「情けない、何という様だ」
またしても遅れを取ってしまった、せめてもの慰めは相手が普通ではなかったということくらいか
だが、はあはあと息を白くする
アグリアスだったが、自分の背後の影にようやく気がつく
(しまった!)
いつの間にか接近を許してしまっていた、その影の形からいって相手は
ヘンリーだろう。
そして予想に違わず、ヘンリーが木陰からぬっと姿を現す。
こちらは丸腰、相手は斧を構えている、ヘイストを詠唱する時間も無い....ここまでか、
(ここまでか....)
無念の表情で瞳を閉じるアグリアス、だがその時はいつまで経っても訪れなかった。
「?」
戸惑うアグリアスにヘンリーは雪の中で回収した、
マンイーターを投げてよこす。
「何のつもりだ?」
「俺は1人より2人、少なくとも切り抜けられる
可能性の高い選択肢を選んだだけだ」
「ほう....思った以上に賢明だな、だが」
アグリアスはマンイーターを引きぬくと、それをヘンリーに向ける。
「私が恩をアダで返す可能性もあるぞ」
しかしヘンリーは動じず、平然と言い返す。、
「お前も俺を殺すのと、俺を生かしておくのと、少なくとも今はどちらが得かは分かるだろう?」
ヘンリーの言葉にアグリアスは笑って剣を鞘に収める。
「さて、どうする?この場はお前に従うが?」
アグリアスの問いにヘンリーは言うまでも無いといった感じで答える。
「再び行くぞ....あいつらもそう遠くまでは行ってないだろう、受けた屈辱は晴らす
お前が言っていたように」
受けた屈辱.....その言葉にアグリアスの表情が変わる。
「そ、そうだ....忘れてはならん、あの屈辱....ぐわあああっ!」
アグリアスはなんと
ティファにつけられた額の傷を再び今度は自らの手で深々とえぐっていた、
白い顔がみるみるうちに赤く染まり、またその瞳に異様な光が宿っていく。
「これだ。この痛みだ、これこそが今の私の現実.....くくっ、ふふふふっ」
痛みが忘れかけていた憎悪を呼び覚ましてくれる、今のアグリアスの瞳には2度と消せぬ敗者の烙印を刻んだ
あの少女の姿しか映っていない。
「生きていろ....私に殺されるその時までな...ふふふ、ははははははっ」
白銀の世界に女騎士の狂ったような笑い声が暫し響き渡った。
そしてそれを見つめるヘンリーの表情には、わずかながら後悔の色が浮かんでいた。
【ヘンリー 所持品:
ミスリルアクス イオの書×3
第一行動方針:とんぬら達を追う(遭遇すれば他のキャラも倒す)
基本行動方針:皆殺し
最終行動方針:全てが終わった後、
マリアの元へ逝く】
【アグリアス@ホーリーナイト(アビリティ:時魔法)
所持品:
スリングショット なべのふた マンイーター
第一行動方針:とんぬら達を追う(遭遇すれば他のキャラも倒す)
第二行動方針:ティファを何処までも追い詰め、嬲り殺す
最終行動方針:元の世界に帰還する】
【現在位置:ロンダルキアの祠西の山岳地帯】
最終更新:2011年07月18日 06:51