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超われわれ史★2010年 - (2010/09/26 (日) 13:31:58) の編集履歴(バックアップ)



民主代表戦 菅vs小沢

小沢排除の姿勢を明らかにしていた菅政権が参院選で敗北したため、小沢は、9月に予定している代表戦への出馬を表明した。
世論は、円高で厳しくなっている経済情勢の中で党内闘争に明け暮れる民主党に対して批判的で、この世論をおもんばかって、鳩山前首相が仲介して、両者の会談にこぎ着けたが、「挙党態勢」確立について菅は小沢に言質を与えず、話し合いは決裂。代表戦は菅と小沢の一騎打ちとなることになった。
14日間の選挙戦は、両候補が街頭や公開討論会に出て舌戦を繰り広げ、両派はそれぞれ票の獲得のために激しく競り合った。この模様はメディアに華々しく取り上げられ、菅か小沢か、という選択は、国民的な広がりを示した。

9月14日、臨時党大会で民主党代表選の投開票が行われ、菅直人首相(63)が、小沢一郎前幹事長(68)を大差で破り、再選を果たした。衆院300小選挙区ごとの「総取り制」となっている党員・サポーター票では、首相249ポイント対小沢51ポイントで大差がつき、国会議員票では206人対200人で互角という結果であった。

菅改造内閣発足

菅首相は、代表選後の党人事では岡田外相を幹事長に指名し、閣僚人事では反小沢の急先鋒・仙谷官房長官を留任させ、前原外務、野田財務、馬渕国交ほか、代表選で支持を受けた議員グループから大半を登用して、小沢グループの議員を排除し、脱・小沢路線を貫徹し、17日、菅改造内閣を発足させた。

菅改造内閣の顔ぶれ
 内閣総理大臣・菅 直人、総務大臣 内閣府特命担当大臣(地域主権推進)地域活性化担当・片山 善博
 法務大臣 拉致問題担当・柳田 稔、外務大臣・前原 誠司、財務大臣・野田 佳彦、文部科学大臣・髙木 義明、
 厚生労働大臣・細川 律夫、農林水産大臣・鹿野 道彦、経済産業大臣・大畠 章宏、
 国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)海洋政策担当・馬淵 澄夫、
 環境大臣 内閣府特命担当大臣(防災)・松本 龍、防衛大臣・北澤 俊美、
 内閣官房長官・仙谷 由人、
 国家公安委員会委員長 内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全少子化対策男女共同参画)・岡崎 トミ子、
 郵政改革担当 内閣府特命担当大臣(金融)・自見 庄三郎
 内閣府特命担当大臣(経済財政政策 科学技術政策 宇宙開発担当)・海江田 万里、
 国家戦略担当 内閣府特命担当大臣(「新しい公共」)・玄葉 光一郎
 内閣府特命担当大臣(行政刷新)公務員制度改革担当・蓮 舫

首相は、代表選で、マニフェストの実行を主張する小沢に対してその修正を掲げる一方で、追加経済対策の規模拡大、法人税率の引き下げ方針を表明し、財政出動を含めた経済建て直し路線に軸足を移した。そのため、菅内閣の最初に突破しなければならないハードルは、経済対策を盛り込んだ補正予算を臨時国会で成立させることであった。首相は、「ねじれ国会」の下で野党の協力を得るため、補正予算案を閣議決定する前に野党との協議を呼びかける考えを示した。


尖閣沖中国漁船衝突事件

そうして構えていた菅政権に突如降りかかった大問題は、尖閣諸島沖での中国漁船と海上保安庁巡視艇との衝突事件の処理であった。
事件は10月7日に起きた。海保は中国人船長を公務執行妨害の疑いで逮捕したが、中国政府がそれに強硬に抗議、中国人観光客の日本渡航キャンセルやレアアースの禁輸、軍事管理区域侵入を理由とする邦人4人の拘束などが続いた。
日本政府要人は「国内法にのっとって粛々とやる」と言っていたにも関わらず、取調をしていた那覇地検は、24日、「今後の日中関係を考慮する」として、船長を処分保留のまま釈放した。政権は検察への介入を否定したが、日本が中国の圧力に屈したとして、政権への激しい批判が巻き起こった。

急激な円高

8月に入って、米国の景気の減速が明らかになると、円が急上昇、ついに15年ぶりに80円台に突入した。同時に株も下がり、9千円割れとなった。

日銀は、追加金融緩和を決定し、政府は経済対策を発表したが、円高は止まる気配が見えなかった。米国が景気回復に軸足を移したため、ドル安を容認する姿勢がはっきりしているためであった。

東京外国為替市場の対ドル円相場は一時1ドル=82円台まで上昇し15年4カ月ぶりの円高水準をつけ。

政府・日本銀行はついに9月15日、2004年3月以来約6年半ぶりとなる為替介入に踏み切った。介入規模は2兆円程度と見られ、1日の円売り介入額としては過去最大となったが、単独の介入であったため効果は長続きせず、再び24日にも介入したと見られる。
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