静かな…波の音。
封魔壁監視所からはるか南の岬。
身を隠す場所も何もない。そんなところに
ラファは立っていた。
ここにいるとすべてが嘘のように思える…
「だけど…」
首輪に手を触れる。それは紛れもない事実。
己の定められし世界に引き戻される。
「
ラムザ…兄さん…」
ふと、ここにいない兄とこれに参加しているラムザの名前が出る。
「まだ、私には希望がある…だから、兄さん、待ってて。必ず、生きて、帰るから。」
ラファは賭けた。ラムザなら絶対にこのゲームから脱出できる何かがあると。
足元の石を蹴る。それはどういう意味を持つのか。
それは彼女しかわからない。
彼女は急ぐように駆け出していった。
石を蹴飛ばした先、岬の下になる。
波打ち際でで
セシルは舌打ちしていた。
まさか気づかれているとは思えなかった。
セシルは先にこの地へやってきていて偶然にも空間がひずんだためとっさに岬の下へ身を隠したのだ。
どのようなやつが出てくるかわからなかったためだ。
そしてラファが現れ、しばらく様子を見ていて今飛び出さんとしたときにその小石がぶつかってきたのである。
その小石はセシルに攻撃を思いとどまらせるに十分だった。
「あの女め…」
…ゆっくりと岬へ上ってくる。ラファの姿ははるか遠くだ。
「まあいい。俺の狙うべき獲物ではない…」
セシルは頭の中に獲物の二人の姿を思い浮かべる。
ゆっくりと歩き出した。
…すでに彼は戻れないところまで足を踏み入れているのだ。
【ラファ@天道士(アビリティ:黒魔法)
所持品:鉄扇
モーニングスター なべのふた
第一行動方針:セシルからの逃亡、進路を北へ
第二行動方針:ラムザとの合流】
【現在位置:封魔壁監視所南の岬】
最終更新:2011年07月17日 20:00