では参ろう

「御主ら、どういう要件かな。こちらも食事中なので手短かにお願いしたい」
ライアンは手掴みで魚の切り身のようなものを口の中に放り込んだ。動じている気配はない。
今や目の前に姿を晒すことになったマリベル達は、その言葉に虚を突かれ、何も言い出せない。

沈黙を破りティーダがそっと囁いた。
「……もう思い切って、どうっスか?」
この戦士の落ち着き払った態度を見て、
どうもこうもなく、できるならばやってみればいいと思うマリベル。
「いいわよ、でもあんたが言ってよ」
「はい、はい。言い出しっぺっスからね」
呑気に思えるような会話ができるのも、相手がゆったりとした度量のある人間に見えるからだ。

ティーダはゆっくりとライアンの前に歩み寄る。
食事の手を止めライアンは真っ直ぐに前を見た。
「別に何もせんよ。お主達がどういう者かわかりかねるので、警戒はしているが」
そう言われて次の言葉に詰まるんじゃないかとマリベルはハラハラする。しかし
「オレたちの仲間になってほしいっス。」

ティーダが意外とあっさり言ってのけるのでマリベルは妙に感心した。
こういうときはストレートに言った方が伝わりやすいものだと自分で納得した。
マリベルは追撃を試みた。
「私たちはこのゲーム最大の難敵を倒そうと仲間を集めてるの。
 一人一人じゃとても勝ち目はないけれど、力をあわせればきっと勝てる。
 あなたのような強そうな戦士が加わってくれたらどんなに心強いかって……ねえ」

「オレに振ってもしょうがないッス!!」
ティーダが口に手を当てながらマリベルに抗議するような視線を送る。
「そうか、では参ろう」
ライアンは食べ残しの食料を整理し、すっと立ち上がった。「他に仲間はいるのか?」と二人に聞いた。
「え?」
きょとんとしてじっとライアンを見つめるティーダ。
「まさか、いいの?」
マリベルが手を合わせながら心の中で小躍りした。
ライアンが頷いたのでマリバルは快哉を叫んだ

展開が速すぎてティーダはまだ喜びを顔に出せない。
「やけにあっさりしてるッス……」

【ライアン 所持品:大地のハンマー
 第一行動方針:食事&休憩
 第二行動方針:はぐれた仲間を探す
 第三行動方針:ホイミンの安否を確かめる
 基本行動方針:来る者は拒まず、去るものは追わず。
 (正午の放送を聞き逃しています。放送回数が増えたことも知りません)】
【マリベル  所持品:エドガーのメモ
 第一行動方針:仲間を集める
 第二行動方針:打倒セフィロス
 最終行動方針:首輪を外してゲームを抜ける】
【ティーダ 所持品:いかづちの杖 参加者リスト
 第一行動方針:仲間を集める
 第二行動方針:打倒セフィロス
 最終行動方針:何らかの方法でサバイバルを中止、ゾーマを倒す】
【現在位置:祠の南西・山岳地帯と雪原の境目あたり】


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最終更新:2011年07月17日 19:16
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