弾幕・文字が広がるコメント・「回転ハート」・そして「スライド」…。
「naka」コメント(流れるコメント)を使用したコメントアートは動きを生かした華やかなものが多いです。
…その分複雑そうな印象を受ける「naka」コメントアートですが
実は基本的な原理はあまり難しいものではありません。
こちらではnakaコメントの基本原理を用いたコメントアート―「多重スクロール」について解説いたします。
※基礎編・知識編の内容を理解している事を前提として解説をさせていただきます。
分からない事項がございましたら、該当項目をご参照ください。
◎目次
①「naka」コメントの表示仕様詳説
ニコ動のコメントはコマンドを入力しないと画面から見て右から左へ流れていきます。
これは「naka」コメント(流れるコメント)と呼ばれ、ニコ動のコメントの代名詞となっています。
「naka」コメントが画面上でどのように動いているか、説明すると以下の図のようになります。
このように、画面中央から4:3比相当になる領域を4分割し、
同じく4分割したコメントが各秒数経過時に
それぞれ分割したポイントを通過するようになっています。
コメントの横幅が長くなればなるほど、4等分された間隔は広くなりますので、
コメントの速度は速くなるという仕組みです。
このようにとても難解な仕様となっているのは
ニコニコ動画のコメント表示領域が元々4:3比相当であるためです。
プレイヤーがワイド(16:9比)になった後もこの比率は変わっていません。
そのため、「naka」コメントの表示仕様に関しても4:3比が基準となっているのです。
②多重スクロールの3原理 ―収縮・拡散・追い越し―
上記のようなnakaコメントの仕様を利用すれば
コメントの横幅(=速さ)と文字配置の位置を調整し組み合わせることで
様々な動きを持たせることが出来ます。
この複数のnakaコメントにより字幕に何かしらの効果を付けるものを
「多重スクロール」などと呼びます。
その多くはbig16行等高さ固定を利用したものとなります。
多重スクロールは、以下の3つの基本的な動きに集約されます。
・拡散
・収縮
・追い越し
複雑そうに見える「naka」のコメントアートも全て以上の3つの原理のどれかにあてはまります。
原理などと仰々しく説明しましたが、
これら3つの効果の違いは、実は字幕の配置位置の違いのみです。
上の画像のピンクの枠で囲ったコメントが
多重スクロールの効果を生み出しているコメントです。
上図の通り、それぞれ
拡散は字幕をコメントの左端に配置する。
収縮は字幕をコメントの右端に配置する。
追い越しは字幕をコメントの中央に配置する。
といった具合いに同じコメントの中で字幕の配置を工夫することで
これら3つの動きを持たせる事が出来ます。
こちらの動画にも例を出してありますので、ご参照ください。
③回転(追い越しの応用)
多重スクロールの有名なCAの一つに「回転」がありますが、
その構造も上記の3原理の応用となります。
※「回転」は「追い越しの重ねがけ」である。
「回転」は複数の「追い越し」を重ねて作る「トリックCA」の一種です。
最も単純な回転CAは二重の「追い越し」コメントで作ることが出来ます。
(ex)最も単純な回転CAの作り方
①以下のような3種の文字列を用意
・「★」
・「 ★ 」
・「 ★ 」
均等に両側の空白の幅を広げたコメントを用意する。
②big16行(高さ固定コメント)で、一時停止をしながら以下のようにコメントを投稿する。
(「空」はU+2004[ ]を推奨)
・1コメント目(「big pink」)
空⏎
⏎
⏎
空⏎
⏎
⏎
★⏎(7行目)
⏎
⏎
空⏎
⏎
⏎
空⏎
⏎
⏎
空
・2コメント目(「big green」)
空⏎
⏎
⏎
空⏎
⏎
★ ⏎(6行目)
空⏎
★ ⏎(8行目)
⏎
空⏎
⏎
⏎
空⏎
⏎
⏎
空
・3コメント目(「big cyan」)
空⏎
⏎
⏎
空⏎
⏎
⏎
★ ⏎(7行目)
⏎
⏎
空⏎
⏎
⏎
空⏎
⏎
⏎
空
このようにコメントを投稿すれば、
以下のような回転CAとなります。
複雑そうに見える回転CAもこの作業を繰り返したものがほとんどです。
また「スライド」や「文字変化」などといったCAも
空白の量・位置をを調整することによる時間差を利用したものとなっています。
まずは以上のような回転から作れるようになるとよいでしょう。
ぜひ練習してみてください。
④多重スクロール実践例 ―文字変化、スライド
多重スクロールを応用すると以下のようなコメントアートを作ることが出来ます。
◆回転ハート
◆文字変化CA(スペリング文字変化)
◆スライド
ぜひ実践してみてください。
最終更新:2020年05月14日 23:01