セシルvsカイン

マランダの街外れの狭い裏路地にエアリスたちは潜み、向いにある武器屋の様子をうかがっていた
彼女たちのすぐ近くにある民家には、この緊迫した状況にも関わらず何匹かの鳩が止まっている

あれから10分ほど経つが・・・・動きは無い、少し退屈したマリベルが鳩の群れに視線を移した時
鳩が一斉に民家から飛び去った・・・・と、同時に
「後ろだ!!やられた!奴はもう武器屋にはいねぇ!!」
ギルガメッシュの叫びと同じくして彼らの背後の路地から闇を纏った騎士が銃を構え襲いかかる。

「ギラ!」
「バカッ、呪文は!!」
ギルガメッシュがマリベルを止めるが、わずかに遅かった。
セシルに直撃するはずの閃光は、屈折したかと思うとそのままマリベルへとはね返る。
直撃こそ避けたもののマリベルは地面に頭を打ちつけ気絶してしまった。

だが光がマトモに目に入ったか、わずかにセシルもまた彼らから視線をそらしていた。
そこにギルガメッシュが斬りかかる、セシルもまた素早く飛び退くと剣を抜いて応戦する。
刃と刃が激突し、暗い裏路地に火花が散る。
「泣いている・・・・お前の武具が泣いているぞ、俺には分かる・・・やりなおす気にはならんのか!」
セシルはギルガメッシュの言葉には答えず、ただ黙々と剣を振るう。

エアリスとティーダはそれを固唾を飲んで見守るしかなかった・・・・
しかしどうやらギルガメッシュの剣技がセシルのそれを上回っていたのだろう。
エクスカリパーがセシルの頚部を捉らえる。
「峰打ちだ・・・しばらく頭を冷やせ」

決まったぜ!・・・といわんばかりに背中を向けようとしたギルガメッシュだったが
何事も無かったかのように立っているセシルの姿を見て、狼狽の色を見せる。
「何・・バカな、峰打ちとは言えエクスカリバーを受けてなぜ立っていられる!」

先程のクールな態度は何処へやら、焦りまくりったギルガメッシュは
無茶苦茶にエクスカリパーを振りまわす。
「くぬやろ、くぬやろ、くぬやろっ」

そんなギルガメッシュをみて溜息をつくとセシルがブラッドソードを一閃させる。
すると、エクスカリパーは粉々に砕け散った。
「バカなぁ~~聖剣エクスカリバーが砕けるなどと、そんなことがあってたまるかぁ~!」

頭を抱えてわめきちらすギルガメッシュ・・・そして呆れ顔でそれを見ているエアリスとティーダ
そして、セシルがそろそろ終わらせようと、ギガスマッシャーに手を伸ばした時だった。
「!」
セシルの手前わずか数十センチの所に恐らく上空から放たれたのだろう1本の槍が突き立っていた。
その槍を見たエアリスは空に向かって叫ぶ
カインさん!カインさんでしょ!、助けに来てくれたのね」

そしてエアリスの呼びかけに答えるように、竜を形どった衣装を身に着けた騎士が
路地裏へと舞い降りたのであった。
「セシル・・・・これは一体どう言う事だ・・・・」
「セシル・・あなたがセシルさん!?・・・カインさんも、それにエッジさんも心配してたわよ
 こんなに想ってくれる仲間がいるのに、どうしてこんな事するのよ」
カインとエアリス・・・2人の問いかけにセシルは悲しげにうつむき答える。
ローザのためなんだよ・・・・」

路地裏を出ると、つい1時間ほど前まで雨が降っていたとは思えないほどの青空が広がっている、
そんな青空の下でセシルとカインは対峙していた
そしてその傍らでは、それを固唾を飲んで見守るエアリスたちの姿があった。

「お前は騙されている・・・奴らが約束を守ると思うか?」
「たとえ、可能性が限りなく0に近くても・・・僕はそれにすがるしかないんだ・・・
 だって僕にはローザしかいないんだ・・・・ローザは僕の全てだから」
今度はカインが悲しげにうつむく番だった。
「もし願いが叶ったとして、修羅道に堕ちたお前を見て、ローザが喜ぶとでも思っているのか?」

セシルもまた悲しげに首を振る。
「僕を決して許さないだろうね・・・・でもどんなに憎まれても恨まれても罵られてもかまわない・・
 僕はただローザが生きていてくれればそれでいいんだ、だから!」
セシルは剣をカインに向ける。
「だから僕はたとえどれだけの血を流してでも、ローザを必ず甦らせてみせる・・・君にも邪魔はさせない!」

カインも槍を構える。
「ならば俺もお前を倒さなければならない・・・俺もまたローザを愛していた・・・・
 だからそのローザが愛した、誰よりも優しかったセシルを守るために、今のお前を倒す」

2人は大通りに進み出ると、円を描くように間合いを取り呼吸を整える、すぐ近くでは扉が唸りを上げている。

「こんなこと止めるッスよ!」
止めようとしたティーダをギルガメッシュが制止する。
「2人は親友同士なんだろ!早く止めないと・・・こんなの間違ってるッスよ!」
「親友同士だからこそ誰も立ち入ってはならんのだ・・しかし、悲しすぎるぜ・・・・・」

今まさに、無二の親友同士の壮絶な決闘が始まろうとしていた・・・・だがその時だった。
突然中規模の爆発がセシルとカインを襲う
一同が振り向いた先にはマリベルがいた・・・その瞳は爛々と輝き、痛いほどかみ締められた唇からは血が流れ
さらに頭には大きなコブが出来ている。
そういえばマリベルのことを忘れていた・・・
だがその様子はどう考えても忘れられていたのを怒っているわけではなさそうだ。

「いかん!、バーサクしているぞ!」
マリベルがいかつちの杖を振りまわすと、あちらこちらに爆発が起こる。
文字通り敵味方の区別なしの乱れ撃ちだった。
もはや決闘どころではない、逃げ場所を無くしたカインは仕方無しに扉に飛びこむ
そしてマリベルもエアリスの手を振りきるとそのまま扉へと入っていった。

そして混乱が収まると、セシルもまた荷物をまとめ扉へと向かう。
「今は見逃します、ですけど次に会えば今度は容赦無く殺します」
殺すという言葉を聞いて興奮気味のティーダを、ギルガメッシュが押さえこむ
そんな姿を見て、思い出したようにセシルが微笑む。

「あなた・・・僕の武具が泣いているって言ってましたよね、確かにそうかもしれないです
 だって、もう僕は涙を流す資格さえ失ってしまった・・・・だから代わりに泣いてくれているんだと
 思うんです・・・・・」
3人の表情が暗くなったのを見て、セシルは慌てて取り繕う。
「ごめんなさい、別れ際につまらないこと言ってしまって・・あ、それとあの剣はエクスカリパーっていう
まがい物ですから、そんなに気にしなくてもいいですよ、それじゃ」
扉の中に消えていくセシルの背中は何故かとても小さく見えて、3人はやりきれない思いで見送ることしか出来なかった。
「俺達も・・・・行くか」
ポツリとギルガメッシュが呟き、エアリスとティーダが力無く頷く・・・・・
「もう・・・・止められないわね・・・・彼が乗ってしまった列車は途中下車は絶対に出来ない
 終わりが来るまで戦い続ける運命・・・・」
「そんなの、あんまりッスよ・・・・・」
もちろん自分の願いをかなえるために、他人の命を犠牲にしていいはずは無い・・・・・
しかしそう割りきるには彼らはあまりにも優しすぎた。

押しつぶされそうな悲痛な表情のまま、彼らも新たな地平へとその身を移した。

【エアリス 所持品:癒しの杖
 第一行動方針:不明
 第二行動方針:クラウドを探す
 基本行動方針:戦いを止める】
【ティーダ 所持品:なし
 第一行動方針:不明
 基本行動方針:仲間を集める
 最終行動方針:何らかの方法でサバイバルを中止、ゾーマを倒す
【ギルガメッシュ 所持武器:なし
 第一行動方針:不明
 基本行動方針:戦闘からは逃げる】
【現在位置:新フィールドへ】

【マリベル(軽いバーサク状態、時間と共に回復)
 所持品:エルフィンボウ いかづちの杖 エドガーのメモ
 第一行動方針:不明
 基本行動方針:非好戦的、自衛はする】
【現在位置:新フィールドへ】

【セシル 所持品:暗黒騎士の鎧 ブラッドソード 源氏の兜 リフレクトリング 弓矢(手製) ギガスマッシャー
 最終行動方針:皆殺し(ハーゴンorエドガーを最優先 ただし遭遇すれば他のキャラでも殺す)】
【現在位置:新フィールドへ】

【カイン 所持品:ビーナスゴスペルマテリア(回復) 天空の兜
 第一行動方針:セシルを止める 
 基本行動方針:戦闘は避けたいが、自衛なら戦う】
【現在位置:新フィールドへ】


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最終更新:2011年07月18日 07:44
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