【名前】赤坂亜切/Akasaka Agiri
【性別】男性
【年齢】24
【属性】混沌・悪
【外見・性格】
 上下ともによれよれのダークスーツを着用した、痩せ気味の青年。
 長く履いた革靴は摩耗気味、短めに切りそろえた黒髪に若白髪が目立つ、ノーネクタイ。
 基本は糸目でへらっとした表情を浮かべているが、興味の対象を見つけると目を大きく見開いて凝視する癖がある。
 その際の瞼の開き幅、顕になる瞳の大きさと強烈な眼光は異様であり、視線を向けられた者をぎょっとさせる。
 現在における彼の興味は己の姉(妹)足り得る存在にのみ向けられており、それ以外の対象は心底どうでも良いと思っている。
 <一回目>開始時点では冷めきった厭世家だったが、現在は燃えながら暴走する妄想家。
 己が半身はかの少女と確信しているが、それはそれとしてそれっぽい子がいたら確認(もやさ)ずにはいられない。
 兄を名乗る不審者にして弟を名乗る異常者。

【身長・体重】
 174cm/56kg
【魔術回路・特性】
 質:C 量:C
 特性:『嚇炎の魔眼』

 魔術師としては非才だが、魔の混血によってマスターとして立ち回るに十分な回路は備えている。
 また後述する超能力と魔眼によって、平均的魔術師を遥かに凌ぐ殺傷力を持つ。

【魔術・異能】
 ◇念発火能力者
  パイロキネシスト。
  基は超能力に分類される異能の一種。
  視界に捉えた対象を火炎に包み、焼殺するシンプルな暴力装置。
  発火能力者は制御が難しいことで知られているが、アギリは生まれつき備えた『嚇炎の魔眼』によって、強い指向性を得ることに成功していた。
  その火炎の本質は人体発火現象として一般的な芯燃焼ではなく、強烈な眼光束による肉体テクスチャを突き破る収斂火災。
  魂に着火した嚇炎は肉体を水に浸けるような真っ当な手段では消火することが出来ず、魂に引きづられ肉が炭化するまで燃え続ける。
  間違いなく強力な魔眼であるが、現在この力は暴走状態にあり正常な機能を失っている。

 ◇嚇炎の悪鬼
  ブロークンカラー。
  神寂祓葉という逆光によって眼球(レンズ)ごと焼き切れたアギリの精神は、肉体の再生を経ても修復されることはなく、魔眼の機能に深刻な故障を発生させている。
  破損した魔眼の罅割れから漏れ出した嚇炎が自己の精神と魂にまで引火、現在ではアギリの肉体そのものが火元と化している。
  精神的高ぶりが臨界を超えると能力の制御を失い、自身と周囲を燃焼させるはた迷惑男となってしまったのだが、自己能力の副産物で炎に耐性を持つ彼はこの事実に全く気づいていない。
  また、この状態に移行したアギリは全身を包む炎の鎧によって防御されており、生半な攻撃では傷つくことはない。
  つまり制御を手放すことと引き換えに、飛躍的に性能と殺傷性を引き上げた強化状態とも言える。


【備考・設定】
 瞳を焼かれたパイロキネシスト。
 超能力者にして嚇炎の魔眼の持ち主。
 退魔四家と呼ばれた名家、浅神の分家筋、発火能力を継承する一族の生まれ。

 本家と同様に混血との交わりを繰り返した結果、凋落の一途をたどる赤坂家の悪足掻きによって、魔と退魔のハイブリットとしてアギリは生産された。
 最後に退魔血族としての最高傑作を残すべく。交配から産後まで完璧に計算された育成計画はしかし、予想外の双子の誕生により頓挫する。

 自身の姉、あるいは妹が、自身の才能を完成させるためにだけに、生まれる前に母親の腹の中で殺害されていた事実を、アギリが知ったのは12歳の冬の日だった。
 そのとき彼は自身の生まれつき抱える喪失感、どんなに暑い日でも感じていた寒気の正体について合点がいく。
 なるほど自分の半身は、生を受ける前に引き裂かれていたのだと。

 赤坂の家が完全に没落した後、自身を引き取った男の手引きによって、成長したアギリは裏稼業に手を染めていく。
 魔なるものを討つ、とは名ばかりの実際は依頼された魔術師を殺害する暗殺業紛いの汚れ仕事。
 空虚な心持ちで淡々と仕事をこなしながら、彼はいつしか一つの空想に救いを求め始める。

 殺されたという双子の姉(妹)が何処かで今も生きているという可能性。
 物心つく前にアギリを捨てて家を出た母親が、密かに彼女を産み育てていたとしたら。
 時折浮かぶそんな子供じみた妄想を、自分でもバカバカしいと自嘲し。
 しかし幾つかの偶然が重なって用意された舞台、〈第一次聖杯戦争〉にて、彼は"それ"と出会ってしまう。

 小規模な戦闘に居合わせ、偶然助けたひとりの少女。見るからに殺し合いの場にそぐわない無力な一般人。
 一時的に協力関係を結び適当なタイミングで見捨てるか切り捨てるかするつもりだった筈が、気づけばもっと関わっていたいと思ってしまう。
 少女の明るく朗らかな笑みを目にするたびに、彼女と関わる内に少しずつ変化していく自分の心に戸惑いながら、生まれて初めて胸の満ちるような熱を得た。
 そうしてあるとき、ごく当たり前のように、あっさりと彼のほうが切り捨てられた。

 今際の際、輝きに瞳(のう)を焼かれながら、アギリは去りゆく少女を凝視する。
 既にアギリのことなど全く眼中にない、別の誰かに笑いかける、その美しい横顔を網膜が燃え尽きるまで凝視する。
 こうして太陽からの逆光を浴びすぎた彼の精神は眼球ごと焼き切れ、空想の姉(妹)を追い求め火熱する悪鬼として新生した。

 それは逆転の理論であり狂人の発想。
 僕にとって初めて特別な誰かになった君。
 なのに君にとっての僕が、何者でもないなんて、そんなことはあり得ない、あっちゃならない絶対に。
 だから、きっと僕は、君のお兄(弟)ちゃんなんだ。そうだろう。


 〈はじまりの六人〉、そのひとり。
 抱く狂気は〈妄信〉。
 赤坂亜切。サーヴァントは、凍原の女神。


【聖杯への願い】
 お姉(妹)ちゃんを見つけ、認知してもらう。


【サーヴァントへの態度】
 姉判定バツ、妹判定バツ、不合格。
 でもその眼は嫌いじゃない、勝手に燃え尽きないところもね。

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最終更新:2024年08月07日 01:24