ミレーユはミットガルの端に立って、そこから遥か下の地面を見た。
セリスの姿は見えない。どこかの陰に隠れてしまっているのか。
見えなくて良かった。と、ミレーユは思ってしまった。
潰れたセリスを見てしまったら、きっと、もう、どうしようもなくなってしまったと思うから。
そんなことを考える自分を多少嫌悪しながら、ミレーユは振り向いた。
彼女の後ろには、呆然としたままの
エアリス達が立ちつくしている。
「ごめんなさいね。もう、終わったから」
ミレーユは彼女らに微笑んで見せた。そう言う風に余裕がある振りをするのは、慣れているから。
彼女らは…ミレーユは、エアリスは、
ティーダは、
モニカは、その場にどっかりと、円陣を組んで座り込んだ。
「……あの女の人は」
と、最初にティーダが口を開く。
「…あなた達のせいじゃない」
しかしミレーユは、あまり抑揚の無い声でぴしゃりとティーダの言葉を遮った。
「彼女はもう、決めていたから。
あなた達のせいなんかじゃない。だから…もう、言わないで。彼女のことは」
もうしばらくは、セリスの事に触れて欲しくない。そんな言外の抗議に、慌ててティーダは口をつぐむ。
「それで、まあ…お久しぶり…ね」
エアリスは喋りにくい雰囲気に飲まれそうになりながらも、ようやくミレーユに声をかけた。
「お久しぶり。今度は大丈夫そうね…少しはちゃんと人間に見えるかしら?」
(ふえ~ん…)
声をかけられたミレーユは、すっ、と表情をゆるめてこちらに返事を返してくれた。
きつい皮肉付きだと言うことは、忘れておきたいところだが。
「冗談よ。
やっぱり、一緒に行動して欲しい、ってことかしら?」
「端的に言えば、そう。
イエスの返事を引き出す材料も…幾つかあるけど」
「…別に良いわ。歩いてる内に追々聞くから」
「じゃあ…」
モニカがきらきらと瞳を輝かせた。ミレーユは笑って、きっぱりと言った。
「あなた達と行くことにするわ…よろしく、ね」
「「「よろしくっ!」」」と、エアリス達の返事が綺麗に重なった。
「当面の目標は?」
「ここには私の家があるから、まずそこに。
その後は、出来るだけ仲間を集めて…」
「集めて…それで?」
「脱出の方法を探すの。他にもそれをしている人はいるけど、どうなったかは分からないから」
エアリスはそう言って立ち上がった。服の埃を軽く払う。
「5番街へ行きましょう。あそこの駅からならスラムに下りられるわ」
【ティーダ 所持品:いかづちの杖
参加者リスト 吹雪の剣
第一行動方針:エアリスの家へ
第二行動方針:
アーロンを探す
最終行動方針:何らかの方法でサバイバルを中止、
ゾーマを倒す】
【モニカ 所持品:
エドガーのメモ(ボロ)
第一行動方針:エアリスの家へ
第二行動方針:アーロンを探す
最終行動方針:ゲームから抜ける】
【エアリス 所持品:
癒しの杖 エドガーのメモ マジャスティスのメモ
第一行動方針:エアリスの家へ
第二行動方針:アーロン、
クラウドを探す
最終行動方針:このゲームから抜ける】
【ミレーユ 所持品:
ドラゴンテイル 妖剣かまいたち 小型のミスリルシールド ロトの剣
第一行動方針:エアリス達と行く
最終行動方針:ゲームを覆して
テリーの仇を取る】
【現在位置:4番街端】
最終更新:2011年07月17日 15:13