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覚悟は…できてるよ

雨は相変わらずやまない。
短いの休憩だったが、それでも消耗された魔力もある程度は回復した。
眠っている依然クーパーリディアを一瞥した後、
バッツは自分が一睡もしていないことに気づいた。
猛烈な睡魔が襲ってきたのだ。
バッツは慌てて頭を振り、顔を軽く叩いて目を覚まそうと試みる。

「まずいな・・・こんなところで寝るわけにはいかないっていうのに」

とりあえずは眠気を少し紛らわしたものの、
早く町に行かなくては如何ともし難い。
いくらなんでも、何日も眠らないことなど無理だ。
ましてや、このような神経の張りつめた緊迫した状況では・・・。

この二人も今まで全く眠らなかったのだろう。
本当によく眠っている。

――せめて今だけでも楽しい夢をみてほしい・・・。
  このゲームは、悲しいことがあまりにも多すぎる・・・そして、本番はこれからだ・・・

幸い二人の寝顔は安らかだ。
悪夢をみて魘されているということはない。
もしかしたら、名前を呼ばれた人の夢を見ているのかもしれない。

思えば、ここまでに大事な人の名がひとりとして呼ばれていないのは、まったくもって幸いである。


暫くの間バッツは物思いに耽っていたが、雨は益々激しくなり、
簡易テントでこれ以上休むのはもはや限界であると悟った。
気は引けたが、少なくともクーパーは起こさなくてはならない。
行動を開始するには、それが最低限の条件だ。

バッツはクーパーの方を見やった。

「・・・起きてたのか」
「・・・・・・」
「これ以上ここに留まるのは無理だ。雨もやみそうにないしな、町に行くぞ」
「・・・・・・うん」

バッツは久しぶりにクーパーの声を聞いた。
吹っ切れているようにも思えたが、まだどこか割り切れないところもあるようにバッツには思える。

「・・・なあ、クーパー。俺な、本当は町には行きたくないんだよ。」
「え・・・?」
「この雨だ、恐らく大抵の参加者はどこか雨宿りできる場所に行く。町なんて、うってつけだもんな。
 何人もの人が集まるさ。・・・このゲームに乗ってる奴も。」
「・・・・・・」
「自分から危険に身を晒すようなもんだよ。それでも、俺たちは行かなければならないんだよな。」
「・・・・・・」
「覚悟は・・・」
「できてるよ」

思わず振り返った。クーパーの顔には一抹の不安だって見えなかった。

「・・・どうも俺が思ってたよりも、相当に強いみたいだな」

クーパーはそんなことない、と断って、一つ深呼吸をし、話した。

「夢を見て、ね。しっかりしなきゃなあ、って思ったんだ。
 バッツの話を聞いて、それを現実で自覚した、ってところかな。」
「夢?夢・・・か。どんな夢なんだ?」
「秘密だよ。」
「ケチ。」

あはは、とクーパーは笑顔を見せると、出発の準備を整えた。

――乗り越えたか。・・・まあ、これが乗り越えられなかったら、生き残ることなんて無理だろうな・・・

バッツは少しばかり安堵し、リディアをおぶると、いまだ会うことない姉妹を思い巡らせた。
彼女たちの行く末が、彼のもっとも大きな心配事であることには変わりない。
無事を祈るしかない自分がなんとも不甲斐ない。

ふと、クーパーの声がした。

「リディア、そのままじゃ風邪ひかない?」
「ん・・・ああ・・・雨に直接当たるからな・・・でもマントはもうないし・・・」
「だっこしたら?」
「抱え込んだらちょっとはマシになるだろうけど、めちゃくちゃ歩きづらそう・・・」
「う~ん・・・できるだけ雨のあたらないところを速く行くのがいいね・・・」
「まあ・・・そうだな。」

相変わらず雨はやむどころか激しさを増すばかりだ。
二人は一気に駆けだしていった。

空はどんよりと曇っており、木々は風に流されていて水が滴っていた。
草原は地平線の彼方まで見えるが、アルブルクまではそう遠くはない。


【バッツ@魔法剣士(アビリティ:時魔法、魔力少し消耗)
 所持品:ブレイブブレイド
 第一行動方針:パパスアリーナアニーとの合流
 第二行動方針:レナとファリスを探す
 基本行動方針:非好戦的だが、自衛はする
 最終行動方針:ゲームを抜ける】
【クーパー 所持品:天空の盾、ロングソード
 第一行動方針:父親、アニーとの合流】
【リディア(幼児化、睡眠) 所持品:なし
 第一行動方針:???】
【現在位置:封魔壁前の砂漠北側とアルブルクの町の中間地点→アルブルクへ】


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最終更新:2011年07月16日 21:15
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