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第四十四話:ロマンティックナイト

第四十四話:(ロマンティックナイト)


進「さてと・・・ここなら景色良いかな・・・」

ふらつきながら森の中にあった丘の上にやってきた。
なんかもうやりたい放題だな俺。
話は聞いててどの位自分が危険な状態なのかはわかってるし、
自分でも身体からどんどん力が抜けていくのがわかる。
感覚はほとんど無い。かろうじて視力と聴力が残ってるだけ。
そんな状態で散歩なんて出来るはずがない。無論そんなことはしない。
何するかって・・・、決まってるじゃん?
下手したら死んじまうんだ、やりたいことやっとかないと。
歩美はあの暗号の解き方覚えてるかな?
あれを解読してくれなかったらなんだか間抜けだ。

E「進さん」
進「ああ来たか・・・」
E「なんなんですか?暗号で私を呼び出して?大体散歩だなんて今の進さんには無理ですよ」
進「散歩?・・・ああ、口実に使ったな・・・」
E「口実?じゃあウソだったんですか?」
進「ウソというか・・・まあ深く考えるな・・・」
E「それで・・・、どうして私を呼び出したんですか?」
進「えっと・・・」

勇気!勇気だ!!

進「・・・こ、ここ景色良いよな~・・・」

なんでだよ~!!

E「え?ええ、まあ、そうですね」
進「ああ!!違う違う!!そんなの単なる小道具だ!!勇気出せよ俺!!」
E「???」
進「ああゴメン・・・ちょっと待ってくれ・・・」

落ち着け・・・、落ち着いてただ一言言うだけだ・・・。
それでも急がないと力尽きちまう。
もう力が残ってないがこれだけは言いたいんだ。

進「えっと・・・EV・・・」
E「はい?」
進「んーと・・・頭痛いし良い言葉思いつかないけど・・・」
E「なんですか?」

あ、ヤバい・・・。
意識がもうろうとしてきた・・・。
マズい、視界がフェードアウトするのってこんな感じか・・・。

進「くっ・・・これだけ・・・これだけ聞いてくれ・・・」
E「進さん!今はそれどころじゃ・・・」
進「今だからこそだ・・・」
E「ダメです!そんなのあとにして今は休んで・・・」
進「うるさい!・・・聞けって言ってんだろうが!・・・」
E「!」
進「一言・・・それだけだから・・・」
E「じゃあ早くしてください!」
進「・・・きだ・・・」
E「はい?」
進「好きだ・・・」
E「・・・本当に・・・?」
進「こんな状態で・・・冗談言うバカいるかよ・・・」
E「・・・・」

結果はいい、これを伝えたかっただけ。
これだけ言えれば死んでも別に・・・


チュッ


進「!」
E「私も好きです。進さんのことが」

前言撤回、死んでたまるか。
こうゆう時もう死んでも良いなんていう奴が居るけどそんなこと俺は言わねえぞ。
なんでかって・・・、もう限界だから。

進「うう・・・」
E「進さん!」
進「ダメだ・・・もう俺は・・・」
E「大丈夫ですよ!」
進「ゴメン・・・EV・・・」

EVの声も聞こえなくなってきた。
目の前も真っ暗だ。
死ぬんだな・・・。


チュ~・・・


進「!」
E「・・・・」

かろうじて見える視界の中で見えたもの。
それはもうゼロ距離のEVの顔。
俺泣きそう。もう悔いない。ここまで来れただけで満足だ。
でも次の目標も出来た。だから死にたくない。
でもそんなこと出来ない・・・。

E「嫌ですよ・・・。貴方に死なれちゃ・・・。どうするんですか・・・、私の初恋は・・・」
進「・・・ゴメン・・・」
E「・・・グスッ・・・」(ガシッ)

EVが俺に抱きついてきた。
俺もEVを抱きしめたい所だがもう体を動かすだけの力がない。
さよなら、ゴメン、EV・・・。


ピカッ


E「!?」

進さんの身体から光が・・・?
あれ?私も光ってる!
?・・・羽?どこからか羽が落ちてきた。

…なんだ?急に身体が軽くなってきた・・・。

進「・・・・」(ムクッ)
E「進さん!!」(ガシッ)
進「・・・EV」(ギュッ)
E「よかった・・・」
進「ああ。・・・なんだ?この光・・・?」
E「わかりません。でもこの光のおかげです」

光がさらに強くなる。
何故光っているのか、この光がなんなのかわからない。
普通の光じゃない。進化するときに出る光でもない。
もっと神々しくて美しい光・・・。


『君達の愛に祝福を』


進・E「!?」

どこからか声がした。
優しい男の声だ。
光が弱くなり、そして消えた。

進「・・・今の声は・・・」
E「誰だったんでしょう?」
進「さあな・・・。?あれ?これなんだ?」

進さんの右前足にいつの間にかバングルが。
そして私の左前足にも。

進「・・・ペアか」
E「誰がくれたんでしょう?」
進「あの声の主だろうな。ま!そんなのどうでも良いんだ。お前と一緒にいられるなら」
E「はい」
進「改めて言わせてくれ。EV、俺と付き合ってくれ」
E「フフッ、そんなの、今更改めて言わなくてもいいじゃないですか」
進「そうだけど・・・、初めての告白だし、形にこだわりたいなって・・・」
E「いいですよ。喜んでお付き合いさせて下さい」
進「よし!」
E「進さん、進さんの回復をみんなに伝えに行きましょう」
進「まあ待てよ。ここの景色、もう少し眺めてからにしようぜ」
E「・・・ええ、わかりました」

満月の明かりの下、俺達は寄り添い景色を眺めた。


最終更新:2008年12月15日 16:35
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