第四十九話:(次の町へ)
未「・・・・」
わたしはルシファーの残していったカゴを開けた。
未「・・・さあ、自らの身体に戻りなさい・・・」
中にあふれていた魂は次々と飛んでいった。
歩「・・・ん・・・、うう・・・」
ペ「歩美!」
未「・・・OVER」
ピカッ!
サ「う・・・」
未「サラ!」
進「くっ・・・」
E「進さん!」
ペ「歩美、大丈夫かい?」
歩「え、ええ・・・。怖かった・・・」
ペ「ゴメンよ・・・。僕がキミを守ってあげなくちゃいけないのに・・・」
歩「いいの、そんな事してペレンネがケガしたら、私、もっと嫌・・・」
サ「イタタ・・・」
未「サラ!」
サ「ご、ゴメン、ちょっと今・・・話しかけないで・・・」
未「え?」
サ「さっきまでは魂だけだったから・・・痛みもなかったんだけど・・・身体に戻ってくるとまた・・・」
未「・・・大丈夫?」
サ「ええ・・・大丈夫・・・痛いのは慣れてるわ・・・」
進「ああ・・・、くそっ!」
E「進さん?」
進「俺としたことが・・・。まさか名前だけでビビっちまうなんて・・・。なんて間抜けなんだ俺は!」
E「名前が・・・、どうかしたんですか?」
進「奴の名乗った、サタンという名・・・。イエス・キリストの修行の際様々な誘惑の言葉を投げかけ修行の邪魔をしたと言われ、神に仇なした強力な堕天使・・・」
E「?イエス・キリスト?」
進「ああ悪い・・・。向こうの世界の話だ・・・。今更気が付いたんだよ。向こうとこっちはまったく違うって。くそっ、大体神様なんているかどうかもわからないのになんでサタンって言われただけでこうなっちまうんだ・・・」
E「落ち着いて下さい」
進「落ち着いていられるか!今回はこうやって助かったが、もしかしたら本当に魂取られてたかもしれないんだぞ!お前もな!」
E「・・・ですけど・・・、今はみんなこうやって無事です・・・。今はそれで良いじゃないですか」
進「ああ・・・、ああ、そうだな・・・。悪いEV・・・」
E「良いんですよ」
ミ「・・・ねぇ」
未「?」
ミ「ルシファーって?」
未「・・・・」
歩・進・サ「?ルシファー?」
ペ「ああ・・・、そう言えば確かに言ってたな。サタンって名乗っておきながらルシファーだって言いだしたんだ」
進「・・・ルシファー・・・。聞いたことが・・・」
歩「なんで未歩に聞いてるの?」
ミ「だって、ミホ姉言ってたもん。あの人が言う前にルシファーって」
サ「本当に?」
未「・・・そう・・・。なるのかな・・・」
歩「?曖昧ね?」
未「わからないの。勝手に言葉が出てきた・・・」
進「そりゃ妙だな。・・・あ、そう言えばスピア!」
ス「気付くの遅ーい!もうっ!」
E「大丈夫ですか?」
ス「ケガ以外はね。この傷意味わかんない。ずっと血が流れ出てくる」
歩「花歩ちゃん呼んできましょ」
一「あ、みんな。大丈夫?」
進「そう言えばお前、別に花歩の手伝いしてた訳でもないのにどこ行ってたんだ?」
一「えっと・・・、怖くて隠れてた・・・」
進「そんなんだからスピアから命令無視されるんだよ」
ス「ボク無視した?」
一「したよ。(ボソッ)・・・あ、ケガしてるよスピア。今傷薬出すから・・・」
ス「う~ん、やっとトレーナーらしいなぁ♪」
進「“やっと”、な」
一「そこつっこまないでよ・・・」
スピアを一歩が手当てしていると花歩が奥から出てきた。
歩「花歩ちゃん。あ、その人の治療終わった?」
花「ええ。さっき急に目を覚ましてね」
ア「・・・・」
ス「アイクくん。平気?」
ア「・・・スピア・・・だったっけ?・・・一応・・・治療してもらったからね・・・」
ス「そう」
ア「・・・あ・・・ぼ、僕の・・・ご主人は・・・」
ミ「?ご主人?」
ア「・・・くっ・・・僕が・・・不甲斐ないばっかりに・・・」
進「どうゆう事だ?」
ア「・・・あいつが・・・町を襲ったんだ・・・」
ペ「一人でか?」
ア「ああ・・・あいつは・・・町の人達の魂を・・・次々と刈り取っていった・・・」
歩「酷い奴ね・・・」
ア「僕はご主人を守ろうとして・・・戦ったけど無駄だった・・・あいつは強すぎる・・・」
進「それは・・・、戦って実感した・・・」
ア「ご主人がここにいないということは・・・もう・・・ご主人の魂は・・・」
ス「取り返せばいいじゃないか」
ア「!」
ス「あいつを倒して、取り返せばいいんだよ。ボクもあいつには借りが出来ちゃったしね!」
ア「・・・無理だよ・・・勝てない・・・」
ス「みんなで一緒に戦えばいいんだよ!」
ア「みんな・・・?」
ス「ご主人の魂を取り戻したいんでしょ?ボク達と行こうよ。歩美ちゃんもあいつをほっとく気無いでしょ?」
歩「もちろん。悪い奴はやっつけなきゃ」
ス「ほらぁ。ね?」
ア「・・・フフッ・・・うん・・・わかった・・・キミ達に付いていくよ・・・」
ス「うん♪」
進「男が増えた(ポソッ)」
未「・・・・」
「お?あなた方」
全「?」
少し先の曲がり角からペルシアンが出てきた。
「あなた達ですか?私の魂を取り戻してくれたのは」
ペ「いや、正しくは未歩だけだ」
「未歩?どの方です?」
未「わたし」
「おお・・・、貴方のような少女が私の魂を・・・。いや、感謝します」
進「名前は?」
「私の名はジーク。旅の者です。いや、まさかこんな事になるとは思ってもみなかった」
ス「キミもボク達と行く?」
ジ「いやいや、悪いですが遠慮させてもらいます。私は一人が好きなので」
ス「そう」
ジ「いや、感謝しています。いつかまた会うことがあったらこのご恩は必ず」
未「いや、そんなの別に・・・」
ジ「借りを返さずにいるというのは私にとって不快なので。・・・この町の住人は、まだ魂が戻っていないようだ」
未「そうみたいだね・・・」
ジ「また襲われないとも限りません、お気を付けて」
歩「ねえ」
ジ「?なんでしょう?」
歩「この辺りに町はない?人がそんな状態じゃ休めないし・・・」
ジ「ああ・・・、そうですね。ウム・・・。ソウジンシティなどはいかがでしょう?ここから数キロ先にあります」
進「そこにしよう。ありがとな」
ジ「いえいえ、お礼を言いたいのはこちらです。それではまたいつか」
進「じゃ」
ア「・・・んんっ!・・・さっさと行かないのか?」
歩「あ、そうね」
一「みんな、行こう」
進「ソウジン・・・、ねぇ・・・」
E「?」
進「気のせい気のせい」
私達は仲間を増やして次の町へ旅立った。
最終更新:2008年12月31日 21:39