AND ENDLESS 15th Anniversary Special Program vol.1
花君太夫:中村真知子
岡田以蔵:久保田悠来
吉田松陰:塚本千代
坂本遊梅:芳賀恵子
【アンサンブル】
宮城剛、上ノ原正義、北田知敬、高野正志
【あらすじ】
「堕天」
元治元年六月。
政局の中心地であった京では、尊皇攘夷や勤皇などの思想を持つ諸般の浪士が潜伏していた。
京都守護職配下の"人斬り集団"新撰組は、尊王派の会合が行われる場所を突き止め襲撃する。
後に維新を一年遅らせたといわしめた池田屋事件である。
その池田屋事件を契機にその名を轟かせ、新撰組は動乱の時代に全盛を極めつつあった。
鬼の副長と呼ばれ畏れられた土方歳三の志。
それは武士としてあること。
局長・近藤勇と共に新撰組をもり立てていくこと。
そして、けして負けないこと。
世間を賑わせた壬生浪士組の動向の一部始終を見届けつつ妖しく嗤う、ある人物。
時代の風は如何に流れいくのか。
激動の幕末を生き抜く風雲児達の生涯を描いた儚くも美しい物語。
「神殿」
慶応三年十月。
徳川最後の将軍・慶喜が征夷大将軍を辞し大政奉還する。
更に王政復古の大号令が発せられるに至り、幕府は事実上崩壊を迎える。
鳥羽・伏見に端を発した戊辰戦争が始まり、新政府軍の怒涛の勢いの前に旧幕府軍は衰退の一路を辿っていく。
土方歳三は負傷した局長近藤勇の代わりに新選組を率いて戦い抜くも、銃撃戦の前に敗北する。
刀で戦ができない時代であると悟り、洋式の軍備を進め始めるが―。
あくまで土方との未来を生きたいと願う盟友・榎本武揚。
ただ見つめる事をしてきた中、神殿の扉に手を掛けつつも土方に最期の言葉をかける勝海舟。
全ての答は、五稜郭にあり。
新しい国を創る維新志士達との激しい宿命を描いた、一つの時代の確実なる終末譚。
「遅咲きの蒼」
袖口に山形の模様を白く染め抜いた浅葱色の羽織。
背に負いしは“誠”の一文字。
幕末の混沌期を颯爽と駆け抜けた新撰組の戦闘服は時代を生きる若き青年剣士達にとっての憧れであり、同時にそれは夢の象徴であった。
かつて新撰組の隊士であった中島登は愛する妻と共に大好きな画を描いたりしながら穏やかでつつましい生活を送っていた。
陽光ほころぶ春のある日。
一人の帽子姿の紳士が彼の元を訪ねてやってきた。
名を、大野右仲。
あの日と同じように、遅咲きの桜は静かに舞い散っていく。
函館五稜郭に陣を構えた新撰組。
土方歳三と共に新撰組の最期を飾った、若く名もなき隊士達のスピンオフ番外編。
最終更新:2012年02月12日 02:14