雨が降る。
雨の音、水溜まりのできる様、それは彼女の心を強く惹き付けた。
それは彼女が水の巫女故に他ならない。
現在
アモスと行動を共にしている
エリアだったが、
誰かと一緒にいるというのは少なからず彼女に冷静な思考の時間、そして何よりも心を与えた。
酒場の窓から雨が降るのを見ながら、エリアは精神を集中した。
雑念はない。今までとは違う。
死の恐怖に怯えていることを認めないで、気丈に、とにかくがむしゃらに進んでいた、
つい先刻までの自分とは違うのだ。
今なら受け入れられる。自分自身を。恐怖を。
傍には、頼りになる人がいる。
――感じる。
この感触に、エリア自身驚嘆した。
それはとても懐かしい、もう二度と触れることのできない感覚だと思っていたから。
だが、たしかに感じる。
――クリスタルの、光が・・・。近くに火、北に水、南に風、東に土・・・
信じられないが、クリスタルに導かれた光の戦士のそれに違いなかったのだ。
彼女の心は高揚した。
――彼らが、今、ここにいる・・・?
火は
ファリス、水はレナ、風は
バッツ、そして土が導師を示すものだったが、
彼女はそのことを知っている筈はなく、
当然思い浮かべたのはかつての四人の少年であった。
もっとも、その中の1人はたしかにここにいるのだが・・・。
気が付いたら、彼女は駆けだしていた。
四人の場所は手に取るようにわかる。興奮を抑えきれない。
そして少なくともこの近くに、火のクリスタルに導かれし戦士がいる。
会いたい、今は唯それだけが彼女の願い。
彼らに会えばなんとかなるのではないか、なんの根拠もない希望。
しかしそれが彼女を強く突き動かしていた。
「・・・何をしている!?」
エリアの異変に気づいたアモスの制止も彼女の耳には届いていない。
酒場を飛び出していった彼女に、仕方なくアモスも後に続いた。
【エリア 所持品:
ミスリルナイフ 加速装置
第一行動方針:火のクリスタルの戦士に会う。興奮のあまり直情的に動いている。
第二行動方針:
ロック、ファリスとの合流
基本行動方針:できることをやる】
【アモス 所持品:
妖剣かまいたち 水1,5リットル
小型のミスリルシールド
第一行動方針:エリアを追う
第二行動方針:ロック、ファリスとの合流】
【現在位置:ベクタ酒場→街中へ】
最終更新:2011年07月18日 07:01