GK感想(第3回)
参加者のトラブルもあり、三つ巴の勝負となった第3回。
ですが、数の少なさを感じさせない濃密な戦いだったと思います。
今回も簡単ではありますがGKから感想を書かせていただきます。
第3回がアクシデントもあり、つづく枝が3つのみという厳しい戦いとなりましたが、
どのような結果になったのでしょうか。
斯くして闖入者は場を紊す
「天より伸びよさかしまの樹」と「星に手を伸ばすふたりの人」の後に連なる本SS。
これまでの二つが高クオリティかつ正統派で続いてきたのにたいし、
本SSはクオリティの高さはそのまま、ひねりを入れてきたという印象を受けました。
「天より伸びよさかしまの樹」が定めたルールを覆す展開、そして新たな乱入者、
そしてその乱入者を踏み台にして「転校生」という属性が与えられたホリィ・クリスマス。
この解は、彼女の目的と現状を鑑みても、
想像していなかったにもかかわらず言われてみればストンと腹落ちする素晴らしいものだったと思います。
バトルの描写も秀逸で、異能力を前提にしながらの格闘戦が非常に分かりやすく描かれていました。
カチュアとホリィの関係性がどうなるのか気になっているユーザーの感情を二度三度と大きく揺さぶる展開も含めて、
どこをとっても非常に高レベルなSSだったと思います。
後続にバトンが続いているのも当然といえる作品だといえるでしょう。
彷徨う愚者に下る鉄槌
「天より伸びよさかしまの樹」が丁寧に前振りしていた指名手配犯周りの設定を、
魅力的に具体化した本作。
作者様が体調不良という懸念要因を吹き飛ばすような快作だったと思います。
きちんと試練をこなしながら全体的に雰囲気がコミカル寄りというのはなかなか難しいと思うのですが、
このSSはそれをうまく果たしながら、それ自体が薊野の正体への落差につながっているところが優れていたと思います。
PCとモバイルで見たときに最後の文章の有無が変わるのは意図的な演出のようですが、
これがどういう意図だったのか、
そもそも第4回参加者たちは気づいたのか、
非常に気になるところです。
残念ながら後続は現れていませんが、よいSSだったと思います。
追記:遅刻されていた方がこちらのつづきを書かれていました!
第三話/パンダ
ハードボイルド風な「第一話/高橋ルカ」
その雰囲気を大きく崩して笑いに持っていった「第二話/かぐや姫」
その二つにつながる本作は、第二話ともまた雰囲気の異なるコミカルな作風でした。
タイトルがほぼ出オチであり、
大まかな展開は予想できる通りでありながら、
高橋ルカとかぐや姫とパンダの掛け合いで笑ってしまうというのは
センスの高さを証明していると思います。
「ンダンダ」は声を出して笑ってしまいました。
ルカとパンダが戦争を始めたというところで次にバトンを渡すのも、
非常にリレー小説らしさがあってとても楽しいです。
後続も2名現れており、続きを書きたくなる魅力に満ちていたSSだといえるでしょう。
これからの展開が全く読めない分非常に楽しみです。
最終更新:2020年08月10日 02:45