バタモンはBTM-327のエネルギーを逆流させ、自らに注ぎ込むことで異形の怪物に変化した。未曾有の強敵にカービィたちは立ち向かう!

HISTORY END

「カービィ!これで君の歴史は終わりだ!邪魔者には消えてもらう!」異形のバタモンが叫ぶと、雲の足場に穴が開き、デデデ大王・メタナイト・バンダナワドルディは落下していった。「君とは1VS1で決着をつける…!」バタモンはそのツメをカービィに何度も突き立てる。カービィは避けることしかできない。コピー能力がないからだ。その時、雲に空いた隙間から槍が飛んできた。下を見ると最後の力でバンダナワドルディの槍をメタナイトに支えられたデデデが投げ飛ばしたのが見える。1VS1でないとこの戦いは始まらないと判断したのだろう。カービィの表情がキリっとした。「スピア!」槍を吸い込んだカービィがスピアの能力を発揮!「ヤリつき!天空つき!スピアスロー!」次々に槍技を決めるが、変わり果てたバタモンには一切通じない。「そんなんじゃ痛くも痒くもない!」バタモンが腕を振り払う!「スピアコプター!」カービィは素早く飛び立って攻撃を避けた。バタモンがカービィを見失った隙を狙ってカービィが槍を回転させながら急降下!「月おとし」が決まった。しかし、これでも大したダメージにはなっていないようだった。大きく振りかぶったバタモン。だが、カービィは見逃さなかった。バタモンも急激な変化にまだ対応しきれていない。下半身は明らかに無茶な体制になっていた。「大地づき!」槍を滑らせて足元を狙う。「クッ…」バタモンが崩れた。カービィはさらに「百れつスピア」で畳み掛ける。巨大になったことで精細さを欠いたバタモンのには防御しきれない。「きゅうしょつき!」渾身の一発が決まり、バタモンは吹っ飛んだ。

HISTORY BREAK

吹っ飛んだバタモンはそのまま地上に落下した。「なんで…なんでここまで強くなっても僕は…僕はカービィに勝てないんだ!!!」その叫びに応えるがごとくバタモンの体に口のようなものが大量に出現。プププランド中の生物を吸い込み始めた。「もはや強くなれるなら何でもいい!カービィ、君を倒せるならね!!」カービィへの恨みがバタモンに吸い込み、そしてコピー能力を与えたようだった。もっともそれはカービィの持っていたようなコピー能力とは違う。「たすけてー」「ポロー」吸い込んだ生物が意志を保ったままバタモンの表面に浮かび上がり、助けを求めている。バタモンの目が光るとその吸い込まれた生物の意志に反して能力が発動。コロリの力で雪玉が大量発射され、ゾビッポンが放つ赤い液体は雨のように降り注ぐ。「フハハハハハ!僕は…もう一人じゃない!!!」バタモンの高笑いが響く。さらにバタモンの表面に浮き出たポロフの目が光ると、その空間に穴が開いた。ポロフの隠れた入口を見つける力が極限まで強化されたのだ。異次元から流れ込む力とポップスターの住民を吸収して巨大化していくバタモン。カービィはひとまず離れて様子を見るしかなかった。

SOUL FAKE

そこにはもはや生物と呼べるものはなくなっていた。ありとあらゆるものを吸い込んだバタモンは巨大で歪な塊となって宙に浮かんでいた。先程まで備えていた個別の能力も混ざり合い消えてしまったのか、今となってはすべてが混ざり合った鈍い色のレーザーを乱射するのみになっている。しかし、その力は凄まじくカービィも簡単には近づけないような状態になっていた。しかし、カービィは何としてもあの塊の元へ、バタモンの元へ辿り着かなくては行けない。そう強く思い始めていた。ワープスターを呼び出したカービィは、今まででもトップクラスのスピードでワープスターを操縦した。何度もギリギリでレーザーを回避し、少しずつでもバタモンに近づく。そこにバタモンとは別のビームが一筋差し込んだ。戦艦ハルバードから放たれたものだ。「カービィ!そのビームを一直線に進んで!」バンダナワドルディが叫んだ。ビームでバタモンの攻撃が弾かれ、一本の道が出来ている。カービィは何も言わずにその道を突き進む。次の瞬間にはバタモンの攻撃により、戦艦ハルバードは機能を停止。墜落が始まっていた。

DEAD COPY

ハルバードのビームでバタモンの体に一瞬開いた穴にカービィは飛び込んだ。その体の中ではバタモンがどす黒いオーラに縛られて気を失っていた。「バタモン!バタモン!!」「カービィ…何で…」「良かった!意識はあるんだね!」「カービィ…まさか
僕を心配してるのか…?僕は君の歴史を消そうとしたんだぞ…」「そんなこと関係ないよ!バタモンもプププランドの仲間でしょ!」「…カービィ、本気でそんなこと言ってるのか?」「ねえ、バタモン。バタモンが僕と入れかわってプププランドの仲間と仲良くしてた時、バタモンはとても楽しそうにしてたよね。」「当たり前だろ!みんなが僕をカービィとして、ヒーローとして見てくれたんだから…!」「関係ないよ。」「え?」「プププランドのみんなは、悪いやつじゃなければ、もしかしたら悪いやつだったとしてもきっと仲良くしてくれるよ。」「でも…僕は…君の偽物で…」「だから!関係ないって言ってるでしょ!分からず屋!」「ボクは…カービィに勝ちたかっただけなのに…何故…こんなことになってしまったんだろう…」「バタモン。きっとやり直せるよ。」「それって…」「バタモンだけじゃ無理でも、僕も一緒にみんなに頼んであげるよ。バタモンを許してあげてって、バタモンと仲良くしてあげてって!プププランドのみんなは多分、いや絶対に許してくれるよ!」「………」バタモンの目に光が灯り始めた。「あぁ…カービィ、僕は勘違いしていたみたいだ…もっと早く、こうして話すことができれば、僕が意地を張らなければ…こんなことにはならなかったのだろうか…だとしたら僕は…僕は…」バタモンの涙があの魂擬きの球体から流れ落ちた。その涙が地面に付いたその時。そこから光が溢れだした。ポップスターを光が包んだ。

RESET MEMORY

光が止んで気が付いた時、そこにはきせきの星の一角に位置する平和な国の本来の姿が戻ってきていた。BTM-327の力がリセットされ、それが起動される前のような状態になったのだ。だが、そこには一つだけ違うことがあった。プププランドの広場では今日も仲良くみんなが遊んでいた。そこにはピンクの影が二つ。カービィとバタモンもプププランドの仲間と共に楽しく遊んでいたのだった。
最終更新:2022年01月09日 22:28