生徒会
旧妃芽薗学園における自治組織。
自治組織とは言っても、業務内容自体は、一般の学校における「
生徒会」と何ら変わりは無かった。あの事件が起こるまでは……。
血の踊り場事件
2010~2015年にかけて、旧妃芽薗学園敷地内で、突如として発生した、謎の連続殺人および殺人未遂事件。また、便乗した模倣犯の犯行などもこれに含まれる。
新校舎移転に伴う高二力フィールドの強化により、ほぼ完全に鎮静化した。
「血の踊り場」とは、最初の犠牲者である「蓮柄まどか」の死体発見場を指して、このように呼ばれるようになった。(蓮柄まどかの遺体は学園側が回収しており、現在はその行方は不明)
生徒会は、この事件以降、他の魔人学園と同様の役割を担うことになる。だが、生徒たちの期待に反して、生徒会は犯人どころか事件の手がかりすら見つけられず、生徒たちの不安と疑念は増大していく事となる。
最初の事件の裏
蓮柄まどかが、つぶらを踊り場に呼び出し暗殺を図っていた。
つぶらとまどかは、学園において、以前にも接触があり、つぶらは、まどかに対して、自分たちの出生やこの学園の秘密、さらには自身の能力についてまで、ぺらぺらとしゃべっていた。
まどかはつぶらの自分へのその信頼に付けこんで、つぶらにフィールドを弱めさせる。そして、自身の能力を発動させ、つぶらに呪いをかけた。
だが、結果的にまどかは死に、つぶらは生き残る。しかし、まどかの呪いの進行を食い止めるために、つぶらは、まどかを生前の姿のまま維持する必要があった。
つぶらは、その女性の肉体やその死を意のままに操る能力を、父親から受け継いでいる。ただし、つぶらの場合は、血の繋がりとその女性の胎内に入る必要があった。
つぶらは、まどかの胎内に入り、まどかの肉体を生前のまま維持しようと図る。
つぶらの高二力フィールドは中二力の分解と、中二力の残滓の浄化という二つのプロセスから成り立っている。そのうち残滓を浄化する働きは、まどかの肉体を維持することに対して、多くの力を割いてしまったために弱まっている。
それによって、以降、一部の魔人は、特定の状況下において魔人能力の発動が可能となった。また、つぶらの暗躍はこれ以降も続いたため、妃芽薗学園はさらなる混乱に陥っていった。
番長グループ
生徒たちが、自主的に結成した自警組織。
希望崎学園に習って、番長グループと名乗っている。希望崎学園や他の魔人学園と異なる点は、正式な手続き(生徒会の認可の元)に則って結成されたという点である(ただし、生徒会と対立後は、その認可も撤回されている)。
生徒会が手をこまねいている間にも、血の踊り場事件の犠牲者はどんどん増えていった。
生徒会の一書記に過ぎなかった女祁 哀生(めぎ-あいみ)は、そのような状況の中で、自らが属するはずの生徒会の動きの遅さを徹底的に批判し、生徒たちによる自警組織の結成を訴えた。
生徒たちの大半が彼女の声に賛同したため、生徒会も認可を出さざるを得なくなる。
結成された自警組織は、希望崎学園などの他の魔人学園に習って、番長グループと名乗る。
このような経緯があり、女祁哀生は、生徒会の中で完全に疎まれ孤立するが、番長グループには属さず生徒会に在籍し続けた。
女祁 哀生
女祁 哀生(めぎ-あいみ)
猟奇殺人の嗜好を持つ少女。血の踊り場事件において、蓮柄まどかの死体の第一発見者。
自らの衝動を抑えるために、この学園に入学した。入学前は、転校を繰り返しており、行く先々で通り魔的に人を殺していた。
転入先で、親切にも最初に自分に話しかけに来てくれたクラスメイトを、誤って殺してしまった出来事を機に、もう決して人を殺さないと誓う。
学園に張られたフィールドの影響もあってか、彼女の殺人衝動も、最初の内は落ち着いていた。しかし、血の踊り場事件において、蓮柄まどかの死体を目撃して以降、たびたび、忘れかけていたその衝動に襲われるようになる。
番長グループの結成を訴えたのも、自らの衝動を抑えきれなくなった時のために、少しでも対策を打って置きたかったから。
しかし、それよりも大きな理由がある。彼女は学園側が何かを隠している事実に気づいており、立場上は学園側の組織である生徒会を、全面的に信頼することができなかったからである。しかし、それでも生徒会に在籍し続けたのは、学園に近い立場から、学園の暗部を見極めるためでもあった。
後に、血の踊り場事件において模倣犯が現れた際には、独りでそれと対峙し「対話」を試みる。
しかし、自身の殺人衝動に打ち勝ち、自らに課した誓いを守ってしまったために、逆に殺され、姿や能力をコピーされてしまう。
「私は、もう……。誰も、殺さない」
耶南 蝕
『じゃあ、死んどけよ――』
耶南 蝕(やまなみ-むしば)。妃芽薗学園に忍び込んだ希望崎学園の元男性教師。
食した人間の身体の部位と能力、そして記憶や癖までをもコピーし、その人間に自身が変身することができる。その人間に完全に成り代わるためには、身体の全ての部位を食べる必要がある。
制約はともかく、割とありふれた能力。この能力の最も厄介な点は、死亡しても解除されない点である。
血の踊り場事件の模倣犯の一人。
女子生徒の姿で妃芽薗に潜入し、血の踊り場事件に便乗して快楽殺人を繰り返していた。
犯行を女祁哀生に目撃される。しかし、彼女の強い意志に付け込んで、彼女を殺し、その肉体を喰らうことで、彼女に成り代わる。
以降、彼女の姿で殺人を繰り返すようになる。
しかし、それによって調子付いたのか、彼の犯行はあまりにも大胆になって行った。そのため、蝕は番長グループのメンバーによって嵌められ、殺されてしまうことになる。
生徒会と番長グループ
耶南蝕が女祁哀生の姿のまま、死んだことで問題が起こる。誰もが、女祁哀生が真犯人もしくは模倣犯だと確信したのである。
番長グループは、女祁哀生がずっと生徒会に在籍し続けていたことを取り上げ、彼女と生徒会の係わりを怪しみ、今まで女祁哀生を野放しにしてきた生徒会を糾弾した。
一方、生徒会は、女祁哀生を擁護する。
番長グループの発足を巡って、女祁哀生は生徒会の中で疎まれるに至ったが、それでも女祁哀生は人格者であり、彼女と距離が近かった生徒会だからこそ、女祁哀生を心の底では認め、信頼し、理解していた。
それゆえに、むしろ生徒会は、番長グループが何の弁護の機会も無く、女祁哀生を、殺したことを問題にする。そして、番長グループに対する認可を撤回した。
番長グループからしてみれば、女祁哀生は現行犯である。彼らは自らの命を危険に晒してまで、事件の解決に尽力した(実際、番長グループからは何名も犠牲者が出た上に、そのとき殺しておかなければ、さらに番長グループ側の犠牲者は増えていた)。にも係わらず、生徒会からそのような対応をされたことに対して、彼らが納得など出来るはずもなかった。
このやり取りが契機となり、生徒会と番長グループの間には、決定的な亀裂がもたらされる。
はじめこそ、水面下で穏便な話し合いが行われてはいたが、1年後にはそれも決裂した。
番長グループは生徒会の認可無しで、夜間の学園の警備を行い始める。
また、その頃には、何らかの条件が整えば、自らの魔人能力が発動できるということが、学園全体で認知され始めていた。
条件さえ整えば、この妃芽薗でも魔人能力が使える――。その事実が、生徒たちに与えた影響は大きかった。
生徒たちの中には夜間に出歩く生徒の存在を恐れる声もあり、その声は大きくなっていった。
元々、夜間の外出自体が禁止だったこともあり、生徒会は、番長グループにもそれを守るよう命じる。
番長グループは、それを事実上の解散命令と認識し、それを拒否する。
それを受けて、生徒会は、夜間の出歩きを発見しだい、番長グループのものであろうと、その生徒を拘束し尋問するという通達を彼らに行う。
番長グループは、今までの経緯もあってか、その通達を黙殺し、夜間の学園の見回りを続行した。
当然、夜間において、生徒会と番長グループは衝突することとなる。
生徒会と番長グループは、はじめの内は些細な小競り合いだけで済んでいた。しかし、両陣営に死者が出てからは、魔人能力や固有技能を用いた完全な殺し合いへと、それは化していく。
さらに1年後には、それが夜間において日常化する。
最終更新:2013年06月29日 20:07