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萎えかけた勇気

(うまく騙せたか?)

 雪の山道を進む二人のうちの一人――――アグリアスは考えていた。
 武器を持たない相手に対して、二度にわたる敗北。
 顔にこそ出しはしないが、精神的にかなり追いつめられていた。
 自覚がある、自身の勇気が萎えかけているのに。
 剣を捧げたオヴェリアへの忠義、そしてティファへの復讐を心の支えにしていたが…
 それももはや限界にまで来ていた。
 かつて、ドラクロワ枢機卿にオヴェリアを奪われた時――――
 アグリアスは、自分一人の力の無力さを痛感させられていた。
 そして、ラムザに助けられ、共に戦うようになってから。
 知らず知らずのうちに、仲間がいることに甘え、依存するようになっていた。
 ここには、信じることのできる人間は誰もいない。
 いつ殺される事態になってもおかしくはない。
 こんな世界に一人で耐えられるほどアグリアスは強くはなかったのである、本当は。

 だから。
 ヘンリーが自分を見限らなかったことに、心の底から安堵していた。
 そして、この関係を維持する為に、自分の勇気を無理矢理にでも奮い立たせる必要があったのである。
 勇気が下がり続け――――チキンになってしまったら、全てがお終いなのだ。
 額の傷口を自ら広げ、声高に、狂ったように、ティファへの復讐を示すことで、自分の弱さをヘンリーに隠した。
 とっさに張った虚勢ではあるが、行動に出して吐きだしているうちに段々とその気にもなってくる。
 萎えかけた勇気も、ほんの少し戻ってきたような気がしてくる。

(これでいい。まだまだ私が戦えることを示せた。チキンになんてなるものか!)

「おい、見ろ」

 行く手の先に見える人影を示しながら声をかけてきたヘンリーの言葉に、我に帰るホーリーナイト。
 いかめしいその形相とは裏腹に、心は小さく震えていた。

【ヘンリー 所持品:ミスリルアクス イオの書×3
 第一行動方針:とんぬら達を追う(遭遇すれば他のキャラも倒す)
 基本行動方針:皆殺し
 最終行動方針:全てが終わった後、マリアの元へ逝く】
【アグリアス@ホーリーナイト(アビリティ:時魔法)
 所持品:スリングショット なべのふた マンイーター
 第一行動方針:ヘンリーに見捨てられないようにする
 第二行動方針:ティファを倒す
 最終行動方針:元の世界に帰還する】
【現在位置:ロンダルキアの祠西の山岳地帯】


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最終更新:2011年07月17日 19:46
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