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漢方ことはじめ【基礎知識編】「漢方」でプチ不調を解消!

Q. ひとことでいうと、「漢方」って何?

A.  中国から伝わって日本で発達した医学のひとつ。
漢方とは、約3000年前の中国で体系化された伝統医学が日本に伝えられて、日本の風土や日本人の体質に合わせて独自に発展した日本の医学。「漢方」とは日本での呼び方で、中国にはない言葉。漢方薬による治療だけでなく、鍼灸や按摩、食養生も広い意味で漢方に含まれる。

Q. 漢方と西洋医学の違いは?
A.  漢方はプチ不調や不定愁訴も、治療の対象になる。
病名を特定して治療をするのが西洋医学。検査をして病名がはっきりわかるものが治療の対象。
漢方には、「未病を治す=病気が発症する前にくい止めよう」という考え方がある。
未病とは、病気ではないけれど体のバランスが乱れ、体調が優れない状態。
西洋の薬で治らない症状の改善こそ、漢方が得意とするところといえる。

Q. 「生薬」(しょうやく)って何のこと?
A. 薬効成分のある天然物を、簡単に加工(=乾燥)したもの。
生薬は200種類以上あり、ほとんどが植物性。
植物の根、茎、樹皮、果実、種などを用いる。
動物由来のものや石や化石など鉱物性のものもある。
生薬の薬効は、3000年に渡って実際に人間が飲んで経験し、安全性が確かめられている。
漢方薬は2種類以上の生薬を組み合わせて作られており、それぞれの生薬がお互いに作用し合って効果をもたらす。

■漢方薬の名称
●メインの生薬を名前にする
⇒葛根湯(かっこんとう)、半夏(はんげ)、厚朴湯(こうぼくとう) など
● すべての生薬の頭文字をとった名前
⇒麻杏甘(まきょうかん)、石湯(せきとう)、苓甘姜味辛(りょうかんきょうみしん)、夏仁湯(げにんとう) など
●使われている生薬の数からつけたもの
⇒ 五苓散(ごれいさん)、八味丸(はちみがん)、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう) など
●どこに効くかを表したもの
⇒大建中湯(だいけんちゅうとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう) など
「中」はお腹という意味で「お腹の調子を立て直す薬」、「お腹の調子を補う薬」という意味。

Q. 漢方の治療はどういう人に向いている?
A. 女性のプチ不調に効果が。
病院で処方された薬や市販薬で効かなかった人は試す価値あり。
体にも心にも肌にも、プチ不調にも効果がある。
体質を改善して、慢性的な症状をじわじわと改善していくのに効果的な漢方は、病気じゃないけれど、元気とはいえないプチ不調モードにとても心強い存在。
健康維持のために飲むこともできる。
うまく使いこなせば、女性にとっては心強いツールとなる。
体のプチ不調・・・生理痛をはじめとする婦人科系の不調/肥満/肩こり/便秘
肌のプチ不調・・・にきび/乾燥/くすみ
心のプチ不調・・・不眠/過食症/ストレス

Q. よく聞く「気」「血」「水」ってどういう意味?
A. 体内のバランスを診る指標のこと。
「気」は生命活動を営むエネルギー。
「血」は血液、「水」はリンパ液などの体内の水分を意味し、この3つが過不足なく、全身を流れている状態を健康と考える。

Q. 漢方薬を処方してもらうには?
A. 病院や漢方薬局では「四診」を用いる。

「四診」とは「望診」「聞診」「問診」「切診」を合わせた漢方の診療方法の総称のこと。
ただし、「切診」は法律で、医師だけに許可されている診断法だ。
「胃が痛い」「頭が痛い」など、局所的な不調も、体全体を診て改善していくのが漢方の特色なので、診断の結果、同じ病気でも違う処方がされたり、違う病気でも同じ処方になることも。

Q. 費用は1カ月にどれくらいかかるもの?
A.  保険がきくもので5,000円くらいから、自由診療で症状に合わせて調合した場合で20,000円くらいから。
上記はあくまで目安と考えて。
症状によって生薬の配合のバランスも微妙に変わるので、本当に自分にあった漢方を調合してもらうのが理想だが、保険がきく漢方薬も種類抱負。
多くの症状がカバーできる体制が整っている。

Q. 漢方薬の飲み方を教えて。
A. 基本的には1日2回、食間に服用。
1回、または3回の場合もある。
「煎じ薬」は、刻んだ生薬を混ぜたものを40分煮出す手間はかかるものの、最も薬効が高いとされている。
煎じ薬を濃縮、乾燥させて顆粒状にしたものが「エキス製剤」です。
生薬の粉をハチミツと練り合わせて小さな丸い玉にした粒薬(丸薬)もあります。

Q. どれくらい飲み続けると効果がある?
A. 症状によって即効のものもあれば、数カ月かかるものも。
体質を変えるには、時間がかかる、症状に対しては2週間くらいの服用で治まることもあります。
即効性があるものもあり、風邪や下痢などを抑えるために、1~2回飲むという使い方もあります

Q. 副作用はないの?
A. 不快な症状が出ることもある。
副作用は、西洋の薬に比べたら少ないと言えるが起らないとは言い切れない。
体質に合っていない漢方薬を服用すると、かえって具合が悪くなる場合も。
たとえば風邪には葛根湯が効くと思われているが、葛根湯が合わない体質の人もいる。
だからこそ、専門知識を持った医師や薬剤師の診断が重要となる。

Q. 漢方薬は西洋の薬と一緒に飲んで大丈夫?
A. 自己判断はせずに、医師や薬剤師に相談を。
漢方薬と西洋の薬を併用することで、治療効果が高まる場合もある一方で、組み合わせによっては副作用を起こすことも。
自己判断はせずに、飲み方含めて、医師や薬剤師に相談して。

Q. 漢方薬とサプリメントは違う?
A. 漢方薬は「薬」で、サプリメントは「食品」。
漢方薬をサプリメントと同類に捉えるのは間違い。
漢方薬は医薬品として国から認可を受けているが、サプリメントは医薬品ではない。
ミネラルやビタミンなど、特定の栄養素や食品成分を摂取できる健康食品なのだ。
「むくみ」や「生理痛」など、サプリメントでは効かない分野も、漢方が得意とするところ。

Q. 漢方薬ではなく、生薬を身近に取り入れる方法はあるの?
A. 健康ドリンク、お茶、薬膳料理などいろいろあります。
お茶、お酒、健康ドリンクと、生薬を配合した飲み物は種類豊富に出回っていて、気軽に飲めて、効果も得られる。生薬を材料にした薬膳料理は、「火鍋」などが有名。
最終更新:2009年12月18日 15:03
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