エビルマージは
ゾーマのいる王の間に向かっていた。
本来ならば日の出と共にあるはずの次のフィールドへと誘う放送が、未だにないことが気になったからだ。
静まり返る回廊を抜け、王の間に辿り着く。
そして、そこにはゾーマはいなかった。
「遅かったな」
バラモスブロスがいる。魔王バラモスの兄弟。しばらく姿を見せていなかったが…
エビルマージはどこで、何をしていたのか聞こうとした。
その前に、バラモスブロスは手に持ったそれをエビルマージの前に投げ捨てる。
「…ヒッ!」
「次のステージに行く前に、貴様に知らせておけとのゾーマ様の恩情だ。
本来ならばこれは貴様の役目だが、私が肩代わりした」
アークマージの馴れの果てを目の当たりにしたエビルマージはほうほうの態で王の間から出て行った。
それを見送るバラモスブロス。エビルマージを始末しろとは、命令されていない。
それにしても、主は何を考えているのか。
翻意が明確なエビルマージを煽るためだけに、放送時間をずらすこと。
なにやら歯向かおうとする
参加者たちを放置すること。
どれも、ご自分の身を危うくするだけではないか。
と、そこでバラモスブロスは自分の発想の馬鹿馬鹿しさに冷笑した。
どんな策を弄しようが、それで我が主を揺らがせる事など出来るものか。
ゾーマは絶対にして絶望の王だ。自分はそれを信じればよい。
さて、と。バラモスブロスは主から与えられたもう一つの役目を果す事にした。
「これより
旅の扉の出現場所を伝える。
「ロンダルキアの洞窟」「湖の祠」「
ハーゴンの神殿」
以上」
【アークマージ 死亡】
最終更新:2011年07月18日 08:26