既に日は傾きかけ、山の端にかかろうとしていた。この台地で散っていった幾千もの戦士たちの亡霊が
彷徨い出し、大地を蹂躙せんと蠢き出す時刻に,、小さな子供は何を考えて平原を歩いていたのか。
砂漠を越えてからは不安感が一層色濃くなった。
魔物は
ゾーマの力により排除されているから、その姿に怯えることはない。
何より危機は身近なもの、寒さと飢えだった。
敵を討とうという意思と、安らげる場所に早く行って楽になりたいという気持ちが天秤の上で揺れ動いていた。
エドガーと剣の稽古をする前から何も口にしていない。
大事に腰に巻きつけた袋は、確かめるまでもなく空の容器でしかなかった。
それでも手を突っ込んでみると、隅に固くなったパンのかけらがあった。
それを摘んで口に含んだ。
噛む所がほとんどないから歯軋りの音が聞こえただけだった。
その耳も、唸る風に長時間晒されて、嫌な音を遮ろうとするかのように遠くなりかけていた。
もう一人は、さながら方位を見失って大海原を彷徨う救命船のような者だった。
酷く自虐的な嫌悪感と、藁にもすがりたい魂からの叫びをごちゃ混ぜにした感情を持ちながら、
ここが何処かもわからずに平原を虚ろっていた。
光を失った目は轟き渦巻く感情とは裏腹に、穏やかで透き通っていた。
【
テリー 所持品:なし
基本行動方針:
謎の剣士の敵(
ティナ)を取る】
【現在位置:中央西よりの山地の南にある平原】
最終更新:2011年07月18日 07:53