「はぁ・・・はぁ・・・」
砂漠を歩いて約三十分、ついに体力は限界だった。
暑い太陽、無限に続く砂漠の景色、そして、道が分からない・・・。
「ディアルガとパルキアの意地悪・・・地図くらい、くれたらいいのに・・・」
リュウトは愚痴をこぼす。そんな時だった。
可愛らしいポケモンがいる。リュウトは思わず声をかける。
「キミ、一人?お母さんは?・・ゲットしようかな・・・」
そう思うのもつかの間。
そのポケモンはクルリ、と後ろを向くと、大きな口を開けた。
「!!ギャー!!」
リュウトは悲鳴を開けると、一目散に逃げだす。
「あれ、確かクチートっていうポケモンだったよー!!騙されたー!!」
リュウトは後悔の声をあげ、食べられないように走る。
しかし、軟らかい砂に足をとられ、体力の限界を向かえ、やがてクチートの群れに囲まれる。
リュウトは最後だと思ったその時、腰のモンスターボールに触れる。
そうだ、ポケモンでこのクチートをやっつければいいんだ!
そう思った彼は、一つのボールを掴み、投げる。
中から出てきたのはギャロップ。
リュウトの頼れる相棒の一匹だった。
「いけっ、ザンツ!“かえんほうしゃ”!!」
ギャロップのザンツはリュウトの命令どおり、火をクチートに命中させる。
そして、隙をついて、ザンツの背中に乗り、さっきより速いスピードで逃げる。
しかし、クチートの群れはしつこく追ってくる。
「お前らしつこいぞ!!」
リュウトは説教する父親のような怒鳴り声を上げる。
ザンツも一生懸命走っている。でも、このままでは追いつかれる。
どうしよう・・・。リュウトがそう思ったときだった。
「クチ!」
クチートが悲鳴を上げて、倒れていく。
リュウトもザンツも驚く。
「一体何が・・・?」
リュウトは状況が飲み込めなかった。
その時だった。リュウトの目の前に、一台の馬車が止まる。
「大丈夫か?ボウズ。」
一人の男が現れる。顎には無精ヒゲがあり、髪の毛が長い。薄汚い服を着ている。
しかし、その髪をしっかりと縛っている。
何処か貫禄のあるオジサンだった。
「ポケモンしまえ。馬車に乗せてやるから。しかし、お前も運がいいな。ここらの砂漠はクチートの群れが住んでいるんだ。助かるなんて運がいいぜ。」
そう言って男はニッコリ微笑む。
「そうなんだ・・・。」
リュウトはピンチを切り抜けた事にホッとする。
そして、馬車に乗る。リュウトは馬車に繋がっているポケモンを見る。
緑色の体、虫に似ているドラゴンの羽、赤い複眼を持つポケモンだった。
「え・・・?フライゴン・・・?」
リュウトの驚きの声に男は答える。
「俺の相棒だ。いいスピードを出すんだ。フライゴン、出発しろ。」
そして、出発する。でも、馬車は凄い揺れる。砂の上なのに。
答えは簡単。馬車がカーブするたびに、馬車は宙を浮く。
そして、ゴトン、と凄い音を立てて、地面に着く。
リュウトは酔ってしまった。そして、悲鳴を上げる。
「ギャー!!降ろしてー!!」
しかし、その悲鳴も空しく、砂漠の砂に吸い取られた。
そして、馬車は町に着く。
最終更新:2008年11月29日 17:10