『舞矢ちゃん、君には魔術師としての才能がある。君が望むなら…だけど、教えてあげようか?』

これは私(わたくし)の幼い頃の記憶、その夢。
…そう分かっていても、幼き日の私(わたくし)へ溢れんばかりの罵声を浴びせたくなる気持ちを抑えれず、さりとて夢は夢でしかなく。過去は変わらずその通りに流れる。

『お断りしますわ。そんな得体の知れねえ物、私(わたくし)が信じるとお思いで?
…それともまさか、立場を利用して言葉巧みに私(わたくし)を誘拐でもしようと』
『ごめんごめん、そんなつもりなんて無いよ。じゃあ君の義父様も怖いしこの辺で』
『分かっているのなら、お馬鹿な事は言わないで下さるかしら』

そう言って去って行く義父の知り合いに、言葉を吐き捨てて過去の私(わたくし)は目もくれず…今の私(わたくし)はその様を見据える。

──もしここで、私(わたくし)が彼を信じて、魔術師への道を進んでいれば……貴方はああならなかったかも知れないと、その後悔が…こんな腑抜けた夢を見せているのでしょうね。



この聖杯戦争の会場として造られた東京二十三区。その一角で2組の主従……1組は若めの男と壮年の男性、もう1組は若めの少女とそれより小柄なフードを被った少女が戦闘を行っていた。

壮年の男性が籠手により攻める所を、フードの少女はギリギリのように見えて適切なタイミングで避け受け流す。
そして若めの男が魔術による風を飛ばし切り裂かんとする一方、対応している若めの…ポニーテールの赤髪少女はそれを難なく避け、5階立てのビルの最上階までジャンプで移動と人間離れした能力を見せる。

(こいつ本当に人間か…??)
と内心思いながらも男は表に出さず、最大火力を持って相手を屠るチャンスを狙う。
代々魔術師の家系である彼は、ここでこの相手を殺しておかねば不味いと判断した。

風での攻撃を継続的に行い、相手を追い立てた上で男は、開けた場所なのを利用し全方位から風の魔術の応用で発生させた斬撃を向かわせる。

(まずは1人、これならば避けようも無い筈……!?)
「な、にっ…!?」

勝利を確信した男だったが、目視したのは赤髪少女が斬り裂かれ惨死体として血の海に沈む光景ではなく…己が風の魔術が全て、1と0の数字となって消える異様な光景であった。
古来からの魔術師らしく科学には疎いとはいえ、それが異様な事は理解出来た男は動揺を隠せず決定的な隙を晒し…気付いた時には少女の手が男の顔面を掴んでいた。

「チェックメイトですわね」
「…っ、ま…待て!降参だ…ライダーは退かせる、お前が望むなら同盟も…」
「…いきなり随分と、見苦しい命乞いをするのですね。
なら…ひとつ私(わたくし)から。貴方が聖杯にかける願いを答えて貰いましょう。答えれないならこのまま…」
「わかった!答える…俺は没落した一族を──」

目的を果たす為、最期までチャンスを掴もうとみっともなく命乞いをする男だったが、それが最後まで発せられる前に…少女が行動する方が早かった。

「もう結構ですわ。魔術師らしい身勝手な願いなのはよくわかりましたので。どうせ聖杯を取った後もその身勝手な理屈で非魔術師を踏み躙る事は想像に易いのでここで貴方は終わりですわ。では…さようなら」

一方的に言葉を告げた後、少女は魔術の発動により男を…先程魔術を消滅させたように、0と1の数字へとした後に跡形も無く消滅させた。



『こちらは終わらせましたわよ、バーサーカー。貴女の方は?』
『我も先程、地面を凍らせ手身動き取れなくしてから、霊核を破壊してやった所だ。だからその魔術を、サーヴァントに試そうとする必要はないぞ』
『…試すチャンスかと思いましたのに』
『やめておけマスター。対魔力で防がれた場合の事を考えろ』
『そういう時にフォローするのがサーヴァントの役目ではなくて?』
『勝手な事を言うな馬鹿』

そう気の置けないやり取りを念話でする少女2人。
赤髪少女の名は大和舞矢。魔術師を憎みながらも魔術の才覚に溢れたままならぬ者。
フードを被った銀髪の少女、バーサーカーの真名はフェンリル。ロキの息子にして主神殺しがヒトの型を取らされた者。

そんな二人はその夜、互いの夢を見た。



舞矢が見たのは、ある獣が殆ど孤独なまま恐れられやがて封印により、ヒトの型へと変えられる様。
そして結局は終焉の日ラグナロクに解除され、怒りのまま主神との戦闘を制し殺すも直後に死を迎える…そんな呆気ない終わりであった。

(…少女となってからの彼が、どう生きてたかは殆ど見れませんでしたが……わざわざ殺さず封印による弱体化に留めた事、にも関わらずあの最後になった事……少し理解に近付いた気がしますわ。
彼…彼女が、常に諦観のような物を抱いた目をしているのは……グレイプニルが解除された途端オーディンを殺しに行く自分の凶暴性と憎悪に、絶望してしまっているのですね)

少しだけ少女は、狼の抱えた絶望に対し理解を得た気になった。



一方フェンリルが見たのは、ある少女がこの聖杯戦争に至るまでの簡単な経緯。

拾われ育てられた少女は天狗となり、「全ては私(わたくし)を中心に回ってますわー!他は全て有象無象ですわー!!」などと阿呆な事を言い放つ。
しかしある時、それまでした事がない程の努力を重ねても…超えられない成績を前にし、更にそれを残した卒業生の姿を見に行った所、勉強「だけは」出来るろくでなしだったのを目の当たりにした少女は……へし折れ虚ろな目で無気力な日々を過ごしていく。

そんなある時幼馴染に再会し、彼の変わらぬ真っ直ぐさに勇気付けられた彼女は…その乙女心にも火を付けられた。だがヘタレで奥手な彼女は想いを言い出せないままに時が過ぎ…やがて些細な事から破綻した。
売り言葉に買い言葉をしてしまった結果、デートチャンスを失った彼女はベッドでジタバタするも、直接謝ろうとして……こっそりその場所へ向かいそんな中…爆発が起きた。

彼とその両親を助けようと、持ち前の人間離れした身体能力で瓦礫を退かしまた他者を助ける少女。
しかし見つけ出した彼の両親は既に物言わぬ肉塊となり彼も生死を彷徨う有り様。
どうにか命は助かったものの負傷により植物状態となった彼を目前にし、少女は泣き叫び後悔に打ちひしがれた。

その後、虚ろ目でまるで夢遊病かのように病院と現場を行ったり来たりしていた彼女は、ある時古馴染…かつて魔術を教えようかと聞いてきた養父の知り合いと再会。今回の事件に魔術師が絡んでいる事を示唆される。

その事を内心反芻する中…少女が助けた者が目覚め、泣き叫んでいる声が届く。

《私(わたくし)が…私(わたくし)があの時っ…魔術の事を信じ、学ぼうとしていれば…彼も、今泣き叫んでいる女性も……ああはならなかったかも、知れないというのに…!!》

──涙を零しながらも、少女の目には怒りが宿る。
それは理不尽に他者の人生を踏み躙る魔術師への義憤と、不甲斐ない自分自身への憎悪であった。

(…嘘吐きめ。聖杯について聞いた時は事件が起こった所に居ただの、他の被害者を助けただの…その辺りの事は何一つとして言ってなかっただろう。お前は…)

自分をだまくらかした軍神を思い浮かべながらも、それに呆れと哀れみが混じった表情をした賢狼であった。



「なんで隠してたんだマスター」
「…どうせ夢で見られるでしょうから、わざわざ言う必要もないかと」
「…我が嘘吐きが嫌いな事は知っておるだろうに」
「…そうは言いますが貴女も人の事は言えないのでは?」
「……悪かった。…幻滅しただろう?」
「いえ、全く。意外ではありましたわね」
「…その度胸はどっから湧いてくるんだか」

サーヴァント
【クラス】
バーサーカー
【真名】
フェンリル@北欧神話
【属性】
混沌・ 悪
【ステータス】
(宝具発動中)筋力C 耐久C 敏捷B+ 魔力B 幸運E 宝具-
(宝具解除時)筋力A 耐久B 敏捷A+ 魔力B 幸運E 宝具EX
【クラススキル】
 狂化:E(EX)
 狂気の度合いを表すスキル。バーサーカーは普段は宝具の効果により恩恵を受けず正常な思考力を保つ一方、宝具が解除されると思考が「敵を滅ぼす」に固定され意思疎通が困難・下手をすればマスターにすら牙を向ける有様となる。
 バーサーカーとして召喚されたが故に付与された物である。

【保有スキル】
 怪力:C(A)
 基本的に魔獣や魔物のみが持つ、一時的に筋力を上昇させるスキル。
 バーサーカーは宝具である獣転人型発動時は、人型となっている為かランクがダウンする一方、解除時は魔獣そのものとなり2ランク上昇する。

 魔力放出(炎・氷):B
 自らが行使可能な炎と氷を魔力としてその身に帯びさせ放出する事によって、瞬間的に能力を向上させるスキル。
 なお炎は兎も角氷の方は本来なら使用できないが、後世での伝承や創作物にて氷属性にされたり(一説にはスルトとの差別化とも)する事と、彼の妹であるヘルが氷の世界であるニブルヘイムの支配者であったが故に兄である彼も使えても無理はないという理屈により行使可能となっている。
 この成り立ちの為このスキルはEランククラスの無辜の怪物の効果も複合している。

 戦闘続行:B(EX)
 決定的な致命傷を受けない限りは生き延び継戦を可能とする、生き汚さやしぶとさを表すスキル。
 バーサーカーは宝具である獣転人型発動時は本来よりダウンしている一方、宝具解除時は狂化EXと合わさり目前の敵を全て滅ぼすまで止まらなくなり現界を維持し続けようとする。

 単独行動:A(-)
 マスターからの魔力供給を絶っても暫くは自立行動が可能な事を表すスキル。
 バーサーカーの場合、人型である限りはマスターを喪おうと1週間程度なら現界をし続けられる。一方獣転人型の宝具が解除されるとスキルが機能しなくなる。

 主神殺し:A
 北欧神話の戦争の神であり主神でもあるオーディンを飲み込み殺した逸話から来たスキル。
 戦争の神たるオーディンを殺せた事によりAランククラスの心眼(真)とBクラスの直感の効果がある他、神性を持つ相手に対し特攻が入り戦闘を有利に働かせる事が出来る。
 ただしこのスキルは獣転人型解除時にも変わらず働くのと後記のスキルにより自分に攻撃が当たってしまった場合も特攻が働いてしまうデメリットもある。

 神性:-(C)
 北欧神話のトリックスターロキと女巨人アングルボザとの間に産まれた子である為付与されるスキルだが、獣転人型が発動してる間は機能せず、宝具が解除される事により始めて機能する。

【宝具】
獣転人型(グレイプニル)
ランク:- 種別:対魔獣宝具 レンジ:1 最大捕捉:1体

 バーサーカーを拘束し発動中は人型へと姿を変えている魔法の紐。六つの有り得ない存在を材料としこの世から消失させる事を代償とすることで生み出された。
 後世では封印されたとされているが、実際はこのフェンリルは獣としての姿を封じられた上で、ヴァナルと云う名の人型の存在としてラグナロクのその日まで生活を送っていた。
 しかしラグナロクを迎えた日、神々の枷や戒めが無力と化した事でこの宝具は解除され、結果オーディンは死を迎えフェンリルもまた死ぬ事となった。

 常時発動型の宝具。宝具自体にはBランククラスの真名秘匿効果や凶暴な性格を抑える効果がある他、ステータスが低下しスキルも一部弱体化・変化している。
 また令呪により宝具の解除が可能だが、5分間のみしか機能しない上狂化のリスクもある他、単独行動の効果が機能しなくなる為魔力負担が馬鹿にならなくなる。

 令呪による限定解除以外だと、本家Fateでの破戒すべき全ての符のような解除系の宝具を相手に使用された場合もこの宝具は解除される。
 この場合は令呪2画があれば宝具を再発動させる事が可能な一方、それが不能だと魔力切れで先に倒れるか他サーヴァントの攻撃によるダメージ等でバーサーカーが消滅するかする以外にどうしようもなくなる。

【weapon】
 人型時は徒手空拳か噛みつき、もしくは炎や氷の行使で戦う。
 狼時は炎や氷の行使に、爪か丸呑みが主な殺害手段となる。

【人物背景】
 ロキとアングルボザの間に産まれた炎を吐き成長につれ巨大になっていった賢狼。当初は通常のサイズだったがみるみる内に育ち、やがて神々を脅かす程の力と知恵に凶暴性を得、予言により危険視されたのもあってオーディンの手で封印される運びとなった。
 しかし強さと賢さを兼ね備えたフェンリルは捕まらず、捕まえても生半可な拘束具では破られてしまう。その為オーディンは新たな拘束具としてグレイプニルを造らせ軍神であるテュールに持たせた。

 テュールが言葉巧みに説得し、かつ信用を得る為あえてフェンリルの挑発へと乗り片手を食わせた事により、またそのテュールが自身が幼い頃に唯一餌を与えてくれていた存在だったのもあって…まんまとフェンリルはグレイプニルの拘束・封印を施された。

 その後後世の伝承ではラグナロクのその日まで足取りが途絶えるが…その間フェンリルは、グレイプニルの効果によりひとりの少女の型となって過ごしていたようだ。
 最も今のサーヴァントとして召喚された彼女(彼)にはその期間の記憶はあまり無く朧げなようだが。

 しかしラグナロクの日、拘束・封印が解除された結果フェンリルは怒りのまま自らを封じる事を決めたオーディンを敵と認識し…戦闘の果て飲み込み殺すも直後彼の息子ヴィーザルにより殺される結末を迎えた。

【外見・性格】
 宝具発動時は小柄な少女。銀髪のロングヘアと云った感じの外見。黒いパーカーを被っている。(現界後にマスターと共に現地調達した)
 宝具解除時は伸縮自在な雄の狼となる。発動時と解除時で性別が異なるが当人の自認は一応一貫して男である。

 一人称は「我」で、喋り方は男性的寄り。
 性格は宝具の効果もあり落ち着いており凶暴性はあまり見られない。しかし言動からは諦観がどこか感じられ、それ故か目にはハイライトが無い。
 実父であるロキや自分をだまくらかしたテュール、封印を命じ自らが殺したオーディンや最終的に自らを終わらせたヴィーザルに対しては複雑な感情を抱いている様子である。

 本来フェンリルは、人理案件か抑止力の介入、或いは縁や連鎖召喚でもない限り通常の聖杯戦争では召喚されない存在である。
 その為諦観の中でも内心、サーヴァントとして喚ばれた事で知識を得れた現代の文化のには興味を惹かれているようである。ロキらが喚ばれたから連鎖して喚ばれた可能性については見て見ぬふりをしている。正直会いたくはない。

【身長・体重】
 人間時は150cm/40kg。
 狼としては可変。サーヴァントな都合かつ舞台の大きさもあってか、現在だと少なくとも東京23区より大きくはなれない。

【聖杯への願い】
 無し。こうして通常のサーヴァントとして召喚されているだけでも…我にとってはもう、十分過ぎる。
【マスターへの態度】
 嘘吐きの娘。度胸といい、あの軍神(テュール)を思い浮かばせてくれる。
 聖杯の破壊もしくは魔術の行使不能が願いとは…通常喚ばれる筈のない我のマスターらしいな。


マスター
【名前】
大和 舞矢/Yamato Maya
【性別】

【年齢】
17歳
【属性】
混沌・悪
【外見・性格】
 髪色は赤色で長さはポニーテールといった所。発育が良い。
 眼の色は蒼。服装は高校の制服。一人称は私(わたくし)で、基本的にお嬢様口調で話す。
 彼女がこの口調で話すのは元来の口の悪さと俗っぽさを取り繕う為、義父から受けた教育によるがそれを持ってしても隠し切れていない。

 黙っていればお淑やかな令嬢と云った感じの少女。しかし実態は感情が表情に出やすい性格で、前記の口の悪さと俗っぽさもあって喋り出すとお淑やかさはあまり無い。
 自称「自分勝手で他者を蹴り倒す非情な人間」だが、本質的には誰かの為に悲しめ、義憤を抱ける情に厚い人間。また涙脆い一面も。
 一度惚れ込むと一途な一方、奥手でヘタレな側面も持っている。

 憎悪を向ける対象かつ復讐相手である魔術師だろうと、(余程酷く身勝手な物でない限りは)願い自体は否定出来ず、それを叶える機会を命諸共奪う事へ対して内心罪悪感を抱いている。
 また聖杯ならば目覚めぬ想い人をどうにか出来るのでは…という気持ちもあるものの、それでは自分だけが救われてしまい、他の事故の被害者や遺族が報われず魔術師達への復讐も果たせないからと押し殺しており、事故の惨状と生存者や遺族の有様を見た事により自分ひとりが救われる事を良しと出来ない精神状態に陥っている。

 想い人が植物状態となった事故に魔術師の関与が示唆された際、茫然自失が続いていた彼女が魔術師へと…そして自らへも抱いた感情は憎悪と怒りであった。

【身長・体重】
 157cm、47kg
【魔術回路・特性】
 質:E 量:EX
 特性:〈霊子変換〉
 規格外と言える程の回路の量を誇るが、鍛錬等を一切行っていなかった為現時点での質はさっぱり。
 霊子への変換が可能な為、通常の魔術師というよりはどちらかというとウィザードの類に近い。

【魔術・異能】
 ◇霊子変換
 条件を満たした対象を霊子へと変換(判りやすく云うとデータ化)し、そのまま消滅させる魔術。現時点では発動可能な条件は2つあり、
 ・自らが触っている生命あるいは物質
 ・自らへと放たれた攻撃(この場合は触れてなくても反応さえ間に合えば発動可能)
のどちらかを満たしていれば行使可能。発動すると、対象が0と1の数字へと変換されながら消滅を遂げる。

 しかしどちらの条件で発動させるにしても発動速度は当人の反応に依存する為、反応が間に合わない速度で攻撃されるとどうしようも無いという弱点を抱えている。
 またバーサーカーの見立てでは、対魔力性質が高い相手には効かないだろうとの事だが実際に試した訳では無いので現時点では不明。

 なお、鍛錬や経験を積めば出来る事が増える可能性もある。
【備考・設定】
 赤ん坊の頃に捨てられ野垂死にする筈だった所を名家の当代当主に拾われ、養子として育てられた少女。
 高い文武両道の才覚を発揮し、それもあり幼少期は自惚れていたものの中学時代に挫折を経験(卒業生であった天枷仁杜が残した成績をどれだけ頑張っても超えれなかった)。
 以降そこから高校1年生の間は無気力な生活を送ってたものの、ある時転入して来た事により再会を果たした幼馴染との関わりの中で、彼の真っ直ぐさにより立ち直りつつあった。同時に彼に惹かれて行くも、元来の奥手さとヘタレさ故に彼女は一歩踏み出せずにいた。

 ある日、彼と些細な理由から大喧嘩になりそのまま2人で出かける予定が頓挫し彼は家族で出かける事となってしまう。翌日彼女は直接謝ろうとこっそり向かう予定だった場所へ向かったが…結果映画館の爆発事故を目の当たりにする羽目に。
 破片と瓦礫が爆発と共に散乱し悲鳴が上がる中、巻き込まれたであろう彼を探し出し助けようと持ち前の身体能力を駆使。瓦礫により出来た傷を顧みずまた他の被害者を見捨てる事もせず奮闘した末彼と家族を発見したが…彼以外は既に息絶えており、彼もまた頭部から出血していて、意識の無い状態であった。

 病院に彼は搬送されるも、意識は戻らず下された診断は植物状態。親族ももう居ない彼の生殺与奪の権は彼女に握られる形になる。
 暫くは虚ろな目で呆然と、当てもなく病院内や事件現場を歩いてはまた彼の病室へ戻る日々が続いていたが、ある時事件に対し魔術師の関与があった事を古馴染から聞かされ…少女の目には怒りが灯った。
 そして魔術師への復讐を決め情報を集めていた矢先に、偶然見つけた古びた懐中時計を手に取った彼女は聖杯戦争へと巻き込まれる事となる。

 自ら聖杯戦争へと参加した魔術師や願いを持つ魔術師は皆殺しにすると決めている一方、願いの無いもしくは迷ってたり死にたくなかったり元の世界へ帰りたい等の巻き込まれた魔術師は殺すつもりは無く、場合によっては協力関係を結んでも良いとは考えている。
 ちなみに文武両道だが、知能以上に身体能力の方が高い。しかし生活力は低い。

【聖杯への願い】
 まず願う前に、この魔術で聖杯を霊子へと変換出来ないか試してみます。
 出来ないようであれば、そうですわね…今後一切、魔術回路の存在する生命は魔術を行使不能になるとでも願いましょうか。クソったれの倫理観/Zeroな魔術師共にはお似合いの末路ですわ。
【サーヴァントへの態度】
 聖杯にかける願いが無いのは好印象ですわ。私(わたくし)の願いの都合、土壇場で裏切られて背中からぶち殺される可能性は低い方がよろしいので。

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最終更新:2024年07月28日 18:42