序章

これは、かつてこの世界のどこかで起きていたかもしれない、混沌と絶望の物語。その破壊をもたらしたカインエルと呼ばれる神格はクリーチャーと呼ばれる混沌の生物をこの世に生み出した。そして数億年続いたその戦いは、世界に絶え間ない混沌を生み出し続けた。

カインエルの世界

カインエルは初め、平和的な生き物を世界に生み出し、世界を発達させていった。平和にやがて豊かにその文明は発達していった。まさかこの時はあのようなことが起こるなど誰も想像していなかっただろう。そう、カインエルでさえ。

カインエルの退屈

やがて文明は発達を終えて停滞し始めた。変わり映えのしない世界を見ていたカインエルは少し退屈になり、一計を案じた。カインエルは自らが持つ神の因子を世界に少し振りまいた。その結果一部の生物に変化が起こり始めた。これこそがクリーチャーの誕生である。この時はまだ少量だったので狂暴生物が生まれるようなことはなかった。

カインエルの失策

しかし、カインエルの想定外だったのはそのクリーチャー進化の根源が想像より早く特定されたこと。カインエル粒子の研究はあっという間に進み、やがてクリーチャーを生み出そうと様々な軍団が発生してきた。今のゾビッポン帝国やカイン軍団、指シリーズなどの先祖と言える存在である。やがて各軍団はクリーチャーを用いて戦争を始めた。カインエルは嘆いた。退屈しのぎの軽はずみな行動が世界を乱してしまったことを。そして、そのけじめは自らつけなくてはならないとして、カインエルは地上に舞い降りた。

カインエルの引責

カインエルは特に強靭なゾビッポンとコロリを選別し、因子を大量注入。これがかの有名なゾビーモスとコロリヴァイアサンとなる。さらにはまた自身を模して生み出していたカインとマインを覚醒させヘルカイン(当初カインたちにはヘブンカインと呼ばれた)とマイン人を生み出した。地上はゾビーモスに、海はコロリヴァイアサンに、天空はヘルカインに、地底はマイン人によって崩壊し始めた。カインエルはこの4体が互いに敵対するようにすることでその崩壊を早めた。各軍団はそれぞれカインエルに立ち向かったが、カインエルの生み出した歴史を揺るがす程の力を持ったクリーチャーには手も足も出ない。しかし、地上の者も決して弱くはなかった。

カインエルへの抵抗

各軍団は争いを辞めて手を組み始めた。その結果ミカエルコロリやタイラントZ、セオスドゥを始めとするこれまた歴史を揺るがすレベルのクリーチャーや神格を地上の者も生み出したり召喚できたりするようになっていく。ここまでの代物とはいかずとも共同研究によって大量の強力なクリーチャーが生まれ、神のクリーチャーと互角以上に戦うようになっていた。カインエルが4体の強大なクリーチャーを敵対関係にしたことが仇となったのだ。地上の者たちは遂にカインエル本体にクリーチャーをけしかける。

カインエルの覚醒

カインエルは強大な力を持つとはいえ、流石に地上のクリーチャーの数はあまりにも多く苦戦を強いられるかに思われた。カインエルにトドメをさせるかと思われたその時、カインエルは更なる力を開放。究極神カインエルに変化した。究極神カインエルの力はこれまでにカインエルが生み出した全てのクリーチャーを合わせた以上に強力なものであった。

カインエルの就寝

究極神カインエル出現後の歴史にはまだわからないことが多く、この神々の争いの決着もどうなったかは不明。究極神カインエルが全てのクリーチャーを撃破し、新たな世界を生み出したとする言い伝えも、セオスドゥの光で再創生された世界にタイラントZが楽園を築いたという言い伝えもある。そしてどちらにおいてもカインエルは一度この世界再構築の折に長い眠りについた。その際に因子が世界に降り注ぎ、残留思念が世界に残ったとされる。この因子が現在もクリーチャーを生み出し続け、残留思念がクリーチャーの存在する世界に違和感を抱かず、そして再びあのような悲劇が起こらぬように思考を修正しているのだ。
最終更新:2021年12月22日 11:55