「むぅ・・・・・この程度か」
レオンハルトは無人となった村の武器屋で得物を探していた
しかし彼の気に入るようなものはここには無かったらしい、
様々な武具が散乱する中、ようやく彼は1本の
銅の剣をその中から見つけ出す
しかしそれは半分さび付いている上にやたらと重い、作りが丈夫そうな分
戦闘中折れるようなことは無いだろうが・・・・・・こんな剣では十二分に実力を発揮するのは難しいだろう
(丸腰よりは・・・ましか)
渋々ながら剣を腰に下げると、レオンハルトは店を出る。
無人の街をさまよいながら
夜にならないうちにここを離れるべきか?と
歩きながら思案するレオンハルトの前方に
褐色の肌をした少女が道端でたたずんでいる、彼女はたしかあの大広間にいたはず・・・・それにあの首輪
と、いうことは敵・・・・・か
敵、という精神の声に反応し、手が剣へと一瞬伸びるが寸前で止まる
(俺は何を考えている、生き残るため・・とはいえ相手はまだ少女ではないか)
しかし次に脳裏に浮かんだ光景は、自らの手で滅ぼした街を
無表情で眺める自分の姿---------
暗黒騎士レオンハルトの姿だった
(何をためらう必要がある、俺は既に無二の親友も仲間達をも
裏切り
パラメキアの尖兵となっているではないか、いまさら戻れるとでも思っているのか?)
軽く首を振って、わずかに残った迷いを頭から追い払うと
そこからのレオンハルトの動きは俊敏だった
彼は滑るように地を蹴り、褐色の少女--------
ミネアの側面に出ると
居合の要領で鞘から剣を抜き、その胸元めがけ斬りかかった。
「!!」
ミネアは辛くも手にしていた
ナイフでそれを受けとめる
ナイフが上等だったか、レオンハルトの剣があまりにも粗末だったのかは分からないが
ともかく初撃は防ぐ事が出来た。
(この人・・・強い、姉さんは援護・・・・)
そこでミネアの思考は止まる・・・そうだマーニャ姉さんはここにはいないんだ
その隙を逃すレオンハルトではない
「思ったより反応はいいな、だが・・・・・・」
レオンハルトの右脚が唸りを上げて、必死でナイフを支えるミネアの左手に蹴りこまれる
--------べきり
ミネアの細腕はいとも簡単に砕ける
悲鳴を上げる事すら出来ず、吹っ飛ばされるミネア・・・だがこれで終わりではない
さらにレオンハルトは容赦無く、ミネアの折れた左腕を掴みひねりを加えると
そのまま地面へと投げつける
(助けて・・・姉さん、クリフト・・・アリ-ナ・・・・)
地面に投げ飛ばされ苦しい息の中、必死でミネアは仲間たちに助けを求めていた
そう、こんなときミネアの周囲には必ず頼れる仲間たちがそばにいてくれた
だが、今は・・・・・・
(何かやらないと・・・・呪文をっ、呪文を)
だが・・・声が出ない、突然の攻撃とさらに孤独感がミネアの精神に固くフタをしてしまっている
そこへ再び斬撃--------今度も何とか防いだ
だが渇いた音と共に、ナイフはミネアの手から弾き飛ばされ離れた地面に落ちる
普段の冷静沈着な姿はどこにもなく、涙を浮かべ震えながらぱくぱくと口を動かすミネアとは正反対に
レオンハルトは剣を構えなおし、ミネアの首筋へと剣先を伸ばす
「悪く思うな・・・・・・」
と、その時だった
「んん~なんじゃ?こんなところで何をしておるんじゃ?」
殺伐とした光景には明かに場違いな陽気な声が響く
流石のレオンハルトもこれには振り向かずにはいられなかった
そこに立っていたのは
デルコンダル王------彼はこの
絶望的状況から逃避するべく
先程までただひたすら無人の酒場で酒を飲みつづけていたのだ
「おお~そなたたくましいの。どうじゃデルコンダルの王者たる、このわしに仕えんか?」
状況を理解せず、自分にまとわりつく男をレオンハルトは胡散臭げに眺めると
「寝てろ・・・・・」
地面に突き飛ばす、そこで彼は気がつく
先程からの異様な空間の中で、追い詰めたはずの少女の姿がどこにも無いというのを
周囲を見渡すレオンハルトの瞳に、街の出口へと全力で走るミネアの姿が映る
慌てて後を追うレオンハルト、見る見るうちにその距離は縮まっていくが
だがそのときミネアはレオンハルトへと振り帰りざまに呪文を唱える
「バギ!!」
同時に自分の周辺の空気が急激にささくれだすのをレオンハルトは察知する
「!!」
建物の中に逃げ込むのと自分の立っていた場所に真空の刃が届くのはほぼ同時
一瞬でも気がつくのが遅れていれば重傷は免れなかっただろう
局地的だが凄まじい竜巻が収まった後に残されていたのは
土ぼこりと
「ん~素晴らしい見世物じゃった~」
などと埃まみれでもご機嫌なデルコンダル王のみであった
レオンハルトはミネアの消えた方角を忌々しげに眺める
厄介な相手を逃がしてしまった・・・・それというのも
未だにぱちぱちと拍手を続けるデルコンダル王をレオンハルトは力任せに蹴り飛ばす
それでも王様はご機嫌だ、頭から血を流しながらも
「よいよい~無礼講じゃ~」
などと、ほざいている。
「そういえば先程の答えだが・・・・・・・」
ご機嫌な王様とは対照的にきわめて不機嫌なレオンハルトは
無慈悲にも無邪気に騒ぐデルコンダル王の心臓へと剣を突き刺す
「悪いが俺は貴様に飼われるつもりは無い・・・・・・」
とそれだけを告げると、もう用は無いとばかりに、レオンハルトもまた街の外へと去っていった
こうして自分の身に何が起こったのかも分からぬままデルコンダル王は死んだ
苦しむことなく死ねたことのみが彼にとっては救いだっただろう
【ミネア(重傷) 所持品:無し
第一行動方針:傷の治療&避難】
【現在位置:レーベの村から現在逃走中】
【レオンハルト 所持品:銅の剣、
暗黒騎士の兜、デルコンダル王の荷物
第一行動方針: 相手を探す】
【現在位置:レーベの村から外へ移動】
【デルコンダル王 死亡】
【残り 97人】
最終更新:2011年07月18日 01:16