CardWirthPy (Reboot) ver.4 までの追加要素
CardWirthPy 5 は CardWirthPy-Rebootにおける通算5度目のメジャーバージョンです。
前身のCardWirthPy 0.12からは、累積255件以上の機能改良/追加が行われています。
ここでは
CardWirth 1.28および1.50比較で、プレイ時の新機能を紹介していきます。
シナリオ作成の新機能は
WSN形式を見て下さい。
- 目次
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画面サイズの拡大・高解像度対応(Py2以降)
CardWirth の必要解像度は640x480で、現代のPCゲームとしてはかなり小さめです。画面サイズを変更する機能も元々ありません。(1.50ではメイン画面のフルスクリーンのみ対応)
Pyでは、設定で1.1~12.0倍(画面解像度に比例)に調節可能で、各種ダイアログも画面サイズに合わせて表示することができます。Py 2以降ではさらに、設定画面で描画倍率を2倍以上に設定することで、高解像度イメージを使用したり、倍率に合わせたアンチエイリアス処理・フォントレンダリングが行えるようになりました。
システムUIの改良
Pyのコンセプトのひとつは「CardWirthの動作を再現・改良」することです。
初期から拡張が続き、現在のPyには膨大な便利機能とオプションがあります。
キャラクター
- キャラクターの画像の表示位置を、「左上寄せ(従来)」か「中央寄せ」か選択できるようになった。「中央寄せ」を使えば規格外(94*74以外)サイズのイメージでも表示がズレずに利用できます。
- Faceフォルダではサブフォルダやショートカットが有効。
複数の下位フォルダがある場合、新規冒険者登録で使うフォルダを指定できる。
- キャラクター情報の追加オプション
- キャラクターの次のレベルアップまでの割合をグラフで表示する。
- 情報の背景色をキャラクターごとに変更できるようになった。
- 種族が有効なスキンではEPの位置に種族を表示・指定可能。
- 情報ダイアログの技能とアイテムのホールド機能に「全てホールド」が追加。
個々のチェックとは別々に機能するので、ワンタッチでカードを温存できます。
カード操作関連
検索とアクセス
- 「荷物袋」と「カード置き場」
- カードの検索機能。カード名・解説・シナリオ名・作者名(・キーコード)で絞り込める。
- ページ数を直接入力して移動できるようになった。
- カードの種類アイコンを表示可能。下地が見えないカードでも種別を確認できる。
- 「カードにスターをつける」ボタン
- カードの右下を押すことで所有カードにスターを付けられる。
- スターをつけたカードは、ソート条件より優先して荷物袋の先頭に表示できる。
- スターをつけたカードは、売却・破棄できないようにもできる(誤操作防止機能)。
- カード操作ダイアログでカーソルを端に合わせると張り紙と同じように横移動カーソルに変化する。
ソートと「送り先」機能の充実
- 整列の強化。
- 名前順・種別順の他に、低レベル順・価格順・送り先の適性順でソート可能。
- カードの種類によって表示・非表示を切り替えるボタンを追加。
- 「送り先」の強化。
- 送り先にキャラクターが選択されている時、送り先PCに対する適性を表示。
これにより一括して複数のカードの適性をチェックできる。
- 「売却」を送り先にした場合は、売値を表示。
私有カード機能「パーソナル」(Py5以降)
私有カードは、荷物袋にあるカードを見た目、キャラクターが所持しているようにします。「使用することはほとんどないが、思い出のアイテムを持たせておきたい」といった需要に応える機能です。
CardWirthNextのバックパック機能と似ていますが、カードは実際には荷物袋にあるため、シナリオ側で新たに考慮する事項はありません。つまり、ゲームバランスに影響はありません。
「パーソナル」にあるカードはそのまま使用することもできますが、あくまで荷物袋から一時的に取り出して使用するという扱いのため、技能カードは使用できず、アイテムや召喚獣カードも本来の手持ちが一杯になっている状態では使用できない、戦闘中には一切使用できないといった点には注意して下さい。
この機能はオプションによってオフにすることもできます。
宿(拠点)関連
- 「宿帳を開く」「冒険の再開」
- 待機中の冒険者・パーティを一覧表示・検索できるようになった。
- 「冒険の再開」では進行中の依頼の表紙と一緒にパーティの先頭メンバを表示。
- 検索機能では[名前・解説・経歴・特性・レベル]で冒険者を絞り込める。
- パーティ編成
- 編成記録機能(記録ボタン、または宿帳を開くの拡張メニュー)。
パーティを解散した時には自動的に記録され、所持金や所有カードも含め、いつでも再結成が可能。
- 新規パーティ結成時、宿の金庫から自動的に設定した金額を持ち出せるようになった。
- 「仲間を外す」に並び替えボタンがついた。
- CWでは一度解散する必要があった並び順の変更が簡単に。
- パーティ情報に「レベルアップを停止する」を追加。
1.28以降の「レベルを最大に維持する」の代替オプション。パーティ単位で設定可能。
貼り紙・シナリオ選び
ブックマーク、候補絞り込み、検索など、一通りの機能が揃っています。
Py2以降ではシナリオのインストールやフォルダの削除・移動が出来るようになりました。
- シナリオの一覧表示。シナリオ選びがより快適に操作できるようになった。
- シナリオの検索機能[タイトル・解説・作者名・対象レベル]
表示フォルダを自動で絞り込み、検索ボタンを押せばデータベースから一致するシナリオを表示。
- 整列条件[対象レベル、タイトル、フォルダ名、作者名、更新日時]
貼り紙の表示順を変えられる他、ツリーではその情報が表示される。
- シナリオのブックマークと整理機能。登録したシナリオの場所へ瞬時に移動できる。
- 「シナリオとフォルダの操作」ボタンの追加。
シナリオのインストールや削除など、このダイアログだけで必要な操作を行えるようになった。
便利なオプション(設定>シナリオ)
- 「最後に選んだシナリオをシナリオの選択開始位置にする」自動で前回表示した貼り紙までいけます。
- 「貼り紙と一覧を同時に表示する」左が貼り紙、右が一覧表示になります。
シナリオ・バトル関連
シナリオのログ
- シナリオ中はいつでもメッセージログ(F5/マウスホイール)を表示。
三種の表示モードを選ぶことができ、保持ログ数を0にすれば無効にすることも可能。
リプレイのお供に。
バトル/テーブルモードでのインターフェース
- 自動戦闘(F7)ボタン……オンになっている限り、自動で手札が選択され戦闘が続行します。
- 情報(F6)ボタン……現在配布されている情報カードの枚数を表示。直接情報ダイアログを開けます。
便利なオプション(設定>詳細>カード)
- 「状態の残り時間」表示……状態異常や能力変動の残り時間をアイコン上に表示します。
- 「戦闘行動を全員分表示する」……選択外キャラクターの選択カードが半透明で表示されます。
- 「キャンプ画面へ高速で切り変える」……従来は一枚ずつ回収されていくメニューカード演出を、同時にカードアニメを行なうことで短縮。通常のカード表示速度と別扱いなので「シナリオの演出は楽しみたいけれど、操作は効率的にしたい」という人にお勧めです。
カードの使用
- 使用モード中、手札に表示される特殊カードにより、荷物袋内のアイテム・召喚獣を直接使用できる。
ドラッグ&ドロップ
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対応ファイル |
機能 |
備考 |
メイン画面 |
CWエンジン (CardWirth.exe等) |
そのエンジンからスキンを自動生成 |
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シナリオ (フォルダ/ZIP等/WSN) |
シナリオをインストール |
複数のシナリオを一度に 追加することもできる |
スキン (フォルダ/ZIP等/) |
スキンをインストール |
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宿選択 |
CW1.28~1.50の宿 (フォルダ) |
その宿をPy用に自動変換 |
拡張ボタンからも選択可能 |
キャラクター登録 デザイン変更 |
画像ファイル (BMP/GIF/PNG等) |
キャラクターの画像を変更 |
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シナリオ選択 |
シナリオ (フォルダ/ZIP等/WSN) |
D&Dしたシナリオを開く orインストール |
詳細設定で動作を選択可能 |
多彩なスキン
スキンとは、CardWirthエンジンのグラフィックや音楽などの素材・内部設定をまとめたものです。CardWirthデフォルトの世界観(中世Ⅰ型)を「Classic」と位置づけ、他のバリアントや、リソースがアレンジされたエンジンも画面にドロップするだけでスキンに変換できるようになっています。
現在では、Pyエンジン一つで、すべてのバリアントを遊ぶことができます!
また、2.0以降付属している「BloodWirth」や「JUDGMENT」のように、独自のオリジナルスキンを作ることも可能です。
その他便利機能
CardWrthの直感的な操作感を損なわない程度に、便利な機能を追加しています。
操作 |
説明 |
マウスの左押しっぱなし |
メイン画面でも連打状態になる。 |
右ドラッグ+ホイール操作 |
音量(マスターボリューム)を変更できる。 |
Ctrl+C |
メッセージやキャラクター解説、カード解説をテキスト形式でコピーできる。 |
Shift+PrtScr |
現在パーティと所持カード一覧のスクリーンショットが撮れる。 |
豊富なカスタマイズオプション
- メッセージウィンドウのカラー変更。
- 全要素での詳細なフォント変更が可能}(役割別で設定。
- 頻度によっては煩わしい、確認ダイアログやウェイトを任意にカットできる。
- カード描写スピードを通常・戦闘・システムメニューで独立して設定可能。
- 起動時の動作で「最後に選択した拠点を開く」が選べるように。
オープニングや宿選択画面を省略し直接パーティを開ける。
タブレットモード(Py3以降)
CardWirthはタッチ操作に向いたUIを備えていますが、実際にWindowsタブレットPCなどで遊ぼうとすると右クリックやファンクションキーを頻繁に使うなどの細かい問題がありました。そこで、Py3以降はタブレット操作向けの補助機能を追加しています。(詳細設定>一般)
タッチ操作向けメニュータイル
有効化すると、フォーカスの左右移動・拡大・F9・デバッグモード切替などキーボードなしでは使いにくい機能を直感的に呼び出すことができます。またサブダイアログでは半透明のスクリーンショット用ボタンを表示します。この機能は、無効化して非表示にすることもできます。
右方向フリック(スワイプ)対応
右にフリック(押した状態で横に引く)動作を行うことでタッチ環境においても解説を開くことができます。
非マウス環境向けの機能ですが、マウス環境でも使うことができます。無効化することもできます。
デバッグ・制作支援
Pyでは、従来のデバグ宿(デバッグモード)とユーティリティーモードをオプションに統合(Ctrl+D)。どのタイミングでも切り替える事ができます。
- デバッガ(F3)では、実行中のツリーを見ながらプレイすることができます。状態変数インスペクタの上位互換として、従来の機能に加えてブレークポイント等を備えます。
- シナリオ選択ダイアログではデバッグモード限定で「シナリオをエディタで開く」がメニューに追加。
エディタで選択するよりもスムーズにシナリオを開くことができ、CWXEditorを標準のエディタに指定しておけば、現在実行中のツリーが開かれた状態で読み込まれます。
- デバックモード中は「シナリオ終了時にデバッグ情報を表示する」。
ゴシップや終了印の変更、入手・喪失したカード、称号の変更などの情報を表示。
CardWirth 1.20の対応状況
CardWirthのオリジナル開発者であるGroupASKの正式な最終リリースバージョンは1.20です。
しかし1.20と1.28以降では、外見の大きな変化や破壊的な仕様変更が存在しています。
Pyは、(1.20エンジンからスキンを作っても)基本的には1.50仕様優先の挙動をしますが、
いくつかの1.20機能にもオプション対応します。
CardWirth 1.20仕様 |
対応 |
解説が白紙時の 右クリック無効 |
◎ |
1.20はカード解説に何も入力されていない場合、右クリックが無効になったが、 1.28では表示するようになった。Pyでは白紙時無効が標準動作。 |
同一カードの 統合基準 |
◎ |
1.28以降名前と解説が同一のカードが特定条件で統合されるようになった。 これによりASKカードの絵違い等に不具合が生じるようになった。 Pyでは統合しない仕様。(反面同一カードで容量が増大するデメリットも復活) |
適性基準 |
○ |
緑玉や白玉が出る基準が1.28で厳しくなった。(能力変化の持続時間に影響) Pyではスキンのオプションを有効にすることで1.20基準に対応。 |
カードの下地 |
〇 |
1.20エンジンからスキンを作る事で使用可能。 |
レアリティ表示 |
○ |
1.20ではカードよりも手前にPやRと表示されていたが、 台紙背景に合成されるようになった。詳細>カードのオプションで対応。 |
FLIP |
○ |
1.20では表示優先度がメニュー/エネミーカード>プレイヤーカードだが、 1.28以降PC優先になり、PCを隠す等の演出が出来なくなった。 Pyでは互換モードで自動対応。(1.50にもオプションとして存在) |
分岐等の仕様変更 |
○ |
1.20にあった状態判定分岐等のバグが1.28で修正されたことで 進行不能になるシナリオが生じた。Pyでは互換モード&DBで自動対応。 |
ダイアログ省略 |
○ |
1.20には売却・破棄の警告ダイアログを省略するオプションが存在した。 Py2以降で復刻。 |
プレミアカードの売却 |
〇 |
1.20以前ではプレミアカードは売却可能・破棄禁止だった。 Py2以降でオプション化。 |
カードレベルの 非表示化 |
△ |
1.28以降、プレイヤーカードと暴露状態のエネミーカードの右上にレベルが表示されるようになった。 「カードレベル」のフォントサイズを1にする、または数字を表示しないフォントで疑似再現可能。 |
宿の移行 |
△ |
1.20→Pyは直接変換可能だが、Pyからの逆変換は1.28からなので一方通行。 |
所持金システム |
× |
1.20以前ではPCごとに所持金が設定され、特性によってその額が変動した。 またCWEditor 1.20以前ではキャストカードに所持金を設定できた(1.25で廃止) 1.20まではそれを反映し、戦闘終了時に倒したエネミーの所持金を入手できた。 |
カード買い戻し |
× |
1.20以前ではプレミア/レアのカードを売却しても宿にデータが残り、 後で買い戻すことが可能だった。 またノーマルカードについても残すオプションが存在した。 |
スクリーンショットに表示されているシナリオのリソースは、groupAskによって作成された「家宝の鎧」「奇塊」「教会の妖姫」「賢者の選択」、並びにCardWirth愛護協会によって配布されている「CardWirth ver1.50 Fullpack」に入っているものです(シナリオ「ゴブリンの洞窟」「交易都市リューン」及びその他のリソース)。ReadMe_1st_Full.txt内の「● 著作権/免責/転載に関して」節の内容に基づいてスクリーンショット内に使用しています。
最終更新:2024年07月08日 14:28