第二十一話:(俺の悪夢とわたしの夢)
ジ「あ、いたいた。一歩くん、あの子の容態が安定したわよ」
一「本当ですか。あの、様子を見に行っても良いですか?」
ジ「ええ、行ってあげて」
花「私も見に行くわ」
進は大きなベットの上に寝ていた。
全身を包帯で巻かれて、氷で冷やされている。
近づいても反応はなかった。
歩「兄ちゃん・・・」
E「進さん・・・」
花「ホントに酷い・・・」
一「くそっ!あのブースターは何でこんな事を・・・」
ぺ「進・・・」
進「・・・・・」
未「兄ちゃん!」
ミ「今、目を開けた!」
歩「え!?」
確かに進は目を開けた。
ほんの少し、かろうじて周りが見えるぐらいに、
そこから見えた目は、かなり虚ろだった。
進はすぐに目を閉じた。
歩「兄ちゃん!目を開けて!!ねえ!!!」
E「歩美さん、大丈夫ですよ。寝てしまっただけみたいです」
ぺ「もう出よう。騒いだりして進の容態が悪化したらいけないから」
その日の夜は、眠れなかった。
進のことが心配だ・・・。
歩美は僕のせいではないと言ってくれたけど、
どう考えても、僕がヘマをしたせいとしか思えない。
その日はずっと罪の意識にさいなまれていた。
次の朝・・・
ぺ「・・・・」
花「う~ん・・・。あら、ペレンネ、もう起きてたの?」
ぺ「・・・・」
花「分かった、一睡もしてないんでしょ?」
ぺ「・・・ええ」
花「そんなに気にすること無いわよ。進くんはすぐ良くなるわ」
花歩とペレンネは一歩達と同じ部屋に泊まっていた。
借りていた部屋は焦げてしまっていたし、他に空いている部屋が無かったからだ。
ベットはちゃんと二つあったので、花歩も一歩もベットに寝ていた。
一「ふわぁぁ・・・。あ、おはようございます、花歩さん」
花「おはよう」
その後、みんな起きたけど歩美ちゃんがいない・・・。
ぺ「・・・歩美は進の様子を見に行ってる」
E「そうですか・・・」
ミ「心配なんだね・・・」
花「兄妹だもの、心配でしょうね・・・」
未「わたしも見に行く・・・」
ぺ「・・・僕も行く」
治療室・・・
歩「・・・・」
進は相変わらず酷い状態だった。
一時間ほど前から進の様子を見ているが、
全く目を覚まさない。
(ウィーン)
歩「未歩、ペレンネ」
未「兄ちゃんの様子はどう?」
歩「相変わらずよ・・・」
ぺ「・・・・」
進「・・・ううっ・・・」
歩・未・ペ「!!!」
今、確かに進がうめいた。
ペ「進!大丈夫か!?」
進「・・・そうだと・・・思うんなら・・・お前は・・・間抜けだ・・・くっ・・・」
歩「兄ちゃん!よかった・・・」
未「ちゃんと喋れてるね」
ペ「僕はみんなを呼んでくる」
進「待て・・・」
ペ「?」
進「周りで・・・ギャーギャー・・・騒がれるのだけは・・・勘弁・・してくれ・・・」
ペ「・・・わかった。みんなにはあとで伝える」
未「今日のコンテスト、わたし、見に行かない。兄ちゃんの所にいる」
歩「そうね。私も行かない」
ペ「・・・悪いけど僕は行かないと」
進「ああ・・・この二人だけで・・・大丈夫だ・・・」
ペ「悪い・・・」
進「良いって・・・ペレンネ・・・早く行きな・・・」
(ウィーン)
進「ふぅ・・・ぐっ・・・」
歩「!!大丈夫!?」
進「あ、ああ・・・大丈・・・ゴホッゴホッ!・・・」
歩「未歩!ジョーイさん呼んできて!早く!!」
未「わかった」(タタッ! ウィーン)
進「ゴホッゴホッ!!ハァ、ハァ・・・」
すぐにジョーイさんが来て治療をしていたけど、
その時既に進は、火に襲われる悪夢に呑まれてベットの上で
苦しそうにあえぎながら、何度も寝返りをうっていた。
一方コンテスト会場・・・
E「進さんは本当に目を覚ましたんですね?」
ペ「ああ、間違いない。ちゃんと会話もした」
ミ「よかったね。少しは良くなってるみたいで」
ペ「ミミ、君はもう進の心配をしてないで、コンテストに集中した方が良い」
ミ「うん、わかった」
まず予選・・・。
楽々クリア♪
一「よし!この調子で行こう!」
決勝まであと三回戦。
司会者「さあ、始まりました!かわいさ部門Bブロック、トーナメント第一試合、今スタート!」
一「ミミ!行こう!」
ミ「うん!」
「行け!ピカチュウ!」
司「さあ、珍しいイブで今大会出場の一歩さんと、いつまでも変わらない人気を誇るピカチュウで勝負に出た広樹さん、どちらが勝つんでしょう?これは気になります!この大会のトーナメントは、一対一のコンテストバトルです!」
コンテストバトルとは、ポケモン達の技のエフェクトなどを使用し、
相手のコンテストゲージをゼロにした方の勝ち、という少し変わったバトルのこと。
要するに体力ではなくて技自体を評価するので、威力はあまり重視されない、
だから戦闘ではあまり役に立たないポケモンも、コンテストバトルであれば活躍できるかもしれないと言う訳。
基本的には、どんなポケモンであろうとも最初のコンテストゲージは100%に設定されていて、
技を受けたり、攻撃をはずしてばかりいると減ってしまう。
また、その試合が終わるまで回復することはなく、回復系の技を使っても相手のコンテストゲージが減るだけ。
さらに、技を上手く繋げてコンビネーションが決まれば、相手のコンテストゲージを大きく減らすことができる。
技を使うタイミングが上手いだけでも相手のコンテストゲージを減らすことができるので、
上手くいけばポケモン勝負の練習にもなるかもしれない。
ちなみに、部門の種類に合った技を出さないとコンテストゲージが減ることもある。
広「行くぞ、ピカチュウ!【影分身】!」
「OK!」(サササッ!)
一「ミミ、君にまかせるよ!」
ミ「うん!えい!【体当たり】!」(ヒュ!)
「ハズレ!」
広「【電光石火】!」
「いっくぞぉ!」(ヒュンヒュンヒュン!)
ミ「(バシッ!)イタ!」
司「おおっと!これは凄い!まるで影分身でできた分身が、全て攻撃しているようだ!これは凄い!」
ミミ:残り80% ピカチュウ:残り95%
司「おっと、だがこの攻撃はこの部門ではあまりウケが良くないようです!」
一「ミミ!一つずつ攻撃したんじゃダメだ!ここは賭けに出よう!【指を振る】!」
ミ「わかった!」(チョイチョイ・・・)
(サッサッサッ ヒュヒュヒュ!!)
「(スパッ!)うわ!」(ヒュンヒュン・・・)
司「おお!指を振るによって発動したマジカルリーフの一枚がピカチュウにヒット!!これは痛い!!」
ミミ:80% ピカチュウ:75%
一「このまま一気にたたみかけよう!【メロメロ】!」
ミ「はいは~い」(パチリ:注 ウィンクの音)
「うにゃ~、メロメロ~」
一「コンビネーション!【甘える】!」
ミ「うん」(スリスリ・・・ :注 ピカチュウにすり寄る音)
「メロメロ~・・・」
一「もう一つ!【鳴き声】!」
ミ「OK!」(ブイ~:注 鳴き声だと思って下さい)
「・・・・」
広「ピカチュウ!どうしたんだよ!」
司「おおっと!これは凄いコンビネーションだ!!コンテスト初参加とは思えません!!ピカチュウは技の組み合わせのせいで、突っ立った状態から動きません!!」
ミミ:80% ピカチュウ:20%
広「目を覚ませピカチュウ!【恩返し】だ!」
「・・・はっ!う、うん!」(バッ!)
一「跳んで!ミミ!」
ミ「え?うん」(ピョン!)
司「おお!イブが正気に戻ったピカチュウが繰り出した恩返しを、一歩さんの素早い命令でかわしたぁ!!!」
一「そのまま【頭突き】だ!」
ミ「えーい!!」(ガツン!)
「ふぎゃ!」(バタッ!)
ミミ:80% ピカチュウ:0%
司「凄い!これは凄いぞぉ!ノーマークの一歩さん、2回戦に進出だぁ!!」
(ワーーー!!!!ピューーー!!ヒュヒューー!!)
ミ・一「やったね!」
最終更新:2008年11月21日 19:31