第七十六話:(抗う)
ギ「クックック・・・。恐怖で動けないか?」
どんどんと近寄ってくる。
私は微動だに出来ない。
ギ「そうゆう顔してる奴は苦手なんだよ」
剣が現れる。
切っ先は真っ直ぐと私の方を向いている。
進「ま・・待て・・・っ・・・」
ギ「あ?」
進は剣で床に貼り付けられたまま言った。
進の周りには血溜まりが出来ている。
進「頼む・・・そいつだけでも・・・歩美だけでも・・・見逃してやって・・くれ・・・」
ギ「・・・さっきも言ったが、誰も逃がす気はない」
進「頼む・・・」
ギ「泣き言抜かす奴は嫌いだ。そのまま苦しんで死ね」
私は未だ動けない。
ギ「さて・・・」
ギャラルが向かってきた。
逃げられない。
進「くっ・・・歩美・・ぃ・・・!!」
進がかすれた声で叫んだ。
その瞬間、私は急に動けるようになった。
ギ「?」
私はふいに立ち上がった。
骨折による痛みは全くない。
その代わりに骨の折れた所からピキピキと小さな音がしただけだ。
進「・・・逃げ・・ろ・・・」(ガクッ)
ギ「死んだか」
私は歯を食いしばった。
歩「許さない・・・」
ギ「なんだと?」
歩「絶対に許さない!!」
ギ「(雰囲気が変わった・・・?)時間がないんでな。死ね」(ヒュッ)
歩「・・・・」(スッ)
ギ「!ちっ、さっさと死ね!」(サッ)
歩「・・・・」(スッ)
私は攻撃を苦もなく避けている。
私自身にもわからないが、体が高速で動く。
ギャラルの攻撃は止まって見えた。
ギ「死ねって言ってんだろうが!!【爆ぜる思想】!!」(バン!)
歩「・・・・」(ピョン)
ギ「馬鹿が!【滅びゆく意志】!!」(バッ!)
剣が私の上から降り注いでくる。
パキン!!
ギ「!!弾きやがった!」
歩「・・・・」(ヒュン!!)
ギ「(速い!!)ちっ!」(バッ!)
歩「喰らえ!!」
こんなガキの攻撃なんて剣を使わずとも・・・。
バキャッ!!
ギ「ぐおぁっ!!何っ!?」
ガードしたにも関わらずこの威力だと!?
ギ「クソがぁ!!【巡る記憶】!!」(バッ)
歩「でりゃぁ!!」(バッ!!)
ギ「同じ手は喰うか!!」(スッ)
剣でガードすれば攻撃は通らない!
バキン!!
ギ「な!?ぐほぁっ!!」
歩「・・・・」
ギ「ハァ・・・、ハァ・・・。ちっ・・・」
歩「・・・・」
ギ「・・・ククククク・・・、アッハッハッハッハ!」
歩「・・・?」
ギ「これだ・・・。こうゆうのを待ってたんだ」
ギャラルは気味悪く笑いながら言った。
ギ「どいつもこいつも弱すぎる。だが、お前は強い。オレが本気でないにしてもだ」
歩「・・・何が言いたいの?」
ギ「ククク・・・」
ギャラルはまた不敵に笑うと、私とキリクが入ってきた窓の淵に立った。
ギ「歩美だったな?次会う時はお前を貰っていく。覚えときな」
ギャラルは窓から飛び降りた。
私は窓に駆け寄ると窓を覗き込んだ。
すると、ギャラルが剣に乗って浮かんできた。
ギ「じゃあな」
ギャラルはそのままサーフィンのように去っていった。
私はそのあと、全身から力が抜け気を失った。
最終更新:2009年01月25日 20:55