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第一話:不思議な石

ここは、皆さんもよく知っている世界。

そう、もちろんポケモンなんていないし、不思議なことはほとんど科学で説明がつく、つまらない世界。

そんな世界から始まった、不思議で小さいが、とても大きな物語である。



第一話:(不思議な石)


「最近なんか暇だなぁ・・・」

そう言ったのは、この物語の主人公、歩美(あゆみ)である。

歩「最近、面白いことないし、退屈だよ・・・」
「まあ、それもそうだけど、平和を楽しもうよ」

歩美の話し相手は、妹の未歩(みほ)だ。

歩「平和も良いけど、退屈なのは勘弁して欲しいなぁ」
未「我慢するしかないね」

実際、歩美も未歩も、変わらない生活にほとほとウンザリしていた。

未「あ、姉ちゃん、牛乳買った?」
歩「えっ、あ、ヤバッ、買い忘れた!」

買い出しの途中だったのだ。未歩は、軽くため息をついた。

歩「はぁ、じゃないでしょ!牛乳はあんたの要求でしょ!」
未「はいはい、分かりましたよ。わたしがいけませんでした」
歩「あーもう!買いに戻んなきゃ!」

歩美はイライラと今来た道を戻った。

未「あ、姉ちゃん、いいよ牛乳無くて」
歩「ええ?うわっ!」

立ち止まろうとした歩美は、何かにつまずいた。

歩「イッター・・・。何よこれ?」

歩美はつまずく原因となった物を拾った。

未「姉ちゃん大丈夫?」
歩「うん、見てこれ、なんだろ?」
未「うわぁ、綺麗な石・・・」

それは歩美の手の平ほどの石だった。もちろんただの石ではない。
透き通っていながらも、不思議な色の光を放ち、中で気泡と思われる物が渦を巻いている。

歩「宝石か何かかな?」
未「さあ?兄ちゃんに聞いてみようか?」
歩「そうね。あ、それはそうとほんとに牛乳いいの?」

未歩はうんとうなずくと、足早に家に向かって歩き出した。歩美は石を買い物袋に押し込むと小走りで未歩を追った。

この小さな石が、大きな物語の始まりにつながるとは歩美も未歩も、ましてや石のことをまだ知らない二人の兄は知る由もなかった。


歩・未「ただいまー」
「おう」

今答えたのが、二人の兄、進(すすむ)だ。
二人は早速あの石を見せた。

進「おっ、うわすげぇ、何じゃそりゃ?」

正直、二人にとってはそのリアクションの方が何じゃそりゃなのだが・・・。

歩「知らない、道に落ちてたの」
進「へえ、こんなモンが道に・・・。とりあえず調べてみるか」

進が石を調べている間、二人はテレビを見ながらゲームをしていた。

未「姉ちゃん、ここ行けないんだけど」
歩「どこ?ああここね。こっちに行ってコイツを倒したらここの扉が開くから、そこに入って敵全部倒したらカギが出てくるから、OK?」
未「ありがと。ポケモンはどんな感じ?」
歩「楽々殿堂入りよ。Aボタン連打だけで勝てるわ」
未「ああそう」

そのころ、進は石を調べ終え、難しい顔で二階から降りてきた。

歩「どうだった?」
進「無い」
歩・未「何が?」
進「見たこともない石だから、逆に簡単に見つかるだろうと思ってたら、図鑑にもインターネットにもなかった」
歩「ウソッ、ほんとに?」
未「もう一回見せて」
進「ほら」

そんな大切な物を投げる進も進だが、取り損ねる未歩も未歩だ。
石は床に激突し、三つに割れてしまった。

歩「あ、あんた等なんて事を・・・」

進と未歩は驚きの表情のまま固まっている。自分たちでやったくせに。
歩美は割れた石を拾った。ちょうど三等分したみたいに割れている。

歩「どうすんのよ・・・」

進と未歩は歩美の手から一つずつ割れた石を取った。その時、不思議な変化が起こった。
全ての石が強い光を出し始めたのである。光で目がくらむ・・・。

歩「な、何こ・・・」

歩美の声はそこまでしか聞こえなかった。


最終更新:2008年11月15日 16:57
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