「う・・うぅ・・・」
彼は目を覚ました。
長い間眠っていたようで、身体が痛み、体を起こすのも一苦労だ。
「・・・・」
辺りを見回しても見慣れたものは何一つ無い。
ここはどこだ?
彼は乱れた焦げ茶色の毛を整えると寝かせられていたベッドから飛び降りた。
四つの足で部屋の中を歩き回る。
人口施設の中にいる事は間違いない。
だがここはポケモンセンターでもなさそうだ。
場所によって内装が変わっていても不思議じゃないが、この部屋は個人の嗜好のものが並べられている。
その時、部屋のドアが開いた。
入ってきたのはエーフィだった。
しかし彼女は依然仲間だったフィーネとは違うエーフィのようだ。
フィーネは自分より年上、このエーフィはかなり若い。
「あ、起きました?」
「え?あ、あぁ・・・」
彼は状況が飲み込めず生返事を返した。
エーフィは彼に興味津々の様子で彼に近寄った。
「気が付いて良かった。あなた海岸に流れ着いてたんですよ」
「え?」
彼は驚いた。
何故そんな事に?
そして思いだした、自分はノダチ地方にある鎬山(しのぎやま)で敵と戦い、勝利したあと爆発で吹っ飛んだ。
それで海に落ちたんだと。
よく意識のない中死なずに流れ着く事が出来たなと思った。
昔から彼は運が悪い。
「あなた、なんて言う名前なんですか?」
「・・・待て、その前に」
「?」
「ここは一体どこだ?どうして俺はここにいる?」
「えっと・・・、ここはミナモシティで、あなたは海岸に打ち上げられて・・・」
「おいちょっ!ちょっと待て!」
「はい?」
「今なんだって!?なんて言った!?」
「だから、海岸に打ち上げられて・・・」
「違う!そこは最初お前が言ってたから知ってる!その前!」
「?ここはミナモシティ?」
「ミナモだって!?」
彼は頭を抱えた。
ミナモシティと言えばホウエン地方の港町。
彼が少し前に見た世界地図ではホウエン地方ともといたノダチ地方はかなり離れていた。
「なんてこった!ミナモ!」
「どうしました?」
「あぁ・・・、名前だったな・・・。俺は進(すすむ)、ノダチにいた」
「ええ!?ノダチって、ノダチ地方!?」
「それ以外何がある。で、お前は?」
「?」
「名前だ。名前はなんて言うんだ?」
「え?ああ、わたしの名前ですか。わたしはソルです。ソル・グローリア。よろしくお願いします」
ソルはにっこりと笑いながら言った。
笑顔からはやっぱり幼さがにじんでいる。
「・・・ソル、ここは誰の部屋だ?」
「ここはわたしのトレーナーの瑞輝(みずき)さんの部屋です」
「トレーナーか・・・。どんな奴だ?」
「とっても優しいですよ。わたしは最高のトレーナーだと思いますよ」
彼女は自分のトレーナーの事を誇らしげに話した。
そうは言ってもそのトレーナーに育てられているポケモンの言う事だ。
安易に信じてもいられない。
でも、彼は人を信じない事が苦手なので、とりあえずそれを信じる事にした。
「今そいつはどこにいる?」
「瑞輝さんですか?デパートで買い物してます」
「行かなくて良いのか?」
「わたしは留守番役ですから」
話している間ソルの顔からは笑顔が絶えない。
こうゆう人がムードメーカーというものなのだと進は思った。
話によればそろそろ帰ってくるとの事だ。
最終更新:2009年05月03日 13:28