「聞いたか」
「……なに、今、起きたとこ」
横になっていた
ザックスは上半身を起こしてこめかみを指で押さえた。
洞窟内の空気は眠りに付く前と同じく、埃っぽく冷たい。喉が水を欲しがって喘いでいる。
「なんだか頭がズキズキする……。こんな暗いところじゃ朝が来たって実感もないなぁ」
そう呟いたとき、
トーマスがひょっこり顔をもたげて空きっ腹に向かって顔をもぐり込ませようとしてきた。
「わ、なんだよ。俺の腹は食うとこないぞ、うっ」
ザックスはまた頭を押さえた。声を出すと頭の中で木霊するように響く。
ザックスの気のない返事に、トーマスは寂しそうに一声鳴いてそっと離れていった。
パパスも体を起こし肩を鳴らしている。
「体があちこち悲鳴を上げておるわ、やはり草地で寝るのとは違って堪える」
洞窟の中で寝てる間、パパスの背中は痛み続けていた。当然寒さも原因であっただろう、
体はこわばったまま緊張感がなかなか解れず、とても安らげる空間とはいえなかった。
「まあ、歳のせいでもあるか」
そこでようやくザックスが顔をあわせてきた。暗い中でも彼の目が充血しているのがわかった。
「君もよく眠れなかったようだな」
「ああ、ベッドが欲しかったよ」
ザックスは壁にもたれかかりながら欠伸をした。
「ところで、放送は深夜と今の二回とも聞かなかったのか?」
「ああ、眠ってて気付かなかったよ。大事なこと言ってたかい」
パパスは一度深呼吸してから再び声を出す。
「……君が夕べ言っていた、女の子の名前が」
「嘘だろ!?」
「嘘など言わん」
パパスがザックスを見据えている。事実を告げて目の前の若者がどんなに悲しむか、
それをわからずにいるパパスではない。ただ、いつまでも心に秘めておくべきことではないのだ。
先延ばししても事実は変わらない。
ザックスが頭を抱えたままでいるのを見てパパスは、彼から動こうとするのを待った
【ザックス 所持品:
バスターソード
第一行動方針:?
第二行動方針:エアリス・ティファの捜索
基本行動方針:非好戦的、女性に優しく。】
【パパス 所持品:
アイスブランド
第一行動方針:
旅の扉へ向かう
第二行動方針:
バッツと双子を捜す。
最終行動方針:ゲームを抜ける】
【トーマス 所持品:
薬草×10 鉄の爪 手紙 碁石(20個くらい)
第一行動方針:パパスについていこうと思っている
基本行動方針:生き残る
最終行動方針:トム爺さんの息子に一言伝える】
【現在位置:ロンダルキアの洞窟3F】
最終更新:2011年07月17日 16:22