エーコの意識

(どうしてこうなっちゃうのよ……っ)
エーコは走る。後ろを振り向かず、必死の形相で、前だけを見つめて。
ついさっきまで、ピピンリディアと一緒にお喋りしていたはずなのに。
彼女の隣に二人はいない。誰も、いない。
変わりに、後ろの方からリディアの悲鳴と爆音が聞こえた。
眩し過ぎる光と、命の灯さえ消し飛ばしてしまいそうな熱風と共に。

「……ピピンのばかっ」
たった一言に様々な想いを乗せ、溢れる涙を拭い。
エーコは、それでも振り返らなかった。
振り返ってしまったら、ピピンを裏切ることになってしまうと思ったから。
だからエーコはリボンを握り締めて、走り続けた。
そして――
「!?」
唐突に、大地が揺れた。
木々がざわめき、風が走り、雪が、石が、岩が舞いあがる。
「た、助けて!」
エーコは必死に祈った。フェンリル、カーバンクル、フェニックス――
心を繋いだ召喚獣たちに。手のひらの中のリボンに。
けれどエーコの軽く小さな体は、呆気なく宙に浮いてしまう。
吹き上がる風……否、今や竜巻へと変化した、あまりにも強大すぎる魔力によって。
「やだ、やだ、助けて! 助けてよ、――!」
その想いが通じたのか。小さなリボンから、純白の光が放たれた。
零れ出た光は魔力と混ざり合いながら、一つの形を取る。
そう、エーコにとって、一番身近だった存在へ。
「……モ、グ?」
クポー、と耳慣れた声が響いた。そこで、エーコの意識はぷっつりと途絶えた。

【エーコ(気絶) 所持品:なし
 第一行動方針:バッツたちと合流
 第二行動方針:ジタンを捜す】
【現在位置:不明】
※リボンからモーグリのモグ(FF9ver)が召喚されました。
 ただし真の力を開放することは、今の段階では不可能です


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最終更新:2011年07月17日 17:43
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