幼い日の記憶。
それは今や遠く、手の届かない場所へと落ちていった想いの欠片。
幼かったあの日、私は何も知らなかった。
無知だからこそ、幸せな日々を謳歌できた。
自分という存在が何であったのか。
父と呼び慕っていた男が誰であったのか。
それさえ知らずにいた愚かな子供は、だからこそ醜い真実を見ずにすんでいたのだ。
雪の降る白亜の森の奥、永遠を求めた一族の名を冠した城の中で。
告げられたのは父の裏切りと、母の死だった。
何もかも失いひとりで生きることを余儀なくされ、それでも大丈夫と私は私を騙し続けた。
その果てに知った真実は、アインツベルンの抱える闇そのもの。
役目役目と押し付けられて、みんなバカみたいにひとつへ向かって動き続けた。
千年間も飽きもせず、人間的な感情など何も持たずに、定められた製造目的だけを糧として。
ああ、なんて無価値な人形たち。
結局のところ、私たちには最初から、「自分」なんてものはなかったのだ。
───だから。
───だから、私は。
………。
……。
…。
────────────。
「邯鄲の枕というものがある」
またしても突然のことだった。
金髪の男と銀髪の少女。夜半に仁王立ちて、その周囲に散らばるは斬滅された星屑たちの亡骸か。
いきなり語り出した男は、傍にいる聴衆のことなど微塵も気にすることなく、自分勝手に話を続けた。
「元は唐代の故事でな。趙の時代に盧生という名の小僧が趙の都である邯鄲へと赴き、老翁の道士と出会い己が身の不平を語るというものだ。
道士より願望成就の枕を受け取った盧生は、それまでの農奴の生など嘘であるかのように立身出世しこの世の栄華を極め、されどある時は冤罪で投獄されあるいは己が不明を恥じて自害しようとし、艱難辛苦の果てに国王として世に君臨し寿命によって死んだという」
「知ってるわ。でもそれって夢だったのよね」
イリヤの言葉に、彼は微かに含み笑った。話が早いとでも言いたそうな笑いだった。
「その通りだ。己が死に目を閉じた盧生が次の瞬間目にしたのは、枕を手渡した道士の姿。つまり彼奴が辿った栄枯盛衰の人生とは束の間の夢であり、現実には僅かな時間も経っていなかったというわけだな。
故事において、盧生は人生の無常と真理を悟り、我欲を捨て帰郷したという。何とも諦めが早く、往生際の良い奴ではあるが……」
そこで彼は、ふと何かを考え込むようにして。
「光栄に思え、王の問いに答えることを赦す。
貴様、死にたくないと願ったことはあるか」
突然、そんなことを問いかけられた。
有無を言わさぬ口調だった。イリヤは物を見ることができないが、声の主はさぞや面白味のない表情をしてるんだろうなと思った。
「あるわ。一回だけ」
「ほう?」
嘘ではない。イリヤは確かに一度だけ、死にたくないと願ったことがある。
それはいつかの冬の日。暖かなバーサーカーの手を離れ、寒さに身を打ち震わせたあの瞬間。
自分が、この目から光を失くしたあの時。
「ならば、生きたいと願ったことは?」
どうなのだろう。
よく分からない。だって私たちは、「生きる」ことなんて誰もしたことがなかったから。
ただそこに在って、最初から決められたことだけをする人形。
アインツベルンはみんなそういうもので、生きることを望むなどアハト翁ですらなかったのだろうけど。
「あるわ。多分、ずっと」
それでも解釈するならば、私はずっと生きたかったのだろう。
切嗣のような、人間らしい矛盾に満ちた「生きる理由」というものを、多分私はずっと欲していたのだと思う。
「なるほどな。如何にアインツベルンの傑作と言えど、所詮は造花……などと見くびっていたのは我のほうであったか。
存外に鋭いではないか。いや無垢な造り物であるからこそか? いや僥倖僥倖、我は実に良い拾い物をしたらしい」
「馬鹿にしてる?」
「そう怒るな。我としては珍しく純粋な褒め言葉なのだぞ?
市井の凡俗共は元より、世を渡り歩く賢人でさえ真に両者の違いを知る者は少ない。その点貴様は中々のものよ。
言葉ではなくその心身で思い知ったか。なるほど道理よな、心胆を寒からしめる経験は万の書物なぞ歯牙にもかけぬ。
誇れ、貴様は確かに世の真理を垣間見たのだ」
くくく、と彼は笑う。それは哄笑にも近い、諧謔の笑いだった。
それは何かを嘲笑った笑みであるのか。
分からない。見たいものを見ることもできず、信じたいものすらをも失ったイリヤには。
「だが、なればこそ不運よな。間が悪いと言い換えてもいい。
此度の催し、己が存在意義を賭け命を燃やし尽くす阿呆であれば、幾ばくかの救いを得ることもあろうが。
しかし貴様はその先を見据えている。死を忌避するのではなく生をこそ求める渇望は、常ならば見応えもあるが此処では哀れなだけよ」
「煙に巻く言い方、そろそろいい加減にしてくれない?」
「ならば言い換えようか。つまるところ、我らは囲われているのだ」
彼が答え、金色の外套を打ち鳴らす。
「卵の殻を破らねば、雛鳥は生まれず死んでいく。
雛は貴様、卵は世界だ。
世界の殻を破らねば、貴様は生まれず死んでいく。
故に我はこう言うのだ、世界の殻を破壊せよと」
「……それ、あなたはどうなの?」
「たわけ。我は既に死した者、今ここに在る我は現世界に投射された影に過ぎぬと弁えよ」
嘆息して続ける。
「だが貴様の言も理解できる。我は所詮骸ではあるが、貴様らと同じく殻へと閉じ込められた身であるために。
全く、第四にも呆れたものよ。願い持つ個人であれば生死も時間軸すらも無視して取り込むか。その普遍性の高さこそが奴の盧生たる証なのだろうが、その内腑はやはり醜悪の極みよ」
イリヤは首を傾げ、
彼はただ笑うのみ。
「やっぱりあなたの話は意味が分からないわ」
「はは、拗ねるな拗ねるな。貴様の頭が不出来なのではない、分からぬよう我が意図的に言っているのだ。
これは己で気付かねば意味がない、どころか他人からの教唆では害にしかならぬもの故な」
「初めて聞いたんだけど」
「初めて言ったのだから当然だな」
呆れた、とばかりに顔を背ける。彼は変わらず笑っていたが、それは諧謔とかではなく単純に面白がってるだけだと分かった。
「でも、卵の殻だっけ。さっきの例え」
「然り」
「それってもしかして、"アレ"のこと?」
真っ直ぐに空を指差すイリヤ、それを追って上を見上げる彼。
その遥か上空では、幾つもの白い線が空を覆い、まるで巨大な牢獄を形成しているかのようだった。
「いや、あれは違う」
「そう?」
「うむ。都市を囲むという意味では間違ってはいないが、所詮は鳥かご。あやとりの域を出るものではない」
呆れたように息を吐き、一言。
「とはいえ愉快な見世物であるのは確かだな。故に、物が見えぬのであれば肌に焼き付けておけよイリヤスフィール」
その笑みは、果たして───
▼ ▼ ▼
───その時、誰もが夜空を見上げた。
───聖杯戦争に集う者すべてが、遥か上空にて発生した異常を目撃した。
ただ真っ直ぐに空へと伸びる、一条の白線。
漆黒の天蓋を二分する白線は中空の一点に辿りつくと、そこから弾けるように四方八方へとその白を飛散させた。
都市そのものを覆うように、流星と化した無数の白が地に落ちていく。
流れ星と違うのは二点。
尾を引く白い軌跡はいつまでも消えることなく、実体を持って展開されているということ。
そして、それは隕石の類ではなく、ドフラミンゴの異能によって形作られた"糸"であるということ。
『絶望の鳥籠』
ドンキホーテ・ドフラミンゴの持つ最大最後の宝具であり、かつて一国を長きに渡り恐怖の底へと沈ませ続けた絶望の象徴。
難攻不落にして脱出不可能、鏖殺の理を具現する悪夢が鎌倉に顕現した。
「あァあァ、俺に使わせやがったな、"こいつ"を……!」
積み上げられた瓦礫の山の頂上で、顔を手のひらで覆ったドフラミンゴが情念をため込むかのように含み笑いを浮かべる。
巨大な鳥カゴを背に笑う彼の姿は一言"支配的"。今や北鎌倉から南は由比ヶ浜・材木座海岸までをも射程内に収めた鳥カゴの半径は、比喩抜きで鎌倉そのものを閉じ込めるまでに至っている。
故に、彼の支配者然とした態度は何ら虚実のものではない。確かな現実として、
ドンキホーテ・ドフラミンゴは今、鎌倉市内に存在する全存在の生死を握っているのだ。
「ほう、これは……」
「──────」
そして、彼を見上げるのは二人の女。
見定めるような目つきの赤い軍服の女と、武骨な義手と刃を携えた異形の女。
内のひとり、異形の女───
針目縫は、その理性なき瞳を殺意で満たし、次いで聞くも悍ましい咆哮を上げた。
「■■■……■■ゥゥゥアアアアアアアァァァァァァアアアアアアアアアアアアアア──────ッ!!」
そして、振りかぶるは暗紫色の片太刀バサミ!
圧倒的膂力により投擲された刃は初速から音速を突破し、大気を切り裂いてドフラミンゴに殺到する。
奇襲めいた不意の一撃。しかしドフラミンゴは特段驚く様子もなく、首を逸らすだけでその刃を回避。斬首すべき相手を見失った片太刀バサミはそれでも猛烈な勢いを落とすこともなく、射線上を浮遊する星屑の幾つかを回転する刃で引き裂きながら、一秒とかからず鳥カゴの"外縁部"まで到達し───
「■■───!?」
しかし───カゴを構築する糸の一本さえ断ち切ることができずに、硬質の音と共に弾かれた。
無傷。鳥カゴには傷のひとつも付いていない。視界の彼方で敢え無く落下する片太刀バサミを目に、今や破壊衝動以外のあらゆる思考能力を失った針目は、それでも驚愕めいた感情をその声と瞳に乗せる。
「馬鹿が、効くかよ」
瞬間、針目の背後より放たれる声と衝撃。いつの間にか彼女の背後に"出現"した新たなドフラミンゴが、振り上げた踵を針目の肩に落としたのだ。
分身能力・影騎糸からの足剃糸。糸による斬撃効果を伴った蹴りは、下手な刀剣による斬撃すら上回る威力を誇る。生身のサーヴァントなら手足程度は容易に切断され、武具ないし防護の上からですら判定次第では総身を両断される一撃だ。
しかし何ということか、足剃糸の直撃を肩で受け止めて、針目の肉体は切断どころか血の一滴さえ流していない! 肩越しに唸る針目の凶眼が、極大の殺意を以てドフラミンゴに向けられた。
防御の暇もない無防備な状態への一撃、本来致命となるべきそれを無傷でやり過ごした絡繰りは彼女の持つ宝具にある。
『生命繊維の怪物』は生命繊維の申し子としてその生を受けた針目の特異性、並びに生来の頑強さを保証するもの。宝具の領域にまで昇華された防御能は凄まじく、Bランク未満の攻撃を一律で無効化するほどである。
「■■■ァ───!」
故に、高ランクの攻性宝具を持たないドフラミンゴに針目を害する手段はない。しかし。
猛然と掴みかかる針目を前に飛び退いて、けれど彼の表情は翳りを見せず。
「単純すぎて欠伸が出らァな」
「■、ィイ!?」
後方より飛来した片太刀バサミが、針目の腹部を貫いた。
大量にまき散らされる喀血、驚愕に見開かれる目は自分の身に何が起きたかを全く把握できていない。
突き出された針目の掌底はドフラミンゴに届くその直前で押し留められ、やがて力を失って全身ごと地に落ちた。
針目は知らない。ドフラミンゴは投擲された片太刀バサミを避けたその時点で、細く視認の難しい、しかし伸縮性と粘着性に富んだ"蜘蛛の糸"をその柄に張り付けていたということを。
そしてこの一瞬で糸を手繰り、引き寄せられた刃が彼の誘導する通りに針目を貫いたのだと。
彼は力任せしか能のない猪武者では断じてない。戦士として以前に全ての存在の上に立つ"支配者"たる彼は、当然としてあらゆる強さを習得している。
「なるほどなァ。切れ味が良いにしてもあり得ねェ鋭さで俺の糸を切るもんだから、何かしらの特効性でもあるんじゃねェかと踏んじゃいたが……」
うつ伏せに倒れる針目を地に縫い付ける片太刀バサミ。それを躊躇なく引き抜き、声にもならぬ悲鳴をバックにドフラミンゴは語る。
「見立て通りお前も俺と同じ"全身イト人間"だったみてェだな。そしてこいつは同族へのカウンターってとこか。
だがアテが外れたな。この程度じゃ俺は殺れねェし、まして鳥カゴを斬るなんざ百年早ェよ」
鳥カゴを構築する格子状の糸は、イトイトの実が作りだすものの中でも飛び抜けた強度を持つ。
史実においてこの技を物理的に破壊できた者は存在しない。ドフラミンゴファミリー最高幹部たるピーカの"巨大岩石人形"が誇る巨人族すら越える体躯も、海軍大将イッショウが繰り出す宇宙空間よりの小惑星衝突も、ドフラミンゴと同等以上の力量を持ち合わせた覇気使いの"武装色"による斬撃すらも、鳥カゴを斬ることはおろか傷のひとつも付けることはできなかった。
そしてその切断力や、国一つを土台から切り崩し、国内に存在するあらゆる建築・あらゆる生命を一切の区別なく両断するものであった。
その事実は一体何を意味するのか。
それは。
「よォく分かっただろうが。やろうと思えば最初から、こうしててめェら全員皆殺しにできたんだよ俺は……!
だが郷に入りては何とやら、聖杯戦争の流儀に則り正々堂々尋常に勝負してやってたんだ。それを俺の苦労を知りもせず好き勝手してくれやがって、あァ!?」
つまりはそういうこと。
ドフラミンゴはやろうと思えば、本戦どころか予選の段階でも他陣営を纏めて相手取ることができたのだ。しかし彼は力づくの殲滅を善しとせず、現地民の支配と人海戦術を用いた策謀、他のサーヴァントすら利用する暗躍の道を進んだ。
無論、そこには戦闘に巻き込まれるであろう一般市民への情けなど微塵も存在しない。彼はただ人々の恐怖や怒りを煽り絶望させるやり方を好むだけ、単なる利害の一致である。
だがそれでも、彼が聖杯戦争における神秘の秘匿を遵守していたことは確かだ。そして後先を考えぬ愚者の群れによって全てを台無しにされたという事実も、また。
故に彼は激怒しているのだ。地上を這いずる人間(ゴミ)の足掻きを高みより睥睨するはずだった高貴なる己を、同じ地上へ引きずり落とした下手人たちに。
その怒りを表すように、彼は倒れる針目の背を力の限り踏みつけながら。
「別に初めからお前らを、"恐怖"で蹴落としても良かったんだ……!
だがお前らは俺を引きずり出し、あまつさえ糞汚ェ手で殴りかかってきやがった……!
もう一度言ってやるよ。俺が最も嫌うのは見下されることだ……!
盤面の勝負で勝てねえから、拳なら勝てると思い上がったか糞餓鬼共! あの薄汚ェ麦わらのように!」
「それで」
言葉と共に、不意に二人を巨大な影が覆った。
唸る大気の鳴動に視線を上げれば、そこには視界を埋め尽くすほどの巨大さを持った何かが、今にも彼らを押し潰さんと凄まじい速度で墜落してきたのである!
───都市そのものを揺るがさんばかりの、轟音と地響き。巻き起こる粉塵と紙のように吹き散らされる建築群。
───周囲のビルの残骸すらも軽く飛び越える巨体が、針目とドフラミンゴを下敷きに地に沈んだ。
全長50mは下らないであろうそれは、天秤のような細長い形をしていた。およそ生物ではあり得ず、しかし高層建築とも言い難い歪な構造。
それは空に蠢く星屑たちと由来を同じくしたバーテックス。名を、天秤座のリブラ・バーテックスと言った。
「無駄口は終いか?
茶番は飽いたと言ったはずだがな。聞こえていなかったのならば今一度言ってやろう」
陽炎のように揺らめく影を映し出して、赤い女が静かに歩み出る。
瞬間、荒廃した街並みを圧し潰すリブラ・バーテックスの巨体が突如発火。鋼鉄の沸点すら越える業火が内側から突き破るように溢れ、蛇のようにうねりバーテックスの巨大な体躯を舐めつくす。白亜の天秤は一瞬にして大量の黒炭と化し、女───ザミエルはただ無言で睥睨するのみ。
口からは煙草を咥え、紫煙を吐き出す。そして億劫気な瞳を向け、断ずるが如く言い放つ。
「幕だ。貴様らの生きる意味、存在する意義はとうに尽き果てた。故、潔く散るならば灰も残さず蒸発させてやろうという私の気遣いだったのだがね」
万色の煙を燻らせ、尋常ならざる戦場にあって尚平常を保ち続けるこの女傑は一体何を仕出かしたというのか。
針目が最初に動いた瞬間彼女は後方へと飛び退き、数多の星屑たちが瞬時に黒煤と散る炎熱の領域に触れて、なお燃え尽きることなく侵入を果たそうとしていたリブラ・バーテックスの突起を掴み上げた。
重さにして数百tは下らない、あらゆる生物の頂点に君臨する巨躯を片腕で持ち上げ、バーテックス自身の必死の抵抗すらねじ伏せる膂力で以て、音速にも迫る速度で投擲したのだ!
永劫破壊・基本術理───魔力放出。
その身に吸奪した幾万もの魂の結晶により文字通りの一騎当千と化したザミエルは、白兵に特化したサーヴァントの中にあってなお常軌を逸した身体性能を発揮できる。
規格外の出力を誇るエイヴィヒカイトの術式を以てすれば、ステータス情報に記載されたカタログスペックなど全く意味を為さない。
「しかしその様子を見れば、貴様に往生際の良さを講釈してやる意味はないらしい。いやはや、随分と増えたものではないか」
「抜かせやクソが。考えなしの放火魔の分際でエラく調子こいたことほざくじゃねェか……!」
現出するドフラミンゴ"たち"に、ザミエルは呆れと僅かながらの驚愕を交えた声を出す。
その視線の先には、そこらじゅうから湧き出るかのように大量のドフラミンゴたちが声も顔かたちも霊基の構造までも同じくして出現し、一帯を取り囲んでいるのだった。
「だがそれも聞き納めと思えば心地いいもんだぜ……!
鳥カゴは既に起動した、お前らじゃ止めることも俺を殺すこともできやしねェ……!
あとは高見の見物と洒落込んでりゃてめェら全員くたばるたァ、俺にとっちゃ窮地どころか逆に喜劇だったかもなァ!」
視界の隅で瓦礫を押しのけ這い上がる針目を横目に、ドフラミンゴたちは勝ち誇るかのように哄笑を上げる。なるほど確かに、高位の探知能力を持たないザミエルでは本物を的確に探り当てるのは難しいし、手当たり次第に攻撃したとしても逃走は容易。更に言えばザミエルたちには時間制限が設けられ、手をこまねいていれば彼女らどころか檻に囚われた全員が脱落する。
現状の鳥カゴが覆うのは大地のみであるからして、遠洋に浮かぶ漆黒の軍艦までは射程圏内に収めてないものの、それも他の者らを殲滅した後に第二波の鳥カゴを放つことで無理やりに殺害してしまえば問題はないとドフラミンゴは語る。
あまりに強引な手段故に優雅さには欠けるが、それもまた良し。心を砕かれ絶望する人間は傑作だが、体を砕かれ泣き叫ぶ人間もまた痛快である。
だから、震えろ。喚け、泣いて許しを請うがいい。
どの道破滅は不可避だが、天竜人たる己に楯突いた愚行を悔やみながら死に晒せ。
所詮お前ら人間は、神にも等しい己を楽しませる悲鳴の楽器でしかないのだから───!
「……そういえば、先ほどの貴様の言にひとつだけ同意しておこうか」
けれど。
けれど、ザミエルの不自然なまでの落ち着き様は何なのだ。
既に鳥カゴの侵攻は始まり、地の果ての全方位から大地を切り裂く音が轟いているというのに。
「私も同じだよ。やろうと思えば最初からできたのだ。
故に今、枷を外してやろう」
泰然と構える赤騎士は、その"祝詞"を口にした。
『彼ほど真実に誓いを守った者はなく
彼ほど誠実に契約を守った者もなく
彼ほど純粋に人を愛した者はいない』
瞬間、膨張する大気の圧力が槌となり、一帯を占めるドフラミンゴの軍団を打ちのめす。
流れてくるのは、焼けた鋼鉄と油の臭い。英雄ならばその身に沁み込んでいるであろう戦場の熱風。
───なんだ、これは。
理解不能の感情が内より湧き出でる。瓦礫すら溶解させながらも吹き付ける熱風に幾人もの影騎糸が弾き飛ばされ、それでも不吉な呪言を止めようとするも、弾糸の狙いがつかない。
『だが彼ほど総ての誓いと総ての契約
総ての愛を裏切った者もまたいない
汝らそれが理解できるか?』
此度の聖杯戦争に際して、ザミエルは己が聖遺物の力を十全な形で揮ったことはなかった。
大抵の者は炎の純魔力たる活動の一撃で死に絶え、更に低劣な者に至っては宝具ですらないサーベルの剣戟により命を散らした。
ドーラ列車砲の形成は赤薔薇王と死線の蒼に対する二度しか使わず、遥か海洋上に居を構える規格外の騎乗英霊たる者に対しても"形成と創造の中間"までしか開帳していない。
そう、"爆心地が無限に広がり最終的には地球表面そのものを呑みこむ爆撃の究極"すら、彼女にとっては戦争用に枷を嵌めた未完成品に過ぎない。
ならば今、彼女が解き放とうとしているものは何であるというのか。
『我を焦がすこの炎が総ての穢れと総ての不浄を祓い清める
祓いを及ぼし穢れを流し、溶かし解放して尊きものへ
至高の黄金として輝かせよう』
赤化とは黄金を生む最終形態。故に最も獣に近く、最も彼を信奉し、その敵たる不純物を撃滅する焦熱の剣。
『既に神々の黄昏は始まった故に
我はこの荘厳なるヴァルハラを燃やし尽くす者となる』
圧倒され、針目もドフラミンゴもまともに身動きの取れなかったのはほんの数秒。身体がよろけ、しかし体勢を立て直し飛びかからんとするほんの数秒に過ぎない。
しかしそれで、最早全ては手遅れになった。
『創造───』
間に合わない。
手が届かない。
抜刀が起きる。何が何でも抜かせてはならなかった神(スルト)の杖が、今ここに鞘走る。
絶対に逃げられず、絶対に命中し、総てを焼き尽くす炎が凝縮した世界。
その銘は───
『焦熱世界・激痛の剣』
「───ッ!?」
───周囲の風景が一変する。
廃墟と化した鎌倉の街並み、瓦礫と剥き出しの土だけが覆っていたはずの景観は一変し、対峙する三者を残して周囲は赤き灼熱の世界へと変じていた。
───赤い。ここはなんと赤いのだ。
ここはまるで溶鉱炉。あらゆるものが溶けて消え、沸騰して灼熱と化す。
出口などない。避難場所もない。地平線すら揺らぐ広大な空間であるにも関わらず、まるで双方向を塞がれたトンネルのような閉塞感がある。
事実、蟻が地下鉄の線路に立たされたならば同じ感覚を味わうだろう。
ドーラ列車砲、狩りの魔王ザミエル。膨大な魔力により極限まで拡大・増幅された砲身内部こそが、この異世界の正体である。
絶対に逃げられないということ。絶対に当たるということ。その究極系とはなんなのか?
対象を追尾する弾頭か。無限に広がる爆心か。
否───そんなものは児戯に過ぎない。
最初からどこにも逃げ場などない世界を構築すること。そしてその世界内全てを諸共に焼き尽くすということ。
業火のみが存在する大焦熱地獄。一部の隙間なく埋め尽くし、永遠の熱が支配する世界創形型の覇道創造。
彼女の忠誠、彼女の誓い、彼女の愛を体現する心象世界の具現であった。
「こいつ、は……」
最初、ドフラミンゴはそれを"自分とバーサークセイバーの二人に向けたもの"だと思っていた。
しかし違う。これはそんな小さなものではない。
地に足つけて感じられる魔力の多寡で理解できる───この異世界は都市そのものを覆っている。
鎌倉を閉じ込めたドフラミンゴの鳥カゴを、更に外側から閉じ込めるように。規格外の巨大さを誇る赤熱の魔法陣は文字通り"世界"を囲う檻となっているのだ。
それはつまり、聖杯戦争参加者の全員を取り込んでいるということであり。
「初めから、貴様ら全員を"激痛の剣"たる我が世界で焼き尽くしても良かった」
滔々と語られるザミエルの言。戦闘に際しているとは思えないほどに静かな言葉。
「だが私はそうしなかった。その理由が、貴様に分かるか?」
分からない───選んだ行動は自分と同じでも、そこに至るまでの思考回路があまりにも違い過ぎる。
「不相応なのだよ。我が"剣"を抜くには、貴様らはあまりに弱く、醜い。
垂れ流された糞便の処理に剣を抜く騎士が何処にいる? 誇り高き我が"創造"は、故に相応しい相手にのみ使われる。
私が本気で戦うに値すると認めた、真の勇者にこそ手向けられるべきなのだ」
肥大化した自意識と高すぎる理想が言葉となって現れる。そう、全てはドフラミンゴと同じなのだ。
やろうと思えば最初から皆殺しにできた。聖杯戦争の舞台そのものを覆い、呑み込み、焼き尽くす"世界"。マスターもサーヴァントも関係なく、内からも外からも決して破壊不可能な死の領域。
それを向けなかったのは偏にその大きすぎるプライドが故だった。剣を抜くに値する強者にのみ開帳するという、それは確かにある意味では騎士道にも通じる理念なのかもしれないが。
ならば何故、この局面に至って彼女はその"剣"を抜いたのか。
ドフラミンゴや針目を、そうするに値する者と認めたからか───いいや違う。
「この創造は貴様らに向けたものではない。この地に今もなお生存している強者たち、私が認めた真の英雄に対する宣戦布告である」
射程内に収めるは会場全域、取り込まれるは舞台に上がる全ての役者。
ならばその中には、かの騎士王や赤薔薇王もまた存在するということであり。
「───ぐぅあ!?」
突如、何の脈絡もなく世界が揺れた。
攻撃が始まったか、そう思ったがどうも違う。その衝撃は世界内ではなく、その外から聞こえてきたようにも思えて。
「そして、誤解なきよう言っておこうか。
ドンキホーテ・ドフラミンゴ。私がこの世界を創造しなければ、貴様は鳥カゴごとあの戦艦の主に消し飛ばされていたよ。
曰く、ヒロシマの炎だったか。かつてはグラズヘイムに退去していた故に実物を見ることはできなんだが、なるほど確かに凄まじい。瞬間的な火力だけならば、我が創造の一欠片にも手を届かせるか」
ザミエルの言葉に、ドフラミンゴは知らず驚愕に身を固めた。ヒロシマの炎が指すものといえばただ一つ、遥か遠き事象世界において広大な国土を焼き払った鏖殺の焔に他ならない。
彼女の言が真実だとすれば、仮にあのまま鳥カゴの展開を続けていればどうなっていたか。根本的な相性の悪さは元より、そもそも基準となる出力が違い過ぎる。
そしてそれは、今目の前に広がっている焦熱の世界にも同じことが言えた。
「さて、では終わりとしよう。
騎士王に赤薔薇王、あるいは未だ姿を見せぬ英雄たちよ。貴様らが我が炎を止められぬというならば、それもまた善し。
我が炎は虚構たる世界の縛鎖を千切り、第一盧生との対峙を以て月の裁定者への鉄槌となるだろう。
それを厭うというならば───」
その相貌を、凄絶に歪ませて。
「各位、死にもの狂いで足掻くがいい」
───その時、誰もが赫の空を見上げた。
───聖杯戦争に集う者すべてが、遥か上空にて顕現した天変地異を目撃した。
殺到する星屑の全てを討滅した
藤井蓮と、それを見守る
キーアも。
遥か彼方に飛び去った
すばるを追いかける、アーサーとアイも。
不毛な殺し合いを続ける藤四郎と學峯も。
既にその素顔を髑髏の面に覆い隠してしまった叢だった何者かも。
失くしてしまった想いをなぞる様に誰かを見つめるロストマンも。
全てを俯瞰する目線のままに彼方を見据える
ギルガメッシュとその主たるイリヤも。
三人の奪われた者であるレミリアと東郷と針目も。
何処とも知れぬ深淵で産声を上げるシュライバーも。
そして当然、ドフラミンゴもまたその光景を見上げる。
今や紅蓮の熱量に置き換わってしまった赫炎の空。
赤に染まる"天"そのものが、凄まじいまでの圧力と共に墜落を開始した。
「──────」
空が落ちる。
天が堕ちる。
眩しいまでの輝きを放ち、街並みの全てを赤く照らすこの光は正しく"炎"そのものか。
その圧倒的な光景を前に、ドフラミンゴは動けない。体は頭頂から足先までもが痛いほどに硬直し、全く言うことをきかない。
あれは駄目だ。あれは絶望的に過ぎる。
けれど、それでも。
それでも、叫ばないわけにはいかなかった。
「───ふざけろォ! 今ここで鳥カゴをヤラレるわけにはいかねェェエエエエエエエエエエッ!!!!」
そう、あの炎を阻めるのは今や自分の鳥カゴしかないのだから、それを破られるわけにはいかないのだ。
何故なら防がねば自分が死ぬ。完全無欠に楽観の余地なく、あの炎に晒されては死ぬしかない。
逃げることは不可能。避けることは不可能。防ぐことも耐えることも不可能となれば、あとは自らが最強の技を以て相殺する他になし。
敵を殺し尽くすはずの鳥カゴは、皮肉なことにドフラミンゴを含めた全員を守るための防御結界へとその機能をすり替えられていた。
果たして墜落する紅蓮の天は鳥カゴへと接触し───僅かな抵抗の気配すら見せず、その頭頂から糸の格子を真っ黒な炭へと変えながら墜落を続行させた。
火に入る蛾のように、並み居る星屑とバーテックスたちが次々と焼かれていく。
絶望が、ドフラミンゴの顔を満たした。
最早打つ手は何もない。
今ここに、聖杯戦争の勝者が決まった。
「邪魔だ」
───声が。
響いたかと思った瞬間、"世界"が切り裂かれた。
文字通り地平の彼方から天空に至るまで、"世界"そのものが真っ二つに割れた。
今にも落ちてくるはずだった紅蓮の空は蝋燭の火が吹き消されるかのように色を失い、かつて赫の天であった破片が残滓となって舞い散る。黒色に割れ敷き詰められた地平線は中空に浮かぶように剥離し粒子となって溶けていく。
断割された空間の先、舞い散る紅蓮の残滓の向こうには、変わらぬ静寂を湛える漆黒の天蓋が広がっていた。そして次の瞬間には、赤い空も黒い大地もそれら破片の一切すらもが、まるで最初から存在しなかったかのように消え失せ、元の鎌倉の光景が戻ったのだった。
「……は?」
あまりにも間抜けな声が、ドフラミンゴの口から漏れる。
彼は果たして、その視界の端に影のような黒衣の男が現れたことに気付けただろうか。
「───■■■■ァアアアアアアアアアアアッ!!!」
突如叫ばれる針目の咆哮。片太刀バサミを失い右の鉄腕だけで何某かに飛びかかる彼女に、ドフラミンゴはようやく気付いて。
「お前に用はない」
横薙ぎに振るわれた男の裏拳が、針目の頬を的確に撃ち抜いた。
瞬間、右方向に殴り飛ばされた針目の姿が掻き消え、同時に爆ぜた衝撃波が一直線に地を穿ち、吹き飛ばされた針目はその2㎞先にある源氏山の中腹に激突して凄まじい高さまで土砂を噴き上げた。
衝突の轟音が、遅れて耳に届く。
からり、と石ころが足元に崩れる音が、寒々しかった。
「て、てめェは───」
何事かを叫ぼうとして、しかし次の瞬間ドフラミンゴの視界は高速で回転していた。
───何が……
あったのかを推察しようとして、けれど鈍る思考がそれを許さない。ドフラミンゴは次々と入れ替わる夜空と地上とを視界に収めるばかり。
ああそういえば、地上の街並みがやけに遠い。
まるで航空撮影のように、鎌倉全体を見渡せるような位置に、今自分はいるのではないか。
そんなことを考えて───上空3000mまで殴り飛ばされたドフラミンゴは、薄れる意識と共に何処かへと墜落していった。
「我がマスターの通る道だ。大事を為す前に、少しばかり掃除しておかねばと思い立ってな」
一帯を埋め尽くしていたはずの影騎糸さえ、一瞬以下の時間で全てを霧散させて。
軽い調子で語る男を前に、ザミエルは無言で向かい合うことを強いられていた。
言葉など出せるはずもない。己にとって最大最強の、まさしくアイデンティティそのものと言える"創造"を破壊されて、意思が力の根幹を成す聖遺物の使徒が無事でいられるわけもない。
けれどそれでも、ザミエルは不屈の意志力で以て相対する。言葉、絞り出すようにして。
「貴様は……」
言葉尻が僅かに震える。このようなことなど、彼女の人生においてそれこそ数えるほどしかなかった。
出そうとしているのはあまりにも無意味な問いだ。だがそれでも、彼女はその問いを封じることができない。
無意味でも、それ以外の可能性が絶無だとしても、それは絶対的にあり得ないことなのだから。
「貴様、今、何を」
「"斬った"」
返すのは男だ。吹き付ける風の音が、酷く遠い。
今この瞬間だけ、この無謬の世界に存在するのはザミエルとその男の二人だけとすら思えた。それだけの静寂が場を包み、風の微かな音は余りにも遠かった。
「お前の"世界"を切断した。それだけのことだ」
何てことはない、そう男の口調は物語る。
独立した一個の異界。魔力強化された核兵器の直撃すら無傷で耐える空間障壁。文字通り現世界を塗りつぶし作り変える世界改変の業。
それら一切悉くを、物理接触し干渉すらできないはずの空間諸共、この男は単なる魔力と技量だけで切断してみせたのだと。
それすら、この男にとっては出来て当たり前な児戯の範疇であるのだと。
それは───
それは、赤騎士の火力どころか、あるいは黒騎士の万物終焉にすら手をかける領域にある業なのではないかと───
「そういえば、昼刻は無様な姿を見せてしまったな」
一歩を進み出る男に、ザミエルは辛うじて戦闘の構えを取る。己が最強を打ち破られて、それでも戦う意思だけは絶やすことなく。
けれど、けれど。
それでも、この男は何であるというのか。
かつて自分が垣間見た、己と五分の戦いを繰り広げられるであろう好敵手たる彼。
だが今見せた実力は、その想定からは二段も三段もかけ離れたものであり───
「これが、私の本気だよ」
『C-3/鎌倉市街地跡/一日目・禍時』
【アーチャー(
ローズレッド・ストラウス)@ヴァンパイア十字界】
[状態] 魔力消費(小)
[装備] 魔力で造られた黒剣
[道具] なし
[所持金] 纏まった金額を所持
[思考・状況]
基本行動方針:終わらせる。
1:最善の道を歩む。
[備考]
鎌倉市中央図書館の書庫にあった資料(主に歴史関連)を大凡把握しました。
鎌倉市街の電子通信網を支配する何者かの存在に気付きました。
如月の情報を得ました。
笹目ヤヤ&ライダー(
アストルフォ)と同盟を結びました。
廃校の校庭にある死体(
直樹美紀)を確認しました。
B-1,D-1,D-3で行われた破壊行為を認識しました。
『幸福』を確認しました。
廃校の資料室に安置されていた資料を紐解きました。
確認済みのサーヴァント:
ランサー(
No.101 S・H・Ark Knight)、アーチャー(東郷美森)、バーサークセイバー(針目縫)、ライダー(
ドンキホーテ・ドフラミンゴ)
真名を把握したサーヴァント:
アーチャー(エレオノーレ)、ライダー(マキナ)、ライダー(
アストルフォ)、アサシン(
スカルマン)、バーサーカー(シュライバー)、ランサー(レミリア)
【ライダー(
ドンキホーテ・ドフラミンゴ)@ONE PIECE】
[状態]全身火傷、魔力消費(大)、腹部に大ダメージ、空中遊泳、意識朦朧
[装備]燃えてボロボロの服
[道具]
[所持金]燃えた
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯を獲得する。
0:どいつもこいつもいい加減にしやがれテメエらあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!
1:ランサーと屍食鬼を利用して聖杯戦争を有利に進める。が、ランサーはもう用済みだ。
2:軍艦のライダーに強い危惧。
[備考]
浅野學峯とコネクションを持ちました。
元村組地下で屍食鬼を使った実験をしています。
鎌倉市内に複数の影騎糸を放っています。
如月&ランサー(アークナイト)、及びアサシン(
スカルマン)の情報を取得しています。
※影騎糸(ブラックナイト)について
ライダー(
ドンキホーテ・ドフラミンゴ)の宝具『傀儡悪魔の苦瓜(イトイトの実)』によって生み出された分身です。
ドフラミンゴと同一の外見・人格を有しサーヴァントとして認識されますが、個々の持つ能力はオリジナルと比べて劣化しています。
本体とパスが繋がっているため、本体分身間ではほぼ無制限に念話が可能。生成にかかる魔力消費もそれほど多くないため量産も可能。
『B-2/源氏山/一日目・禍時』
【バーサークセイバー(
針目縫)@キルラキル】
[状態]《奪われた者》、理性剥奪、顔面と全身に大ダメージ、山の斜面に突き刺さってる
[装備]《打ち砕く王の右手》
[道具]なし
[所持金]なし
[思考・状況]
基本行動方針:皆殺し
0:■■……
1:■■■■■───!!!
[備考]
片太刀バサミはC-3鎌倉市街跡地に取り残されてます。
『D-3/鎌倉跡地/一日目・禍時』
【
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night】
[令呪]二画、魔力消費(中)、疲労(中)
[状態]健康、盲目
[装備]
[道具]
[所持金]黄金律により纏まった金額を所持
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯を手にし、失った未来(さき)を取り戻す。
0:なにこれ
1:ある程度はアーチャーの好きにやらせる。
[備考]
両目に刻まれた傷により視力を失っています。肉体ではなく心的な問題が根強いため、治癒魔術の類を用いても現状での治療は難しいです。
【
ギルガメッシュ@Fate/Prototype】
[状態]健康
[装備]
[道具]現代風の装い
[所持金]黄金律により纏まった金額を所持
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯戦争を勝ち抜き、自分こそが最強の英霊であることを示す。
0:?????
1:我、片腹大激痛。
2:自らが戦うに値する英霊を探す。
3:時が来たならば戦艦の主へと決闘を挑む。
4:人ならぬ獣に興味はないが、再び見えることがあれば王の責務として討伐する。
[備考]
叢、
乱藤四郎がマスターであると認識しました。
如月の姿を捕捉しました。
バーサーカー(
ウォルフガング・シュライバー)を確認しました。
最終更新:2020年05月11日 22:29