【神はダイスを振らない】
こんにちは、来てくれてありがとう。
早速ですまないが少し昔話をさせていただこう。
彼女に初めて会ったのは希望崎学園いやもしかしたら姫代学園だったかもしれない。
いや実際は会ったことなんてない、初めて見た時にはもう彼女は死んでいたのだから。
最初は「かわいそうだなぁ」ぐらいにしか考えてなかった。
その程度の興味で彼女を調べていると彼女はどの世界でも死んでいることがわかった。
そして彼女が死んだあとは必ず大きな戦いが起こっていた。
どこの世界でも彼女は死んで争いの引き鉄となっていた。
まるでそれが当たり前のように、彼女は死んでいた。
私は彼女はそういう星の元、運命なのだと納得しようとした。
しかし
私は彼女を “山乃端一人” を助けたいと思った
自分勝手な願いなのは承知だ、だが死ぬ運命を神に決められてるなんて私は我慢できなかった
私は探した彼女を助ける方法を必至になって……
そして見つけた、神の運命に抗える力を持つ存在を
それが今この話をしている『君』だ……いや『君たち』のことだ “プレイヤー”
「神はダイスを振らない」有名な言葉だ、彼女の運命はダイスを振らずに必ず死ぬよう決められている
その神の決めた運命に抗う力、運命を変えることのできる力、君たちは「神にダイスを降らせる」力を持っている
そんなことないって?
いや私は何度も見てきた! 君たちの “選んだ者” が運命を打ち破り奇跡を起こしてきたのを! 何度もだ!!
それなのだ、彼女を救えるのはその力しかない!
どうかその力で君の世界の山乃端一人を守って欲しい
残念ながら私にはその力は持っていなかったみたいだ、しかし君たちに出会える力はあったみたいだ
気づいてないみたいだが、君たちとは何度も直接ではないが会っているんだ
殺人鬼の夜に一度、愚者の旅に一度、炎の祭典に一度
三度に渡って私は君たちに出会ってきた
それが必要なことだから
山乃端一人を守るのは非常に困難なことだ理解している
凶悪な敵や魔人、災害、理不尽、無数の……いや無限の脅威が山乃端一人を襲うだろう
だが安心して欲しい、君たちはもうそれを恐れることはない、それだけの知識と経験をもう持っているのだから
あえて言わせてもらえるなら「君たちは私が育てた」
必ず山乃端一人を守りきれる、どんなことがあっても、必要なものはすべて準備した
だから……
お願いします……!
助けて!!!!
私一人では無理だった、どうしても君たちプレイヤーがいないと成しえないのだ
申し訳ないが大金や願いを叶えるなどの報酬なんて用意してない、私にできるのは感謝の言葉を送ることしかできない
図々しいことをいって騙すようなことをしてすまない、世界にとって私は悪いかもしれない愚かなのもしれないに炎上するかもしれない、だがこれが“正しい”んだと私はそう信じいている
街は今、悪が蔓延る真っ暗闇だ、また長い旅になるだろう、二人で “無敵” なれるんだ “君たち” が集まれば “太陽” にだってなるだろう
過去がそうだったからでない! 今まで通りではない! だから頼む私に山乃端一人の生きている、新世界を……新時代の…… 真っ白な “夜明け” を見せてくれ!
時間を取らせてしまい本当にすまない、時間を掛けすぎた
私の案内はここまで、ここでお別れだ
最後に警告だけはさせていただくよ、様式美だ