桜場コハル作品エロパロスレ・新保管庫

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【藤岡の日記】

千秋ちゃんは少し疲れたと言い、その場に横になった。
最初は少し寝むれなさそうにしていた千秋ちゃんだったが、すぐにスースー寝息を立てて眠ってしまった。
こうやって寝顔を見ていると、まだまだ子供と言った感じか…オレはそっと千秋ちゃんの頭に手を置いた。
何かいい夢でも見ているのだろうか? 軽く頭を撫でると千秋ちゃんは眠りながら少し口元を緩めていた。
いつものクールな感じとは違い、とても幸せそうに笑顔を浮かべていた。
…と、その時突然玄関の扉が開く音がした。………ガチャッ…

「タラララッタラ~♪カナ様のお帰り…うわっ! ……(バタンッ!!)…イテテッ…ァ…アハハハハッ!」

そこに現れたのは南だった…玄関で転びその場で笑いながらうずくまっている…
普段から少し変わってはいるけど、いつもに増して様子がおかしい…
だいたい、時間はまだ11時前だ…南達は今日は帰ってこないんじゃなかったのか?
…すると、更に玄関から春香さんが申し訳なさそうに顔をのぞかせた。

「藤岡君…実はカナが先輩にお酒を飲まされたみたいで…まぁ、ごらんの通りなのよ…。」
「はぁ…」
「でね…これから先輩達と初詣に行くんだけど、カナは行けそうにないから面倒見てもらえないかな…」

面倒見の良い春香さんの事だ、いつもなら迷う事無く南とこのまま家に残っていただろう…。
しかし、後ろで何度も春香さんの名前を呼ぶ声が聞こえる…恐らく先輩の誘いを断れなかったのだろう…。
オレは笑顔でうなずき、玄関で転がっている南を抱えて居間へ運んだ。

南はポーっとした顔で宙を見つめていた…口と言うか、体中からお酒の匂いがする。
すると今度は急にしゃきっと座り、そばで寝ている千秋ちゃんをじーっと眺め始めた。

「藤岡…なんれ千秋はこんな時間から寝てるんら?」
「なんだか疲れてたみたいで…12時前になったら起こしてって言われたよ。」
「…ふ~ん。…で、お前らずいぶん仲良くなったんだな。」
「え?」

突然そう言って指をさしたその先には、さっきまで撫でていた左手にじゃれる様にして抱きつく千秋ちゃんがいた。
眠りながらも、いつもからは考えられない様なひとなつっこい笑顔で手に顔を擦りつけている。

「えっと…これは……」
「…お前、千秋におかしな事したのか?」
「なっ?! き…急に何言い出すんだよ!」
「…なんら…お前、女と二人きりらったのに何にもなしらったのか。」
「当たり前じゃないか?! 千秋ちゃんはまだ小学生なんだよ!」

オレがそう言った言葉ははたして南に通じたのか…南はまた宙をボーっと眺めていた。

「ほーか…千秋は小学生だから、らめなのか。」
「そうだよ。…南、大丈夫か?」
「…うーん……じゃあ私とおかしな事してみるか?」
「はぃ?! どうしてそうなったん……」
「いや…千秋が至らなかった所は、姉である私がフォローせねばならるらろ?」

南はそう言うと、ふらりふらりとオレに近寄って来た…
今すぐこの場から非難したかったのだが、どんなに引っ張っても千秋ちゃんがガッチリと左手を掴んで離さない…
結局右手だけで応戦したものの、南は右手を押さえつけオレの顔に自分の顔を近づけた…

「み…南、落ち着いて! ほら、千秋ちゃんもいるし!」
「…大丈夫ら、千秋は寝ているだろう?」
「そう言うわけじゃなくて…あの、オレ今彼女がいて……だからこう言うのはマズイんだ! ごめん!」

…正直、南は可愛いし元気もいっぱいで好きだ…。
普通に思いが伝わっていたなら、南と付き合っていたかもしれない。
でも、今はオレには千秋ちゃんがいるんだ…寝ているからってそんな事をするわけにはいかない。

「…じゃあ、その彼女とおかしい事してるのか?」
「え?! …そ、それはまだだけど……」
「じゃあ、練習と思えばいいらろ。……んー…っ……」
「んん…っ…!!」

なんて言うか…南の舌が猛烈なお酒の匂いと共に、強引にオレの口の中へ入ってきた。
必死に拒否しようとするオレの舌を、南は舌を絡ますように舐めている…
しばらくして南がオレの口から離れた時には、南の唾液が大量に注がれたのか…オレの口までお酒臭くなっていた。
すると南はトロンとした目で、今度はオレの股のあたりをさぐり始めた…



【千秋の日記】

私は少し横になるだけのつもりだったのに、いつの間にか眠っていたらしい…
気がつくと何かを抱き枕の様にしていた……おそらく藤岡の腕だ。
いつの間にか知らないうちに腕を抱いていたらしい…
私は寝ていた自分に『gj!』と思いながら、寝た振りをして藤岡の手に頬ずり等をしていた。

「なっ?! き…急に何言い出すんだよ!」

? …藤岡、お前こそ急に何を言い出すんだ?
私は突然藤岡が独り言を言い出したので驚いていた。
すると、今度は他の声が聞こえた…

「…なんら…お前、女と二人きりらったのに何にもなしらったのか。」

ろれつの回らない女の声…しかしこの声、聞き覚えがある……と言うか、目を開けなくても誰か分かる。
私は一応確認の為にうっすらと目を開けてみた……やはりカナだ。
何故ここにカナがいるのか? そして何の話をしているのかさっぱり分からず、私はカナに問いただそうとした。

「当たり前じゃないか?! 千秋ちゃんはまだ小学生なんだよ!」
「ほーか…千秋は小学生だから、らめなのか。」

しかし、藤岡が少し大声で言ったこの少し興味深い答えに、私は起き上がるのをやめた。
なんなんだ…話が全く見えない…私が小学生だから何がダメなんだ…?
私は、とりあえずもう少し様子を見てみる事にしてみた…

「…うーん……じゃあ私とおかしな事してみるか?」

そう言うと、カナは藤岡にグイグイ近づいてきた。
…藤岡は私が小学生だからおかしな事をしなかったのか…?
そしてカナは中学生だから、藤岡とカナはおかしな事をするのか?
…そんなのは嫌だ! 藤岡は私の恋人なんだ…おかしな事だって、私とだけする義務があるはずだ!
私は今度こそ意を決して、カナにパンチの一つでもお見舞いしてやろうと思った。

「み…南、落ち着いて! ほら、千秋ちゃんもいるし!」

しかし藤岡のこの一言で、またもや私の動きは止まった。
…そうだ、藤岡の事だからきっとこの誘いを断って、私を選ぶはずだ。
これはちょっとした恋の試練ってやつなのかも知れない…私はもう少し様子を見ることにした。

「…大丈夫ら、千秋は寝ているだろう?」
「そう言うわけじゃなくて…あの、オレ今彼女がいて……だからこう言うのはマズイんだ! ごめん!」

良く言った、でかしたぞ藤岡! 私は寝たふりをしながらも、口元が少し緩んでしまった…
でもそうだろう? 藤岡は前までカナの事が好きだったのは事実なんだ…
だからもし順番を付けるなら、おそらくカナは私の次…藤岡が2番目に好きな女だろう…
その女からの誘いを断ったんだ…コレを喜ばずにいられるものか!

その後も二人は何かを話しているようだが、カナの言ってる事はいまいち聞き取り辛かった。
しかしそんな事はもう問題ない。私は安心してもう少し眠る事にした。
…すると急に話がストップし、何やら『クチュクチュ』と変な音が聞こえてきた…
気になった私がもう一度目を開けてみると、そこには強引にキスをしたと思われるカナの姿があった…。

藤岡の右腕を押さえつけ鼻を摘み、無理やりに舌をねじ込むカナ。
カナが離れたと思うと、息継ぎをし再び藤岡の口の中へ…
ようやくキス終わった頃には、カナの唾液が藤岡の口へ相当注がれたのだろうか…
藤岡とカナの口は糸の様な唾液でつながり、カナと藤岡の口の端からは唾液が垂れていた。

私はそれを黙って見ていることしかできなかった。
出来る事ならカナを殴ってでも止めたかったのだが、あまりのショックで体が動かなかったんだ。
本当に情けない……と言うか、藤岡の奴…なんで顔を赤くしているんだ!
さっきは威勢良く断っていたのに…場の空気にでも流されたって言うのか! 優柔不断なんじゃないのか?!

私はカナへの怒り…藤岡への怒り…自分への情けなさ…それらが混ざり合って、少し頭が混乱していた…
すると、あろうことかカナはふてきに笑いながら藤岡の股へ手を伸ばした。

「み…南?! なにするんだよ!」
「何って…おかしな事らろ? …大丈夫ら、すぐに気持ち良くしてやるよ!」
「いや…そう言う事じゃなくて、ダメなんだっ………うわっ!!」

最初に私の凍りついた視線に気づいたのは藤岡だった。
私がスッと立ち上がると、続いてカナも気がついたらしい…

「こ…の……大ばか野郎ーー!!!」

私は机に置いてあったふじおかを手に取り、大きく振りかぶってカナに投げつけ、
更に、周りに置いてあるクッションなどもすべて投げつけた。
そして倒れこんだカナにとどめの一撃を加えようと、馬乗りになり拳を握り締めた。
…しかし後ろから藤岡に抱きかかえられ、私はカナから引きはがされてしまった。

「離せっ! 藤岡! 邪魔をするな!! …そんなに……私よりカナが大事なのか!」
「そんな事無いけど…でもダメだよ千秋ちゃん! 南はもうとっくに…その、寝ちゃってるよ…」

…確かに、気絶したのか寝ているのかは分からないが、実に幸せそうな顔をしている…
しかし私の怒りはコレくらいでは収まるはずもなく、怒りの矛先は藤岡に向けられた。

「藤岡! きさま…なぜちゃんと断らなかった!」
「それは…断ったんだけど無理やり…」
「バカ野郎! お前男だろ! カナなんかに力負けするんじゃないよ!」
「それは千秋ちゃんが左腕を掴ん……」
「うるさいうるさい! 良い訳するなよ! 顔だって真っ赤にしてたじゃないか!!」
「それは…」
「もういいよ…お前、帰れよ。」
「…え……でも…」
「いいからサッサと帰れって言ってるだろ!!」

私はそう言って自分の部屋へ入った。
藤岡が悪くない事は分かっていたんだ…きっとこれは私のヤキモチみたいな物なんだろう…
藤岡に当たり散らすなんて情けない…私は布団にもぐって、声を殺して泣いていた。


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