ロンダルキアのほぼ真北の林の中で
アリーナとアニーはさくさくと雪を踏みしめながら、
あても無く歩いている。
「心細いなぁ、やっぱり」
武器や防具は全て奪われてしまった。己の拳と体術のみで戦う格闘家、
本来、武具頼りの戦いを展開することは、ほとんど無いのだが、
それゆえに愛用の武具に対する思い入れ、こだわりは戦士のそれよりも強い。
(ちょっと寒いなぁ、あれを着てれば寒さなんてへいちゃらなのに)
と、思っていた木の枝にはためくピンク色の布が目に入る、あれはもしかして、
アリ-ナが気がつくと同時にそれは風で煽られ、ひらひらと彼女らの方へと飛んでくる。
そして彼女らの目前に落ちたそれは、
胸の部分になにやら紋章が入った、きわどいハイレグカット&臍だしスタイルのレオタードだった。
アリーナは慌ててそれを拾い上げ、自分の物であることを確認する。
「随分大胆なレオタードですね....はしたないです」
レオタードを見てアニーが嫌悪の表情で呟く。
「失礼ね!これでも私の長年愛用している立派な防具なのよ..ちょっと待ってて」
そう言ってレオタードを両手でしっかりと抱えると、そのままアリーナは木陰へと入って行った。
しばらくして、木陰で着替えを済ませて出てきたアリーナは、もう肌もあらわなレオタード姿だった。
鍛えられ均整の取れた美しい身体がさらにレオタードによって引き締められ、その美しさを
より一層際立てている。
しかし女性であるアニーにとっては、別に面白くもなんともないようだ。
「それがですか?」
と、明らかに疑いの眼差しを向けている。
アリーナ愛用の自慢の防具らしいが、正直こんなレオタードに防御効果があるとは思えない。
「ふふん、このレオタードはね、肉体の本来持つ感知能力を最大限まで高めてくれるの、
それに魔法のバリアも張ってくれるから、下手な鎧より防御力は高いわよ」
アニーは未だに疑わしい目で見ている。
「おまけに夏はひんやり冷たくて、冬はあったか....!!」
その時アリーナは何かに気がついたらしい、アニーの手を引き、林から出る。
と、同時にみしみしという音と共に彼女らが立っていたあたりの地面が陥没していた。
アリーナは地盤が緩み、木々の根がきしむわずかな音を、直接聞こえたわけではないが、
何らかの感覚として察知していたのだ。
「ね、さっそく役にたったでしょう?」
こうなってみればアニーも納得せざるを得なかった。
しかし助かったのはいいが、木陰にたたんで置いていたアリーナの服はマントを除き、
全て雪の中に消えてしまった、おかげで彼女はレオタード1枚にマントという、
とても恥ずかしい格好で、これから先、過ごさねばならなくなった。
もっとも、本人は気にしてはいないようだが....。
【アリーナ 所持品:イオの書×3
リフレクトリング ピンクのレオタード
第一行動方針:アニーを託せる人物を探す
第二行動方針:ソロを止める(倒してでも)】
【アニー 所持品:マンゴージュ
第一行動方針:
クーパー、両親さがし】
【現在位置:ロンダルキア北部の林】
※流出
アイテム 残り5個
最終更新:2011年07月17日 22:13