食料がない

ざくざくとクーパーは自分の足元の雪を手にした棒でつついていく、まったく手応えが無い…。
「だめだ、バッツ兄ちゃん…ここもクレバスだよ」
「そうか…」
2人の足取りは遅々として進まない。
東に向かった二人を待ちうけていたもの…それは無数のクレバスとアイスバーン。
それを避けて進んでいる間に2人は道に迷いつつあった。

かなりの長い時間が経過しているにも関わらず、
直線距離にしてわずか数百メートルも進んでいないのがもどかしくてならない。
ちなみに彼らは知る由もなかったが、エドガーたちが結局南に向かわざるを得なかったのも、
実はそのためだったりする。

「戻ろう…これ以上はとてもじゃないけど進めないよ」
疲れ果て地面にへたり込んだクーパーが提案する。
これ以上進めば日が暮れる、日が暮れる前に何とか野営の出来る場所を見つけなければ…、
「あの時引き返していれば…」
申し訳無さ気に頭を下げるクーパーをバッツは慰める。
「気にすんなよ、仕方が無いさ」
そう言って引き返そうとしたバッツだったがその時、足元が不意に滑った。

慌ててクーパーへと手を伸ばすがわずかに遅い。
「う!うわぁぁぁぁぁ!」
ごろごろと氷壁を滑り落ちていくバッツ、転落しながらも必死で体勢を立て直そうとするが
なかなか上手く行かない、ならばブレイブブレイドを氷に突きたてて、滑り止めにしようとするが
刃は氷の上で火花を散らすのみで刺さってはくれない。
「だったら…ちくしょう、ファイア!」

バッツの声と同時に剣が赤く輝き、同時にしゅうしゅうと音を立てて氷が溶けて行く。
さらにバッツは両手で剣を握り、両足に力を込めて渾身の力で踏ん張っていく、
やがてがきんっという鈍い音と同時にようやくバッツの身体は停止する、炎が氷を溶かし、
刃が元の岩肌に突き刺さったのだ。

ようやく一息つけたバッツはそろそろと下を覗きこむ…地面は自分の遥か下だ。
さらにその時剣が滑り、またバッツの身体が谷底へ滑っていく。

結局、それからしばらくしてクーパーがロープを上から投げてくれるまでの間、バッツは身動き一つ出来なかった。
こうして命からがら救出されたバッツだったが、その時にはすでに日は沈みつつあった。
「よかった、バッツ兄ちゃん本当によかった」
救出の喜びを隠そうともせず、バッツにすがりつくクーパー、だがバッツは喜んでばかりもいられなかった。
「ああ…だけど困った事になってしまった」
「?」
「俺の荷物は全部谷底だ、したがって食料は全部パーだ」
荷物を分けていたのが裏目に出た、先頭を行くクーパーをなるだけ身軽にするために、
彼には地図等の最低限の装備のみを持たせて、残りの食料などは全部自分が抱えることにしたのだが
自分がそれを失ってしまったのでは話にならない。

さっきとは逆にうなだれるバッツをクーパーが励ます。
「とにかく戻ろう…今ならまだ安全な場所までは帰れると思うから」

【バッツ@魔法剣士(アビリティ:時魔法)
 所持品:ブレイブブレイド
 第一行動方針:安全圏まで引き返す
 第二行動方針:アリーナ(アニー)、とんぬら、パパス、エーコの仲間(名前しか知らない)を捜す
 基本行動方針:非好戦的だが自衛はする
 最終行動方針:ゲームを抜け、ゾーマを倒す】
【クーパー 所持品:天空の盾
 第一行動方針:安全圏まで引き返す
 第二行動方針:アリーナ(アニー)、とんぬら、パパス、エーコの仲間(名前しか知らない)を捜す
 最終行動方針:ゲームを抜け、ゾーマを倒す】
【現在位置:ロンタルギアの中央北西の山地】
(バッツは武器以外の荷物を全て、それから食料は2人共通で全て失っています)


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最終更新:2011年07月16日 21:24
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