桜場コハル作品エロパロスレ・新保管庫

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coharu

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● ○ ● ○ ●

それはそれは不思議な光景だったものだよ。
何が不思議かって…

家に帰ると、居間で藤岡が仰向けに寝転がっていた。
それだけなら別に何でもない。藤岡なら何をしようと勝手だ。
しかし、現状は解しがたい。
藤岡は、上半身はワイシャツを着ている。
しかし、下半身はカナのバスタオルで覆われていて、股間部、つまり藤岡のペニスがあるであろう箇所に、氷袋が置かれていた。

蔭嚢は温めると効率よく機能するんだったっけ…。
詳しくはわからないが、冷やすのはあまりよろしくないと判断して、氷袋をどかしてやった。

「う…ぅ」
「ッ! バカ! 急に声を出すな!」
び、びっくりした~。
私は藤岡の様子を窺う。眠っている…

さて、この下半身を覆うバスタオルは何を意味するのか。肌掛けのつもりなのだろうか?

………

「いっか。」
私は、藤岡が疲れないように膝枕をしてあげたが、暫くして私が疲れてしまったので、私の枕を貸してあげた。
「…かわいい」
藤岡の寝顔は、いつものかっこいいそれとは異なり、とても微笑ましいものだった。これが母性本能なのか?
私は、おでこをなでなでしてあげた。
「んむにゅ…んにゃ……う~ん。…すぅ~」
「藤岡…」
「…み、なみ」
「!!!」
こ、こいつめ…。私が目の前にいると言うのに躊躇いなくほかの女を…!
ふ、ふふふ。ならば、その口、塞いでやる!



チュ

★ ☆ ★ ☆ ★

夢を見た気がした。
それは、南の姿をした悪魔が俺のモノを奪い去るという、とても残酷なものであった。

股間がヒリヒリする。
俺はいつから眠ってしまったんだ? いや違う、俺は…


目を開けた。俺はどれくらいの時間、こうしていたのだろうか。
大分痛みは引いているが…

「おはよう。」
声のする方を見やると、チアキちゃんが隣で俺と同じように仰向けになっていた。
「お、おはよう。チアキちゃん。」
チアキちゃんは、その小さい手で俺の手を握っていた。
「ずっと、藤岡の寝顔を見ていたよ。」
俺は、そっと握り返した。
「あ…」
チアキちゃんの頬がほんのりと染まっていく。
「あ、あんまり調子に乗るなよ!」
そっぽを向いてしまった。

おかしいな。
俺、南の彼氏なのに、南のことが好きなのに、チアキちゃんが可愛くて、愛おしくて仕方がない。
「チアキちゃん」
俺は上体を上げて、その林檎を指でなぞってやった。チアキちゃんは驚いてこちらを向いた。
まだ未発達で幼くて、本当に「可愛い」お姫様を、俺は飽くことなく見つめる。
寝起きの俺にとっては、とてもよろしくない存在である。
「チアキちゃん」
再び、名を呼ぶ。すると、チアキちゃんは起きあがって、俺の胸に倒れ込んだ。
俺はしっかりと受け止める。
「藤岡。やはり私は…!」
チアキちゃんは、その小さな唇で俺の唇を奪った。
俺は、拒めなかった。

「ご、ごめん。…なさい」
唇を離して、チアキちゃんから発せられた第一声がそれだった。
「ど、どうして?」
そう尋ねると、チアキちゃんはとても困った顔をしたので、それ以上追及はしない。
「み、南、どこ行ったんだろ。」
無理矢理話題を振る。しかし、チアキちゃんは眉間に皺をよせて、
「そんなに気になるのか?」
なんて言ってきたもんだから、俺は慌てて取り繕おうとした。すると今度は、クスクスと笑いだした。
「冗談だよ。」
「冗談て…」
チアキちゃんは続けた。
「私が帰った時は、お前しかいなかったよ。全くカナめ、ほぼ家族とはいえ、客人は客人だぞ。藤岡をおいてどこに…」
そうだ、何故南はここにいないのか。


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