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第二十二話:悪夢が覚めたら

第二十二話:(悪夢が覚めたら)


俺は走っている。

闇雲に走っている。

なぜ走っている?


俺は走っている。

迫り来る炎から逃れるため走っている。

なぜ炎が迫ってくる?


俺は走っている。

悪夢の餌食にならないように走っている。

悪夢から目覚める方法を知っているのになぜ?


俺は走っている。

悪夢を見れば目覚められると知りながら走っている。

その悪夢はそこまで恐くないのになぜ?


俺は走るのを止めた。

炎が俺を包み込む。

夢なのに痛みがあるのはなぜ?


俺は倒れていた。

体に火がついたまま倒れていた。

まだ意識がはっきりしているのに動けないのはなぜ?


俺は燃えていた。

音をあげながら燃えていた。

もう燃える所がないのになぜ?


俺は・・・・・・



進「ううっ・・・・」
E「目が覚めましたか?」
進「・・・EV・・・いつから・・いた・・・?」
E「ほんの数分前からです。進さん、悪夢にうなされてたでしょう?」
進「・・・ああ・・・酷い夢だった・・・・」
E「眠って休むこともできないんですね・・・」
進「・・・それより・・コンテストは・・・・どうだった・・・?」
E「それが、ミミは良い所まで行ったんですが、準決勝でアヤメさんっていう人の、アウィスっていう名前のチルタリスが圧倒的に強くて、そこで負けちゃったんです。ちなみにそのアヤメさんという人とそのポケモン達は、ホウエン地方っていうところではかなり有名だったらしいです。イーブイの進化系のトレーナーだったらしいんですけどね。優勝もその人が持っていっちゃって」
進「・・そりゃ・・・残念・・・だったな・・」
E「負けてしまっても、ミミには良い経験ですよ。ふわぁぁぁ・・・」
進「今・・・何時・・なんだ・・・?」
E「すいません。今は十一時ですよ」
進「随分・・・・寝ちまった・・・みたいだな・・・」
E「そうですね」

もう、そう簡単に眠ることはできない。
長時間既に寝ているし、悪夢を見るのが恐い。

E「もう眠れないでしょう?私ができる限りお相手しますよ」
進「悪い・・・助かる・・・」

EVは面倒見がいいなぁ。
暇つぶしの相手にもなってくれるし、
話し相手にもなってくれて、
実にいい奴だ。
それにかわいい。
俺も彼女にするんならこんな奴がいい・・・。
おっと、いかんいかん。俺は歩美の二の舞にはならんぞ・・・。
表向きにはかわいいのなんかに興味のない、少し嫌な奴で通ってきたんだ。
ここでその顔を潰してたまるか。

E「ふわぁぁぁ・・・」
進「眠いんだろ?もう別に・・・俺の心配してないで部屋に行って・・・寝てきていいんだぞ?」
E「いえいえ、大丈夫です・・・。進さんが寝てしまうまで相手をします」

すいませーん。
実は俺かわいいの大好きでーす。
EVのあの態度見てみろ、
ベタにかわいいじゃんかぁ。

うっ!しまった、裏の俺が・・・。
わ、忘れてくれ!!

進「いや、もうホントに大丈夫・・・だから、話すのもあまりつっかえなくなったしさ」
E「うう・・・」(カックンカックン)

(ズキュン!:注 進の頭の中にしか聞こえません)

E「ZZZzzzz・・・」

(ズキュンズキュン!!:注 これも進の頭の中の音です)

EV寝ちゃったよ、おい。
やばい!ホントにかわいい!!

ああああ!!!まて!まてよ。落ち着け俺・・・。
いいか?EVはポケモン、俺は人間、恋愛感情なんて持っちゃいけない・・・。
でもかわいい。でもかわいい!!!

だぁぁぁぁぁ!!!待て待て待て!!!!どうした俺!!理性を取り戻せよ俺!!
歩美とペレンネのことでめんどくささはもう分かってんだろ!

…でも歩美もこんな気持ちだったのかもしれないな・・・。
結局みんな生きてんだ。こんなモン、外国人を好きになるようなことと似たり寄ったりだよな。

E「ZZZzzzz・・・」

かわいいな・・・。

俺は火傷でズキズキと痛む体をゆっくりと起こし、
自分に掛けてあった薄いシーツをEVに掛けてやった。
痛む体を少し休ませていると、
そこで急に睡魔に襲われ、その場で寝てしまった。
だが悪夢が繰り返される事はなかった。

最終更新:2008年11月21日 19:28
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