将軍は、しかし、そっと静かにその手を離した。

なんとなく、警戒するのも馬鹿らしい、と思ってしまった。

これで破滅するなら、もうそれは仕方ない。
そういうものだったと、諦めるしかない。

不思議と今は、そんな気分だった。
あるいは、トバルカインと薊美の決闘を観戦していた時の熱が、どこかにまだ残っていたのかもしれない。
非合理な決断に身をゆだねる度量が、どこか尾を引いていたのかもしれない。


「あの、これもまた、確認なんだけど」
「なにかね、『セイバーのマスター』よ」
「もし違ってたら、ちょっと恥ずかしいんだけど……
 ここにいる私って、これ、きっと『本物』じゃない……よね?」
「…………ッ!?」


どこか儚げな笑みを、〈高天小都音〉は、浮かべる。

それは、どこまでも平凡な非凡だからこそ、辿り着けた境地。
本物とまるで変わらない精度で、どこまても精緻に再現された幻術の産物は。
己のアイデンティティの危機を前にして、それでも寂しそうに、微笑んでいた。


「やっぱり、『本当の高天小都音』は、もう、死んでいるんだね」



堕落恒星内界、再構成地平南方、千里の砂浜。

あるいはそれこそが、この月の夢を終わらせるための、最後の鍵。



 ◇ ◇ ◇



【月光夢幻神界〈渋谷〉・『月姫真体・堕落恒星』内界 再構成地平・南方・"千里の砂浜"/二日目・午前】

【伊原薊美】
[状態]:魔力消費(極大)、疲労(極大)、魅了(自己核星)、意識朦朧、事実上の行動不能状態
[令呪]:残り二画
[装備]:
[道具]:騎兵隊の六連装拳銃、『災禍なる太陽が如き剣(レーヴァテイン)』
[所持金]:学生としてはかなりの余裕がある
[思考・状況]
基本方針:全てを踏み潰してでも、生き残る。
0:……あの剣は、どこに。
1:私は何にだって成れる、成ってやる、たとえカミサマにだって。
2:殺す。絶対に。どんな手を使ってでも。
3:太陽は孤高が嫌いなんだろうか。だとしたら、よくわからない。
4:最後に首を獲るのは私。でも、そのためには準備が必要みたいだ。
[備考]
※自らの異能を活かすヒントをカスターから授かりました。
→上記ヒントに加え、神寂祓葉と天枷仁杜、二種の光の影響によって、魅了魔術が進化しました。

『魅了魔術:他者彩明・碧の行軍』
 周囲に強烈な攻勢魅了を施し、敵対者には拘束等のデバフ、同盟者には士気高揚等のバフを振りまく。

『魅了魔術:自己核星・茨の戴冠』
 己自身に深い魅了を施し、記憶した魔術や身体技術の模倣を実行する。
 降ろした魔術、身体技術の再現度は薊美の魔術回路との相性や身体的限界によって大きく異なる。
 ただし、この自己魅了の本質は単なる模倣・劣化コピーではなく。
 取得した無数の『演技』が、薊美の独自解釈や組み合わせによって、彼女だけの武器に変質する点にある。

※ウートガルザ・ロキから幻術による再現宝具を授かりました。
 ・『災禍なる太陽が如き剣(レーヴァテイン)』
 対神、対生命特攻。巨人の武具であり、神の武具であり、破滅の招来そのものである神造兵装――の、再現品。
 ロキの幻術で生み出された武器であるため、薊美が夢を見ている限り彼女のための神殺剣として機能を果たす。
 逆に薊美が現実を見れば見るほど弱体化し、夢見ることを忘れた瞬間にカタチを失い霧散する午睡の夢。
 セキュリティとして術者であるロキ、そして彼の愛しの月である天枷仁杜に対して使おうとすると内蔵された魔術と呪いが担い手を速やかに殺害する仕組みが誂われている。
 サイズや重量は薊美の体躯でも扱える程度に調整されている様子。
 →ロキの消滅により、仁杜に対し使用できない呪いが消えているようです。

※トバルカインの剣技と鍛冶の技を、深いレベルでラーニングしました。
 ただし、トバルカインとの対決時には、トバルカイン側からの魔力付与もあったため、それがない状態での再現性は不明です。

※英霊トバルカインの遺言で、名刀トバルカインを託されました。
 ただし、魔術的な強制力などを一切伴わない、ただの口約束に過ぎません。

【ライダー(ジョージ・アームストロング・カスター)】
[状態]:疲労(中)、心臓にダメージ(中)、左鎖骨切断、複数の裂傷と刀傷、魅了
[装備]:華美な六連装拳銃、業物のサーベル(トバルカインからもらった。とっても気に入っている)
[道具]:派手なサーベル、ライフル、軍馬(呼べばすぐに来る)
[所持金]:マスターから幾らか貰っている(淑女に金銭面で依存するのは恥ずべきことだが、文化的生活のためには仕方のないことだと開き直っている)
[思考・状況]
基本方針:勝利の栄光を我が手に。
0:令嬢を、守らねば。
1:この『幻』と、どう接すればよいというのだ。
2:神へ挑まねば、我々の道は拓かれない。
[備考]
※魔力さえあれば予備の武器や軍馬は呼び出せるようです。
※シッティング・ブルの存在を確信しました。

※エパメイノンダスから以下の情報を得ました。
 ①『赤坂亜切』『蛇杖堂寂句』『ホムンクルス36号』『ノクト・サムスタンプ』並びに<一回目>に関する情報。
 ②神寂祓葉のサーヴァントの真名『オルフィレウス』。
 ③キャスター(ウートガルザ・ロキ)の宝具が幻術であること、及びその対処法。
※神寂祓葉、オルフィレウスが聖杯戦争の果てに“何らかの進化/変革”を起こす可能性に思い至りました。
※“この世界の神”が未完成である可能性を推測しました。
※令呪および、伊原薊美の魅了魔術によって霊基が強化されました。



※再構成地平南方の千里の砂浜に、高天小都音の再現体が出現し、カスターおよび伊原薊美に接触しました。
 ロキの再現体と異なり、十全な知性を備えているようです。
 高天小都音は、自身が本当の高天小都音ではなく、再現体でしかないことに勘づきました。



 ◇ ◇ ◇



ぽいっ、と。
大混乱の最中に、その主従だけが放り出された。

果たして、その主従がいつの間にか消えていたことに、気づいた者があったろうか。


「……あまりにも身も蓋もない対処をされたな」
「……まったくだ。
 まさか俺様たちだけ、『ふりだしに戻る』、だなんてな」


見上げればそこは、柔らかな月光の中……ではあったけれども。
踏みしめる足元はコンクリートで、あちこちに幸せそうに眠る人々が転がる、渋谷の街並みの一角。

そこに立つのは、小学校高学年か、あるいは小柄な中学生か、といった風体の、青い髪の少年と。
全身タイツのような衣装に身を包み、髑髏の仮面で顔の上半分を隠した、中年男性の暗殺者。
周りを見渡してみても、他に同じように放り出された者はいない。


ありていにいって。
ホムンクルス36号と、それを守ろうと咄嗟に抱え込んだ継代のハサンの2名は、月の内界からの追放刑を食らったのだった。


「俺様を狙って排除した……ってことはねぇな。
 わざわざそうする理由がねえもんな。指名されたのは、大将の方だ」
「そうだな。
 さて、向こう側の賢者に、私の分析能力が厄介とでも思われたか。
 そう判断されないよう、できるだけ抑えて立ち回っていたつもりだったのだが……」
「どうだろうな。
 ただ無傷で放り出すってのは、陰湿な知恵者のやりそうなことじゃねぇなあ。
 追い出してそれですっぱり忘れちまうってのは、むしろあの月の女神さんがやりそうなこった。
 おおかた、あの子に大将がこっぴどく嫌われたってところじゃねぇか?」
「私が……嫌われる……?!」
「おいおい、今さらショック受けるのかよ、大将。
 まさか、あの言動で好かれている気だったのか?」
「い、いや、好意を抱かれる理由などないのは分かっているが……
 しかし、ほとんど彼女とは会話も成立していなかったはずだし……
 何かコメントしたとすれば、あの悪趣味で正気を疑う飲料についてくらいだが……
 …………。
 …………まさか、本当、なのか?」

本気で強い衝撃を受けているらしい、珍しい主の姿に、継代のハサンは苦笑する。
論理的思考なら抜群の冴えを見せるホムンクルスだが、その毒舌はあくまで天然だったということらしい。
あるいは人造生命が他者というものを学んだ相手が、よりによって〈はじまり〉の六人だった影響もあるのか。

「さて、それはそれとして、大将よ。
 こっからどうするんだい?」
「彼らは大きなミスをした。我々を放逐するというミスをだ」

ただ面白がってもいられない。
いつまでも落ち込んでいられても困るので、現実的な話題を振ってみれば、小柄な主人は即座に切り替える。
このあたりはこのホムンクルスの美点とも言うべき側面のひとつだった。

「つまりは、月の内界と外界とは、どこかで繋がっているということだ。
 この重要な情報を彼らは開示してしまった。
 通気口のようなものなのか、ダストシュートなのか、非常口のつもりなのか、絞れないが……
 これだけスムーズに我々を排出して、即座に元に戻ることができるということは、そういうことだ。
 いかにアレがその内部では神の如き力を有していようとも、まったくの無からコレをやるならもう少し手間がかかる」
「なるほどな。
 んで、『裏口』があるなら、コッチ側からこじ開けることもできるはず、ってことだな」
「そうと分かっていれば物事の見え方も変わってくる。
 調べ方も全く変わる。
 私は少し、『探ろう』と思う」
「了解した。ここが『外』だっていうなら、『端末』も調達できる。
 何かに使えるかもしれないから、大将が調べている間に、適当に見繕って増やしておくぜ」

大前提として、彼らは黒き蛇腔に囚われた輪堂天梨を助けなければならない。
しかしその異空間は二重の封印に遮られていて、侵入することすら不可能。
どうにかしようと思ったら、月の女神の打倒という、気の遠くなるような偉業こそが最短距離になる構図なのだ。

ただ放り出されて終わる訳にはいかない。
裏口でも何でも利用して、またあの月の内部に戻らなければならない。

ホムンクルス36号は、その優れた魔力探知能力を、意識的に強く行使する。
異界ともよぶべき月の城の、表面を丁寧になぞっていく。
何か違和感のある部位はないか。
隠し扉のようなも構造はないか。
そんな観点から、魔術的サーチを行っていく。

そんな作業中に……彼は、気づいてしまった。

「……なっ!?
 まさか、こんなことが……!?」
「もう見つけたのか、流石だな大将」
「違う、月の内界のバックドアを見つけたのではない。
 信じられない、こんなことが起こりうるというのか」
「じゃあいったい、何を見つけたっていうんだ」

唐突に大きな声を上げた己のマスターを、アサシンは不思議そうに見る。
蒼い髪と蒼い眼の少年は、全身で振り返る。
彼の視線が向けられた先は……

黒々と、邪悪な存在感を放っている、月光の照らす夢幻の渋谷の中の異物。
天梨がそのサーヴァントとともに消えた、もうひとつの異界のドーム。

「あの異界に……こちらからは入ることのできなかったあの二重の外殻に、亀裂が入っている」
「……はぁ?!」
「信じられん。いったい誰が何をやったというのだ。何をどうすればこうなるのだ。
 しかも、もっと接近しなければ言い切れないが……これは、人ひとりくらいなら侵入できる規模なのではないか?」

魔術的な走査の際に、視野の片隅によぎった違和感。本命ではなかったはずの調査結果。
他の者では気づかなかったであろう僅かな差異を、ホムンクルス36号の鋭敏な感覚はしっかりと捉えていた。
ただ一組、現実の渋谷に放り出された主従は、互いの顔を見合わせる。

前提が変わった。
最短距離が組み替えられた。
なかったはずの道が、いま、目の前に開かれている。

しかし旧来の情報を元に組み立てられた作戦は実行中で、今でも月の内界では皆が戦っているはず。
ミロクと継代、ふたりだけであの黒の異界に踏み込んでも、いったい何ができるというのか。
おそらく戦力としてだけ見れば、あの空間とこの主従の相性は最悪のはず。

裏口から再び侵入して、月の内界に囚われたままの戦力をいくらか連れて帰って、あちらに挑む……
そんな作戦も、簡単に思い浮かべることができてしまう。



月の内界の、その外側。

ひとは選択肢があるからこそ、悩む。



 ◇ ◇ ◇



【月光夢幻神界〈渋谷〉・『月姫真体・堕落恒星』近辺/二日目・午前】

【ホムンクルス36号/ミロク】
[状態]:疲労(小)、脳にダメージ、肉体強化、"成長(第3フェーズ)"
[令呪]:残り二画
[装備]:
[道具]:
[所持金]:なし
[思考・状況]
基本方針:忠誠を示す。そのために動く。
0:あの黒き結界に、ヒビだと?!
1:輪堂天梨を対等な友に据え、覚醒に導くことで真に主命を果たす。
2:……ほむっち。か。
3:煌星満天を始めとする他の恒星候補は機会を見て排除する。
4:アンジェリカ・アルロニカ――。
5:第二、第三の恒星神への対処法を見出すためにも、この作戦は成功させねばならない。
[備考]
※天梨の【感光/応答】を受けたことで、肉体が成長しています。現在は人間換算で11-14歳程度の外見です。
※解析に加え、解析した物体に対する介入魔術を使用できるようになりました。

※月の内界と、外界との間に、裏口とでも呼ぶべきもうひとつの扉があると推測しています。
※〈脱出王〉が開けた、蛇の固有結界に生じたほころびを感知しました。


【アサシン(ハサン・サッバーハ )】
[状態]:霊基強化、令呪『ホムンクルス36号が輪堂天梨へ意図的に虚言を弄した際、速やかにこれを抹殺せよ』
[装備]:ナイフ
[道具]:
[所持金]:なし
[思考・状況]
基本方針:マスターに従う
0:おいおい、ちょっと前提が変わってきちまったぞ?
1:さて、どうすんだ、大将? ほんとに神とやりあうのか?
2:大将の忠告を無視する気もないが……ノクト・サムスタンプ、少し気になるな。
3:状況が落ち着いたら新宿の兵隊(機動隊員)の余りをこっちに呼んでみるのもアリだが、さて。
[備考]
※宝具を使用し、相当数の民間人を兵隊に変えています。
※OP後、本編開始前の間に、新宿警察署に集まっていた機動隊員たちを催眠下に捉えていました。
※自身が2回目の参加であること、前回のマスターがノクト・サムスタンプであることを知りました。
※新宿の機動隊員たちは、数こそ減ったものの幾らか生き残りがいるようです。


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最終更新:2026年09月18日 01:05