「ここらで良かろう。
名乗り忘れておったな、わしの名前は
ハーゴン、少し前までは大神官の職にあった者だ。」
森を抜けた山裾の小さな広場でわしは
マゴットに脱出方法の講義を開始した。
「まずこの状況をどう見る?如何に奴が強力な存在とはいえ多くの
アイテムを一瞬で
葬る事ができた理由がわかるか?」
「………」
相変わらず聞き取りにくい声だが、この場合は周囲に漏れない分都合が良い。
「確かに強力なアイテムによる
可能性も有る、その場合、この首輪さえ何とかなれば
逃走は可能だろう、ただそれ以外にももう一つ可能性がある。」
「………」
「今我々がいる場所が
ゾーマにとって最も都合のいい魔法空間になっている場合だ、もし
そうであれば奴が言っていた…」
「?」
「お前が気絶している間にゾーマからのメッセージがあった、奴が言うには此処で死んだ
者は闇の中で永遠に苦しむ事になるらしい、その様な真似をしようと思えば魔法空間を設
定するのが一番都合が良い。」
勿論そうではない可能性もある、確かな事を調べたいなら実際にこの空間の端に行ってみ
る必要があるだろうが、恐らくはその前に首輪が……話がそれた。
「さてこれを踏まえた上で我々がどの様な行動を取るかだが、具体的には二つの方法がある。」
煌々と照る月明かりの中わしの講義は続いてゆく。
「何れの方法も儀式魔法を行う事になるが…」
「?????」
「儀式魔法とは時間、触媒、協力者、魔方陣等を利用する事により通常の魔法より遥かに強力な
魔法を掛ける方法だ、通常の魔法よりも多くのバリエーションを持つが魔物の跋扈する環境では
その場で効果のある魔法の方が遥かに有用であった為、この手の魔法の伝承、及び研究は随分と
衰退してしまったが本来は……」
「………」
むむ……話がそれた。
「先ず第一の方法は……」
この方法は最低でも五人の術者がいる、うち1人は必ず召喚術のノウハウを持っている必要がある
勿論わし以上にこの手の事に詳しい者がおれば最低人数等は変化する可能性があるが……また話が
それた。
「……と、この様な方法もある。」
ザザッッ!!
「何奴!」
「………!」
何奴!」
何処から来たのかは判らない、その影は一瞬にして我々の横を通り過ぎていった。
「…………!」
「ちと油断が過ぎたな、それは兎も角この方法は恐らく使えん。」
「?」
「この方法には欠点がある、先ず成功例が一件しか存在しない、それもこの様な真似をする為で
はなく、単なる事故にすぎん。」
「………」
「それにこの状況でどうやって五人もの協力者を探すのだ?ゲームに乗った奴もいると言うのに。」
「………!」
「更に言えばこの方法を取った場合、最後の1人は助からん。そいつが術を維持しなければならんか
らな。」
ひょっとしたら最後の1人も助かる方法も有るかもしれないが、わしにはわからん。
「我々が取るべき方法は……」
わしは語りはじめた、我々が取るべき方法を、触媒に『魂』を使ってかける強力な邪法を。
「……と、この様にすれば恐らくは脱出可能な筈だ、無論それ以上に良い方法があればその方法を
取るが?」
「………!………!」
「何れにせよこの首輪を取らねば話にならん、明日からは魂と首輪を集めていくぞ。」
【ハーゴン(負傷) 所持品:死神の鎌、
グレネード複数(
ムーン王女からルート)、ムーン王女の首と首輪
第一行動方針:魂と首輪を集める
最終行動方針:ゲームから脱出】
【マゴット 所持品:
グロック17
第一行動方針:仲間と合流
最終行動方針;ゲームからの離脱】
【現在位置:東部山脈北西部】
【
エッジ 所持品:?
第一行動方針:
リディアの保護】
【現在位置:東部山脈北西部】
※ハーゴン達の会話を一部聞いていた模様?
最終更新:2011年07月17日 20:19