「くそっ!なんでこんなっ」
ロックと
エリアは雪の平原をひたすら逃げつづけていた。
雪道で倒れている少女を助けようとしたら、その少女がいきなり攻撃を仕掛けてきたのだ。
「メラミ」
少女の手から火球が放たれる。
エリアに放たれたそれをロックがミスリルシールドで防ぐ、
「ぐうっ」
いかにミスリルと言えども呪文を受けとめた衝撃までは吸収しきれない、
強烈な痺れにロックは盾を落としそうになるが、
それでも何とか2人は森の中へと逃れる。
そして逃げながらもロックは心の中でずっと考えていたことがあった。
(俺の行為だ.....)
ロックはずっと後悔していた、あの時、先走って拳銃を射たなければ、
ファリスが傷つくことも無かったし、
アモスが囮になることもなかったと。
だから....今度こそ俺が守らなければ、たとえ死ぬことになったとしても、
「俺がコイツを引きつける!アンタは必ず俺が守る!だから生き延びてくれよ!」
ロックは
クイックシルバーを握り締め、盾を構えるとそのまま少女へとこれ見よがしに
その姿をさらし、南の方角へと逃げていく。
「お前の相手は俺だっ!」
「ほう」
少女、その正体は
変化の杖で変身した
エビルプリーストだ、は、禍禍しい笑顔を見せると
嬉々としてロックの後を追う。
(ふふふ、自分から別れてくれたわ、これは都合が良い、逃げろ逃げろ、くくく)
彼の目的は相手を倒す事でなく、自分が成り代わるべき確実な対象を拉致するためだ。
(死人が甦るわけには行くまいて、それにいつ本人と鉢合わせするかもしれんしの、
にしても、工場で出会ったお主とまた会えるとは思いもよらんかったわい)
そう頭の中で語りながらエビルプリーストは、あえて距離を置き、まるでロックを誘導するかのように
火球を放っていくのであった。
それからしばらくまた時間が経過する、と、森の中に潜むエリアの耳に足音が聞こえる。
(ロックさん.....!)
一瞬そう思ったが、どうやら違うようだ。
やがてその足音の主はエリアの前へとその姿を見せる、影のように黒い鎧をまとった青年だ。
エリアの存在は彼にとっては予想外だったようだ。
彼女を前にして少しだけ固まってしまうが、思いなおしたように剣を取る、その時、
「私を殺すつもりですね」
機先を制するようなエリアの声に、またその手が止まってしまう。
「ええ、まさかこんなところで会うとは思いませんでしたけど、ごめんなさい」
そう言って、ぺこりと頭を下げる青年。
その瞳はあまりにも哀しく、そして美しい色をしているとエリアは思った。
これほどの戦士を殺戮に走らせるには余程の理由があるはずだ。
エリアは迫り来る死の恐怖よりもその理由について知りたいと思った。
だからエリアは優しく微笑むと、青年へと問いかける。
「逃げも隠れもいたしません、ですが少しだけ理由をお聞かせ下さいませんか?」
青年はその言葉と表情に少し驚いたような感じだったが、そして......。
【ロック 所持品:
吹雪の剣 クイックシルバー
小型のミスリルシールド
第一行動方針:エリアを守る
第二行動方針:クリスタルの戦士との合流】
【現在位置:ロンダルキア東の端の雪原】
【エリア 所持品:
ミスリルナイフ 加速装置 食料2ヶ月20日強分&毒薬 水1,5リットル×2 小型のミスリルシールド
吹雪の剣 フィアーの書×7
第一行動方針:クリスタルの戦士との合流
基本行動方針:できることをやる】
【現在位置:ロンダルキア東の森】
※エリアは一度だけ召喚魔法『シルドラ』を行使可能
【エビルプリースト 所持品:
危ない水着 変化の杖
第一行動方針:ロックを確保し成り替わる
第二行動方針:天空の勇者(ソロ・
クーパー)の始末】
【現在位置:ロンダルキア東の平原】
最終更新:2011年07月17日 22:20