「ぶえっくしょーーーーーーーーいっ!!!!」
突如くしゃみが響いた。
あまりにも無防備ではあるが、当の本人は全く気にしていない。
なぜならこの「ゲーム」に参加する気はもちろん、身を守ろうとする気はからっきしもないのだから。
どうせ死ぬならこの大地に抱かれて死にたい、そう考えていたのだ。
…が、とにかく寒い。
「ぶえっくしょーーーーーーーーいっ!!!!」
空に城を構えている王、
ゼニスがもう一発派手なくしゃみをする。
辺りを見回す。ここはロンダルキアの中でも最も高い位置にあるようだ。
西に神殿、東の湖の島に一つ家が見える。
「おお!あれはたいそうな建物じゃな。」
ゼニスの目に留まったのは神殿のほう。民家のほうは目に入らなかったようだ。
しばらく歩いた。ほどほどに体が温まってきた。
砂漠地帯を南に。ここから砂漠ではなく草地。そんな場所。
足元に感触がある。そう思ったときはもう滑っていた。派手にすっ転ぶ。
「な、なんじゃ?」
腰を強く打ったか、腰に手を当てて起きる。目の前にそれはあった。
それは光を放っていた。地面に無造作に放り出された巻物。手にとって…
…あれ?
「なんじゃ?この巻物?地面にぴったり張り付いて取れないわい。」
踏ん張って地面からはがそうとするもどうにもならない。
それは聖域の巻物。
エビルマージの研究所から流れ出たもの。
この地に流れ着いたときはまだその効果を発揮してなかったがゼニスが踏んだ瞬間、その巻物は宙に舞った。
そして再び地面にその巻物が落ちたときにそれは発動した。
その巻物の近くに結界が張られたのである。
それは発動主であるゼニス以外は何人たりとも決して通さない結界。
いかなる善たる者も邪なるものも足を踏み入れることができない結界。
当の本人はそんなことは知ったこっちゃないが。
兎にも角にも、ここに一つ、何人たりとも足を踏み入れることができない“世界”ができたのである。
【ゼニス 所持武器:
アンブレラ
第一行動方針:
ハーゴンの
神殿へ
基本行動方針:物見遊山】
【現在位置:中央の山脈の砂漠地帯とその南の草地地帯との境界部】
※流出
アイテム 残り4個
※中央の山脈砂漠地帯と草地との境界線付近に聖域の巻物が発動しました。
ゼニス以外は誰も足を踏み入れることはできません。
聖域の巻物を燃やすなり何なりしない限り効果は永続します。
最終更新:2011年07月17日 21:54