「…そろそろ、タイムリミットかな」
とんぬらは呟いた。あれから暫く待ってみたが、今のところ誰も来ていない。
とんぬらは通路の向こうを見た。あの女性…
ベアトリクスは残るつもりなのだろうか。
わざわざ呼びに行くつもりにはなれないが、それでも気にはなった。
そんなことを考えていると。
カツン……カツン……
廊下の向こうから足音が響いてくる。
だが、ベアトリクスではないことはすぐにわかった。音が重すぎる。
そして、姿を現したのは黒い服装の男だった。蒼然とした剣を握っている。
とんぬらは、微かに表情を歪めた。この、匂いは…
男は無造作に剣を振りかぶると、一見無造作に、だが何の無駄もなく。
ヒュン…
とんぬらがいた場所を斬った。
「………」
男…
スコールは、微かに視線を上げる。
飛び退いてスコールの斬撃を交わしたとんぬらは、その曇った瞳に息を飲んだ。
とんぬらには、才能といえるものがある。
それは、物事の正邪を見分けること。戻れるものと戻れないものを見分けること。
スコールは…もう、戻れない存在だった。
鋭い斬撃が襲い掛かってくる。
ダメだ、このままじゃやられる…とんぬらの背中に冷たい汗が伝う。
武器は棍棒に釘を刺しただけのようなもの、腕前も自分と同等か――――それ以上。
何より、彼の攻撃には躊躇いがない。それは、大きな差だ。
自分が彼より勝っているもの、それは…
そう、自分が勝っているのは地の利、この洞窟の構造だ。
とんぬらは自分のマントに手をかけると、一気に外してスコールに投げつけた。
自分の目の前に広がるマントを切り裂くスコール。それが僅かな隙を生む。
次の瞬間スコールが見たのは、背を向けて走るとんぬらの姿だった。
階段を下り、あっという間に洞窟の奥へと消えていく。
それを追って、スコールも歩き出した。
【
とんぬら 所持品:
釘バット
第一行動方針:スコールを倒すか、逃げる
第二行動方針:
パパスと会う】
【現在位置:いざないの洞窟B2】
【スコール(人形状態) 所持品:
氷の刃
行動方針:皆殺し】
【現在位置:いざないの洞窟B1】
最終更新:2011年07月18日 02:29