狙撃者

「あった、旅の扉ッスよ!」
民家の屋根の上に昇り、辺りを見まわしていたティーダが、小声で叫ぶ。
下で待つエアリスに場所を示しながら、彼は身軽な動作で飛び降りた。
「ちょうど誰もいないみたいだし、行くなら今のうちッスよ」
「そうね……下手に皆を待つより、先に行った方がいいかもね」
二人は頷いて、歩みだす……が。
「危ねぇ!」
旅の扉がある通りに出ようとした時、何者かが二人を押し倒した。
「何するん……!?」
その上を、銃弾が掠めて飛んで行く。立っていたら、間違いなく頭に命中していただろう。
さらに、目の前で炎が、自分達を守る壁のように燃え上がった。
「早く、こっちよ!」
見ると、一人の少女がいかづちの杖を振りかざしている。
言われるまでもなく、3人は急いで少女のいる民家の影へと隠れた。

「ふぃー……あんたらのお陰で助かったみたいッスね」
「ああ、無事で良かったぜ。さっきも4人ほど、やられたみたいだからな」
ギルガメッシュと名乗った男の言葉に、少女――マリベルは何故か怒りを表した。
「ちょっと、変なこと言わないでよ! 皆、あんな炎ぐらいで死ぬタマじゃないわ!」
その口ぶりから察して、『4人』は彼女の知り合いだったのだろう。
仲間を死なせたくない、死んでほしくないという気持ちが、痛いほどわかる。
「絶対、ゾーマをぶち倒して皆で帰るのよ! それまで死んだりしてたまるもんですか!」
……マリベルの言葉に、エアリスとギルガメッシュは顔色を暗くした。
自分が絶対に敵わないであろうセフィロス、その彼が傷1つつけられなかった大魔王ゾーマ……
二人が暗くなるのも当然だ。
一気に重苦しくなったムードに、ティーダは慌てて話題を変えた。
「ところで、マリベル……だっけ? その杖、どこで拾ったンスか?」
もともとは自分の物だったいかづちの杖を指し示しながら、尋ねる。
「北の山の中よ。それがどうかした?」
「……あの、こーんな大きなオッサンとか、黒髪ツンツン頭の男の子とか」
「こんな、緑の髪の女戦士とか、綺麗な金髪のお姫様とか、見ませんでしたか?」
「全然見てないわ。残念だけど」
「俺も、そんな連中は見てないな」
「そうッスか……」
がっくりと肩を落とすティーダとエアリス。どうやら、皆は別の方向に行ってしまったらしい。
……あの山から一番近い町はここだし、しばらく待てば会えるかもしれないが……

「それより、アイツをどうするかよ。このままじゃ、旅の扉にだって入れないわ」
マリベルが武器屋の上を示す。さっきはわからなかったが、多分あそこから狙撃しているのだろう。
とりあえず、『戦闘はできるだけ避けたい』という点では、全員の意見が一致した。
「……二人とも、魔法とか使えないんですか?」
「使えねぇことはないが、無駄だな。奴さん、リフレクか何か張ってやがる」
「何か、飛び道具とかは?」
「弓矢ならあるけど、これで銃と打ち合えっていうのは厳しくない?」
『………う~ん』
4人は一様に手を組んで、同時にため息をついた。

【エアリス 所持品:癒しの杖
 第一行動方針:どうにかして旅の扉に入る
 第二行動方針:クラウドを探す
 基本行動方針:戦いを止める】
【ティーダ 所持品:なし
 第一行動方針:どうにかして旅の扉に入る
 基本行動方針:仲間を集める
 最終行動方針:何らかの方法でサバイバルを中止、ゾーマを倒す
【マリベル 所持品:エルフィンボウ いかづちの杖 エドガーのメモ
 第一行動方針:どうにかして旅の扉に入る
 第二行動方針:メルビンアイラを探す
 基本行動方針:非好戦的、自衛はする】
【ギルガメッシュ(失意状態)
 所持武器:エクスカリパー
 第一行動方針:どうにかして旅の扉に入る
 基本行動方針:戦闘からは逃げる】
【現在位置:マランダの街】

セシル 所持品:暗黒騎士の鎧 ブラッドソード 源氏の兜 リフレクトリング 弓矢(手製) ギガスマッシャー
 第一行動方針:ティーダらを殺す
 最終行動方針:皆殺し(ハーゴンorエドガーを最優先 ただし遭遇すれば他のキャラでも殺す)】
【現在位置:マランダの街】


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最終更新:2011年07月18日 07:43
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